JPH0554816A - カラー受像管 - Google Patents
カラー受像管Info
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- JPH0554816A JPH0554816A JP3214086A JP21408691A JPH0554816A JP H0554816 A JPH0554816 A JP H0554816A JP 3214086 A JP3214086 A JP 3214086A JP 21408691 A JP21408691 A JP 21408691A JP H0554816 A JPH0554816 A JP H0554816A
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- phosphor screen
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 シャドウマスク20のマスクフレーム22を磁性
体から構成し、その側壁部27をマスク本体26のスカート
部25の蛍光体スクリーン3 側端部よりも蛍光体スクリー
ン側に延出させ、その延出する部分の長さAを、マスク
本体のスカート部の蛍光体スクリーン側端部からパネル
内面までの距離をB、同じくその蛍光体スクリーン側端
部からマスク本体の有効部最外の電子ビーム通過孔10a
を通過する電子ビーム10a がマスクフレームの側壁部の
蛍光体スクリーン側への延長線との交点までの距離をC
とするとき、マスクフレームの側壁部の全周または一部
が、B/5≦A<CかつB/5≦A≦B−5の関係を満
足する大きさとした。 【効果】 外部磁界によるランディングずれを効果的に
減少させて、色純度を良好にすることができる。
体から構成し、その側壁部27をマスク本体26のスカート
部25の蛍光体スクリーン3 側端部よりも蛍光体スクリー
ン側に延出させ、その延出する部分の長さAを、マスク
本体のスカート部の蛍光体スクリーン側端部からパネル
内面までの距離をB、同じくその蛍光体スクリーン側端
部からマスク本体の有効部最外の電子ビーム通過孔10a
を通過する電子ビーム10a がマスクフレームの側壁部の
蛍光体スクリーン側への延長線との交点までの距離をC
とするとき、マスクフレームの側壁部の全周または一部
が、B/5≦A<CかつB/5≦A≦B−5の関係を満
足する大きさとした。 【効果】 外部磁界によるランディングずれを効果的に
減少させて、色純度を良好にすることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、カラー受像管に係
り、特に地磁気を遮蔽して良好なランディングが得られ
るカラー受像管に関する。
り、特に地磁気を遮蔽して良好なランディングが得られ
るカラー受像管に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にカラー受像管は、図6に示すよう
に、ほぼ矩形状のパネル1およびこのパネル1に一体に
接合された漏斗状のファンネル2からなる外囲器を有
し、そのパネル1内面に、青,緑,赤に発光する3色蛍
光体層からなる蛍光体スクリーン3が形成され、この蛍
光体スクリーン3に接近して、その内側にほぼ矩形状の
シャドウマスク4が配置されている。このシャドウマス
ク4は、多数の電子ビーム通過孔の形成された有効部の
外周にスカート部5が形成されたほぼ矩形状のマスク本
体6と、このマスク本体6のスカート部5を内側にして
マスク本体6に取付けられた管軸(z軸)に平行な側壁
部7を有する断面L字形のマスクフレーム8とからな
る。またファンネル2のネック9内に、3電子ビーム10
を放出する電子銃11が配置されている。そして、この電
子銃11から放出される3電子ビーム10をファンネル2の
外側に装着された偏向ヨーク12の発生する磁界により偏
向して、上記シャドウマスク4を介して蛍光体スクリー
ン3を水平、垂直走査することにより、この蛍光体スク
リーン3上にカラー画像を表示する構造に形成されてい
る。
に、ほぼ矩形状のパネル1およびこのパネル1に一体に
接合された漏斗状のファンネル2からなる外囲器を有
し、そのパネル1内面に、青,緑,赤に発光する3色蛍
光体層からなる蛍光体スクリーン3が形成され、この蛍
光体スクリーン3に接近して、その内側にほぼ矩形状の
シャドウマスク4が配置されている。このシャドウマス
ク4は、多数の電子ビーム通過孔の形成された有効部の
外周にスカート部5が形成されたほぼ矩形状のマスク本
体6と、このマスク本体6のスカート部5を内側にして
マスク本体6に取付けられた管軸(z軸)に平行な側壁
部7を有する断面L字形のマスクフレーム8とからな
る。またファンネル2のネック9内に、3電子ビーム10
を放出する電子銃11が配置されている。そして、この電
子銃11から放出される3電子ビーム10をファンネル2の
外側に装着された偏向ヨーク12の発生する磁界により偏
向して、上記シャドウマスク4を介して蛍光体スクリー
ン3を水平、垂直走査することにより、この蛍光体スク
リーン3上にカラー画像を表示する構造に形成されてい
る。
【0003】上記蛍光体スクリーン3上に正しく画像を
表示するためには、蛍光体スクリーン3とシャドウマス
ク4とは、整合関係に配置されていなければならない
が、それでもなおカラー受像管は、地磁気などの外部磁
界の影響を受けると、ローレンツ力により電子ビーム10
の軌道が変化し、3色蛍光体層に対するランディンクが
ずれて色純度が劣化することがある。そのため、従来よ
りカラー受像管は、シャドウマスク4のマスクフレーム
8に磁性体からなる内部磁気遮蔽体14を取付けてファン
ネル2の内側に配置し、最も外部磁界の影響を受けやす
いファンネル2の内側の電子ビーム通過領域を遮蔽して
いる。
表示するためには、蛍光体スクリーン3とシャドウマス
ク4とは、整合関係に配置されていなければならない
が、それでもなおカラー受像管は、地磁気などの外部磁
界の影響を受けると、ローレンツ力により電子ビーム10
の軌道が変化し、3色蛍光体層に対するランディンクが
ずれて色純度が劣化することがある。そのため、従来よ
りカラー受像管は、シャドウマスク4のマスクフレーム
8に磁性体からなる内部磁気遮蔽体14を取付けてファン
ネル2の内側に配置し、最も外部磁界の影響を受けやす
いファンネル2の内側の電子ビーム通過領域を遮蔽して
いる。
【0004】上記内部磁気遮蔽体14の最も基本的な構造
として、図7に示すように、板厚0.1〜0.3mm程度
