JPH0555502A - 量子結合メモリ - Google Patents

量子結合メモリ

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JPH0555502A
JPH0555502A JP3218262A JP21826291A JPH0555502A JP H0555502 A JPH0555502 A JP H0555502A JP 3218262 A JP3218262 A JP 3218262A JP 21826291 A JP21826291 A JP 21826291A JP H0555502 A JPH0555502 A JP H0555502A
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quantum
well
semiconductor material
carrier
wells
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JP3218262A
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Inventor
Kozo Katayama
弘造 片山
Shiro Kanbara
史朗 蒲原
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】情報の読み出し及び書込みが可能な量子結合R
AMを提供する。 【構成】量子結合RAMは、第一と第二の量子ドット1
0,12及びその励起電子準位と共鳴する基底電子準位
と伝導帯と価電子帯間の禁制体内にトラップ準位をもつ
第三の量子ドット13と、更に、量子ドット中のキャリ
アの励起を行うための光源60から構成される。光源6
0は量子ドット13にキャリアを注入する手段と、量子
ドット13の基底状態から選択的にキャリアを除去する
ための共鳴トンネルダイオードから構成される。 【効果】任意アドレスデータの書込み及び読み出しが可
能であり、現在の半導体デバイスの動作限界を越える一
テラビット級超微細大容量量子結合メモリを実現するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、量子効果と光を用いた
任意読み出し書き込み可能メモリに関する。
【0002】
【従来の技術】MOS装置が、十分の一ミクロンのチャ
ンネル長さの域に達する頃には、或いは、もっと大きな
寸法の時でさえ、従来のVLSI集積技術はそれ以上の
微細化を妨げられることが予想される。集積回路の多く
の前進は、微細化の絶え間ない進歩に基づいていたた
め、近い将来のこの障害は大きな問題となる。さらに、
従来の集積回路技術のもう一つの内在的制約は速度であ
る。MOS装置はチャンネル長さ走行時間により速度が
決まるゆえ、速度が内在的制約となる。またバイポーラ
装置もベース幅走行距離に起因する内在的速度制約をも
っており、また電力消費も多い。
【0003】このような課題を解決するため、量子効果
を利用した素子の提案が盛んに行なわれている。量子効
果を利用した素子は、いろいろな種類のものがあるが最
も一般的なものは、量子結合装置であると考えられる。
量子結合装置の目的とするところは、寸法が十分の一ミ
クロンよりも小さな活性領域を有する集積回路技術を提
供することである。量子結合装置のもう一つの目的は、
どのようなMOS装置及びバイポーラ装置よりも高い潜
在的最高速度を提供することにある。
【0004】量子結合装置とは、各々が、最小寸法が5
00Å以下または他の寸法が1000Å以下の半導体材料の
島を含む複数の第一と第二のポテンシャルウェルと、第
一と第二のウェルの間に挿入された障害媒体と、第一の
ウェルの中にキャリアを注入するための手段と、第二の
ウェルからキャリアを除去するための手段とを含む電子
装置である。
【0005】最小寸法500Å以下または他の寸法が1
000Å以下の半導体材料の島のうち、特に第一及び第
二のウェルが三次元すべてに十分小さく各ウェル内のエ
ネルギレベルが0.5 ミリ電子ボルトよりも大きく分離
されている量子ウェルを特に量子ドットと呼ぶ。例え
ば、特開昭61−81662号公報,特開昭61−82473号公報で
