JPH0554081U - 重機等の積載運搬車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 前輪後輪共接地した状態にて積載できるよう
にして積載時の問題を技術的に解決し、重機類の輸送の
みならず長尺物（鉄骨類、材木等）の輸送も可能にする
とともに、傾斜床の操作を容易するとともに確実に作動
するようにし、経費の節減を図り、安全な作業を保証で
きる重機等の積載運搬車を得ることを目的とする。 【構成】 積載床と傾斜床４を回動自在に連結し、傾斜
床４に水平支持油圧機構６と押上油圧機構とを取り付
け、シャシーの端部に設けた傾斜切欠９に三角形状の傾
斜床支持機構１０を蝶着し、傾斜床の後部に傾斜床支持
用の台座１２を固着し、この台座１２の後方の傾斜床４
に、三角形状の歩み台を回動自在に軸着した重機等の積
載運搬車。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は重機等の積載運搬車の改良に係るものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の重機等の積戟運搬車は、前輪後方の左右に設けたジヤッキを作動して車 の前部を地上１，５ｍ程持ち上げ、最後部の車輪のみを接地した状態で荷台を傾 斜させ、荷台の後端に２本の走り板を渡し、重機等を自走で積載した後、車を水 平に戻した。このような重機等の積載運搬車は、重機等のオペレーターがいない と不可能であり、冬期の凍結時や雨降りにはスリツプして大変危険であるととも に、重機等の使用は建設現場が殆どであるため路盤が悪く、積込み中にジヤッキ の一方が路盤にめり込み３〜５度傾くと重機を積んだ積戟運搬車は横転し、オペ レーターが死亡するなどの惨事になることも屡々で、積載時の技術に安全性の問 題があつた。 そして、従来の重機等の積載運搬車は、重機等の輸送にのみ限定され、しかも 荷台が短いので積載量に制限を受ける欠点があるとともに、走り板は荷台と別体 のため、取り付け、取り外しと運搬に人手を必要とするなど機能上欠点があつた 。 かつ、車の前部を持ち上げるのでシャシーを強くしなければならず、ジヤッキ が長いので２００ｌのオイルを必要とし、製作費と維持費が多大であるとともに 、特殊車としてのラインに従って製作されるので、製造販売が特定の会社に限ら れて価格が独占され、一般の貨物車よりの改造は不可能である。

【０００３】 実用新案登録第１１９３２０８号（実公昭５１−４７２８８）の考案は、積載 床と傾斜床を回動自在に連結し、傾斜床に水平支持油圧機構と押上油圧機構とを 設け、傾斜床内に積載床の側孔と係合する係合油圧機構を設けているが、係合油 圧機構のピストンが自動車の運行中に折れ曲り、係合油圧機構が作動しなくなる 欠陥があつた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記の点に鑑み、前輪後輪共接地した状態にて重機等を積載し、油圧 ジャツキで６９ｃｍ持ち上げれば積載床と傾斜床とが水平の状態になるようにし 、大型自動車を運転できる者なら重機等を前後に動かすことが容易であるなど積 載時の問題を技術的に解決し、また、多機能的に製作し、荷台の長さが従来車よ り１，０〜１，５ｍ程長くなるようにして、重機類の輸送のみならず長尺物（鉄 骨類、材木等）の一般貨物の輸送も可能ならしめ、かつ、油圧機構に使用する油 圧油は４０ｌで済むなど経済的であり、新車、中古車を問わず、どのメーカーの 車でも容易に改造でき、傾斜床の操作が容易であるとともに確実に作勤するよう にし、経費の節減を図るとともに、安全な作業を保証できる重機等の積載運搬車 を得ることを目的とする。

【０００５】

【実施例】

本考案の実施例を図面について説明すると、１は車軸２上のシャシー３に固定 した積載床であつて、この積載床１に回転支軸１４にて傾斜床４を回動自在に連 結し、両側の煽１７は通常の大型貨物車と同じに取付け、荷台の長さが従来車よ り１，０〜１，５ｍ程長くなるよう構成してある。 シャシー３の下面に枠体５を固定し、この枠体５に水平支持油圧機構６の一端 を支持ピン１６にて軸着し、ピストン１５の端部を傾斜床４に軸着してある。 傾斜床４の後方左右に油圧押上機構７、７を設け、この油圧押上機構７、７の 各脚部に傾斜支持機構８を具備させてある。

【０００６】 シャシー３の後端を１８度の角度で斜めに切欠し、この切欠部９に三角形状の 支持機構１０の長辺部１１を回動自在に蝶着してある。この支持機構１０はアン グル状の鉄骨ａと補強材ｂとを組み合わせ固定して構成するものであつて、傾斜 床４を水平にした時は傾斜床４を支持し、傾斜床４を傾斜させる時は蝶番１９に て折り返し、傾斜床４が１８度の角度で斜めに傾斜するよう構成してある。

【０００７】 傾斜床４の後部下面に、傾斜床４を傾斜させた際に傾斜床４を支持する三角形 状の台座１２を固着し、この台座１２の後方の傾斜床４の後端左右に三角形状の 走り台１３、１３を支軸１８にて回転自在に軸着してあり、傾斜床４に連続した 状態にして地上に据え、重機等を傾斜床４上に載せ、重機等を積載床１に移動し た後は、回転して傾斜床４上に載せ得るよう構成してある。