の軟鋼板を四角形台形状に成形したものがある。しかし
この構造では、遮蔽効果が十分でなく、良好なランディ
ングが得られない場合がある。
として、図7に示すように、板厚0.1〜0.3mm程度
の軟鋼板を四角形台形状に成形したものがある。しかし
この構造では、遮蔽効果が十分でなく、良好なランディ
ングが得られない場合がある。
【0005】説明を簡単にするため、蛍光体スクリーン
を構成する3色蛍光体層が垂直方向に細長いストライプ
からなるカラー受像管について、その内部磁気遮蔽体14
の遮蔽効果を説明すると、このカラー受像管では、電子
ビームのランディングが垂直方向にずれても同一色の蛍
光体層をランディングし、色純度の劣化は生じないた
め、ランディンクずれは問題とならない。しかし水平方
向のランディンクずれは、色純度を劣化する。
を構成する3色蛍光体層が垂直方向に細長いストライプ
からなるカラー受像管について、その内部磁気遮蔽体14
の遮蔽効果を説明すると、このカラー受像管では、電子
ビームのランディングが垂直方向にずれても同一色の蛍
光体層をランディングし、色純度の劣化は生じないた
め、ランディンクずれは問題とならない。しかし水平方
向のランディンクずれは、色純度を劣化する。
【0006】今、管軸をZ、水平軸をX、垂直軸をY、
磁束密度をB、電子ビームの速度をvとすると、上記水
平方向のランディンクに影響する磁界は、その垂直軸方
向成分By ,管軸方向成分Bz であり、これら磁界成分
By ,Bz に電子ビームの管軸方向速度成分vz ,垂直
軸方向速度成分vy が作用してランディンクずれを生じ
させる。図8(a)は、管軸方向成分Bz によるランデ
ィンクずれを矢印16aで示したもので、このランディン
クずれは、実際には、カラー受像管を北向きに設置した
場合の地磁気の管軸方向成分Bz と垂直偏向にともなう
電子ビームの垂直方向速度成分vy とによるランディン
クずれである。カラー受像管を南向きに設置した場合
は、この図8(a)に示した矢印16とは逆向きのランデ
ィンクずれが生ずる。また図8(b)は、垂直軸方向成
分By によるランディンクずれを矢印16b で示したもの
で、このランディンクずれは、北半球における地磁気の
垂直軸方向成分By と電子ビームの管軸方向速度成分v
z とによるランディンクずれである。
磁束密度をB、電子ビームの速度をvとすると、上記水
平方向のランディンクに影響する磁界は、その垂直軸方
向成分By ,管軸方向成分Bz であり、これら磁界成分
By ,Bz に電子ビームの管軸方向速度成分vz ,垂直
軸方向速度成分vy が作用してランディンクずれを生じ
させる。図8(a)は、管軸方向成分Bz によるランデ
ィンクずれを矢印16aで示したもので、このランディン
クずれは、実際には、カラー受像管を北向きに設置した
場合の地磁気の管軸方向成分Bz と垂直偏向にともなう
電子ビームの垂直方向速度成分vy とによるランディン
クずれである。カラー受像管を南向きに設置した場合
は、この図8(a)に示した矢印16とは逆向きのランデ
ィンクずれが生ずる。また図8(b)は、垂直軸方向成
分By によるランディンクずれを矢印16b で示したもの
で、このランディンクずれは、北半球における地磁気の
垂直軸方向成分By と電子ビームの管軸方向速度成分v
z とによるランディンクずれである。
【0007】上述した内部磁気遮蔽体では、その内側の
電子ビーム通過領域に上記磁界成分By ,Bz をもつ漏
れ磁界が存在し、そのために図8(a)および(b)に
示したランディンクずれが生じ、色純度を劣化する。
電子ビーム通過領域に上記磁界成分By ,Bz をもつ漏
れ磁界が存在し、そのために図8(a)および(b)に
示したランディンクずれが生じ、色純度を劣化する。
【0008】しかし図8(b)に示した磁界の垂直軸方
向成分By によるランディンクずれは、カラー受像管の
仕向地に対応して、蛍光体スクリーン形成時に仕様を微
変更することで対応できるが、図8(a)に示した磁界
の管軸方向成分Bzによるランディンクずれは、カラー
受像管の実際の動作、使用状況などに応じて種々変化す
るものであるため、蛍光体スクリーン形成時に対策する
ことは不可能である。
向成分By によるランディンクずれは、カラー受像管の
仕向地に対応して、蛍光体スクリーン形成時に仕様を微
変更することで対応できるが、図8(a)に示した磁界
の管軸方向成分Bzによるランディンクずれは、カラー
受像管の実際の動作、使用状況などに応じて種々変化す
るものであるため、蛍光体スクリーン形成時に対策する
ことは不可能である。
【0009】上記図8(a)に示した磁界の管軸方向成
分Bzによるランディンクずれを軽減するために、特開
昭53−15061号公報には、図9に示すように、四
角形台形の短辺にV字状の切込み17を設けた内部磁気遮
蔽体14a が示されている。また実公昭55−36298
号公報には、画面の上下端側に磁気遮蔽体を偏在させる
ことが示されている。
分Bzによるランディンクずれを軽減するために、特開
昭53−15061号公報には、図9に示すように、四
角形台形の短辺にV字状の切込み17を設けた内部磁気遮
蔽体14a が示されている。また実公昭55−36298
号公報には、画面の上下端側に磁気遮蔽体を偏在させる
ことが示されている。
【0010】このような磁気遮蔽体を用いると、カラー
受像管を北向きに設置したとき、管軸方向の磁力線が磁
気遮蔽体の長辺方向に強制され、それにともない垂直軸
方向成分By が増加する。すなわち、+y方向(正方
向)では+By が、−y方向(負方向)では−By が増
加し、電子ビームは、画面上部では右方向、画面下部で
は左方向にずれ、右回転のランディンクずれを生ずる。
これは、図8(a)に示した左回転のランディンクずれ
を軽減するものであり、したがってカラー受像管を北向
きまたは南向きに設置した場合の色純度を向上させる。
受像管を北向きに設置したとき、管軸方向の磁力線が磁
気遮蔽体の長辺方向に強制され、それにともない垂直軸
方向成分By が増加する。すなわち、+y方向(正方
向)では+By が、−y方向(負方向)では−By が増
加し、電子ビームは、画面上部では右方向、画面下部で
は左方向にずれ、右回転のランディンクずれを生ずる。
これは、図8(a)に示した左回転のランディンクずれ
を軽減するものであり、したがってカラー受像管を北向
きまたは南向きに設置した場合の色純度を向上させる。
【0011】しかし上記構造では、カラー受像管を東向
きまたは西向きに設置した場合、地磁気の水平軸方向成
分Bx が内部磁気遮蔽体14a の内側を通過しやすくな