は量子結合素子本体、特開昭61−82470 号公報では量子
結合素子の製造方法、特開昭61−82471 号公報では量子
結合素子の出力スイッチ、量子結合素子の応用として特
開昭61−82472 号公報では自己発生ポテンシャルを用い
る量子ウェルロジック及び特開昭61−82473 号公報で
は、量子結合ROMが提案されている。
【0006】量子結合装置のもっとも効果的な応用技術
は、特開昭61−82472 号公報で提案されている自己発生
ポテンシャルを用いる量子ウェルロジック及び特開昭61
−82473 号公報で提案されている量子結合ROMであ
る。
【0007】量子結合ROMとは、最小寸法500Å以
下または他の寸法が1000Å以下の半導体材料の島を
含む複数の第一と第二の量子ウェル及び、キャリアの最
小ポテンシャルエネルギが、上記の量子ウェルの中のキ
ャリアの最小ポテンシャルエネルギよりも少なくとも5
0ミリ電子ボルト高く、量子ウェルの最小物理寸法の三
倍以下の距離によって互いに物理的に分離されている、
第一と第二の量子ウェルの間に挿入された障害媒体と、
第一の量子ウェルの中にキャリアを注入するための手段
と、第二の量子ウェルからキャリアを除去するための手
段と、量子ウェル間の電位を制御する金属線とを含む読
み出し専用メモリである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】量子結合ROMにおけ
る従来技術は、ROMセルへの情報はコラムラインとそ
の下方に位置する量子ウェルとの電気的結合度を変える
ことにより、ハードプログラムされる。コラムラインと
その下方に位置する量子ウェルとの電気的結合度の変更
は、コラムラインに切られた穴によって、あるいは種々
な厚さにパターン化されたコラムラインと量子ウェルの
間に存在する絶縁膜によって実現していた。そのため任
意読出し及び書込みが可能なランダムアクセスメモリ、
即ち、RAMを実現する手段が存在しなかった。
【0009】更に、量子ウェル間の電位を制御する導体
線の存在は、量子ウェルとの間でトンネルリーク電流を
もたらすなど量子ウェルの量子現象に擾乱を与え、大集
積化を困難としていた。従って、本発明の目的は、量子
現象に擾乱を与えない電位の制御機構をもつ量子結合メ
モリを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明では量子ウェルを
用いて、量子結合RAMを新たに提案する。
【0011】各々が、最小寸法500Å以下または他の
寸法が1000Å以下の半導体材料の島を含む複数の第
一と第二の量子ウェル及び、第一の量子ウェルの中にキ
ャリアを注入するための手段と、第二の量子ウェルから
キャリアを除去するための手段からなる従来技術に加
え、障害媒体中に設けられた第一及び第二の量子ウェル
の励起電子準位と共鳴する基底電子準位ならびに伝導帯
と価電子帯間の禁制帯内にトラップ準位をもつ第三の量
子ウェルと、更に、量子ウェル電子の励起を行うための
光源と量子ウェル列に電場を印加する手段から構成され
る。
【0012】この光源は量子ウェルにキャリアを注入す
る手段と、量子ウェルの基底状態から選択的にキャリア
を除去するための共鳴トンネルダイオードから構成され
る。
【0013】
【作用】第一の量子ウェルの基底状態にキャリアが存在
する状態を状態1、第一のウェル内にキャリアが存在し
ない状態を状態0とする。
【0014】このウェルからデータを読出す場合には光
子により基底状態にある電子を励起状態に励起する。基
底状態は第三のウェルの電子状態と共鳴しないため、キ
ャリアは第一のウェルに留まっているが、励起状態に励
起されると励起状態は第三のウェルの量子状態と共鳴す
るためトンネルが起こり、データを読出すことができ
る。
【0015】データを書込む場合にはウェル列に電場を
印加し、フランツ・ケルディシュ効果により実効的禁制
帯幅を減少させたうえ、第三の量子ウェルの禁制帯中の
トラップ準位を介して価電子帯から、伝導帯へ光子によ
り励起する。
【0016】光子は末端に位置する量子ウェルに電極か
ら注入されたキャリアが基底状態に落下する際放出され
る。
【0017】以上の技術を用いることにより、データの
書込み及び読み出しが可能となる量子結合RAMを提供
することができる。
【0018】更に、量子ウェルと周辺部との結合は光を
