JPH0555163B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本発明は、砂等の沈殿物を水切り脱水する装置
に関するものである。

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】

従来からバケツト式、スパイラル式、ロータリ
ー式等の分級機が知られているが、いずれも砂等
の沈殿物を水から分離するだけで砂の水切り状態
が悪く泥砂状態となつて後処理の扱い難いもので
あつた。 また、実開昭56−168208号で多数の仕切壁を設
けた回転体で沈殿物を掬い取るものもあり効率的
に良好であるが、仕切壁による多数の掬い取り部
が回転体に一体に形成されるため一部の破損でも
全体を分離して修理する必要があることからその
保守が面倒であり、且つ脱水した沈殿物を真下で
はなく回転体の円周側槽外の排送シユートに落下
させるため適正な落下が難しく再び沈殿槽に落下
するものもあつて円滑に処理できない問題点も生
じている。 そこで本発明は、分級した沈殿物の水切り脱水
を良好にでき、保守修理し安く且つ沈殿物を適正
に落下できて円滑に処理できる装置を提供するも
のである。

【課題を解決するための手段】

このため本発明は、上面を開口して通水網を備
えた掬い取り部を先端に形成すると共に、掬い取
り部の後端に排水路部を連続させた脱水管を設
け、回転装置の回転軸に固着した取付体に脱水管
の後部を固着して複数の脱水管のを掬い取り部の
向きを揃えて放射状に備え、掬い取り部から落下
する沈殿物を受ける受け樋を夫々の脱水管の排水
路部に固着して受け樋の排出端を脱水管の側方に
突出させると共に、夫々の受け樋の沈殿物を受け
て排送する排送シユートを回転軸の上方側部に備
えた構成としている。

【作用】

沈殿槽等の沈降室で沈降した沈殿物を、回転装
置によつて回転する脱水管の掬い取り部で掬い上
げて通水網で沈殿物を保持すると共に、脱水管の
回転で掬い取り部が上昇することにより同時に掬
つた水を排水路部から流出させることで水切り
し、さらに脱水管の反転部にて沈殿物が受け樋に
落下し、その沈殿物を排送シユートで受けて排出
するのである。

【実施例】

次に本発明の詳細につき図示実施例で説明す
る。 第２図及び第３図に示す本例装置は、第１図の
沈降室Ｋに配置されるもので、沈降室Ｋにはスパ
イラル供給機１によつて泥漿が連続して送られる
ものである。 ２は夫々長さ３ｍの脱水管であり、第４図乃至
第６図のように、上面を開口して袋状の金属製通
水網３を備えた掬い取り部２１を先端に形成する
と共に、掬い取り部２１の後端に巾を狭くした排
水路部２２を連続させて成り、モータＭで回転す
る回転軸５に固着したボス５ａに取付体６を固着
し、取付体６の外周に脱水管２の排水路部２２を
固着して五本の脱水管をその掬い取り部２１の向
きを揃えて放射状に備えている。 また、夫々脱水管２の排水路部２２の上面には
掬い取り部２１から落下する沈殿物を受ける受け
樋４を溶接固着して受け樋４の排出端４１を脱水
管２の側方に突出させると共に、内側に向けて傾
斜させている。 ７は排送シユートであつて上昇反転する部位の
受け樋４の排出端４１の下に先端を配置してあ
る。 次に本例装置の作用を説明する。まず、モータ
Ｍを駆動してパイラル供給機１を回転させ、投入
された泥漿の砂Ｅを一端の沈降室Ｋに送る。そし
て、第７図のように回転する脱水管２の掬い取り
部２１で沈降した砂Ｅと水とを掬つて通水網３内
に砂Ｋを保持すると共に水を掬い取り部２１に貯
溜する（第８図参照）。 ついで脱水管２の上昇回転につれて貯溜した水
が排水路部２２の後端から沈降室Ｋに流出落下す
ることにより第９図のように砂Ｅが水切り分級さ
れるのである。 これと同時に水の落下排出によつて第水管２内
にが負圧状態となるため第９図のように開口先端
から空気が砂Ｅの間を通過して脱水管２内に吸引
されるのである。 このため通過空気が砂Ｅ間に残留した水を払拭
して二次脱水が図れるのである。 そして脱水管２が反転状態になりかけると第１
０図のように砂Ｅが受け樋４内に自重落下し、さ
らに排送シユート７から砂Ｅが排出されるのであ
る。 このように本例によると、水切りと空気による
脱水が施されてベトつきのない砂Ｅが得られるの
である。また、脱水管２が夫々独立して取付体６
に固着してあるため破損などによる個々の取替え
が簡単にできるのである。さらに、排送シユート
７が側部に配置してあるため脱水管２の回転に支
障がなく、掬い取り部２１内の砂Ｅが受け樋４を
介して完全に排送シユート７に落下できるのであ
る。この点、従来のものは排送シユートが脱水管
の回転の邪魔にならないよう回転の円周側に離れ
て配置してあることから一部が沈降室に再び落下
していたのである。 本例は上記のように構成したが、本発明におい
てはこれに限定されない。脱水管の形状は問わ
ず、掬い取り部及び排水路部の構成も限定されな
い。また、備える脱水管の数及び回転軸側への固
着手段も適宜である。さらに、掬い取り部から落
下する沈殿物を受ける受け樋及び受け樋の沈殿物
を受けて排送する排送シユートの形状も任意であ
る。なお、脱水管を回転させる回転装置の構成も
限定されない。

【発明の効果】

本発明によると、簡単な構成で水切り脱水で
き、脱水管が夫々独立しているため破損等による
個々の取替えが簡単にできて保守が簡単であり、
排送シユートが側部に配置してあるため脱水管の
回転に支障がなく、掬い取り部内の沈殿物を良好
に排送シユートから排出できるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置を内蔵した沈殿物供給排出
装置の正面図、第２図は本発明装置の一実施例を
用いた沈降室内の正面図、第３図はその側面図、
第４図は脱水管の一部切欠縦断側面図、第５図は
その一部切欠縦断平面図、第６図はその正面図、
第７図乃至第１０図は夫々の回転位置での掬い取
り部による作用を示す概略側面図である。 １：スパイラル供給機、２：脱水管、２１：掬
い取り部、２２：排水路部、３：金属製通水網、
４：受け樋、４１：排出端、５：回転軸、６：取
付体、７：排送シユート、Ｍ：モータ、Ｋ：沈降
室、Ｅ：砂。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 上面を開口して通水網を備えた掬い取り部を
   先端に形成すると共に、掬い取り部の後端に排水
   路部を連続させた脱水管を設け、回転装置の回転
   軸に固着した取付体に脱水管の後部を固着して複
   数の脱水管を掬い取り部の向きを揃えて放射状に
   備え、掬い取り部から落下する沈殿物を受ける受
   け樋を夫々の脱水管の排水路部に固着して受け樋
   の排出端を脱水管の側方に突出させると共に、
   夫々の受け樋の沈殿物を受けて排送する排送シユ
   ートを回転軸の上方側部に備えたことを特徴とす
   る砂等の沈殿物の水切り脱水装置。