JPH0554357A - 磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体Info
- Publication number
- JPH0554357A JPH0554357A JP21504591A JP21504591A JPH0554357A JP H0554357 A JPH0554357 A JP H0554357A JP 21504591 A JP21504591 A JP 21504591A JP 21504591 A JP21504591 A JP 21504591A JP H0554357 A JPH0554357 A JP H0554357A
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- Japan
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- recording medium
- magnetic recording
- thin film
- metal thin
- magnetic
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 非磁性支持体と該非磁性支持体上に設けられ
た強磁性金属薄膜とを有する磁気記録媒体において、高
密度記録に適し、特に、ギャップ長が小さく飽和磁化の
大きなセンダスト系あるいはアモルファス系等の磁気ヘ
ッドを用いた場合にも良好なC/N比が得られるものを
提供する。 【構成】 強磁性金属薄膜に多数の微小単位構造からな
る網目状微細構造を設けるとともに、該網目状微細構造
の各単位構造の面積を40nm2 以上200nm 2 未満とする。
た強磁性金属薄膜とを有する磁気記録媒体において、高
密度記録に適し、特に、ギャップ長が小さく飽和磁化の
大きなセンダスト系あるいはアモルファス系等の磁気ヘ
ッドを用いた場合にも良好なC/N比が得られるものを
提供する。 【構成】 強磁性金属薄膜に多数の微小単位構造からな
る網目状微細構造を設けるとともに、該網目状微細構造
の各単位構造の面積を40nm2 以上200nm 2 未満とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は強磁性金属薄膜型磁気記
録媒体に関するものである。
録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、情報量の増大とともに、1bit /
μm2 を指向する高密度磁気記録が望まれており、高C
/N比の金属薄膜型磁気記録媒体が求められている。出
力を上げるには磁気記録媒体の磁気特性や表面粗さを改
良することが必要であり、ノイズを下げるには磁気記録
媒体の磁区構造の制御が必要と考えられる。しかしなが
ら、具体的にどのような金属薄膜型磁気記録媒体が適し
たものであるのかは明らかになっていなかった。
μm2 を指向する高密度磁気記録が望まれており、高C
/N比の金属薄膜型磁気記録媒体が求められている。出
力を上げるには磁気記録媒体の磁気特性や表面粗さを改
良することが必要であり、ノイズを下げるには磁気記録
媒体の磁区構造の制御が必要と考えられる。しかしなが
ら、具体的にどのような金属薄膜型磁気記録媒体が適し
たものであるのかは明らかになっていなかった。
【0003】電子顕微鏡デフォーカス法(ローレンツ顕
微鏡法)により観察される磁気記録媒体の磁区構造につ
いては既にいくつかの提案がなされている。特開昭57-1
64421 号公報には「磁性層の消磁磁区の大きさが、磁気
記録の方向に測定して0.03μm〜0.3 μmであることを
特徴とする磁気記録媒体」が記載されており、特公平3
-13645号公報、特公平3-15249号公報、特公平3-15250
号公報、特公平3-15251号公報、特公平3-15252号公
報、特公平3-15253号公報には「少なくとも記録方向に
おいて100 オングストローム以上の幅を有しかつ10μm
内で3個以上の数とされた磁気的相互作用を緩和する隔
壁を有するものであることを特徴とする磁気記録媒体」
が記載されており、また、特公平3-15243号公報には
