JPH055456U - 印字ヘツド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】先端ニードルガイドをノーズの所定位置に確実
に位置決め固定することができ、印字ヘッドの品質の安
定化を図る。 【構成】全てのニードルガイドはノーズの後方より挿入
する構造となっている。先端ニードルガイド３の相対向
した両側面にそれぞれ形成した２つの突起３ｂ、３ｃが
ノーズの凸部に嵌め合わされ、ニードル方向に直角な面
の一方方向が位置決め固定される。また先端ニードルガ
イド３の残りの相対向した側面の一方に形成したがた吸
収用小突起３ｄがノーズによってつぶされ、他方方向が
位置決め固定される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は印字ヘッドに係り、特にノーズの空洞部内に収納され、ニードルを整 列させるためのニードル案内孔を有する先端ニードルガイドのノーズへの取り付 け構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ニードルガイドのノーズへの取り付け構造として、ノーズへのニードル ガイドの組立方向とニードルガイドへのニードルの挿入方向とを同一にし、これ らの組立が一貫組立ラインで行うことができるものとして、例えば特開昭６４ー ８０５２号公報に示すものが知られている。この構造は、ノーズの内部に空洞部 を形成し、複数個のニードルガイドをノーズの後方側から積層して挿入し、後方 のニードルガイドをガイドホルダでニードルの前方側に押し、先端ニードルガイ ドの前面をノーズの突出部に押し付けて固定している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、先端ニードルガイドは、ノーズに対するニードルの基準位置を決め るものであるので、ノーズの所定位置に位置決め固定する必要がある。しかるに 、上記従来技術においては、先端ニードルガイドは前面がノーズの突出部に押し 付けられているのみであるので、ニードルの軸線方向と直交する方向に片寄りが 生じる。このため、印字ヘッド毎にノーズに対する先端ニードルガイド位置のば らつきが生じ、一定品質の印字ヘッドが得られないという問題点があった。

【０００４】 また上記従来技術は、全てのニードルガイドが固定されてしまうので、前記し た先端ニードルガイド以外の中間ニードルガイドにおいても固定された時にニー ドルの軸線方向と直交する方向に片寄りが生じ易い。この各ニードルガイドの片 寄りを無くすように組立直すのは、かなり困難である。このように、各ニードル ガイドに片寄りが生じると、ニードル案内孔とニードルとの間に側圧がかかった 状態になり、ニードルの印字のための突没動作の負荷となる。これによってニー ドルの動きが遅くなり、印打応答不良、リボン引っ掛け等が生じ易くなるという 問題点を有する。

【０００５】 そこで、本願出願人は、前記段落番号０００４項に記載したような問題点を解 消するものとして、先端ニードルガイドを単独でノーズに位置決め保持するよう にし、複数個の中間ニードルガイドをニードルの軸線方向に僅かに移動可能なよ うに構成した印字ヘッドを出願した。即ち、ノーズには、前方側に前記先端ニー ドルガイドを保持するための凸部が形成され、前記先端ニードルガイドには、前 記ノーズの凸部の両側に嵌め合わされる２つの突起が形成され、前記ノーズの後 方側には、前記複数個の中間ニードルガイドがニードルの軸線方向に僅かに移動 することができる隙間をもってガイドストッパ部材が設けられている。

【０００６】 ところで、この構造における先端ニードルガイドは、先端ニードルガイドの嵌 合側面に設けられた突起がノーズの凸部に嵌め合わせられることによってニード ルの軸線方向と直交する方向に位置決めされる。しかし、この嵌合面側に直角な 方向はノーズと先端ニードルガイドの隙間が存在するので、先端ニードルガイド が振動等によって移動し、印字ヘッドの品質が安定化しないと共に、印字品質の 低下を招くという恐れがあった。

【０００７】 本考案の目的は、先端ニードルガイドをノーズの所定位置に確実に位置決め固 定することができ、品質の安定化が図れると共に、自動組立が可能な印字ヘッド を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するための本考案の構成は、各ニードルを往復直動自在に案内 すると共に、複数のニードルを整列させるためのニードル案内孔を有する先端ニ ードルガイド、及び複数個の中間ニードルガイドを、ノーズの空洞部内に順次ノ ーズの後方側から積層する形で挿入してなる印字ヘッドにおいて、前記ノーズに は、前方側の相対向した両側面にそれぞれ前記先端ニードルガイドを保持するた めの凸部が形成され、前記先端ニードルガイドには、前記ノーズの凸部に対応し た相対向する両側面に前記凸部の両側に嵌め合わされる２つの嵌合用突起が形成 され、かつ残りの対向する一方の側面にノーズとのがたを吸収するためのがた吸 収用小突起が形成されていることを特徴とする。