る。そのため、内部磁気遮蔽体14a 内側の電子ビーム通
過領域の磁束密度が増加し、かつその内側のバレル形磁
界が強化される。たとえばカラー受像管を東向きに設置
した場合は、図10に示すように、その内側の磁界18はよ
りバレル形となり、画面コーナ部に近いほど、垂直軸方
向成分By が増加し、矢印16c で示す台形状のランディ
ングずれを生ずる。またカラー受像管を西向きに設置し
た場合は、矢印16c とは逆向きのランディングずれ(逆
台形状)が生ずる。
きまたは西向きに設置した場合、地磁気の水平軸方向成
分Bx が内部磁気遮蔽体14a の内側を通過しやすくな
る。そのため、内部磁気遮蔽体14a 内側の電子ビーム通
過領域の磁束密度が増加し、かつその内側のバレル形磁
界が強化される。たとえばカラー受像管を東向きに設置
した場合は、図10に示すように、その内側の磁界18はよ
りバレル形となり、画面コーナ部に近いほど、垂直軸方
向成分By が増加し、矢印16c で示す台形状のランディ
ングずれを生ずる。またカラー受像管を西向きに設置し
た場合は、矢印16c とは逆向きのランディングずれ(逆
台形状)が生ずる。
【0012】以上要するに従来のカラー受像管は、内部
磁気遮蔽体を配置しても、これを北向きまたは南向きに
設置した場合のランディングずれを軽減しようとする
と、東向きまたは西向きに設置した場合のランディング
ずれが増大し、すべての向きに対しランディングずれを
軽減して、色純度を良好にすることが不可能である。
磁気遮蔽体を配置しても、これを北向きまたは南向きに
設置した場合のランディングずれを軽減しようとする
と、東向きまたは西向きに設置した場合のランディング
ずれが増大し、すべての向きに対しランディングずれを
軽減して、色純度を良好にすることが不可能である。
【0013】しかもこの地磁気などの外部磁界がランデ
ィングに与える影響は、カラー受像管が大形になるほど
大きく、たとえば37インチ程度の超大形カラー受像管
になると、電子銃から蛍光体スクリーンまでの距離が2
1インチ型カラー受像管と比較しても、約1.7倍とな
り、電子ビームの移動量は約2.8倍にもなる。さらに
蛍光体スクリーンとシャドウマスクとの間隔も大きくな
り、それに対応して電子ビームの移動量はより大きくな
る。
ィングに与える影響は、カラー受像管が大形になるほど
大きく、たとえば37インチ程度の超大形カラー受像管
になると、電子銃から蛍光体スクリーンまでの距離が2
1インチ型カラー受像管と比較しても、約1.7倍とな
り、電子ビームの移動量は約2.8倍にもなる。さらに
蛍光体スクリーンとシャドウマスクとの間隔も大きくな
り、それに対応して電子ビームの移動量はより大きくな
る。
【0014】実際に内部磁気遮蔽体を配置した37イン
チ型カラー受像管について、日本国内での地磁気による
ランディングずれを測定した結果、カラー受像管を南向
きから北向きにした場合、および西向きから東向きにし
た場合、ともに約50μm 移動した。また最近開発が進
められている蛍光体スクリーンのアスペクト比が16:
9の横長画面の高品位カラー受像管では、蛍光体層の配
列ピッチが0.5〜0.7mmと微細化され、たとえば民
生用の37インチ超大形カラー受像管でも、その蛍光体
層の配列ピッチは、画面中央部で約0.7mm、画面周辺
部で約0.8mmである。これに製造工程でのばらつきを
考慮すると、電子ビームの移動量の余裕度は、30〜4
0μm である。これに対して、実際の電子ビームの移動
量は、南向きから北向きにした場合約60μm 、西向き
から東向きにした場合約30μmとなるため、画面品位
を大幅に劣化する。
チ型カラー受像管について、日本国内での地磁気による
ランディングずれを測定した結果、カラー受像管を南向
きから北向きにした場合、および西向きから東向きにし
た場合、ともに約50μm 移動した。また最近開発が進
められている蛍光体スクリーンのアスペクト比が16:
9の横長画面の高品位カラー受像管では、蛍光体層の配
列ピッチが0.5〜0.7mmと微細化され、たとえば民
生用の37インチ超大形カラー受像管でも、その蛍光体
層の配列ピッチは、画面中央部で約0.7mm、画面周辺
部で約0.8mmである。これに製造工程でのばらつきを
考慮すると、電子ビームの移動量の余裕度は、30〜4
0μm である。これに対して、実際の電子ビームの移動
量は、南向きから北向きにした場合約60μm 、西向き
から東向きにした場合約30μmとなるため、画面品位
を大幅に劣化する。
【0015】つまり、超大形カラー受像管については、
地磁気などの外部磁界の影響により、内部磁気遮蔽体を
配置してもランディングずれが大きく、色純度を大幅に
劣化する。
地磁気などの外部磁界の影響により、内部磁気遮蔽体を
配置してもランディングずれが大きく、色純度を大幅に
劣化する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、カラー
受像管は、地磁気などの外部磁界の影響を避けるため
に、ファンネルの内側に内部磁気遮蔽体が配置されてい
る。しかし内部磁気遮蔽体を配置しても、従来の内部磁
気遮蔽体では、その遮蔽効果が十分でなく、3色蛍光体
層に対する電子ビームのランディングずれが生じ、色純
度が劣化する。特に超大形カラー受像管については、電
子ビームの移動量が大きくなるばかりでなく、さらに高
品位カラー受像管では、蛍光体層の配列ピッチが微細化
して、電子ビームの移動量の余裕度が小さくなるため、
色純度が大幅に劣化するようになる。
受像管は、地磁気などの外部磁界の影響を避けるため
に、ファンネルの内側に内部磁気遮蔽体が配置されてい
る。しかし内部磁気遮蔽体を配置しても、従来の内部磁
気遮蔽体では、その遮蔽効果が十分でなく、3色蛍光体
層に対する電子ビームのランディングずれが生じ、色純
度が劣化する。特に超大形カラー受像管については、電
子ビームの移動量が大きくなるばかりでなく、さらに高
品位カラー受像管では、蛍光体層の配列ピッチが微細化
して、電子ビームの移動量の余裕度が小さくなるため、
色純度が大幅に劣化するようになる。
【0017】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたものであり、地磁気などの外部磁界による電子
ビームの移動量を小さくして、通常のカラー受像管は勿
論、超大形カラー受像管や高品位カラー受像管について
も、色純度を良好にすることを目的とする。
なされたものであり、地磁気などの外部磁界による電子
ビームの移動量を小さくして、通常のカラー受像管は勿
