JPH0553743U

JPH0553743U - プレス金型におけるストックガイド

Info

Publication number: JPH0553743U
Application number: JP11128091U
Authority: JP
Inventors: 清竹川
Original assignee: 有限会社小林製作所
Priority date: 1991-12-20
Filing date: 1991-12-20
Publication date: 1993-07-20

Abstract

(57)【要約】【目的】プレス金型のストックガイドの部品の相当部分
に汎用性を持たせ、また供給される材料の一側縁を押し
圧する一対のガイド部材のばね圧を単一の調整ねじで調
整可能とし、材料の搬送を良好にし、取扱を容易にする
ため。【構成】ベース部材１０にプレス金型に固定する基準ガ
イド板２０を幅方向に移動固定自在に設け、他方この基
準ガイド板２０と対峙して、左右対称な揺動杆３２の先
端に一対のガイド部材３７ａ、３７ｂを設けた揺動型ガ
イド装置３０を前記ベース部材１０に着脱自在に装備す
る。前記揺動杆３２はその垂直軸線の支点周りに揺動
し、かつ基準ガイド板２０方向に単一のばね３９で弾発
的に付勢してあり、ばね圧の調整を容易にし、リフトア
ップ寸法の異なる材料であっても、基準ガイド板のみの
取替えで、他の部品はそのまま使用出来るようにしたも
の。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案はプレス機械における材料供給のガイドに係るものであり、主として帯金をプレス金型に正確に供給する案内部材たるストックガイドに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来公知の装置としては、図５乃至図７に示すように左右一対のガイド板２０ａ，２０ｂとベース部材１０とよりなり、左右一対のガイド板２０ａ，２０ｂをベース部材１０に所定の間隔をおいて固定しておき、一方のガイド板２０ａ，２０ｂのガイド面より出没する一対の滑り押圧部材７０ａ，７０ｂを材料流れ方向に間隔をおいて２ケ所設けてあり、この滑り押圧部材７０ａ，７０ｂをそれぞれ独立した押圧ばね７１ａ，７１ｂによって弾発的に前記ベース部材１０及び一方のガイド板２０ｂに装備したものを用い、前記一対のガイド板２０ａ，２０ｂの一部をプレス金型にボルトなどで固定して用いている。ところがこれらストックガイドはプレス作業毎に一対のガイド板の間隔、リフトアップ寸法などが異なるため、従来はプレス金型に応じその都度設計製作しプレス作業に最適のものを用いていた。しかしながら、ストックガイドをその都度設計製作するのでは面倒であるし、プレス加工コストを押し上げる結果となり、その金型による製造ロットをすべて終了した後においてはそのストックガイドが不要となり、極めて不経済である。また一方のガイド板２０ｂの滑り押圧部材７０ａ，７０ｂの押圧ばね７１ａ，７１ｂの調整をそれぞれ独立して調整しなければならず、作業供給開始時の段取作業が中々面倒で二つの滑り押圧部材７０ａ，７０ｂを圧接するばね圧にほゞ等しくするには熟練を要し、結局のところ、プレス金型の稼働効率を低下させている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

そこでこの考案は、公知の材料を基準ガイド板に押しつける押圧部材を揺動杆の先端部に一対設けて、二つのガイド部材を押圧するばねを一個の共通なばねとして二つのガイド部材の押圧力を等しくすることを目的とする。また他の目的とするところはストックガイドに或る程度の汎用性を持たせ、その都度設計製作する部材を極力少なくし、材料の幅及びリフトアップ寸法に対する調整を少なくとも片側のガイドにおいては可能とすることである。更に他の目的とするところはガイド部材をローラとして材料との接触抵抗を少なくし、材料を軽快に安定よく搬送することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前述の課題を達成するために、この考案はベース部材と金型基準面からベース部材にわたってプレスの被加工物の搬送方向に伸びる一対のガイドを備えたストックガイドにおいて、前記一対のガイドのうちの一方のガイドはその平坦な単一の基準面が金型基準面及びベース部材表面と密着固定自在な単一部材よりなる基準ガイド板としてあり、かつこの基準ガイド板はベース部材に対して、材料の搬送方向と直角で水平方向に移動固定自在に装備してあり、前記基準ガイド板と対峙した方のガイドは揺動型ガイド装置としてあり、その一部をなす揺動杆支持部材はベース部材に着脱自在に固定的に装備してあり、揺動杆支持部材には、左右対称の腕を持つ揺動杆がその中央支点位置において垂直線周りに揺動自在に支承してあり、前記揺動杆の中央支点部は基準ガイド板方向に単一ばねにて弾発的に付勢されて揺動杆支持部材に摺動自在に装備してあり、前記揺動杆の一対の腕の先端にはそれぞれ一個のガイド部材が装備して、これら一対のガイド部材のガイド面が前記基準ガイド板のガイド面と対峙させてあることを特徴とするプレス金型におけるストックガイドとする。