【０００９】

【作用】

先端ニードルガイドをノーズの後方より挿入して押圧すると、ノーズの凸部に よって先端ニードルガイドの前方の突起がノーズを弾性変形させながら前記凸部 の穴を通る。そして、前記前方の突起が前記凸部の前方に位置すると、ノーズの 弾性により、ノーズの凸部が先端ニードルガイドの２個の突起間に嵌め合わされ 、先端ニードルガイドはノーズに単独で位置決め固定される。

【００１０】 この場合、先端ニードルガイドは、ニードルの軸線方向に直角な面における一 方の方向には、前記ノーズの凸部に先端ニードルガイドの突起が係合されて位置 決めされる。またこれと直角な他方の方向には、がた吸収用小突起の高さをノー ズと先端ニードルガイドとのがた分より僅かに大きく形成しておき、ノーズを弾 性変形させて、先端ニードルガイドをノーズに挿入するとノーズによつてがた吸 収用小突起がノーズを弾性変形させて位置決めされる。即ち、先端ニードルガイ ドはノーズの所定位置に確実に位置決め固定され、ノーズとの間で動くことはな い。

【００１１】

【実施例】

以下本考案の一実施例を図１により説明する。ノーズアタッチメント１を固定 したノーズ２の内部には、ニードル装着用空洞部２ａが形成されており、このニ ードル装着用空洞部２ａには、前方より後方に順次先端ニードルガイド３、中間 ニードルガイド４乃至７が配設されている。先端ニードルガイド３、中間ニード ルガイド４乃至７は、樹脂により形成されており、各ニードルを直動自在に案内 する共に、複数のニードル８を整列させるためのニードル案内孔が形成されてい る。

【００１２】 先端ニードルガイド３は、それ自体単独にノーズ２に位置決めされるように、 図２、図３及び図４に示すように、外壁部３ａの相対向した両側面（Ｘ方向の面 ）に形成された円弧状の突起３ｂと、この突起３ｂより後方に一定距離離れて形 成された突起３ｃとを有する。なお、前記突起３ｂは第４図に示すように爪状に 形成してもよい。そして、ノーズ２には、前面側に前記先端ニードルガイド３の 突起３ｂと突起３ｃ間に嵌め合わされる凸部２ｂが形成されている。また先端ニ ードルガイド３には、前記突起３ｂが形成された面と直角な残りの面（Ｙ方向の 面）の一方面にがた吸収用小突起３ｄがニードル８の方向に伸びて形成されてい る。前記がた吸収用小突起３ｄは三角形状よりなり、ノーズ２と先端ニードルガ イド３とのがた分より僅かに高く形成されている。一般に、ノーズ２と先端ニー ドルガイド３とのがたは、３０乃至５０μｍ程度であるので、がた吸収用小突起 ３ｄの高さは、５０乃至ニードルμｍ程度に形成されている。またがた吸収用小 突起３ｄの前面は、先端ニードルガイド３のノーズ２への挿入を容易にするため に面取り部３ｅが形成されている。なお、先端ニードルガイド３の挿入を容易に するためには、図５に示すように、がた吸収用小突起３ｄの頂部全体に勾配３ｆ を持たせてもよい。また前記がた吸収用小突起３ｄは三角錐ではなく、円弧状に 形成してもよい。

【００１３】 中間ニードルガイド４乃至７は、それぞれ個別にノーズ２に位置決めされるよ うに、中間ニードルガイド５は、中間ニードルガイド４より外径が大きく形成さ れ、中間ニードルガイド６には中間部に段部６ａが形成されている。そして、ノ ーズ２には、中間ニードルガイド５の前面を位置決めする段部２ｃと、中間ニー ドルガイド６の段部６ａを位置決めする段部２ｄとが形成されている。ここで、 前記段部２ｃ、２ｄの軸方向の位置（寸法）は、中間ニードルガイド４乃至７を 図１に示すように積層する形で順次挿入した時に、次のように形成されている。

【００１４】 段部２ｃは、中間ニードルガイド５の前面を該段部２ｃに当接させた時に、中 間ニードルガイド４の寸法誤差を吸収できるように、中間ニードルガイド５の前 面と中間ニードルガイド４の後端間には、若干の隙間を有するように形成されて いる。段部２ｄも同様に、中間ニードルガイド６の段部６ａを段部２ｄに当接さ せた時に、中間ニードルガイド５の寸法誤差を吸収できるように、中間ニードル ガイド６の前面と中間ニードルガイド５の後端間には、若干の隙間を有するよう に形成されている。

【００１５】 前記ノーズ２の後方外周部には、該ノーズ２に形成されたヨーク位置決め部２ ｅに当接するようにカップ状のヨーク１０が配設されている。ヨーク１０の前方 面には、ヒートシンク１１を有するヒートシンク支持板１２、インシュレータ１ ３及び回路基板１４が配設され、ヒートシンク支持板１２、インシュレータ１３ 及び回路基板１４は段付ピン１５でヨーク１０に固定されている。