「磁性膜に少なくとも一方向において100 〜1000オング
ストロームの幅を有しかつ20μm内で1個以上の間隙を
設けたことを特徴とする磁気記録媒体」が記載されてい
る。
微鏡法)により観察される磁気記録媒体の磁区構造につ
いては既にいくつかの提案がなされている。特開昭57-1
64421 号公報には「磁性層の消磁磁区の大きさが、磁気
記録の方向に測定して0.03μm〜0.3 μmであることを
特徴とする磁気記録媒体」が記載されており、特公平3
-13645号公報、特公平3-15249号公報、特公平3-15250
号公報、特公平3-15251号公報、特公平3-15252号公
報、特公平3-15253号公報には「少なくとも記録方向に
おいて100 オングストローム以上の幅を有しかつ10μm
内で3個以上の数とされた磁気的相互作用を緩和する隔
壁を有するものであることを特徴とする磁気記録媒体」
が記載されており、また、特公平3-15243号公報には
「磁性膜に少なくとも一方向において100 〜1000オング
ストロームの幅を有しかつ20μm内で1個以上の間隙を
設けたことを特徴とする磁気記録媒体」が記載されてい
る。
【0004】これらの磁気記録媒体は従来広く用いられ
ていたフェライトを主成分とする磁気ヘッドに対しては
良好なC/N比を示すものであったが、近年、記録密度
の高い記録システムに対応するために開発された、ギャ
ップ長が小さく飽和磁化の大きなセンダスト系あるいは
アモルファス系等の磁気ヘッドを用いた場合にはノイズ
が高く、C/N比が低下するという問題があった。例え
ば、ギャップ長0.15〜0.22μm、飽和磁束密度7000G以
上のリング型ヘッドを用いて記録波長0.5 μm以下の高
密度で記録再生する場合には充分な特性は得られなかっ
た。
ていたフェライトを主成分とする磁気ヘッドに対しては
良好なC/N比を示すものであったが、近年、記録密度
の高い記録システムに対応するために開発された、ギャ
ップ長が小さく飽和磁化の大きなセンダスト系あるいは
アモルファス系等の磁気ヘッドを用いた場合にはノイズ
が高く、C/N比が低下するという問題があった。例え
ば、ギャップ長0.15〜0.22μm、飽和磁束密度7000G以
上のリング型ヘッドを用いて記録波長0.5 μm以下の高
密度で記録再生する場合には充分な特性は得られなかっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の問題点に鑑み、ギャップ長が小さく飽和磁化
の大きなセンダスト系あるいはアモルファス系等の磁気
ヘッドを用いた場合にも良好なC/N比が得られる、高
密度記録に適した磁気記録媒体を提供することにある。
従来技術の問題点に鑑み、ギャップ長が小さく飽和磁化
の大きなセンダスト系あるいはアモルファス系等の磁気
ヘッドを用いた場合にも良好なC/N比が得られる、高
密度記録に適した磁気記録媒体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気記録媒体
は、非磁性支持体上に設けられた強磁性金属薄膜が多数
の微小単位構造からなる網目状微細構造を有し、該網目
状微細構造の各単位構造の面積が40nm2 以上200nm2 未
満であることを特徴とするものである。
は、非磁性支持体上に設けられた強磁性金属薄膜が多数
の微小単位構造からなる網目状微細構造を有し、該網目
状微細構造の各単位構造の面積が40nm2 以上200nm2 未
満であることを特徴とするものである。
【0007】網目状微細構造の各単位構造の面積が40nm
2 より小さくなると一部が超常磁性域となって磁気特性
の劣化を招き、200nm 2 以上になるとノイズが大きくな
ることが認められた。各単位構造の面積は50nm2 〜150n
m 2 の範囲にあることが好ましく、より好ましくは50nm
2 〜100nm 2 の範囲にある。
2 より小さくなると一部が超常磁性域となって磁気特性
の劣化を招き、200nm 2 以上になるとノイズが大きくな
ることが認められた。各単位構造の面積は50nm2 〜150n
m 2 の範囲にあることが好ましく、より好ましくは50nm
2 〜100nm 2 の範囲にある。