介して行なわれるので、量子ウェル内の量子現象に擾乱
を加えることを回避することができる。
【0019】
【実施例】本発明の実施例の鍵となる特徴は一対の近接
して結合された量子ウェルであるが、この量子ウェルは
電子のエネルギ準位が離散化される程度に極めて小さ
く、つまり量子ウェル内部の電子は幾つかの許容エネル
ギの一つだけしか持てない。量子ウェルのうち、ウェル
寸法が三次元すべてに十分小さく前記各ウェル内のエネ
ルギレベルが0.5 ミリ電子ボルトよりも大きく分離さ
れている量子ウェルを特に量子ドットと呼ぶ。以下の実
施例では、説明を簡潔にするため特に量子ウェルをこの
量子ドットに特定する。
【0020】最初に本発明の中で鍵となる共鳴トンネル
現象の動作原理を説明するために簡単化されたサンプル
実施例を図11ないし図15に示す。
【0021】図11は二つの並んだ量子ドット、図12
は量子ドットにより形成されるポテンシャル図、図13
及び図14は共鳴トンネルリングの説明図をそれぞれ表
している。図11は、砒化ガリウムの離隔したウェル
(量子ドット)が砒化アルミニウムーガリウムの中に埋
込れている状態を表している。半導体技術で良く知られ
ているように砒化アルミニウム−ガリウムの禁制帯幅
は、砒化ガリウムのそれより遥かに広い。この異なる禁
制帯の幅は、格子内の伝導電子のポテンシャルエネルギ
が、砒化ガリウムの領域内では砒化アルミニウム−ガリ
ウムの領域内よりも低いということを意味している。こ
の材料系の特別な長所は、砒化アルミニウム−ガリウム
と砒化ガリウムの界面が非常に良い挙動をする界面であ
るということであり、即ち、これらの界面は極めて低い
密度の表面エネルギ準位で作ることができ、且つ、砒化
アルミニウム−ガリウム側と砒化ガリウム側との間で
は、ほとんど完全な格子整合を保つことができる。
【0022】図11のサンプル実施例に於てドット10
および12は約125Åの幅を持ち、また、ドット相互
間の間隔も125Åである。これらドットの寸法は、ド
ットの中の電子エネルギが量子化される程小さい。例え
ば、上記のドットの寸法の場合で、且つ、アルミニウム
の濃度を35%とすると四つの許容エネルギが存在し、
その最も下方にあるエネルギ状態は砒化ガリウムの伝導
帯の最低点のボトムの上方にあり、且つ、二番めに高い
エネルギ状態はさらに0.114eV 上方にある。これ
らのことは、ドット内のエネルギ状態が量子化されてい
ることを意味する。このことは、ドットの中の電子のエ
ネルギはこれらの許されたエネルギ準位のうち一つと正
確に等しくなければならず、その他の値を取ることはで
きないと言うことを意味している。このことが本発明の
鍵であり、従来の電子デバイスとの基本的な相違点であ
る。従来の電子デバイスでは、半導体中の電子のエネル
ギ準位がほぼ連続していることを要求している。
【0023】図13には、上記量子化されたエネルギ準
位の実施例が示されている。図中510は背景ポテンシ
ャルを表しており、500はエネルギ準位を表してい
る。さて、この簡単な実施例ではドットは互いに、一つ
のドットの中の電子の確率密度が他のドットの中に及ぶ
ほど十分に近接して配置されている。すなわち、ドット
10とドット12は互いに十分に近接しているので電子
はお互いの間を容易にトンネルすることができる。特
に、図13に示されているように、第一のドットの中の
電子は第二のドットの中の同じエネルギ状態へ容易にト
ンネルすることができる。ただしこれは、第二のドット
のエネルギ準位の状態の全てが、電子によって占有され
ていない場合に限られる。
【0024】次に、図14に示されているように、二つ
のエネルギ準位が同列にない場合を考えてみる。この場
合には第一のドットの中の電子が、第一のドットとは異
なるエネルギ準位を持つ第二の準位へトンネルできるの
は第二のドットの中の、下方にある利用可能な状態のエ
ネルギに到達するために十分なエネルギを電子が失う
か、あるいは上方にある利用可能な状態のエネルギに到
達するために獲得することのできるような新しいメカニ
ズムが存在している時のみである。基本的には、図14
に示すメカニズムにより電子がトンネルする確率は、図
13の場合と比較してかなり低い。すなわち、二つのド
ットからなるサンプル実施例の電流−電圧特性は図14