【０００８】 傾斜床４に重機等を載せ始めた初期から積載床１に移動するまでの間、運転席 からのウインチの巻き上げ作動によつて車輛の逆戻りを防いだり、多少の引き上 げを援助することも可能である。 なお、水平支持油圧機構６および押上油圧機構７は油圧式としたが、電気的な 機構あるいは螺旋式の機構を使用しても自由である。図中符号２０は油圧オイル タンク、２１はて手動操作レバー、２２は燃料タンクである。

【０００９】

【作 用】

本考案は上記の構成からなるので、一旦水平支持油圧機構６の油圧を強めて傾 斜床４を水平に支持している三角形状の支持機構１０を蝶番１９により回動し、 蝶番１９から折り返すことによつて三角形状の支持機構１０を傾斜床４から外し 、次に水平支持油圧機構６及び油圧押上機構７の油圧を逐次解除して傾斜床４を 傾斜させ、傾斜床４に固着した台座１２を着地する。そこで傾斜床４上の走り台 １３、１３を回動して傾斜床４に連続した状態で着地し、重機等を自走によつて 傾斜床４上に載せ、更に積載床１上に移動する。 積載作業の終了後、油圧押上機構７を作動して傾斜床４を上昇させ、傾斜床４ が水平になつたところで三角形状の支持機構１０を蝶番１９により回動して傾斜 床４の下に位置させるとともに、水平支持油圧機構６を作動して水平に保持し、 走り台１３、１３は回動して傾斜床４に載せる。

【００１０】

【効 果】

本考案は、上記のように積載床１と傾斜床４を回動自在に連結し、傾斜床４に 水平支持油圧機構６と押上油圧機構７とを取り付け、シャシー３の端部に設けた 傾斜切欠９に三角形状の傾斜床支持機構１０を蝶着したので、傾斜床４を傾斜さ せ前輪後輪共接地した状態にて重機等を積載することができ、凍結や降雨時のス リツプ事故から免かれ、建設現場の路盤が悪くとも重機を積んだ積載運搬車が横 転するようなことがなく、オペレーターがいなくとも大型自動車を運転できる者 なら重機等を前後に動かすことが容易であり、傾斜床の支持操作を容易するとと もに確実に作動させ、係合油圧機構のピストンが自動車の運行中に折れ曲り、係 合油圧機構が作動しなくなる欠陥など積載時の問題を技術的に解決した。 また、多機能的に製作し、荷台の長さが従来車よリ１，０〜１，５ｍ程長くな るので、重機類の輸送のみならず長尺物（鉄骨類、材木等）の一般貨物の輸送も 可能である。そして、油圧機構に使用する油圧油は４０ｌで済むなど経済的であ り、新車、中古車を問わず、どのメーカーの車でも容易に改造できる利点がある 。 傾斜床４の後部に支持用の台座１２を固着し、この台座１２の後方の傾斜床４ に三角形状の渡し台１３を回動自在に軸着し、傾斜床４に連続させて重機等を積 載し得るよう構成したので、積載作業に際しての車の揺動が防止されるとともに 、傾斜床４を普通の積荷面とした場合には、渡し台１３、１３は積荷の荷止めに なり、また、背面を安全確認等の標識として利用することができ、経費の節減が 図られるとともに安全な作業を保証できるなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】傾斜床を水平にした状態の側面図。

【図２】傾斜床を傾斜した状態を示す一部拡大説明図。

【図３】水平支持油圧機構の一部拡大側面図。

【図４】押上油圧機構の一部拡大側面図。

【図５】走り台を着地した状態の一部拡大側面図。

【図６】走り台を傾斜床上に載せる状態の一部拡大説明
図。

【図７】後方から見た一部拡大背面図。

【図８】傾斜床を傾斜した状態の説明図。

【図９】重機を積載中の状態を示す説明図。

【図１０】従来の重機等積載運搬車の側面図。

【符号の説明】 １ 積載床 ２ 車軸 ３ シャシー ４ 傾斜床 ５ 支枠 ６ 積載床の水平支持油圧機構 ７ 積載床の押上油圧機構 ８ 押上油圧機構の傾斜支持機構 ９ シャシーの切欠部 １０ 傾斜床の支持機構 １１ 傾斜床の支持機構の長辺部 １２ 台座 １３ 歩み台 １４ 傾斜床の支軸 １５ ピストン １６ 支持ピン １７ 煽 １８ 渡し台の支軸 １９ 蝶番 ２０ 油圧オイルタンク ２１ 手動操作レバー ２２ 燃料タンク

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 積載床と傾斜床を回動自在に連結し、傾
   斜床に水平支持油圧機構と押上油圧機構とを取り付け、
   シャシーの端部に設けた傾斜切欠に三角形状の傾斜床支
   持機構を蝶着したことを特徴とする重機等の積載運搬
   車。
2. 【請求項２】 傾斜床の後部に傾斜床支持用の台座を固
   着し、この台座の後方の傾斜床に、三角形状の歩み台を
   回動自在に軸着したことを特徴とする請求項１の重機等
   の積載運搬車。