【0008】面内磁気等方的な媒体を得るためには、網
目状微細構造の各単位構造における最大径と最小径との
比率は1.2 以下であることが好ましい。
目状微細構造の各単位構造における最大径と最小径との
比率は1.2 以下であることが好ましい。
【0009】本発明における強磁性金属薄膜の網目状微
細構造は電子顕微鏡を用いたデフォーカス法により観察
することができる。デフォーカス法とは正焦点より焦点
をずらして画像を観察する方法で、ローレンツ顕微鏡法
とも呼ばれている。その原理は、電子線が強磁性金属薄
膜を通過する際にローレンツ力によって磁化方向と直角
に曲げられ、コントラストを生じることからなる。像の
コントラストは過焦点・不足焦点で逆転し、正焦点では
コントラストを生じない。
細構造は電子顕微鏡を用いたデフォーカス法により観察
することができる。デフォーカス法とは正焦点より焦点
をずらして画像を観察する方法で、ローレンツ顕微鏡法
とも呼ばれている。その原理は、電子線が強磁性金属薄
膜を通過する際にローレンツ力によって磁化方向と直角
に曲げられ、コントラストを生じることからなる。像の
コントラストは過焦点・不足焦点で逆転し、正焦点では
コントラストを生じない。
【0010】図1〜3は本発明の磁気記録媒体の強磁性
金属薄膜の表面構造を示す電子顕微鏡写真である。図1
は倍率10万倍において正焦点で撮影した写真、図2は倍
率40万倍において正焦点で撮影した写真、図3は倍率30
万倍においてデフォーカス法で撮影した写真に対応す
る。これらはS−900 FE−SEMで撮影したものであ
る。また、図4は図3中に認められた網目状微細構造を
拡大(倍率約40万倍)して示す模式図である。
金属薄膜の表面構造を示す電子顕微鏡写真である。図1
は倍率10万倍において正焦点で撮影した写真、図2は倍
率40万倍において正焦点で撮影した写真、図3は倍率30
万倍においてデフォーカス法で撮影した写真に対応す
る。これらはS−900 FE−SEMで撮影したものであ
る。また、図4は図3中に認められた網目状微細構造を
拡大(倍率約40万倍)して示す模式図である。
【0011】図5は従来の金属薄膜型磁気記録媒体にお
ける強磁性金属薄膜の磁区構造を倍率6000倍で撮影した
電子顕微鏡写真、図6は特開昭57-164421 号公報に記載
された磁気記録媒体の強磁性金属薄膜の磁区構造を示す
模式図である。これらにおいては、本発明の磁気記録媒
体で観察されるような網目状微細構造は形成されていな
い。
ける強磁性金属薄膜の磁区構造を倍率6000倍で撮影した
電子顕微鏡写真、図6は特開昭57-164421 号公報に記載
された磁気記録媒体の強磁性金属薄膜の磁区構造を示す
模式図である。これらにおいては、本発明の磁気記録媒
体で観察されるような網目状微細構造は形成されていな
い。
【0012】本発明の強磁性金属薄膜における網目状微
細構造の微小単位構造の面積や径はデフォーカス法で撮
影した電子顕微鏡写真を引き伸し、画像解析装置にかけ
ることによって測定することができる。
細構造の微小単位構造の面積や径はデフォーカス法で撮
影した電子顕微鏡写真を引き伸し、画像解析装置にかけ
ることによって測定することができる。
【0013】本発明に用いる非磁性支持体としては、一
般に、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイ
ミド、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、三酢酸セルロー
ス、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート
(PEN)等の高分子フィルム材料からなるものが好ま
しい。
般に、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイ
ミド、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、三酢酸セルロー
ス、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート
(PEN)等の高分子フィルム材料からなるものが好ま
しい。