のようになる。
【0025】図15において、電流−電圧特性曲線40
0より、サンプル実施例は負性抵抗を示すことがわか
る。412に示す電圧値は共鳴電圧、410,414,
416は非共鳴電圧値を表している。
【0026】次に、サンプル実施例に示した物理メカニ
ズムを用いた応用例の一つである、量子結合ROMの従
来構造および動作原理について説明する。
【0027】まず、図16ないし図19を用いて従来の
量子結合ROMの構造を説明する。図16は量子結合R
OMセルの一部分の平面図、図17,図18及び図19
は量子結合ROMセルの一部分の断面図を表している。
図16でドットは、330方向に向かって長い連鎖31
0をなし、このドットの列310に対しトンネル電流
は、330の方向に流れる。このトンネル電流の流れる
方向と直角に、金属線であるところのコラムライン20
2,204,206が横たわっている。図17に示すよ
うに、コラムライン202は、ドット列310の上方に
位置している。実際は、図18に示すように、コラムラ
イン202とウェル列310の間には、砒化アルミニウ
ム−ガリウム等の絶縁物370が満たされている。コラ
ムライン202はドット10に電気的に結合されている
が、ドット14に対しては結合されていない。この異な
る電気的結合は、図19に示すように様々な厚さにパタ
ーン化された絶縁物370によって、実現することがで
きる。
【0028】次に、この構造のサンプルの作動モードを
図20及び図21を用いて説明する。図20は、情報の
読み取り前及び情報の読み取り時にコラムラインがドッ
トと電気的に結合していない場合の、ポテンシャル及び
エネルギ準位の状態を表している。図21は、情報の読
み取り時にコラムラインがドットと電気的に結合してい
る場合の、ポテンシャル及びエネルギ準位の状態を表し
ている。
【0029】図20に示すように、情報の読み取り前の
背景ポテンシャルは、全てのコラム(コラムラインに添
ったドットの並び)について、共鳴トンネル現象がドッ
ト列310,312、等の各々の列を通して発生するよ
うに定められている。ここで、472は量子ドットの中
にキャリアを注入するためのソース部分であり、470は
量子ドットからキャリアを除去するためのドレイン部分
である。310aからfは列に並んだ、量子ドットを表
している。セルの中の一つのコラムを読み出したいとい
う場合には、そのコラムのためのコラムライン302が
別の電圧に変えられる。この電圧は、コラムラインが電
気的に結合されているウェルに対しては、エネルギ準位
を混乱し、その列の共鳴トンネル現象を中断させる。
【0030】図21に、310cのコラムラインに電圧
が印加された場合のポテンシャル説明図を示す。図より
コラムラインが電気的に結合されているドットに対して
は、エネルギ準位を混乱し、その列の共鳴トンネル現象
を中断させることがわかる。このコラムが電気的に結合
されていない列の中では共鳴トンネル現象は中断されな
い。かくして、列の中の電流を監視することによって、
アドレスされたコラムと読み出し列との交点の中にハー
ドプログラムされた情報が検出される。
【0031】以上をまとめると、従来の量子結合ROM
は、ウェルの真上に位置する絶縁物の厚さを記憶される
情報として用い、このため一度セルを形成するとその後
には、論理の消去及び再プログラミングを行なうことが
出来ない。
【0032】次に、本発明による量子結合RAMの一実
施例を図1を用いて説明する。
【0033】図1は、量子結合RAMの一実施例である
セルの一部分を取り出したものである。量子結合RAM
は、各々が、最小寸法500Å以下または他の寸法が10
00Å以下の半導体材料の島を含む複数の第一と第二の量
子ドット10,12、量子ドット間を光学的に結合する
光導波路302,304,306、障害媒体の内部に存
在し、第一と第二の量子ドットより小さいサイズをもつ
島13,15及び、量子ドット列の末端に位置する発光
素子60,62,64と発光素子にキャリアを注入する
カソードライン100,102,104より構成されて
いる。図1に於いて、360,362,364は量子ド
ット間に加わる電場と、それによって誘起される電流の
方向を表している。以下、光導波路方向をワード線,電
場印加方向をデータ線と呼ぶ。
