JPH0555727B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は電子部品等の精密組立作業において、
複合荷重下に使用する有限直動転がり案内ユニツ
トに関する。

従来の技術及び本発明が解決しようとする問題点 従来の有限直動転がり案内ユニツトは、その次
点として、比較的高速の往復運動で運転される場
合、軌道部材側面と摺動部材内側面間で保持器付
ボール組立体のずれを生じ、かかる保持器のずれ
現象は、ボールを保持する保持器の慣性力によつ
て一方向へ徐々に位置ずれするもので、最後には
保持器用のストツパーに衝突して、その部分で異
常摩耗が発生したり、ボールのずれによる滑り摩
擦が発生して、ユニツトの焼付きや短寿命の原因
となつた。

かかるずれを防止するために従来はボールの表
面あらさを粗くしたり、ラツクを軌道部材に形成
し、ピニオンを保持器に取付ける方法などが採用
されていたが、ずれの防止に対して不充分であつ
たり、また種々付属部材によるコストアツプを招
来したりして、適当な解決方法が開発されなかつ
た。

問題点を解決するための手段 本発明は従来の有限直動転がり案内ユニツトの
上記欠点を解消し、最も単純な機構で安価に製作
可能で、しかも正確に保持器の摺動運転時のずれ
を防止することのできる有限直動転がり案内ユニ
ツトを提供することを目的とし次の構成を有する
発明を考案するに到つた。

即ち、 １ 水平頂部面２を有し、断面ほぼ方形の角柱状
であつてその両側面にボールの軌道溝３′を形
成した軌道部材１、断面ほぼ逆Ｕ字形を有し、
平板状上部４′とその両側に垂下する相似形状
の一対の軌道垂下部５から構成され、上記軌道
部材１上に軸方向摺動自在に跨乗する摺動部材
４、該一対の軌道垂下部５の両内側面に上記軌
道部材軌道溝３′に対応する軌道溝５′を形成し
そして該軌道溝５′と該軌道部材１の軌道溝
３′間にそれぞれに間置される保持器付ボール
組立体６、および上記軌道部材１、摺動部材４
及び保持器付ボール組立体を相互に枢着連結
し、軌道部材と摺動部材の相対摺動運動に際し
て、該保持器付ボール組立体の上記ボール軌道
溝３′，５′における摺動方向運動を限定する、
２個以上のアームから構成されるリンク機構を
包含することを特徴とする有限直動転がり案内
ユニツト、 ２ 水平頂部面２を有し、断面ほぼ方形の角柱状
であつてその両側面にボールの軌道溝３′を形
成した軌道部材１、断面ほぼ逆Ｕ字形を有し、
平板状上部４′とその両側に垂下する相似形状
の一対の軌道垂下部５から構成され、上記軌道
部材１上に軸方向摺動自在に跨乗する摺動部材
４、該一対の軌道垂下部５の両内側面に上記軌
道部材軌道溝３′に対応する軌道溝５′を形成し
そして該軌道溝５′と該軌道部材１の軌道溝
３′間にそれぞれに間置される保持器付ボール
組立体６、および該軌道部材１の水平頂部面
上、かつその中心長手軸上に固着したピン９
を、略水平リンクアーム７の一端に長孔８を設
けて滑動的に遊嵌し、略水平リンクアーム７の
他端を摺動部材４の軌道垂下部５それぞれの上
部に固着したピン１０に枢着させ、該略水平リ
ンクアーム７の両端のほぼ中間部に設けた長孔
１２を有する一対の水平リンクアーム７からな
り、上記長孔１２内に、上記ボール組立体６の
保持器上縁に突出するピン１３を滑動的に遊嵌
保持し、該水平リンクアーム７の各々は上記摺
動部側ピン１０を回転中心として回動すること
を特徴とする有限直動転がり案内ユニツトおよ
び ３ 上記有限直動転がり案内ユニツトにおいて、
該水平リンクアーム７の各々の一端部を、該軌
道部材１の水平頂部面２上、かつその中心長手
軸上に固着したピン９に枢着し、他端に長孔を
設けてこれに摺動部材４の軌道垂下部それぞれ
の上部に固着したピン１０を滑動的に遊嵌し、
該水平リンクアーム７の各々は上記軌道部側ピ
ン９を回転中心として回動するユニツト が上記目的を達成するに最適であることが判つ
た。

作 用 上記のように構成することにより、摺動部材を
軌道部材上で高速往復摺動運動させても、両部材
側壁間に転がり軸受として介在する保持器付ボー
ル組立体の軌道上変位を、保持器と組合わされた
リンク機構の作用により常時安定に制御する。

実施例 第１図は本発明の直動転がり案内ユニツトの基
本的構造を示す部分断面投影図で一部破断してボ
ール保持器６を示すが、ここには保持器ずれ防止
リンク機構は摺動部材４の下面に隠れ示されな
い。