論、超大形カラー受像管や高品位カラー受像管について
も、色純度を良好にすることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】パネルおよびファンネル
からなる外囲器と、そのパネル内面に形成された蛍光体
スクリーンと対向してパネル内側に配置され、多数の電
子ビーム通過孔の形成された有効部の外周にスカート部
が形成されたマスク本体およびこのマスク本体にスカー
ト部を内側にして取付けられた管軸に平行な側壁部を有
するマスクフレームからなるシャドウマスクと、そのマ
スクフレームに取付けられてファンネルの内側に配置さ
れた磁気遮蔽体と、ファンネルのネック内に配置された
電子銃とを備えるカラー受像管において、マスクフレー
ムを磁性体から構成し、かつそのマスクフレームの側壁
部がマスク本体のスカート部の蛍光体スクリーン側端部
よりも蛍光体スクリーン側に延出し、この蛍光体スクリ
ーン側に延出する部分の長さAを、マスク本体のスカー
ト部の蛍光体スクリーン側端部からパネル内面までの距
離をBとし、マスク本体のスカート部の蛍光体スクリー
ン側端部からマスク本体の有効部最外の電子ビーム通過
孔を通過する電子ビームがマスクフレームの側壁部の蛍
光体スクリーン側への延長線との交点までの距離をCと
するとき、マスクフレームの側壁部の全周または一部が B/5≦A<C かつ B/5≦A≦B−5 の関係を満足する大きさとした。
からなる外囲器と、そのパネル内面に形成された蛍光体
スクリーンと対向してパネル内側に配置され、多数の電
子ビーム通過孔の形成された有効部の外周にスカート部
が形成されたマスク本体およびこのマスク本体にスカー
ト部を内側にして取付けられた管軸に平行な側壁部を有
するマスクフレームからなるシャドウマスクと、そのマ
スクフレームに取付けられてファンネルの内側に配置さ
れた磁気遮蔽体と、ファンネルのネック内に配置された
電子銃とを備えるカラー受像管において、マスクフレー
ムを磁性体から構成し、かつそのマスクフレームの側壁
部がマスク本体のスカート部の蛍光体スクリーン側端部
よりも蛍光体スクリーン側に延出し、この蛍光体スクリ
ーン側に延出する部分の長さAを、マスク本体のスカー
ト部の蛍光体スクリーン側端部からパネル内面までの距
離をBとし、マスク本体のスカート部の蛍光体スクリー
ン側端部からマスク本体の有効部最外の電子ビーム通過
孔を通過する電子ビームがマスクフレームの側壁部の蛍
光体スクリーン側への延長線との交点までの距離をCと
するとき、マスクフレームの側壁部の全周または一部が B/5≦A<C かつ B/5≦A≦B−5 の関係を満足する大きさとした。
【0019】
【作用】上記のようにシャドウマスクのマスクフレーム
を構成すると、カラー受像管を北向きまたは南向きに設
置した場合、蛍光体スクリーンとこれに接近して配置さ
れるシャドウマスクとの間の空間を通る外部磁界を、マ
スクフレームの側壁部の蛍光体スクリーン側の端部から
その空間に放射される放出磁界により相殺することがで
き、従来カラー受像管を北向きまたは南向きに設置した
場合に生じたランディングずれ(図9(a)参照)を効
果的に減少させることができるようになる。
を構成すると、カラー受像管を北向きまたは南向きに設
置した場合、蛍光体スクリーンとこれに接近して配置さ
れるシャドウマスクとの間の空間を通る外部磁界を、マ
スクフレームの側壁部の蛍光体スクリーン側の端部から
その空間に放射される放出磁界により相殺することがで
き、従来カラー受像管を北向きまたは南向きに設置した
場合に生じたランディングずれ(図9(a)参照)を効
果的に減少させることができるようになる。
【0020】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明を実施例に基
づいて説明する。
づいて説明する。
【0021】図1(a)にその一実施例であるカラー受
像管の全体の構成を、同(b)にその要部を拡大して示
す。
像管の全体の構成を、同(b)にその要部を拡大して示
す。
【0022】このカラー受像管は、ほぼ矩形状のパネル
1およびこのパネル1に一体に接合された漏斗状のファ
ンネル2からなる外囲器を有し、そのパネル1内面に、
青,緑,赤に発光する3色蛍光体層からなる蛍光体スク
リーン3が形成され、この蛍光体スクリーン3に接近し
て、その内側にほぼ矩形状のシャドウマスク20が配置さ
れ、パネル1の四隅部に固定されたスタッドピン21と後
述するシャドウマスク20のほぼ矩形状のマスクフレーム
22の四隅部に取付けられてこのスタッドピン21に嵌合係
止するほぼV字状の弾性支持体23とにより、パネル1内
側に支持されている。また上記マスクフレーム22に、フ
ァンネル2の内側に位置する内部磁気遮蔽体14が取付け
られている。さらにファンネル2のネック9内に、3電
子ビーム10を放出する電子銃11が配置されている。
1およびこのパネル1に一体に接合された漏斗状のファ
ンネル2からなる外囲器を有し、そのパネル1内面に、
青,緑,赤に発光する3色蛍光体層からなる蛍光体スク
リーン3が形成され、この蛍光体スクリーン3に接近し
て、その内側にほぼ矩形状のシャドウマスク20が配置さ
れ、パネル1の四隅部に固定されたスタッドピン21と後
述するシャドウマスク20のほぼ矩形状のマスクフレーム
22の四隅部に取付けられてこのスタッドピン21に嵌合係
止するほぼV字状の弾性支持体23とにより、パネル1内
側に支持されている。また上記マスクフレーム22に、フ
ァンネル2の内側に位置する内部磁気遮蔽体14が取付け
られている。さらにファンネル2のネック9内に、3電
子ビーム10を放出する電子銃11が配置されている。
【0023】なお、12はファンネル2の外側に装着され
た偏向ヨークである。
た偏向ヨークである。
【0024】上記シャドウマスク20は、多数の電子ビー
ム通過孔24の形成された有効部の外周にスカート部25が
形成されたほぼ矩形状のマスク本体26と、管軸(Z軸)
に平行な側壁部27およびこの側壁部27の電子銃11側端部
から内側に張出した張出部28を有する断面L字形のほぼ
矩形状の低炭素鋼板などの磁性体からなるマスクフレー
ム22とから構成され、そのマスク本体26は、そのスカー
ト部25がそのマスクフレーム22の側壁部27の中間部内側
に溶接により取付けられ、側壁部27の蛍光体スクリーン
3側端部は、マスク本体26の周縁、すなわちマスク本体
26のスカート部26の蛍光体スクリーン3側端部よりも、
蛍光体スクリーン3側に延出している。
ム通過孔24の形成された有効部の外周にスカート部25が