【0034】図2に、図1に示した量子結合RAMの一
実施例のデータ線方向の断面図、図3にワード線方向の
断面図を示す。データ線方向には量子ドット10,量子
ドット13が交互に配置されている。図4に示すよう
に、量子ドット13は量子ドット10に比較して寸法が
小さく、基底準位は量子ドット10の励起準位に一致す
るように作製しておく。さらに、量子ドット13中には
不純物ドーピングあるいは結晶成長時の欠陥導入により
禁制帯中央に電子準位を形成しておく。
【0035】図5及び図6に電場が印加された場合のデ
ータ線方向バンド図を示す。電子が量子ドット10の励
起状態504にある場合、このエネルギ準位は量子ドッ
ト13の基底状態506と共鳴するため、容易にトンネ
ルが起こり、データ線方向に伝搬する。しかし、図6に
示すように量子ドット10の基底状態502にある電子
は障壁内で減衰し、伝搬することができない。
【0036】そこで、データ線方向302に電場を印加
すると同時に基底状態502に存在する電子をワード線
を伝搬する光により励起することにより量子ドット10
に蓄えられた情報を選択的に読み出すことができる。
【0037】次に、量子ドット10にデータを書込む方
法を図7に示す。量子ドット10の伝導帯とトラップ準
位、あるいは、価電子帯のトラップ準位間の禁制帯幅
は、伝導帯の基底状態と励起状態の禁制帯幅より大き
く、データ読み出し時の光照射では価電子帯から伝導帯
への励起は生じない。しかし、禁制帯幅と光子エネルギ
の差に対応する電位差をデータ線方向に加えると、例え
ば、カールハインツ・ゼーガー著,セミコンダクターフ
ィジックス,319頁(シュプリンガーフェルラーク,
1973)に説明があるようにフランツ・ケルディッシ
ュ効果により価電子帯から伝導帯への励起が可能とな
る。価電子帯の電子は1光子710を吸収することによ
り隣接する量子ドット13のトラップ準位900に励起
され、さらに、1光子吸収720により隣の量子ドット
10の伝導帯に励起される。その際、価電子帯に生じた
ホールは負電圧を印加したP型層840より図8に示す
ように除去される。
【0038】次に、図9及び図10に発光素子の実施例
を示す。
【0039】図9に示すように、量子ドット20に電子
を注入するためのN型カソード電極800,量子ドット
20の基底準位から選択的に電子を除去するための量子
ドット30、そして、P型にドープされたアノード電極
810より構成される。
【0040】図10のバンド図に示すように、カソード
電極800より注入された電子は量子ドット20の励起
準位から基底準位に落下する際、光子730を放出す
る。基底準位は量子ドット30の準位と共鳴するため共
鳴トンネルにより速やかにドット内から除去される。そ
れに対して、励起準位の電子はトンネルが抑制されるた
めに発光効率を上昇させることができる。
【0041】図22に量子結合RAMの回路図を示す。
【0042】図22において、Xデコーダは、クロック
を用いて、順次、各列に所定の電圧つまり隣合った各量
子ドット間の電位差が図12に示すような値となる電圧
を印加する仕組みになっている。Yデコーダはアドレス
されたワード線の発光素子60,62,64に対して電
圧を印加する仕組みになっている。データ読み出しの場
合は読み出したいドットのワード線を、書込みの場合に
は、書込みたいドットのとなりのワード線をアドレスす
るようにYデコーダの論理を構成しておく。選択された
ドットに電子が存在して電流が流れた場合、読み出しラ
イン640の電圧はXデコーダ側の電圧になり、電流が
流れなかった場合は、読み出しライン640の電圧はグ
ランド側の電圧になる。読み出しライン640の電圧が
Xデコーダ側の電圧の場合“1”、グランド側の電圧の
場合“0”を対応させることにより情報が読出される。
書込み時には、書込みたいデータ線のXデコーダ出力を
アース電位に落とすことにより、データ線640の情報
が量子ドットに書込まれる。
【0043】
【発明の効果】光と電場の相互作用を用いることで任意
アドレスデータを選択でき、また、ワード線と量子ウェ
ル間の寄生トンネル効果を抑制できるので、現在の半導
体デバイスの動作限界を越える一テラビット級超微細大
容量,任意読み出し及び書き込み可能な量子結合メモリ