【００１６】 ヨーク１０は、外壁部１０ａとセンタリング部１０ｂ間にほぼ円周状に円柱状 のコア部１０ｃを複数個有しており、外壁部１０ａとセンタリング部１０ｂ及び コア部１０ｃの端面は、同一面に形成されている。コア部１０ｃには、コイル１ ６が装着されており、コイル１６の端子は回路基板１４に半田付けされている。 また回路基板１４にはコネクタ１７の端子が半田付けされている。

【００１７】 ヨーク１０のセンタリング部１０ｂには、スペーサ２０を介してガイドストッ パ部材２１が配設され、ガイドストッパ部材２１のストッパ部２１ａは前記ノー ズ２の内部に挿入されている。従って、中間ニードルガイド７の後方への移動は 、ストッパ部２１ａによって規制される。またガイドストッパ部材２１には、前 記コア部１０ｃに対応した位置にスプリング穴２１ｂが形成されており、このス プリング穴２１ｂにアーマチュアリターンスプリング２２が挿入されている。

【００１８】 ヨーク１０の後方側にはアーマチュア位置決め板２３を介してリアカバー２４ が配設されている。リアカバー２４は、内側に円筒状に形成された位置決め部２ ４ａがガイドストッパ部材２１の内周に挿入されて径方向が位置決めされている 。またリアカバー２４の位置決め部２４ａの前方端部とガイドストッパ部材２１ 内には、アーマチュアストッパ２５が配設されている。前記アーマチュア位置決 め板２３には、前記コア部１０ｃに対応してそれぞれ配設されたアーマチュア３ ０の横方向の位置を規制する図示しないガイド溝が形成されている。

【００１９】 アーマチュア３０は、コア部１０ｃに対応した部分に設けられたプランジャ部 ３０ａと、ヨーク１０の外壁部１０ａの端に当接する回動支持部３０ｂと、前記 スペーサ２０に当接するストッパ部３０ｃとを有し、アーマチュア３０の内側端 部には、前記先端ニードルガイド３、中間ニードルガイド４乃至７のニードル案 内孔に挿入されたニードル８が固定されている。前記アーマチュア３０の回動支 持部３０ｂは、ヨーク１０の外壁部１０ａの外周よりヨーク１０側に突出した突 出部３０ｄを有し、ナイフエッジ方式となっている。

【００２０】 そこで、アーマチュア３０の内側先端側は前記アーマチュアリターンスプリン グ２２によってアーマチュアストッパ２５に当接するように付勢される。またア ーマチュア３０は、回動支持部３０ｂがヨーク１０の外壁部１０ａの端部のエッ ジ部に圧接するように、リアカバー２４に取り付けられたアーマチュア用板ばね ３１で付勢されている。

【００２１】 次にかかる構造よりなる印字ヘッドの組立について説明する。ノーズアタッチ メント１が取り付けられたノーズ２の前方側（図において右側）を下方にした状 態で、以下に説明するように組立る。まず、先端ニードルガイド３をノーズ２に 後方より挿入して押圧すると、突起３ｂがノーズ２の凸部２ｂを押し除け、ノー ズ２を弾性変形させて該凸部２ｂの前方に位置すると、突起３ｂが弾性復帰する 。これにより、ノーズ２の凸部２ｂが先端ニードルガイド３は突起３ｂと突起３ ｃ間に嵌め合わされ、先端ニードルガイド３は単独でノーズ２に位置決め固定さ れると共に、先端ニードルガイド３のＸ方向が位置決めされる。また先端ニード ルガイド３をノーズ２に挿入する時に、がた吸収用小突起３ｄの上面がノーズ２ によってつぶされ、先端ニードルガイド３のＹ方向は、がた吸収用小突起３ｄが 形成された面に相対向した面を基準として位置決め固定される。

【００２２】 次に中間ニードルガイド４乃至７をノーズ２の後方より順次挿入する。これに より、中間ニードルガイド４は直接先端ニードルガイド３に、中間ニードルガイ ド５は段部２ｃに、中間ニードルガイド６は段部２ｄに、中間ニードルガイド７ は直接中間ニードルガイド６に当接し、それぞれ個別に位置決めされる。即ち、 中間ニードルガイド４は、先端ニードルガイド３の後端によって位置決めされ、 中間ニードルガイド５は段部２ｃによって位置決めされ、中間ニードルガイド６ は段部２ｄによって位置決めされ、中間ニードルガイド７は中間ニードルガイド ６の後端によって位置決めされる。

【００２３】 一方、ヨーク１０、ヒートシンク１１付きのヒートシンク支持板１２、インシ ュレータ１３及び回路基板１４は、別工程で予め段付ピン１５で一体に固定して おく。そして、回路基板１４に、コネクタ１７及びヨーク１０のコア部１０ｃに 装着されたコイル１６を半田付けしておく。