本発明の有限直動転がり案内ユニツトは第２図
および第３図に示すように、断面ほぼ方形の角柱
状軌道部材１および平面頂部を有する平板状上部
４′とその縦軸に関し両側に垂下する一対の軌道
垂下部５から構成されると共に全体が断面ほぼ逆
Ｕ字形を有し、その下面凹部によつて軌道部材１
上に摺動自在に跨乗する摺動部材４からなり、該
軌道部材１の両側壁面３の各々には転がり軸受を
構成する負荷ボール１４と接触する軌道溝３′、
これに対応する摺動部材４の軌道垂下部５の各々
の内側壁面に設けた摺動部材側軌道溝５′を設け、
該両軌道間に間置され走行自在に保持器６により
保持された多数のボール１４から構成される。

第２図は本発明の保持器ずれ防止リンク機構を
説明するため、第１図の摺動部材４の平板上部
４′を除去し、軌道部材水平頂部面２および軌道
垂下部上面を示す透視図であり、本発明の保持器
支持リンク機構が明示されている。本発明のリン
ク機構は案内ユニツト運転中保持器と、その係合
各部材間の望ましくない位置ずれを防止するため
次の特別な構成を有する。

第２図および第３図に示すように、該リンク機
構は対称構造を有する一対のアーム７からなり、
各アーム７の一端には円孔が形成され、これに摺
動部材４の両側軌道垂下部５の各々に固着したピ
ン１０が嵌合しアームの回転中心位置決めをおこ
なうと共に、アーム７の他端にはほぼだ円の軸方
向長孔８が形成され、これに軌道部材１の中心軸
線上に固着したピン９が該長孔８の長径方向変位
可能に遊嵌し、各アーム７上かつ上記両ピン１
０，９間の距離の二等分位置に更に上記長孔８と
同形の長孔１２を設け、この長孔１２の各々に保
持器上縁に固着または一体的に形成した案内ピン
１３を縦軸方向変位可能に遊嵌させる。

上記軌道垂下部５上部に設けるピン１０のそれ
ぞれは、両垂下部５の対称位置にかつ各アーム７
の外端部が常に軌道垂下部５上面域内で回転する
位置に設ける。

尚第３図に示すように、本ユニツトの非作動時
の軌道部材１と摺動部材４の位置において、各ピ
ン１０および９は一線上に配されることが好まし
い。

尚両アーム７は相似形状を有するので図面にお
いて各同一部の参照番号は同一番号で示す。

第２図および第４図から明らかなように各アー
ム７は軌道部材１の頂部平面２に平行に延長し、
図示の例では軌道部材１上のピン９において両ア
ームの遊嵌端部が互いに上下に重なる形態で保持
され、各アームが軌道部材１の頂部平面２と平行
に位置するように該アームの他端は摺動部材４の
両側垂下部５上乃至は頂板４′下面に設けたピン
に枢着される。

第３図は第２図の投影図の頂面図を示すもので
あるが、ここに摺動部材４に対する、軌道部材１
の摺動移動前（実線）および摺動移動後（２点鎖
線）におけるリンク機構と保持器の移置関係が明
示されている。

第３図から明らかなように、摺動部材４に対
し、軌道部材１、または軌道部材１に対し摺動部
材４はリンク機構によりその相対的往復摺動運動
を制限され、即ち一対のリンクアーム７がそれぞ
れの回転中心ピン１０で回転し、該アーム７の内
端長孔８の外縁部が軌道部材のピン９に接触する
範囲内で摺動方向に相対往復運動が許容されると
共に、両リンクアーム７各々の両端のほぼ中間の
長孔１２に遊嵌保持される保持器６の上縁に設け
た案内ピン１３も、該中間長孔１２内の移動許容
範囲内で変移し、しかも本発明の好ましい実施例
においては、第３図に示す本ユニツトの非摺動位
置（実線）における、同一リンクアームを作動す
る摺動部材側の上記回転ピン１０中心と保持器の
案内ピン１３中心間の距離ｌは、軌道部材上中心
に設けたピン９中心と上記案内ピン１３中心間の
距離ｌと等しく、従つて軌道部材両側の両案内ピ
ン１３中心間の距離は２ｌに等しく構成しこの距
離に応じて各リンクアームに端部長孔８および中
間部長孔１２を設け、従つて軌道上いずれか一方
向への保持器の過度の移動が完全に防止できる。

第２図乃至第４図に示した実施例では摺動用ピ
ン１０を各リンクアーム７の回転中心として構成
されるが、軌道用ピン９を回転中心とし、摺動用
ピン１０を長孔に遊嵌した構造にしても同様な作
用効果を達成できる。