【0014】本発明における強磁性金属薄膜はコバル
ト、ニッケル、および酸素を主成分とするものであるこ
とが好ましい。特に、ニッケル含有量が0〜20原子%、
酸素含有量が18原子%以上であることが好ましい。網目
状微細構造の微小単位構造を小さくするためには酸素含
有量を多くすることが望ましく、22原子%以上とするこ
とがより好ましい。また、強磁性金属薄膜の耐候性を高
めるためには、ニッケルの含有量を5〜20原子%とする
ことがより好ましい。
ト、ニッケル、および酸素を主成分とするものであるこ
とが好ましい。特に、ニッケル含有量が0〜20原子%、
酸素含有量が18原子%以上であることが好ましい。網目
状微細構造の微小単位構造を小さくするためには酸素含
有量を多くすることが望ましく、22原子%以上とするこ
とがより好ましい。また、強磁性金属薄膜の耐候性を高
めるためには、ニッケルの含有量を5〜20原子%とする
ことがより好ましい。
【0015】磁気特性をさらに改良するために、他の元
素、例えば、Fe,Ta,Cr,Ti,B,Pt,Pr
等を含有させることもできる。
素、例えば、Fe,Ta,Cr,Ti,B,Pt,Pr
等を含有させることもできる。
【0016】強磁性金属薄膜の厚さは好ましくは2000オ
ングストローム以下、より好ましくは1800オングストロ
ーム以下であり、磁気特性の制約から、好ましくは500
オングストローム以上、より好ましくは800 オングスト
ローム以上である。
ングストローム以下、より好ましくは1800オングストロ
ーム以下であり、磁気特性の制約から、好ましくは500
オングストローム以上、より好ましくは800 オングスト
ローム以上である。
【0017】高密度域で高出力を得るためには、強磁性
金属薄膜の磁化容易軸は膜面にほぼ垂直な方向にあるこ
とが好ましい。なお、本発明において「膜面にほぼ垂直
な方向」とは磁化容易軸と非磁性支持体表面とのなす角
度が80〜90°の範囲にあることを意味する。
金属薄膜の磁化容易軸は膜面にほぼ垂直な方向にあるこ
とが好ましい。なお、本発明において「膜面にほぼ垂直
な方向」とは磁化容易軸と非磁性支持体表面とのなす角
度が80〜90°の範囲にあることを意味する。
【0018】本発明の磁気記録媒体は、ギャップ長0.15
〜0.22μm、飽和磁束密度7000G以上のリング型ヘッド
を用いて記録波長0.5 μm以下の高密度で記録再生する
場合、特に優れたC/N比を達成することができるもの
である。
〜0.22μm、飽和磁束密度7000G以上のリング型ヘッド
を用いて記録波長0.5 μm以下の高密度で記録再生する
場合、特に優れたC/N比を達成することができるもの
である。
【0019】本発明における強磁性金属薄膜は例えば蒸
着法によって形成することができる。
着法によって形成することができる。
【0020】蒸着室内には成膜時に酸素を主成分とする
ガスを導入することが望ましい。成膜時に導入する酸素
の量を変えることによって強磁性金属薄膜中の酸素の量
を変えることが可能である。さらに、蒸着時のガスはN
2 、Ar等を含むものであってもよい。
ガスを導入することが望ましい。成膜時に導入する酸素
の量を変えることによって強磁性金属薄膜中の酸素の量
を変えることが可能である。さらに、蒸着時のガスはN
2 、Ar等を含むものであってもよい。
【0021】蒸着装置には、ルツボ、電子ビーム、キャ
ン等の組合わせからなる通常の巻取り蒸着装置(ロール
コーター)等を用いることができる。
ン等の組合わせからなる通常の巻取り蒸着装置(ロール
コーター)等を用いることができる。
【0022】ルツボは通常、マグネシア、アルミナ等の
セラミックから形成される。セラミックのみから構成さ
れるものでもよいが、繰返し使用回数を増すためにスタ
ンプ材(セラミック粉体+珪酸ソーダ+水)を約400 ℃
で加熱することにより焼結したものや周囲に金属枠を設
けたものを用いてもよい。
セラミックから形成される。セラミックのみから構成さ
れるものでもよいが、繰返し使用回数を増すためにスタ
ンプ材(セラミック粉体+珪酸ソーダ+水)を約400 ℃
で加熱することにより焼結したものや周囲に金属枠を設
けたものを用いてもよい。