【０００５】また前述の課題を達成するために、この考案のプレス金型におけるストックガイドの前記揺動杆の中央支点部分を基準ガイド板方向に押圧する押圧ばね及びばね圧調整ねじが前記揺動杆支持部材に装備してあることを特徴とすることが好ましい。また前述の課題を達成するために、この考案のプレス金型におけるストックガイドの前記一対のガイド部材の下端はそれぞれベース部材の基準面よりも下側にまで延在する寸法としてあり、他方ベース部材には前記ガイド部材の下半部分が当らない逃げ空間が形成してあることを特徴とする場合もある。また前述の課題を達成するために、この考案のプレス金型におけるストックガイドの前記一対のガイド部材は揺動杆の先端に不動に固定してあることを特徴とする場合もある。また前述の課題を達成するために、この考案のプレス金型におけるストックガイドの前記一対のガイド部材はそれぞれガイドローラよりなり、揺動杆の先端に垂直線周りに回転自在に装備してあることを特徴とする場合もある。また前述の課題を達成するために、この考案のプレス金型におけるストックガイドの前記揺動杆支持部材には、その支点近傍を上下両側より挾む挾持部が設けてあり、かつこの揺動杆支持部材上下面は平行なベース部材面と密着可能な取付面としてあり、前記上下の挾持部の厚みは相互に異寸法としてあることを特徴とする場合もある。また前述の課題を達成するために、この考案のプレス金型におけるストックガイドの前記ガイドローラの軸方向の長さは基準ガイド板のリフトアップ寸法の少なくとも２倍の寸法を有し、ガイドローラはその回転軸に対し、リフトアップ寸法相当軸方向に摺動自在に設けてあることを特徴とする場合もある。

【０００６】

【作用】

この請求項１記載の考案のものを使用するには、ベース部材にまず揺動杆支持部材を固定する。次に供給される材料幅に応じて、基準ガイド板をベースに仮止めする。しかる後、前記基準ガイド板を目的のプレス金型の上面に固定する。この時ベース部材の端面とプレス金型の端面とを密着させる。このようにすると、ベース部材の表面と金型面は面一となり、基準ガイド板のガイド面はこれより起立した材料の搬送方向に沿った面となり、一対のガイド部材は基準ガイド板のガイド面に対峙した状態となる。このようにして、材料たる帯金をベース部材の表面に沿わせて基準ガイド板と、ガイド部材間に挿入し、プレス金型上に達するようにし、材料の一側縁を基準ガイド板のガイド面全長に接触させ、材料の他の一側縁に一対のガイド部材を圧接させて、基準ガイド板をベース部材に固定し、また前記材料の一部は間歇搬送手段（図示してない）に挾持させる。このようにしてプレス機を従来同様に運転すると材料は一定寸法づつ間歇搬送され、そのとき、材料の両側縁にこれら基準ガイド及び一対のガイド部材と接触する。プレス機の搬送手段が停止毎に材料がプレス金型に装備されているリフトアップ機構（図示してない）によって前記プレス金型の表面から持ち上げられと、材料は基準ガイド板及び一対のガイド部材のガイド面をそれぞれ高さ方向に移動し、次のプレス時に再び金型面に接するまで下降する。この装置を異なる幅の材料を用いる異なるプレス金型に使用するときには、前記基準ガイド板を今まで使用していたプレス金型から外し、新しいプレス金型に固定し、基準ガイド板とベース部材の取付け位置を新しい材料幅に合わせて、再び固定して使用する。