を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】量子結合RAMの簡単な実施例を示す説明図。
【図2】量子結合RAMセルのデータ線方向の断面図。
【図3】量子結合RAMセルのワード線方向断面図。
【図4】量子結合RAMセルを構成する量子ドットを示
す説明図。
【図5】光により励起された電子が3個の量子ドット間
を共鳴トンネルする様子を示す説明図。
【図6】基底状態の電子は量子ドット間をトンネルでき
ないことを示す説明図。
【図7】光により電子を価電子帯から伝導帯に励起し、
量子ドットセルにデータを書込む機構を示す説明図。
【図8】量子ドットセルの深さ方向のエネルギバンド図
を示す説明図。
【図9】量子ドット発光素子の一実施例の断面図。
【図10】量子ドット発光素子の一実施例のエネルギバ
ンド図と、発光の機構を示す説明図。
【図11】GaAsとAlGaAsを用いた量子ドット
の一実施例を示す斜視図。
【図12】量子ドットにより形成されるポテンシャル
図。
【図13】共鳴トンネルにより電子が、量子ドット間を
電子がトンネルする様子を示す説明図。
【図14】異なるエネルギの準位間をトンネルできない
ことを示す説明図。
【図15】量子ドット間の電流電圧特性図。
【図16】従来技術による量子結合ROMの一実施例の
平面図。
【図17】従来技術による量子結合ROMの一実施例の
断面図。
【図18】従来技術による量子結合ROMの一実施例の
断面図。
【図19】従来技術による量子結合ROMの一実施例に
おける量子ドットとコラムライン制御線の結合を示す説
明図。
【図20】量子結合ROMがコラムラインと静電的に結
合していないときのポテンシャル説明図。
【図21】量子結合ROMがコラムラインと静電的に結
合しているときのポテンシャル説明図。
【図22】量子結合RAMの回路図。
【符号の説明】
10,12,13,14…量子ドット、60,62,6
4…発光素子、100,102,104…発光素子カソ
ード、302,304,306…光導波路、360,3
62,364…電流方向量子ドット列。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体材料にメモリを形成する際に、最小
    寸法が500Å以下または他の寸法が1000Å以下の
    半導体材料の島を含む複数の第一,第二の量子ウェル
    と、キャリアの最小ポテンシャルエネルギが、前記量子
    ウェルの中のキャリアの最小ポテンシャルエネルギより
    も少なくとも50ミリ電子ボルト高く、前記量子ウェル
    の励起準位と一致し、前記量子ウェルの間に埋込まれ、
    伝導帯と価電子帯間の禁制体内に少なくとも一つのトラ
    ップ準位をもつ第三の量子ウェルを含み、前記キャリア
    の最小ポテンシャルエネルギが、前記第三の量子ウェル
    の中の前記キャリアの最小ポテンシャルエネルギよりも
    少なくとも50ミリ電子ボルト高く、前記量子ウェルの
    最小物理寸法の三倍以下の距離によって互いに物理的に
    分離され、前記第一,第二および第三の量子ウェルの間
    に挿入された障害媒体と、前記第一の量子ウェルの中に
    前記キャリアを注入するための手段と、前記第二の量子
    ウェルから前記キャリアを除去するための手段と、前記
    第一と第二の量子ウェルに光を照射し前記第一と第二の
    量子ウェル内の前記キャリアのエネルギを励起する手段
    とを設けたことを特徴とする量子結合メモリ。
  2. 【請求項2】半導体材料にメモリを形成する際に、最小
    寸法が500Å以下または他の寸法が1000Å以下の
    半導体材料の島を含む複数の第一,第二の量子ウェル
    と、キャリアの最小ポテンシャルエネルギが、前記量子
    ウェルの中のキャリアの最小ポテンシャルエネルギより
    も少なくとも50ミリ電子ボルト高く、前記量子ウェル
    の励起順位と一致し、前記量子ウェルの間に埋込まれ、
    伝導帯と価電子帯間の禁制体内に少なくとも一つのトラ
    ップ準位をもつ第三の量子ウェルを含み、前記キャリア
    の最小ポテンシャルエネルギが、前記第三の量子ウェル
    の中のキャリアの前記最小ポテンシャルエネルギよりも
    少なくとも50ミリ電子ボルト高く、前記量子ウェルの
