JPH0553761U - 真空ダイカスト装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 真空通路の目詰まりを防止しメンテナンス
性を大巾に向上させることが出来ると共に、プランジャ
スリーブ内のエアーブローや潤滑剤塗布を作業性良く且
つ効率的に行なうことが出来る真空ダイカスト装置の提
供。 【構成】 プランジャスリーブ１に形成した真空吸引
口２を通して金型キャビティ内を減圧真空引きしながら
プランジャスリーブ内の溶湯を射出するようにした真空
ダイカスト装置において、プランジャスリーブ１の真空
吸引口２に、真空供給源に接続された吸引具３のスリー
ブ側口3aを接離自在に連通密接させると共に、該吸引具
３におけるスリーブ側口3aと真空供給源側口3bとを連通
させる通路3c内に溶湯侵入防止用フィルター31を設置せ
しめた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、プランジャスリーブに形成した真空吸引口を通して金型キャビティ 内を減圧真空引きしながらプランジャスリーブ内の溶湯を射出するようにした真 空ダイカスト装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

この種真空ダイカスト装置として、特開平２−４１７５０号公報に開示された 図１に示すものがある。 この真空ダイカスト装置では、プランジャスリーブａ内の減圧吸引力でもって 溶湯ｂを給湯管ｃを通して保持炉ｄから直接的にプランジャスリーブａ内に給湯 するために、給湯初期時に溶湯の一部が飛び跳ねたり粒子状になってプランジャ スリーブａの真空吸引口ｅに吸い込まれ、次第に真空通路ｆが詰まってしまう不 具合があった。

【０００３】 また、プランジャスリーブａ内が閉塞されているため、プランジャスリーブａ 内をエアーブローしたり潤滑剤の塗布作業を行なうには金型ｇの金型キャビティ ｈ側からしか作業ができず、そのため作業性が悪いだけでなく、エアーブローや 潤滑剤塗布の効率が悪い不具合があった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案はこの様な従来の不具合に鑑みてなされたものであり、真空通路の目詰 まりを防止しメンテナンス性を大巾に向上させることが出来ると共に、プランジ ャスリーブ内のエアーブローや潤滑剤塗布を作業性良く且つ効率的に行なうこと が出来る真空ダイカスト装置を提供せんとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

斯る目的を達成する本考案の真空ダイカスト装置は、プランジャスリーブに形 成した真空吸引口を通して金型キャビティ内を減圧真空引きしながらプランジャ スリーブ内の溶湯を射出するようにした真空ダイカスト装置において、前記プラ ンジャスリーブの真空吸引口に、真空供給源に接続された吸引具のスリーブ側口 を接離自在に連通密接させると共に、該吸引具におけるスリーブ側口と真空供給 源側口とを連通させる通路内に溶湯侵入防止用フィルターを設置せしめた事を特 徴としたものである。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案実施の一例を図２に基づいて説明する。 図中、１は図１の従来例で説明したと同様に、金型キャビティに連通している プランジャスリーブを示し、２はプランジャスリーブ１内を減圧真空引きするた めの真空吸引口を示す。

【０００７】 真空吸引口２は、後述する吸引具３のスリーブ側口3aを受け入れ嵌合しやすい ようにその口面21を略擂鉢状に形成し、その口面21に真空供給源（図示せず）に 接続された吸引具３のスリーブ側口3aを接離自在に連通密接させる。

【０００８】 吸引具３は、下方にスリーブ側口3aを上方に真空供給源側口3bを有する中空体 状に形成すると共に、スリーブ側口3aと真空供給源側口3bとを連通させる通路3c 内に溶湯侵入防止用フィルター31を収容設置してなる。

【０００９】 そして、吸引具３の上部には当該吸引具３をプランジャスリーブ１の真空吸引口 ２に対して接離自在ならしめるためのシリンダー（図示せず）のロッド４を連結 せしめて、プランジャスリーブ１の真空吸引口２直上位置に設置させる。

