JPH0555278B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は燃料ガスを瞬間的に燃焼させ、高圧を
発生しピストンを駆動する工具の燃料ガスと空気
を混合する装置に関するものである。

〔発明の背景〕

従来、釘打機やタツカ等の工具は一般に高圧空
気を利用して作業が行なわれている。しかしこれ
らの工具はコンプレツサを用い、工具とコンプレ
ツサの間をホースでつないで操作するため、建築
現場等で移動しながら作業する時等、ホースが邪
魔になり作業性の点で難点があつた。

そこでコンプレツサやホースを用いた工具とし
てプロパンやブタンなどの燃料ガスを瞬間的に燃
焼させ、高圧を発生し、ピストンを駆動する工具
を考案し作製したところ、圧力の発生のしかたは
燃料ガスと空気の混合によつて変化し、安定した
駆動力が得られなかつた。例えば釘打機に応用し
た場合、釘の打込力が安定せず、釘を打込み過ぎ
たり、釘の頭が木材から出るという問題点があつ
た。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、上記したピストンの駆動力の
不安定さをなくすとともに、高価なコンプレツサ
を使わなくても従来と同様の作業をできるように
することである。

〔発明の概要〕

本発明は、内燃式ピストン駆動工具き駆動力
が、燃料ガスと空気の混合気を均一にすることに
より安定することに着目し、燃料ガスの噴射口を
燃焼室各所に設け、短時間ち燃料ガスと空気が混
合するように、噴射口と燃焼室の関係を工夫した
ものである。

〔発明の実施例〕

本発明に係る内燃式ピストン駆動工具のガス混
合装置の一実施例を例えば釘打機の図面を用いて
説明する。

第１図において、１は端部に開口部１ａを有す
るハウジング、２はハウジング１の開口部１ａ側
に固定したシリンダ、３はシリンダ２内部を摺動
可能なピストン、４はシリンダ２のハウジング１
の反対側に固定したガイドである。ガイド４の内
部はピストン３に固着したロツド６が釘５を打つ
ように摺動し、かつガイド４の側部には釘５をガ
イド内部に挿入する釘送り部７を装着する。

ハウジング１には、プロパンやブタン等の燃料
ガスを一定量注入する燃料注入器８、空気を注入
する空気注入器９、空気注入器９と同期して開閉
するバルブ１０、圧電素子等を利用したスパーク
電圧発生器１１、スパーク電圧発生器１１で発生
した高電圧により火花を発生し燃料混合気を着火
する点火プラグ１２、燃料混合気が通過し着火後
の火炎が伝播する空間１３がほぼ全面に散在する
格子１４ａ〜１４ｄ、格子１４ａ〜１４ｄを貫通
し各格子間に燃料ガスを噴出する噴出口１５ａ〜
１５ｄを設け噴射口１５ａ〜１５ｄと燃料注入器
８を連痛するガス通路１６を設けたノズル１７を
有する。

ピストン３のシリンダ２との摺動部分にはＯリ
ング１８を装着し気密を保ち、ハウジング１とシ
リンダ２とピストン３が閉鎖された空間が燃焼室
１９を形成し、燃焼室１９は格子１４ａ〜１４ｄ
により１９ａ〜１９ｅに区切られる。

点火プラグ１２はハウジング１の閉鎖している
端面側にあり点火プラグ１２とハウジング１の開
口部１ａの間に格子１４ａ〜１４ｄを設ける。ハ
ウジング開口部１ａの大きさはピストン３の直径
より小さくピストン３がシリンダ２からハウジン
グ１に移動するのを阻止する。格子１４ａ〜１４
ｄは平板の全面に数多くの穴を明けたもの、又は
線材により網目を形成したもの等で何れも格子の
全面に空間１３と棧２０が散在するものである。

シリンダ２のピストン摺動部２ａにおいて、２
１はピストン停止部でハウジング１側の端部にあ
り他のピストン摺動部２ａより径がいくぶん大き
く、ピストン３がハウジング１側に移動するとＯ
リング１８がピストン停止部２１に移動しＯリン
グ１８の弾性力によりピストン３をハウジング１
側に停止させる。

シリンダ２のガイド４側に弾性体２２を装着す
る。またシリンダ２には、ピストン３が移動し弾
性体２２に接触する時ハウジング１とシリンダ２
とピストン３で囲まれた空間と外気を通じる吸排
気口２３を有する。