また上記具体例においては、一対のリンクアー
ム計２要素からリンク機構を構成したが、同一原
理に基きそれ以上複数の要素から構成して同様な
作用及び効果を得られること明らかである。

発明の効果 本発明は以下の効果を有する。

極めて簡単な構造のリンク機構を使用するた
め、ユニツトを安価に製造できる。

軌道部材に摺動部材が跨乗した形式で、軌道
部材の両側面に軌道溝を有していて、上下左右
方向の負荷能力があるため、ボール保持器を安
定に支持でき、過度のずれ移動を確実に防止で
きる。

保持器付ボール組立体が軌道部材の左右側面
に分離して形成されており、全体の高さを小さ
くしてコンパクトに形成できる。

相対的往復摺動運動を制限するための長孔は
保持器でなくリンクアームに形成されているた
め、摺動は安定かつ滑らかであり、組立が容易
にして保守点検作業が極めて簡単である。然も
作動時におけるノイズが極めて低い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の直動転がり案内ユニツトの基
本的構造を示す部分断面投影図で一部破断してボ
ール保持器６を示し、第２図は本発明の具体例の
一つを示し保持器ずれ防止リンク機構を明示する
ため、摺動部材４の平板状上部を除去して示す透
視図、第３図は第２図の投影図の頂面図であり、
そして第４図は第３図の軸方向に直角な面で切つ
た横断面図である。 １……軌道部材、４……摺動部材、５……摺動
部材の軌道垂下部、６……保持器付きボール組立
体、７……略水平リンクアーム、９……軌道部材
側ピン、１０……摺動部材側ピン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 水平頂部面２を有し、断面ほぼ方形の角柱状
   であつてその両側面にボールの軌道溝３′を形成
   した軌道部材１、断面ほぼ逆Ｕ字形を有し、平板
   状上部４′とその両側に垂下する相似形状の一対
   の軌道垂下部５から構成され、上記軌道部材１上
   に軸方向摺動自在に跨乗する摺動部材４、該一対
   の軌道垂下部５の両内側面に上記軌道部材軌道溝
   ３′に対応する軌道溝５′を形成しそして該軌道溝
   ５′と該軌道部材１の軌道溝３′間にそれぞれに間
   置される保持器付ボール組立体６、および上記軌
   道部材１、摺動部材４及び保持器付ボール組立体
   を相互に枢着連結し、軌道部材と摺動部材の相対
   摺動運動に際して、該保持器付ボール組立体の上
   記ボール軌道溝３′，５′における摺動方向運動を
   限定するために各々一端に軌道部材側ピン９又は
   摺動部材側ピン１０を収容しかつ中間部に保持器
   案内ピン１３を収容するための長孔を有する２個
   以上のアームから構成されるリンク機構を包含す
   ることを特徴とする有限直動転がり案内ユニツ
   ト。 ２ 水平頂部面２を有し、断面ほぼ方形の角柱状
   であつてその両側面にボールの軌道溝３′を形成
   した軌道部材１、断面ほぼ逆Ｕ字形を有し、平板
   状上部４′とその両側に垂下する相似形状の一対
   の軌道垂下部５から構成され、上記軌道部材１上
   に軸方向摺動自在に跨乗する摺動部材４、該一対
   の軌道垂下部５の両内側面に上記軌道部材軌道溝
   ３′に対応する軌道溝５′を形成しそして該軌道溝
   ５′と該軌道部材１の軌道溝３′間にそれぞれに間
   置される保持器付ボール組立体６、および該軌道
   部材１の水平頂部面上、かつその中心長手軸上に
   固着した軌道部材側ピン９を、略水平リンクアー
   ム７の一端に長孔８を設けて滑動的に遊嵌し、該
   略水平リンクアーム７の他端を摺動部材４の軌道
   垂下部５それぞれの上部に固着した摺動部材側ピ
   ン１０に枢着させ、該略水平リンクアームの両端
   のほぼ中間部に設けた長孔１２を有する一対の略
   水平リンクアーム７からなり、上記長孔１２内
   に、上記ボール組立体６の保持器上縁に突出する
   保持器案内ピン１３を滑動的に遊嵌保持し、該略
   水平リンクアーム７の各々は上記摺動部材側ピン
   １０を回転中心として回動することを特徴とする
   有限直動転がり案内ユニツト。 ３ 請求項２の有限直動転がり案内ユニツトにお
   いて、該略水平リンクアーム７の各々の一端部
   を、該軌道部材１の水平頂部面２上、かつその中
   心長手軸上に固着した軌道部材側ピン９に枢着
   し、他端に長孔を設けてこれに摺動部材４の軌道
   垂下部それぞれの上部に固着した摺動部材側ピン
   １０を滑動的に遊嵌し、該略水平リンクアーム７
   の各々は上記軌道部材側ピン９を回転中心として
   回動するユニツト。