【0023】キャンの温度は通常、−50℃〜300 ℃の範
囲とすることが好ましい。
囲とすることが好ましい。
【0024】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。
する。
【0025】実施例1 図7にその要部の断面を示す巻取り蒸着装置を使用して
磁気記録媒体の試料を作製した。
磁気記録媒体の試料を作製した。
【0026】真空槽1は蒸着室2と巻取り・送出し室3
とに分離されており、各々、別の排気口4,5を通して
所定の真空度まで真空引きされる。送出しロール6から
送り出された非磁性支持体7は円筒状キャン8に沿って
搬送され、巻取りロール9に巻き取られる。蒸着室2の
円筒状キャン8の近傍には蒸気流規制板11およびガス導
入口12,13 が設けられている。ルツボ14中に収納された
蒸着材料15は、電子源16より取り出されて加速された電
子ビーム17により、加熱・蒸発せしめられて蒸気流18と
なる。この時、ガス導入口12,13 からは酸素を主成分と
するガスが導入される。
とに分離されており、各々、別の排気口4,5を通して
所定の真空度まで真空引きされる。送出しロール6から
送り出された非磁性支持体7は円筒状キャン8に沿って
搬送され、巻取りロール9に巻き取られる。蒸着室2の
円筒状キャン8の近傍には蒸気流規制板11およびガス導
入口12,13 が設けられている。ルツボ14中に収納された
蒸着材料15は、電子源16より取り出されて加速された電
子ビーム17により、加熱・蒸発せしめられて蒸気流18と
なる。この時、ガス導入口12,13 からは酸素を主成分と
するガスが導入される。
【0027】非磁性支持体7としては、表面に粒径200
オングストロームのシリカ微粒子を分散させた10μm
厚、100mm 幅のPETフィルムを用いた。蒸着材料とし
てはCo80Ni20を用い、蒸気流の入射角は45°、蒸着
室2内の真空度の初期値は1.5×10-5Torr、非磁性支持
体7の搬送速度は18.5m/分とした。酸素はガス導入口
12から1400cc/分、ガス導入口13から800 cc/分の割合
で導入した。膜厚は1750オングストロームとなるように
制御した。
オングストロームのシリカ微粒子を分散させた10μm
厚、100mm 幅のPETフィルムを用いた。蒸着材料とし
てはCo80Ni20を用い、蒸気流の入射角は45°、蒸着
室2内の真空度の初期値は1.5×10-5Torr、非磁性支持
体7の搬送速度は18.5m/分とした。酸素はガス導入口
12から1400cc/分、ガス導入口13から800 cc/分の割合
で導入した。膜厚は1750オングストロームとなるように
制御した。
【0028】得られた強磁性金属薄膜のHc(抗磁力)
およびBm(飽和磁束密度)を振動試料式磁力計(東英
工業(株)製VSM)により測定した。
およびBm(飽和磁束密度)を振動試料式磁力計(東英
工業(株)製VSM)により測定した。
【0029】また、強磁性金属薄膜をデフォーカス法で
撮影して30万倍に引き伸ばした電子顕微鏡写真を得、K
ONTRON社製の画像解析装置IBAS−Iを用いて
網目状微細構造の微小単位構造の面積を測定した。
撮影して30万倍に引き伸ばした電子顕微鏡写真を得、K
ONTRON社製の画像解析装置IBAS−Iを用いて
網目状微細構造の微小単位構造の面積を測定した。
【0030】さらに、このようにして得た蒸着原反にバ
ックコート層および潤滑剤層を設けた後、8mm幅にスリ
ットし、8mmビデオ用カセットに組み込み、電磁変換特
性を測定した。この測定は市販の8mmVTR(EVS−
900 )を改造したものを用い、ギャップ長0.20μm、B
m(飽和磁束密度)9500GのTSSヘッドを搭載し、キ
ャリア周波数7MHz 、ノイズ周波数4MHz としてC/N
比の測定を行った。基準としては市販MEテープ(ソニ
ー社製)の測定値を0dBとして用いた。なお、この基
準MEテープの網目状微細構造の微小単位構造の面積は
220nm 2 であった。
ックコート層および潤滑剤層を設けた後、8mm幅にスリ
ットし、8mmビデオ用カセットに組み込み、電磁変換特
性を測定した。この測定は市販の8mmVTR(EVS−