形成されたほぼ矩形状のマスク本体26と、管軸(Z軸)
に平行な側壁部27およびこの側壁部27の電子銃11側端部
から内側に張出した張出部28を有する断面L字形のほぼ
矩形状の低炭素鋼板などの磁性体からなるマスクフレー
ム22とから構成され、そのマスク本体26は、そのスカー
ト部25がそのマスクフレーム22の側壁部27の中間部内側
に溶接により取付けられ、側壁部27の蛍光体スクリーン
3側端部は、マスク本体26の周縁、すなわちマスク本体
26のスカート部26の蛍光体スクリーン3側端部よりも、
蛍光体スクリーン3側に延出している。
【0025】しかもこのマスクフレーム22の側壁部27の
蛍光体スクリーン3側に延出する部分の長さAは、マス
ク本体26の有効部最外の電子ビーム通過孔24a を通過す
る電子ビーム10a を阻止しないように、マスク本体26の
スカート部26の蛍光体スクリーン3側端部から上記電子
ビーム10a の軌道と側壁部27の蛍光体スクリーン3側へ
の延長線との交点29までの距離をCよりも短くなってい
る(A<C)。ただしカラー受像管の公称偏向角あるい
は偏向方向によっては、マスク本体の有効部最外の電子
ビーム通過孔24a を通過してパネル1内面に達する電子
ビーム10が側壁部27の蛍光体スクリーン3側への延長線
よりも管軸側になり、側壁部の蛍光体スクリーン側への
延長線と交差しない場合もある。この場合は、特に上記
電子ビーム10a の軌道との関係は考慮する必要はない。
蛍光体スクリーン3側に延出する部分の長さAは、マス
ク本体26の有効部最外の電子ビーム通過孔24a を通過す
る電子ビーム10a を阻止しないように、マスク本体26の
スカート部26の蛍光体スクリーン3側端部から上記電子
ビーム10a の軌道と側壁部27の蛍光体スクリーン3側へ
の延長線との交点29までの距離をCよりも短くなってい
る(A<C)。ただしカラー受像管の公称偏向角あるい
は偏向方向によっては、マスク本体の有効部最外の電子
ビーム通過孔24a を通過してパネル1内面に達する電子
ビーム10が側壁部27の蛍光体スクリーン3側への延長線
よりも管軸側になり、側壁部の蛍光体スクリーン側への
延長線と交差しない場合もある。この場合は、特に上記
電子ビーム10a の軌道との関係は考慮する必要はない。
【0026】しかしこのような場合でも、パネル1内面
と側壁部27の蛍光体スクリーン3側端部との間隔(余
裕)は、考慮する必要がある。すなわち、パネル1内面
と側壁部27の蛍光体スクリーン3側端部との間隔が小さ
くなると、蛍光体スクリーンの形成工程など、カラー受
像管の製造工程で繰返しおこなわれるシャドウマスク20
の着脱時に側壁部27の蛍光体スクリーン3側端部がパネ
ル1内面に当って傷付け、蛍光体スクリーン3形成後に
おこなわれるパネル1とファンネル2との接合(封着)
あるいは排気工程での高温加熱時にクラックが発生しや
すくなる。
と側壁部27の蛍光体スクリーン3側端部との間隔(余
裕)は、考慮する必要がある。すなわち、パネル1内面
と側壁部27の蛍光体スクリーン3側端部との間隔が小さ
くなると、蛍光体スクリーンの形成工程など、カラー受
像管の製造工程で繰返しおこなわれるシャドウマスク20
の着脱時に側壁部27の蛍光体スクリーン3側端部がパネ
ル1内面に当って傷付け、蛍光体スクリーン3形成後に
おこなわれるパネル1とファンネル2との接合(封着)
あるいは排気工程での高温加熱時にクラックが発生しや
すくなる。
【0027】本発明者の実験結果では、カラー受像管の
大きさにもよるが、上記パネル1内面と側壁部27の蛍光
体スクリーン3側端部との間隔は、5mm程度が適正であ
った。勿論、この間隔は、パネル1に対するシャドウマ
スク20の着脱を注意深くおこなえば、さらに小さく設定
できるが、間隔が小さくなると、それに比例してシャド
ウマスク20の着脱の作業性が低下し、量産に適さなくな
る。
大きさにもよるが、上記パネル1内面と側壁部27の蛍光
体スクリーン3側端部との間隔は、5mm程度が適正であ
った。勿論、この間隔は、パネル1に対するシャドウマ
スク20の着脱を注意深くおこなえば、さらに小さく設定
できるが、間隔が小さくなると、それに比例してシャド
ウマスク20の着脱の作業性が低下し、量産に適さなくな
る。
【0028】つまり、マスクフレーム22の側壁部27の蛍
光体スクリーン3側に延出する部分の長さAは、マスク
本体26のスカート部25の蛍光体スクリーン3側端部から
パネル1内面までの距離Bに対して、 A≦B−5 を満足するように形成される。
光体スクリーン3側に延出する部分の長さAは、マスク
本体26のスカート部25の蛍光体スクリーン3側端部から
パネル1内面までの距離Bに対して、 A≦B−5 を満足するように形成される。
【0029】ところで、上記のようにシャドウマスク20
を構成すると、カラー受像管を南向きに設置した場合、
図2(a)に示す磁界が形成される。比較のために同
(b)に示した従来のカラー受像管では、内部磁気遮蔽
体14などを介してマスクフレーム8を通過する磁気によ
り、マスクフレーム8の側壁部7の蛍光体スクリーン3
側端部がN極に磁化され、放出磁界31が形成される。こ
の放出磁界31の一部は、内部磁気遮蔽体14側に形成され
るS極に向かい、内部磁気遮蔽体14の内側の電子ビーム
通過領域を通る磁気32の一部を相殺して遮蔽する。しか
し蛍光体スクリーン3とシャドウマスク4との間の空間
については、磁気32を相殺する方向の放出磁界31が形成
されないため、磁気32に対する遮蔽効果は、全く得られ
ない。
を構成すると、カラー受像管を南向きに設置した場合、
図2(a)に示す磁界が形成される。比較のために同
(b)に示した従来のカラー受像管では、内部磁気遮蔽
体14などを介してマスクフレーム8を通過する磁気によ
り、マスクフレーム8の側壁部7の蛍光体スクリーン3
側端部がN極に磁化され、放出磁界31が形成される。こ
の放出磁界31の一部は、内部磁気遮蔽体14側に形成され
るS極に向かい、内部磁気遮蔽体14の内側の電子ビーム
通過領域を通る磁気32の一部を相殺して遮蔽する。しか
し蛍光体スクリーン3とシャドウマスク4との間の空間
については、磁気32を相殺する方向の放出磁界31が形成
されないため、磁気32に対する遮蔽効果は、全く得られ
ない。
【0030】これに対して図2(a)に示したこの例の
カラー受像管では、上記従来のカラー受像管と同様に、
マスクフレーム22の側壁部27の蛍光体スクリーン3側端
部がN極に磁化され、放出磁界31が形成され、その一部
は、内部磁気遮蔽体14側のS極に向かい、内部磁気遮蔽