次にこの釘打機の動作について説明すると、始
めにピストン３は第１図のようにピストン停止部
２１に停止している。そこで空気注入器９より空
気を注入しバルブ１０を開いて燃焼室１９内の空
気を排出し燃焼室１９内を新鮮な空気で充満し、
その後空気注入器９とバルブ１０を閉鎖する。次
に燃焼注入器８より一定量の燃料ガスを注入する
と、各噴射口１５ａ〜１５ｄより燃料ガスが噴射
され周囲の空気と混合することにより、短時間に
燃焼室１９全体をほぼ一様の燃料混合気で充満す
る。この状態でスパーク電圧発生器１１を動作さ
せ点火プラグ１２で燃焼混合気に着火する。燃焼
室１９ａ内での燃焼により燃焼ガスは膨張し、ま
だ燃焼していない未燃焼ガスが押されて各格子１
４ａ〜１４ｄの空間１３を通つて、燃焼室１９ａ
の未燃焼ガスは燃焼室１９ｂに流入し、燃焼室１
９ｂの未燃焼ガスは燃焼室１９ｃに流入し未燃焼
ガスは次々にピストン３の方向に流れる。この時
空間１３を通過した未燃焼ガスは、棧２０が流れ
に対し障害物となり棧２０の下流に渦を発生し乱
流となる。燃焼出力１９ａにおける火炎は層流予
混合火炎で燃焼速度が遅いが、火炎が伝播し格子
１４ａの空間１３を通過すると乱流により燃焼室
１９ｂにおける火炎は乱流混合火炎となり燃焼速
度が速くなる。燃焼速度の増加により燃焼ガスの
膨張速度が上昇し、燃焼室１９ｂから燃焼室１９
ｃに流入する未燃焼ガスの流速が上昇することに
より、格子１４ｂの障害物である棧２０の下流に
発生する渦が更に強くなり強い乱流となる。この
強い乱流により火災が燃焼室１９ｃに伝播すると
燃焼速度が更に速くなる。このように火炎が格子
を通過する度に加速度的に燃焼速度が上昇し、燃
焼速度の上昇により燃焼ガスの膨張速度が上昇
し、ハウジング内部の圧力が上昇し、高圧とな
る。この高圧によりピストン３はＯリング１８の
弾性力に抗してピストン停止部２１からガイド４
の方向に押し出され駆動行程に入り、木材当接の
被加工物に釘５を打ち込む。

ピストンが駆動されガイド４側に移動すると、
ピストン３とシリンダ２とガイド４と弾性体２２
で囲まれた圧縮室２４の空気は吸排気口２３から
大気に排出される。ピストン３が吸排気口２３を
通過すると、ピストン３は弾性体２２に衝突し燃
焼室１９の高温高圧ガスと吸排気口２３から大気
中に排気され、ピストン３は圧縮室２４の空気を
圧縮する。その後燃焼室１９内の温度は急速に低
下し燃焼室１９は真空になり、ピストン３が弾性
体２２の弾性力と圧縮室２４の圧縮力により押し
上げられ吸排気口２３よりハウジング１側に移動
すると、ピストン３のハウジング１側は真空でピ
ストン３のガイド４側は大気圧なので、その差圧
によりピストン３はピストン停止部２１まで戻り
ハウジング開口部１ａに接触して停止しＯリング
１８の弾性力により保持され初期状態に戻る。

本発明の変形例を第２図に示す。図において燃
料注入器８と噴射口１５は１対１で対応してお
り、これにより、各噴射口１５から確実に一定量
の燃料ガスが噴射され、燃焼室１９の全領域がほ
ぼ均一の燃料混合気で充満することができる。

〔発明の効果〕

本発明によれば、燃料ガスと空気を短時間にほ
ぼ均一に混合するようにしたので、安定したピス
トン駆動力の得られる内燃式ピストン駆動工具と
することができ、高価なコンプレツサなど他の動
力源を必要とせず、ホースやコードがいらず携帯
性が良くなり、安価なピストン駆動工具を提供す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明になる内燃式ピストン駆動装置
の一実施例を示す釘打機の縦断側面図、第２図は
本発明の変形例を示す釘打機の縦断側面図であ
る。 図において、１はハウジング、１ａは開口部、
２はシリンダ、３はピストン、８は燃料注入器、
９は空気注入器、１０はバルブ、１２は点火プラ
グ、１５は噴射口である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 一端に開口部を有するハウジングと、該ハウ
   ジング内に設けられた燃焼室と、前記ハウジング
   の開口部に隣接するシリンダ内を摺動するピスト
   ンと、前記燃焼室内の空気を入れ替える手段と、
   前記燃焼室内に燃料ガスを注入する燃料注入器
   と、前記燃焼室内のガスを爆発させるための点火
   装置とを有する内燃式ピストン駆動工具におい
   て、 前記燃焼室を格子により複数個に分割し、これ
   ら各燃焼室内に燃料ガスを噴出する噴出口を少な
   くとも分割された燃焼室の数だけ設け、これら噴
   出口の少なくとも１つが各燃焼室において開口さ
   れ、各噴出口から各燃焼室に燃料ガスを噴出させ
   るようにしたことを特徴とする内燃式ピストン駆
   動工具のガス混合装置。