【００２４】 上記のように一体に組み立てられたヨーク組立体のヨーク１０をノーズ２のヨ ーク位置決め部２ｅに載置する。その後、ヨーク１０のセンタリング部１０ｂに スペーサ２０を載置する。続いてガイドストッパ部材２１のストッパ部２１ａを ノーズ２の後端内周部に挿入して、ガイドストッパ部材２１をスペーサ２０上に 載置する。またヨーク１０の外壁部１０ａ上にアーマチュア位置決め板２３を載 置する。次にガイドストッパ部材２１のスプリング穴２１ｂにアーマチュアリタ ーンスプリング２２を挿入する。

【００２５】 次にアーマチュア３０に固定されたニードル８を中間ニードルガイド７、６、 ５、４及び先端ニードルガイド３のニードル案内孔に挿入し、アーマチュア３０ をアーマチュア位置決め板２３の図示しないガイド溝に挿入し、回動支持部３０ ｂをヨーク１０の外壁部１０ａの端面のエッジ部に当接させる。次にガイドスト ッパ部材２１の後端内周段部２１ｃにアーマチュアストッパ２５を載置する。そ の後、アーマチュア用板ばね３１を有するリアカバー２４の位置決め部２４ａを ガイドストッパ部材２１の後端内周に挿入し、リアカバー２４を載置する。そし て、図示しない固定金具を用いてノーズ２の外周とリアカバー２４の外周をはさ む。これにより、印字ヘッドが組み立てられる。

【００２６】 次に作動について説明する。コイル１６が励磁されていない場合には、アーマ チュア３０はアーマチュアリターンスプリング２２及びアーマチュア用板ばね３ １の付勢力によってアーマチュアストッパ２５に当接している。コイル１６が励 磁されると、コア部１０ｃによってプランジャ部３０ａが引かれ、アーマチュア ３０は回動支持部３０ｂがヨーク１０の外壁部１０ａの端面のエッジ部を中心と して回動する。なお、印字ギャップが最適状態より大きく組立されている場合は 、ストッパ部３０ｃがスペーサ２０に当接し、印打方向の位置を規制する。

【００２７】 これにより、ニードル８は先端ニードルガイド３の前面より突出し、図示しな いインクリボンを介して紙をプラテンに押し付けてドット印字を行なう。コイル １６の励磁が切れると、アーマチュア３０はアーマチュアリターンスプリング２ ２の付勢力並びにプラテンからの反力によって戻る。

【００２８】 このように、先端ニードルガイド３のＸ方向は、ノーズ２の凸部２ｂと突起３ ｂ、３ｃとによって位置決め固定され、Ｙ方向は、がた吸収用小突起３ｄがノー ズ２と先端ニードルガイド３とのがた分を吸収することによって位置決め固定さ れるので、先端ニードルガイド３は常にノーズ２に対して所定位置に確実に位置 決め固定される。また先端ニードルガイド３は振動等によって移動することもな い。

【００２９】

【考案の効果】

本考案によれば、先端ニードルガイドはノーズの所定位置にニードルと同方向 から挿入することで組めるので、自動組立が可能であり、かつ確実に位置決め固 定されるので、印字ヘッドの価格が廉価になると共に、品質の安定化が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す印字ヘッドの断面図で
ある。

【図２】図１のＡーＡ線断面図である。

【図３】先端ニードルガイドの拡大斜視図である。

【図４】図３の要部拡大斜視図である。

【図５】先端ニードルガイドの他の実施例を示す要部拡
大斜視図である。

【符号の説明】

２ ノーズ ２ａ 空洞部 ２ｂ 凸部 ３ 先端ニードルガイド ３ｂ、３ｃ 突起 ３ｄ がた吸収用小突起 ４乃至７ 中間ニードルガイド ８ ニードル

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 各ニードルを往復直動自在に案内すると
   共に、複数のニードルを整列させるためのニードル案内
   孔を有する先端ニードルガイド、及び複数個の中間ニー
   ドルガイドを、ノーズの空洞部内に順次ノーズの後方側
   から積層する形で挿入してなる印字ヘッドにおいて、前
   記ノーズには、前方側の相対向した両側面にそれぞれ前
   記先端ニードルガイドを保持するための凸部が形成さ
   れ、前記先端ニードルガイドには、前記ノーズの凸部に
   対応した相対向する両側面に前記凸部の両側に嵌め合わ
   される２つの嵌合用突起が形成され、かつ残りの対向す
   る一方の側面にノーズとのがたを吸収するためのがた吸
   収用小突起が形成されていることを特徴とする印字ヘッ
   ド。
2. 【請求項２】 前記がた吸収用小突起は、ニードル方向
   に伸びて形成されていることを特徴とする請求項１記載
   の印字ヘッド。