体14の内側の電子ビーム通過領域を通る磁気32の一部を
相殺するが、この例のカラー受像管の放出磁界31は、従
来のカラー受像管にくらべて側壁部27の蛍光体スクリー
ン3側端部が蛍光体スクリーン3側に接近して延出して
いるため、放出磁界31が蛍光体スクリーン3側に張出
す。その結果、内部磁気遮蔽体14の内側の電子ビーム通
過領域ばかりでなく、パネル1内面とシャドウマスク20
との間の空間を通る磁気32も相殺する。
カラー受像管では、上記従来のカラー受像管と同様に、
マスクフレーム22の側壁部27の蛍光体スクリーン3側端
部がN極に磁化され、放出磁界31が形成され、その一部
は、内部磁気遮蔽体14側のS極に向かい、内部磁気遮蔽
体14の内側の電子ビーム通過領域を通る磁気32の一部を
相殺するが、この例のカラー受像管の放出磁界31は、従
来のカラー受像管にくらべて側壁部27の蛍光体スクリー
ン3側端部が蛍光体スクリーン3側に接近して延出して
いるため、放出磁界31が蛍光体スクリーン3側に張出
す。その結果、内部磁気遮蔽体14の内側の電子ビーム通
過領域ばかりでなく、パネル1内面とシャドウマスク20
との間の空間を通る磁気32も相殺する。
【0031】図3にアスペクト比が16:9の36イン
チ型高品位カラー受像管について、マスクフレームの側
壁部の蛍光体スクリーン側に延出する部分の長さAを種
々変え、日本国内での地磁気によるランディングずれを
測定した結果を示す。図の縦軸に示すN/S移動量は、
カラー受像管を北向きから南向きにしたときのランディ
ングずれ量であり、E/W移動量は、東向きから西向き
にしたときのランディングずれ量である。なお、横軸に
は、側壁部の蛍光体スクリーン側に延出する部分の長さ
Aを、マスク本体のスカート部の蛍光体スクリーン側端
部からパネル内面までの距離Bとの比で示した。図3
(a)に示した曲線33は画面対角軸端でのN/S移動
量、線34は同じく画面対角軸端でのE/W移動量、同
(b)の曲線35は画面垂直軸端でのN/S移動量であ
る。
チ型高品位カラー受像管について、マスクフレームの側
壁部の蛍光体スクリーン側に延出する部分の長さAを種
々変え、日本国内での地磁気によるランディングずれを
測定した結果を示す。図の縦軸に示すN/S移動量は、
カラー受像管を北向きから南向きにしたときのランディ
ングずれ量であり、E/W移動量は、東向きから西向き
にしたときのランディングずれ量である。なお、横軸に
は、側壁部の蛍光体スクリーン側に延出する部分の長さ
Aを、マスク本体のスカート部の蛍光体スクリーン側端
部からパネル内面までの距離Bとの比で示した。図3
(a)に示した曲線33は画面対角軸端でのN/S移動
量、線34は同じく画面対角軸端でのE/W移動量、同
(b)の曲線35は画面垂直軸端でのN/S移動量であ
る。
【0032】図3(a)に示したように、画面対角軸端
では、A/B=0、すなわちA=0である従来のカラー
受像管の場合は、N/S移動量が約60μm 、E/W移
動量が約30μm であり、特にN/S移動量が大きく、
蛍光体層の配列ピッチの小さい高品位カラー受像管につ
いては、画面品位が大幅に劣化するが、Aを大きくする
にしたがってN/S移動量は大きく減少し、マスクフレ
ームの側壁部がシャドウマスクの有効部最外の電子ビー
ム通過孔を通過して蛍光体層をランディングする電子ビ
ームを阻害しない大きさ、すなわちカラー受像管の幾何
学的寸法から割出したA/B≦40%の最大寸法A/B
=40%では、約20μm となり、従来のカラー受像管
のA=0の場合に対して、N/S移動量を1/3に低減
することができる。
では、A/B=0、すなわちA=0である従来のカラー
受像管の場合は、N/S移動量が約60μm 、E/W移
動量が約30μm であり、特にN/S移動量が大きく、
蛍光体層の配列ピッチの小さい高品位カラー受像管につ
いては、画面品位が大幅に劣化するが、Aを大きくする
にしたがってN/S移動量は大きく減少し、マスクフレ
ームの側壁部がシャドウマスクの有効部最外の電子ビー
ム通過孔を通過して蛍光体層をランディングする電子ビ
ームを阻害しない大きさ、すなわちカラー受像管の幾何
学的寸法から割出したA/B≦40%の最大寸法A/B
=40%では、約20μm となり、従来のカラー受像管
のA=0の場合に対して、N/S移動量を1/3に低減
することができる。
【0033】また図3(b)に示したように、画面垂直
軸端では、A/B=0の従来のカラー受像管の場合は、
N/S移動量が約30μm であるが、Aを大きくするに
したがってN/S移動量は減少し、パネル内面との間隔
が問題とならない大きさ(一般に画面垂直軸端ではマス
クフレームの側壁部が電子ビームを阻害することはな
い)、すなわち、A=B−5mmとなる最大寸法A/B=
60%では、約10μmとなり、従来のカラー受像管の
A=0の場合に対して、N/S移動量を1/3に低減す
ることができる。
軸端では、A/B=0の従来のカラー受像管の場合は、
N/S移動量が約30μm であるが、Aを大きくするに
したがってN/S移動量は減少し、パネル内面との間隔
が問題とならない大きさ(一般に画面垂直軸端ではマス
クフレームの側壁部が電子ビームを阻害することはな
い)、すなわち、A=B−5mmとなる最大寸法A/B=
60%では、約10μmとなり、従来のカラー受像管の
A=0の場合に対して、N/S移動量を1/3に低減す
ることができる。
【0034】しかも画面対角軸端および垂直軸端でN/
S移動量の減少が明確に現れるのは、A/B≧20%で
あり、A≧B/5としたときに、効果的な磁気遮蔽効果
が得られるようになる。
S移動量の減少が明確に現れるのは、A/B≧20%で
あり、A≧B/5としたときに、効果的な磁気遮蔽効果
が得られるようになる。
【0035】またE/W移動量については、図3(a)
に示したように、ほとんど変化はない。これは、Aを大
きくすれば、パネル内面とシャドウマスクとの間の空間
を通る磁気を相殺して、この空間の不要磁界の磁束密度
を小さくするが、逆に図10に示したと同じようにマス
クフレーム内側の磁界のバレル成分が増大する。そのた
め、総合的にE/W移動量はほとんど変わらない。
に示したように、ほとんど変化はない。これは、Aを大
きくすれば、パネル内面とシャドウマスクとの間の空間
を通る磁気を相殺して、この空間の不要磁界の磁束密度
を小さくするが、逆に図10に示したと同じようにマス
クフレーム内側の磁界のバレル成分が増大する。そのた
め、総合的にE/W移動量はほとんど変わらない。
【0036】また、アスペクト比が4:3の37インチ