900 )を改造したものを用い、ギャップ長0.20μm、B
m(飽和磁束密度)9500GのTSSヘッドを搭載し、キ
ャリア周波数7MHz 、ノイズ周波数4MHz としてC/N
比の測定を行った。基準としては市販MEテープ(ソニ
ー社製)の測定値を0dBとして用いた。なお、この基
準MEテープの網目状微細構造の微小単位構造の面積は
220nm 2 であった。
【0031】測定結果はHc=1220Oe、Bm=4900
G、Y出力+1.8 dB、ノイズ−0.7dB、網目状微細
構造の微小単位構造面積180nm 2 であった。
G、Y出力+1.8 dB、ノイズ−0.7dB、網目状微細
構造の微小単位構造面積180nm 2 であった。
【0032】実施例2 ガス導入口13からの酸素導入量を650cc /分、膜厚を13
00オングストロームとした以外は実施例1と同じ条件で
成膜を行った。
00オングストロームとした以外は実施例1と同じ条件で
成膜を行った。
【0033】測定結果はHc=1290Oe、Bm=4800
G、Y出力+2.2 dB、ノイズ−1.5dB、網目状微細
構造の微小単位構造面積148nm 2 であった。
G、Y出力+2.2 dB、ノイズ−1.5dB、網目状微細
構造の微小単位構造面積148nm 2 であった。
【0034】実施例3 蒸着材料をCo100 、膜厚を2100オングストロームとし
た以外は実施例1と同じ条件で成膜を行った。
た以外は実施例1と同じ条件で成膜を行った。
【0035】測定結果はHc=1550Oe、Bm=5300
G、Y出力+5.4 dB、ノイズ+2.4dB、網目状微細
構造の微小単位構造面積210nm 2 であった。
G、Y出力+5.4 dB、ノイズ+2.4dB、網目状微細
構造の微小単位構造面積210nm 2 であった。
【0036】実施例4 蒸着材料をCo100 とした以外は実施例1と同じ条件で
成膜を行った。
成膜を行った。
【0037】測定結果はHc=1620Oe、Bm=5000
G、Y出力+4.9 dB、ノイズ+1.0dB、網目状微細
構造の微小単位構造面積165nm 2 であった。
G、Y出力+4.9 dB、ノイズ+1.0dB、網目状微細
構造の微小単位構造面積165nm 2 であった。
【0038】実施例5 図8にその要部の断面を示す巻取り蒸着装置を使用して
磁気記録媒体の試料を作製した。図7に示したものと同
様の部材には同様の参照番号を付し、その説明は省略す
る。図7に示したものとの相違点は蒸気流規制板10が新
たに設けられている点およびガス導入口12′がガス導入
口12よりも非磁性支持体7の下流側に設けられている点
である。
磁気記録媒体の試料を作製した。図7に示したものと同
様の部材には同様の参照番号を付し、その説明は省略す
る。図7に示したものとの相違点は蒸気流規制板10が新
たに設けられている点およびガス導入口12′がガス導入
口12よりも非磁性支持体7の下流側に設けられている点
である。
【0039】蒸着材料をCo100 とし、蒸着室2内の真
空度の初期値を1.0 ×10-5Torrとし、蒸気流の入射角を
0°ないし20°とし、酸素をガス導入口12′から600cc
/分、ガス導入口13から100cc /分の割合で導入し、膜
厚を1800オングストロームとした以外は実施例1と同じ
条件で成膜を行った。
空度の初期値を1.0 ×10-5Torrとし、蒸気流の入射角を
0°ないし20°とし、酸素をガス導入口12′から600cc
/分、ガス導入口13から100cc /分の割合で導入し、膜
厚を1800オングストロームとした以外は実施例1と同じ
条件で成膜を行った。
【0040】測定結果はHc(垂直)=1100Oe、Bm
=6700G、Y出力+6.0 dB、ノイズ−2.6 dB、網目
状微細構造の微小単位構造面積85nm2 であった。得られ
た強磁性金属薄膜は垂直磁化膜となっており、網目状微
細構造はほぼ面内等方的であった。
=6700G、Y出力+6.0 dB、ノイズ−2.6 dB、網目
状微細構造の微小単位構造面積85nm2 であった。得られ
た強磁性金属薄膜は垂直磁化膜となっており、網目状微
細構造はほぼ面内等方的であった。
【0041】実施例6 ガス導入口12′からの酸素導入量を800cc /分、膜厚を