【００１０】 吸引具３のスリーブ側口3aは、略擂鉢状に形成したプランジャスリーブ１の真 空吸引口２と適合するように、その口縁外形を略矢形に形成すると共に、真空吸 引口２の口面21に密接するように外周にｏ−リング等のシールパッキング32を取 付ける。

【００１１】 この時、図示実施例の如くスリーブ側口3aにフィルターキャップ33を取外し自 在に取付け、このフィルターキャップ33の外形を略矢形に形成すると共にその外 周にシールパッキング32を取付けるようにすることが好ましい。

【００１２】 この様にすれば、スリーブ側口3aと真空供給側口3bとを連通させる通路3cの内 部に収容設置した溶湯侵入防止用フィルター31をスリーブ側口3aから容易に取外 し交換しえるだけでなく、真空吸引口２との嵌合加工が容易となり、且つ真空吸 引口２との嵌合が不具合になった場合でもフィルターキャップ33を交換するだけ で済むようになる。

【００１３】 そして、吸引具３の真空供給側口3bには、ホース５を介して真空供給源（図示 せず）を連通接続せしめる。

【００１４】 また、溶湯侵入防止用フィルター31は金網やアスベスト等、エアーを通し溶湯 の侵入を阻止しえるものであれば、材質や形状はなんでも良い。

【００１５】 而して、ダイカスト鋳造する場合には、シリンダーのロッド４を動作させて吸 引具３をプランジャスリーブ１の真空吸引口２側へ下降させ、吸引具３のスリー ブ側口3aをプランジャスリーブ１の真空吸引口２に連通密接させる。

【００１６】 この状態でもって、吸引具３の真空供給源側口3bに連通接続された真空供給源 を動作させてプランジャスリーブ１内及び金型キャビテイ内を減圧真空引きし、 しかる後従来と同様に、プランジャスリーブ１内に溶湯を吸引供給させ、その溶 湯を金型キャビティ内へプランジャチップでもって射出する。

【００１７】 尚この時、プランジャチップが真空吸引口２を通過すると同時にシリンダーの ロッド４を介して吸引具３を上昇させ、吸引具３のスリーブ側口3aをプランジャ スリーブ１の真空吸引口２から離し、その後真空吸引口２にエアーブロー用ノズ ルや潤滑剤噴射ノズルを臨ませるようにする。

【００１８】 そして、金型開きを行ない金型キャビティから製品を取出すと共に、真空吸引 口２からプランジャスリーブ１内をエアーブロー用ノズルや潤滑剤噴射ノズルで もってエアーブローや潤滑剤を塗布し、その後再び吸引具３を下降させてスリー ブ側口3aをプランジャスリーブ１の真空吸引口２に連通密接させる。

【００１９】

【考案の効果】

本考案の真空ダイカスト装置は斯様に構成したので、真空通路の目詰まりを容 易に防止することが出来ると共に、溶湯侵入防止用フィルターを交換するだけで 済み、メンテナンス性を大巾に向上させることが出来る。

【００２０】 しかも、プランジャスリーブの真空吸引口に対して吸引具を接離自在としたの で、真空吸引口ないしは吸引具のメンテナス性を向上させることが出来ると共に 、真空吸引口からプランジャスリーブ内をエアーブローしたり潤滑剤塗布を行な うことが出来、従ってエアーブローや潤滑剤塗布を作業性良く且つ効率的に行な うことが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の実施の一例を示す要部の断面図。

【図２】 従来例を示す断面図。

【符号の説明】

１：プランジャスリーブ ２：真空吸引口 ３：吸引具 3a：スリーブ側
口 3b：真空供給源側口 3c：通路 31：溶湯侵入防止用フィルター

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 プランジャスリーブに形成した真空吸引
   口を通して金型キャビティ内を減圧真空引きしながらプ
   ランジャスリーブ内の溶湯を射出するようにした真空ダ
   イカスト装置において、前記プランジャスリーブの真空
   吸引口に、真空供給源に接続された吸引具のスリーブ側
   口を接離自在に連通密接させると共に、該吸引具におけ
   るスリーブ側口と真空供給源側口とを連通させる通路内
   に溶湯侵入防止用フィルターを設置せしめた事を特徴と
   する真空ダイカスト装置。