型カラー受像管について同様の試験をおこなった結果で
は、図4に画面対角軸端でのN/S移動量を曲線36、同
E/W移動量を曲線37で示すように、従来のカラー受像
管については(A/B=0,A=0)、画面対角軸端で
のN/S移動量およびE/W移動量は、ともに約50μ
m であるが、Aを大きくするにしたがって、N/S移動
量およびE/W移動量はともに低減し、特にN/S移動
量が大きく減少する。またこのカラー受像管では、マス
クフレームの側壁部がシャドウマスクの有効部最外の電
子ビーム通過孔を通過して蛍光体層をランディングする
電子ビームを阻害しない大きさは、A/B≦45%であ
り、その最大寸法A/B=45%では、約15μm とな
り、従来のカラー受像管に対して、N/S移動量を約3
0%に低減することができる。しかもそのN/S移動量
の減少が明確に現れるのは、前記36インチ型高品位カ
ラー受像管の場合と同様にA/B≧20%、すなわちA
≧B/5とした場合である。これに対してE/W移動量
は、N/S移動量のように顕著な変化は現れない。
型カラー受像管について同様の試験をおこなった結果で
は、図4に画面対角軸端でのN/S移動量を曲線36、同
E/W移動量を曲線37で示すように、従来のカラー受像
管については(A/B=0,A=0)、画面対角軸端で
のN/S移動量およびE/W移動量は、ともに約50μ
m であるが、Aを大きくするにしたがって、N/S移動
量およびE/W移動量はともに低減し、特にN/S移動
量が大きく減少する。またこのカラー受像管では、マス
クフレームの側壁部がシャドウマスクの有効部最外の電
子ビーム通過孔を通過して蛍光体層をランディングする
電子ビームを阻害しない大きさは、A/B≦45%であ
り、その最大寸法A/B=45%では、約15μm とな
り、従来のカラー受像管に対して、N/S移動量を約3
0%に低減することができる。しかもそのN/S移動量
の減少が明確に現れるのは、前記36インチ型高品位カ
ラー受像管の場合と同様にA/B≧20%、すなわちA
≧B/5とした場合である。これに対してE/W移動量
は、N/S移動量のように顕著な変化は現れない。
【0037】さらに、アスペクト比が4:3の34イン
チ型カラー受像管について同様の試験をおこなった結果
では、図5に画面対角軸端でのN/S移動量を曲線38、
同E/W移動量を曲線39で示すように、従来のカラー受
像管については(A/B=0,A=0)、画面対角軸端
でのN/S移動量が約40μm 、E/W移動量が約35
μm であるが、Aを大きくするにしたがって、N/S移
動量およびE/W移動量はともに低減し、特にN/S移
動量が大きく減少する。またこのカラー受像管では、マ
スクフレームの側壁部がシャドウマスクの有効部最外の
電子ビーム通過孔を通過して蛍光体層をランディングす
る電子ビームを阻害しない大きさは、前記37インチ型
カラー受像管と同様にA/B≦45%であり、その最大
寸法A/B=45%では、約10μm となり、従来のカ
ラー受像管に対して、N/S移動量を約25%に低減す
ることができる。しかもN/S移動量の減少が明確に現
れるのは、A/B≧20%、すなわちA≧B/5とした
場合である。これに対してE/W移動量は、前記37イ
ンチ型カラー受像管と同様にN/S移動量ほど顕著な変
化は現れない。
チ型カラー受像管について同様の試験をおこなった結果
では、図5に画面対角軸端でのN/S移動量を曲線38、
同E/W移動量を曲線39で示すように、従来のカラー受
像管については(A/B=0,A=0)、画面対角軸端
でのN/S移動量が約40μm 、E/W移動量が約35
μm であるが、Aを大きくするにしたがって、N/S移
動量およびE/W移動量はともに低減し、特にN/S移
動量が大きく減少する。またこのカラー受像管では、マ
スクフレームの側壁部がシャドウマスクの有効部最外の
電子ビーム通過孔を通過して蛍光体層をランディングす
る電子ビームを阻害しない大きさは、前記37インチ型
カラー受像管と同様にA/B≦45%であり、その最大
寸法A/B=45%では、約10μm となり、従来のカ
ラー受像管に対して、N/S移動量を約25%に低減す
ることができる。しかもN/S移動量の減少が明確に現
れるのは、A/B≧20%、すなわちA≧B/5とした
場合である。これに対してE/W移動量は、前記37イ
ンチ型カラー受像管と同様にN/S移動量ほど顕著な変
化は現れない。
【0038】以上要するにこの例のカラー受像管は、シ
ャドウマスク20のマスクフレーム22の側壁部27をマスク
本体26のスカート部25の蛍光体スクリーン3側端部から
蛍光体スクリーン3側に延在する部分の長さAを、 B/5≦A<C かつ B/5≦A≦B−5 を満足する大きさにすることにより、少なくともE/W
移動量を劣化させることなく、N/S移動量を大幅に低
減させて、良好な磁気遮蔽効果が得られる。
ャドウマスク20のマスクフレーム22の側壁部27をマスク
本体26のスカート部25の蛍光体スクリーン3側端部から
蛍光体スクリーン3側に延在する部分の長さAを、 B/5≦A<C かつ B/5≦A≦B−5 を満足する大きさにすることにより、少なくともE/W
移動量を劣化させることなく、N/S移動量を大幅に低
減させて、良好な磁気遮蔽効果が得られる。
【0039】なお、上記実施例では、シャドウマスクを
その四隅部で支持するカラー受像管について説明した
が、この発明は、シャドウマスクを四隅部以外で支持す
るカラー受像管についても適用可能である。
その四隅部で支持するカラー受像管について説明した
が、この発明は、シャドウマスクを四隅部以外で支持す
るカラー受像管についても適用可能である。
【0040】
【発明の効果】パネル内面に形成された蛍光体スクリー
ンと対向してその内側に配置されるシャドウマスクのマ
スクフレームの管軸に平行な側壁部を、マスク本体のス
カート部の蛍光体スクリーン側端部よりも蛍光体スクリ
ーン側に延出し、その延出する部分の長さAを、マスク
本体のスカート部の蛍光体スクリーン側端部からからパ
ネル内面までの距離をBとし、マスク本体のスカート部
の蛍光体スクリーン側端部からマスク本体の有効部最外
の電子ビーム通過孔を通過する電子ビームがマスクフレ
ームの側壁部の蛍光体スクリーン側への延長線と交差す
る点までの距離をCとして、マスクフレームの側壁部の
全周または一部を、 B/5≦A<C かつ B/5≦A≦B−5 の関係を満足する大きさにすると、蛍光体スクリーンと
シャドウマスクとの間の空間を通る外部磁界をマスクフ
レームの側壁部の蛍光体スクリーン側の端部からその空
間に放射される放出磁界により相殺して、従来カラー受