1850オングストロームとした以外は実施例5と同じ条件
で成膜を行った。
1850オングストロームとした以外は実施例5と同じ条件
で成膜を行った。
【0042】測定結果はHc(垂直)=1300Oe、Bm
=5500G、Y出力+4.8 dB、ノイズ−3.0 dB、網目
状微細構造の微小単位構造面積70nm2 であった。得られ
た強磁性金属薄膜は垂直磁化膜となっており、網目状微
細構造はほぼ面内等方的であった。
=5500G、Y出力+4.8 dB、ノイズ−3.0 dB、網目
状微細構造の微小単位構造面積70nm2 であった。得られ
た強磁性金属薄膜は垂直磁化膜となっており、網目状微
細構造はほぼ面内等方的であった。
【0043】比較例1 図7にその要部の断面を示す巻取り蒸着装置を使用して
磁気記録媒体の試料を作製した。ガス導入口12から酸素
を導入せず、ガス導入口13からの酸素の導入量を700cc
/分とし、膜厚を2000オングストロームとした以外は実
施例1と同じ条件で成膜を行った。
磁気記録媒体の試料を作製した。ガス導入口12から酸素
を導入せず、ガス導入口13からの酸素の導入量を700cc
/分とし、膜厚を2000オングストロームとした以外は実
施例1と同じ条件で成膜を行った。
【0044】測定結果はHc=1130Oe、Bm=5500
G、Y出力+0.5 dB、ノイズ0.0 dB、網目状微細構
造の微小単位構造面積230nm 2 であった。
G、Y出力+0.5 dB、ノイズ0.0 dB、網目状微細構
造の微小単位構造面積230nm 2 であった。
【0045】図9は実施例1〜6および比較例1におけ
るノイズと網目状微細構造の微小単位構造面積との関係
を示すグラフである。磁気記録媒体の出力が高くなると
ノイズも大きくなるが、Y出力が0〜2dBの群におい
ても、Y出力が4〜6dBの群においても、網目状微細
構造の微小単位構造面積が小さいほど、低ノイズである
ことが認められた。
るノイズと網目状微細構造の微小単位構造面積との関係
を示すグラフである。磁気記録媒体の出力が高くなると
ノイズも大きくなるが、Y出力が0〜2dBの群におい
ても、Y出力が4〜6dBの群においても、網目状微細
構造の微小単位構造面積が小さいほど、低ノイズである
ことが認められた。
【0046】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体は、前記強磁性金
属薄膜が多数の微小単位構造からなる網目状微細構造を
有し、該網目状微細構造の各単位構造の面積が40nm2 以
上200nm 2 未満であることにより、ギャップ長が小さく
飽和磁化の大きなセンダスト系あるいはアモルファス系
等の磁気ヘッドを用いた場合にも良好なC/N比が得ら
れるものであり、高密度記録に適しており、その産業上
の利用価値は極めて大きい。
属薄膜が多数の微小単位構造からなる網目状微細構造を
有し、該網目状微細構造の各単位構造の面積が40nm2 以
上200nm 2 未満であることにより、ギャップ長が小さく
飽和磁化の大きなセンダスト系あるいはアモルファス系
等の磁気ヘッドを用いた場合にも良好なC/N比が得ら
れるものであり、高密度記録に適しており、その産業上
の利用価値は極めて大きい。
【図1】本発明の磁気記録媒体の強磁性金属薄膜の表面
構造を倍率10万倍において正焦点で撮影した電子顕微鏡
写真
構造を倍率10万倍において正焦点で撮影した電子顕微鏡
写真
【図2】本発明の磁気記録媒体の強磁性金属薄膜の表面
構造を倍率40万倍において正焦正焦点で撮影した電子顕
微鏡写真
構造を倍率40万倍において正焦正焦点で撮影した電子顕
微鏡写真
【図3】本発明の磁気記録媒体の強磁性金属薄膜の表面
構造を倍率30万倍においてデフォーカス法で撮影した電
子顕微鏡写真
構造を倍率30万倍においてデフォーカス法で撮影した電
子顕微鏡写真
【図4】図3中に認められた網目状微細構造を拡大して
示す模式図
示す模式図
【図5】従来の金属薄膜型磁気記録媒体における強磁性
金属薄膜の磁区構造を倍率6000倍で撮影した電子顕微鏡
写真
金属薄膜の磁区構造を倍率6000倍で撮影した電子顕微鏡
写真
【図6】特開昭57-164421 号公報に記載された磁気記録