    最小物理寸法の三倍以下の距離によって互いに物理的に
    分離され、前記第一,第二および第三の量子ウェルの間
    に挿入された障害媒体と、前記第一の量子ウェルの中に
    前記キャリアを注入するための手段と、前記第二の量子
    ウェルから前記キャリアを除去するための手段と、前記
    第一と第二の量子ウェルに光を照射し前記第一と第二の
    量子ウェル内の前記キャリアのエネルギを励起する手段
    とを含み、前記第一と第二の量子ウェルにトラップされ
    ている電子量が記憶情報のマトリックスのコラムを形成
    し、前記ウェルの連鎖が電流の流れる列を形成する量子
    結合メモリ。
  3. 【請求項3】半導体材料にメモリを形成する際に、最小
    寸法が500Å以下または他の寸法が1000Å以下の
    半導体材料の島を含む複数の第一,第二の量子ウェル
    と、キャリアの最小ポテンシャルエネルギが、前記量子
    ウェルの中のキャリアの最小ポテンシャルエネルギより
    も少なくとも50ミリ電子ボルト高く、前記量子ウェル
    の励起順位と一致し、前記量子ウェルの間に埋込まれ、
    伝導帯と価電子帯間の禁制体内に少なくとも一つのトラ
    ップ準位をもつ第三の量子ウェルを含み、前記キャリア
    の最小ポテンシャルエネルギが、前記第三の量子ウェル
    の中の前記キャリアの最小ポテンシャルエネルギよりも
    少なくとも50ミリ電子ボルト高く、前記量子ウェルの
    最小物理寸法の三倍以下の距離によって互いに物理的に
    分離され、前記第一,第二および第三の量子ウェルの間
    に挿入された障害媒体と、前記第一の量子ウェルの中に
    前記キャリアを注入するための手段と、前記第二の量子
    ウェルから前記キャリアを除去するための手段と、前記
    第一と第二の量子ウェルに光を照射し前記第一と第二の
    量子ウェル内の前記キャリアのエネルギを励起する手段
    とを含み、前記第一と第二の量子ウェルにトラップされ
    ている電子量が記憶情報のマトリックスのコラムを形成
    し、前記量子ウェル間をコラムと垂直な方向に結合する
    高誘電率の光導波路を形成し、前記ウェルの連鎖が電流
    の流れる列を形成する量子結合メモリ。
  4. 【請求項4】請求項1において、前記ウェルは第一の半
    導体材料を含み、前記障壁媒体は前記第一の半導体材料
    の禁制帯幅よりも大きな禁制帯幅をもつ第二の半導体材
    料を含んでいる量子結合メモリ。
  5. 【請求項5】請求項1において、前記第一の量子ウェル
    に前記キャリアを注入する手段と、前記第一の量子ウェ
    ルの最小ポテンシャルエネルギ状態の電子を選択的に除
    去することで光を発する発光部を備えた読み出し及び書
    き込み可能な量子結合メモリ。
  6. 【請求項6】請求項1において、前記ウェルは第一の半
    導体材料を含み、前記障壁媒体は第二の半導体材料を含
    み、前記第一の半導体材料は前記第二の半導体材料に格
    子整合されていない量子結合メモリ。
  7. 【請求項7】請求項1において、前記ウェルは第一の半
    導体材料を含み、前記障壁媒体は第二の半導体材料を含
    み、前記第一の半導体材料は前記第二の半導体材料に格
    子整合されている量子結合メモリ。
  8. 【請求項8】請求項1において、前記キャリアは主とし
    て電子を含んでいる量子結合メモリ。
  9. 【請求項9】請求項1において、前記各第一と第二と第
    三のウェルは150Åよりも小さい最大物理寸法をもつ
    量子結合メモリ。
  10. 【請求項10】請求項1おいて、前記各第一と第二ウェ
    ルと第三のウェルは100Åよりも小さい最大物理寸法
    をもつ量子結合メモリ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005532181A (ja) * 2002-07-08 2005-10-27 ビーティージー・インターナショナル・リミテッド ナノ構造体およびその製造方法

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