像管に生じたランディングずれを効果的に減少させ、色
純度良好なカラー受像管とすることができる。
ンと対向してその内側に配置されるシャドウマスクのマ
スクフレームの管軸に平行な側壁部を、マスク本体のス
カート部の蛍光体スクリーン側端部よりも蛍光体スクリ
ーン側に延出し、その延出する部分の長さAを、マスク
本体のスカート部の蛍光体スクリーン側端部からからパ
ネル内面までの距離をBとし、マスク本体のスカート部
の蛍光体スクリーン側端部からマスク本体の有効部最外
の電子ビーム通過孔を通過する電子ビームがマスクフレ
ームの側壁部の蛍光体スクリーン側への延長線と交差す
る点までの距離をCとして、マスクフレームの側壁部の
全周または一部を、 B/5≦A<C かつ B/5≦A≦B−5 の関係を満足する大きさにすると、蛍光体スクリーンと
シャドウマスクとの間の空間を通る外部磁界をマスクフ
レームの側壁部の蛍光体スクリーン側の端部からその空
間に放射される放出磁界により相殺して、従来カラー受
像管に生じたランディングずれを効果的に減少させ、色
純度良好なカラー受像管とすることができる。
【図1】図1(a)はこの発明の一実施例であるカラー
受像管の全体の構成を示す図、図1(b)はその要部を
拡大して示す図である。
受像管の全体の構成を示す図、図1(b)はその要部を
拡大して示す図である。
【図2】図2(a)は上記一実施例カラー受像管の磁気
遮蔽効果を説明するための図、図2(b)は比較のため
に示した従来のカラー受像管の磁気遮蔽効果を説明する
ための図である。
遮蔽効果を説明するための図、図2(b)は比較のため
に示した従来のカラー受像管の磁気遮蔽効果を説明する
ための図である。
【図3】図3(a)は上記一実施例の36インチ型高品
位カラー受像管の画面対角軸端でのN/S移動量および
E/W移動量を説明するための図、図3(b)は同じく
画面垂直軸端でのN/S移動量を説明するための図であ
る。
位カラー受像管の画面対角軸端でのN/S移動量および
E/W移動量を説明するための図、図3(b)は同じく
画面垂直軸端でのN/S移動量を説明するための図であ
る。
【図4】同じく37インチ型カラー受像管の画面対角軸
端でのN/S移動量およびE/W移動量を説明するため
の図である。
端でのN/S移動量およびE/W移動量を説明するため
の図である。
【図5】同じく34インチ型カラー受像管の画面対角軸
端でのN/S移動量およびE/W移動量を説明するため
の図である。
端でのN/S移動量およびE/W移動量を説明するため
の図である。
【図6】従来のカラー受像管の構成を示す図である。
【図7】その内部磁気遮蔽体の基本的な構造を示す図で
ある。
ある。
【図8】図8(a)および(b)はそれぞれ上記内部磁
気遮蔽体を用いた従来のカラー受像管のランディングず
れを示す図である。
気遮蔽体を用いた従来のカラー受像管のランディングず
れを示す図である。
【図9】従来の改良された内部磁気遮蔽体の構造を示す
図である。
図である。
【図10】その改良された内部磁気遮蔽体を用いたカラ
ー受像管のランディングずれを示す図である。
ー受像管のランディングずれを示す図である。
1…パネル 2…ファンネル 3…蛍光体スクリーン 11…電子銃 14…内部磁気遮蔽体 20…シャドウマスク 21…スタッドピン 22…マスクフレーム 23…マスクフレーム 24…電子ビーム通過孔 25…スカート部 26…マスク本体 27…側壁部
Claims (1)
- 【請求項1】 パネルおよびファンネルからなる外囲器
と、上記パネル内面に形成された蛍光体スクリーンと対
向して上記パネル内側に配置され、多数の電子ビーム通
過孔の形成された有効部の外周にスカート部が形成され
たマスク本体およびこのマスク本体に上記スカート部を
内側にして取付けられた管軸に平行な側壁部を有するマ
スクフレームからなるシャドウマスクと、上記マスクフ
レームに取付けられて上記ファンネルの内側に配置され
た磁気遮蔽体と、上記のファンネルのネック内に配置さ
れた電子銃とを備えるカラー受像管において、 上記マスクフレームは磁性体から構成され、かつ上記マ
スクフレームの側壁部は上記マスク本体のスカート部の
蛍光体スクリーン側端部よりも上記蛍光体スクリーン側
に延出し、この蛍光体スクリーン側に延出する部分の長
さAが、上記マスク本体のスカート部の蛍光体スクリー
ン側端部から上記パネル内面までの距離をBとし、上記
マスク本体のスカート部の蛍光体スクリーン側端部から
上記マスク本体の有効部最外の電子ビーム通過孔を通過
する電子ビームが上記マスクフレームの側壁部の蛍光体
スクリーン側への延長線との交点までの距離をCとする
とき、上記マスクフレームの側壁部の全周または一部が B/5≦A<C かつ B/5≦A≦B−5 の関係を満足することを特徴とするカラー受像管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21408691A JP3144845B2 (ja) | 1991-08-27 | 1991-08-27 | カラー受像管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21408691A JP3144845B2 (ja) | 1991-08-27 | 1991-08-27 | カラー受像管 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0554816A true JPH0554816A (ja) | 1993-03-05 |
JP3144845B2 JP3144845B2 (ja) | 2001-03-12 |
Family
ID=16650006
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---|---|---|---|
JP21408691A Expired - Fee Related JP3144845B2 (ja) | 1991-08-27 | 1991-08-27 | カラー受像管 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP3144845B2 (ja) |
-
1991
- 1991-08-27 JP JP21408691A patent/JP3144845B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
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