媒体の強磁性金属薄膜の磁区構造を示す模式図
媒体の強磁性金属薄膜の磁区構造を示す模式図
【図7】実施例1〜4および比較例1の製造に用いられ
た巻取り蒸着装置の要部を示す断面図
た巻取り蒸着装置の要部を示す断面図
【図8】実施例5および6の製造に用いられた巻取り蒸
着装置の要部を示す断面図
着装置の要部を示す断面図
【図9】実施例1〜6および比較例1におけるノイズと
網目状微細構造の微小単位構造面積との関係を示すグラ
フ
網目状微細構造の微小単位構造面積との関係を示すグラ
フ
1 真空槽 2 蒸着室 3 巻取り・送出し室 4 排気口 5 排気口 6 送出しロール 7 非磁性支持体 8 円筒状キャン 9 巻取りロール 10 蒸気流規制板 11 蒸気流規制板 12 ガス導入口 12′ ガス導入口 13 ガス導入口 14 ルツボ 15 蒸着材料 16 電子源 17 電子ビーム 18 蒸気流
Claims (4)
- 【請求項1】 非磁性支持体と該非磁性支持体上に設け
られた強磁性金属薄膜とを有する磁気記録媒体におい
て、前記強磁性金属薄膜が多数の微小単位構造からなる
網目状微細構造を有し、該網目状微細構造の各単位構造
の面積が40nm2 以上200nm 2 未満であることを特徴とす
る磁気記録媒体。 - 【請求項2】 前記強磁性金属薄膜が、コバルト、ニッ
ケル、および酸素を主成分とするものであり、ニッケル
含有量が0〜20原子%、酸素含有量が18原子%以上であ
ることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。 - 【請求項3】 前記網目状微細構造の各単位構造におけ
る最大径と最小径との比率が1.2 以下であることを特徴
とする請求項1または2記載の磁気記録媒体。 - 【請求項4】 前記強磁性金属薄膜の磁化容易軸が膜面
にほぼ垂直な方向にあることを特徴とする請求項1〜3
いずれか1項記載の磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21504591A JPH0554357A (ja) | 1991-08-27 | 1991-08-27 | 磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21504591A JPH0554357A (ja) | 1991-08-27 | 1991-08-27 | 磁気記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0554357A true JPH0554357A (ja) | 1993-03-05 |
Family
ID=16665845
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21504591A Withdrawn JPH0554357A (ja) | 1991-08-27 | 1991-08-27 | 磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0554357A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5774783A (en) * | 1995-03-17 | 1998-06-30 | Fujitsu Limited | Magnetic recording medium |
-
1991
- 1991-08-27 JP JP21504591A patent/JPH0554357A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5774783A (en) * | 1995-03-17 | 1998-06-30 | Fujitsu Limited | Magnetic recording medium |
USRE38587E1 (en) | 1995-03-17 | 2004-09-14 | Fujitsu Limited | Magnetic recording medium |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19981112 |