【０００７】請求項２記載の考案においては、請求項１記載の考案の作用の外、材料の幅に応じて、基準ガイド板のベース部材に対する取付位置を調整し、また一対のガイド部材の押圧力の調整は揺動杆支持部材に設けた単一のばね圧調整ねじによって押圧ばねのばね圧を調整して行う。請求項３記載の考案においては、材料の搬送幅に応じて、揺動杆を基準ガイド板に対し接離したり、材料搬送途中において、揺動杆が支点を中心として揺動しても、一対のガイド部材はベース部材の逃げ空間中を移動するから、ベース部材に一対のガイド部材は当らず、材料を常に基準ガイド板方向に押圧する。また一対のガイド部材の下半部はベース部材上面より下側にまで達しているから材料の一側は確実に一対のガイド部材のガイド面に接触して案内される。請求項４記載の考案においては、一対のガイド部材は回転しないから、材料は一対のガイド部材に対しても滑り接触する。従って搬送される材料が不連続の板の場合でも、挿入時に跳ね戻したり、搬送の最終部で材料を跳ね飛ばすことなく円滑に搬送する。請求項５記載の考案においては、ガイド部材がそれぞれガイドローラであるから、材料の一側と転動接触しながら、材料を基準ガイド板のガイド面に押しつける。

【０００８】請求項６記載の考案においては、揺動杆を支持している揺動杆支持部材の挾持部の厚みが上下異寸法としてあるから、揺動杆支持部材の上下を逆に取り付けることにより、一対のガイド部材のベース部材に対する上下位置が二種形成でき、材料のリフトアップ寸法に応じ選択的に使用する。ベース部材にはガイド部材が挿入できる逃げ空間が設けてあるから、ガイドさせる材料はガイド部材に確実に案内され、また揺動杆支持部材と、ベース部材との間に適宜なスペーサを介在させてこれらを固定したとき、ガイド部材の長さ（高さ）の範囲内において、前記スペーサの厚みの異なるものと変更して、取り付けて使用する。このとき、基準ガイド板は前回とは厚み寸法の異なるものを使用する。請求項７記載の考案においては、前記一対のガイドローラは軸方向に摺動自在に装備してあるから、材料のリフトアップ時にガイドローラも共に上下動する。

【０００９】

【実施例】

次にこの考案の代表的な実施例を説明する。図１乃至図４において、１０はベース部材、２０は基準ガイド板、３０は揺動型ガイド装置である。前記ベース部材１０は通常鋼材より成形されたものであり、基準ガイド板２０を取付ける２個の取付長孔１１がその一側にベース部材１０の幅方向に平行に設けてあり、他側には前記揺動型ガイド装置３０の一部を成す揺動杆支持部材３１を取り付けるネジ孔１２が２個穿設してある。また前記ベース部材１０には更に後述のガイドローラ４１が当らないようにした逃げ空間１３が設けてある。この逃げ空間１３はそれぞれ長孔であっても、前記ベース部材１０の周辺部から切り込んだ切欠部であってもよい。前記基準ガイド板２０も通常鋼材より成形されたものであり、従来公知の基準ガイド板と構造は特に変わらず、前記ベース部材１０から使用される金型５０の上面まで達する長さに形成してあり、前記長孔１１と符合する位置及び金型取付けボルト５１と符合する位置にそれぞれボルト通し孔２１が穿設してある。また、基準ガイド板２０の内側が起立ガイド面２２としてあり、その上縁には内方に張り出したリブ２３が形成してある。前記揺動型ガイド装置３０における前記揺動杆支持部材３１は前記ベース部材１０に設けた二個のねじ孔１２に二本のボルト３２によって固定してある。揺動杆支持部材３１と前記基準ガイド板２０に相向い合う方向に、上下一対の挾持部３３ａ、３３ｂが形成され、これら上下の挾持部３３ａ、３３ｂの厚み、ｔ₁、ｔ₂はそれぞれ厚み寸法が異にしてあり、実施例においては、ｔ₁＝ｔ₂ ＋１ｍｍの寸法としてある。また、この揺動杆支持受部材３１の上下面３４、３５は平行な平面に形成してある。

【００１０】前述の揺動杆支持部材３１の上下一対の挾持部３３ａ、３３ｂの間には揺動杆３７が挿入してある。この揺動杆３７は左右対称な腕杆３７ａ、３７ｂを持ち中央支点部で若干屈曲（挟角１２０°〜１４０°程度）した形状であり、前記中央支点が垂直軸３８によって前記揺動杆支持部材３１に枢支してある。更にこの垂直軸３８は揺動杆支持部材３１に設けた基準ガイド板２０に接離する方向の摺動長孔３６に摺動自在に装備してあり、揺動杆３７全体が揺動杆支持部材３１に対して、垂直軸３８の周りに揺動すると共に、基準ガイド板２０に対して接離する摺動出来るようにしてある。前記揺動杆３７の支点部は単一の押圧ばね３９によって、前記基準ガイド板方向に弾発的に揺動杆支持部材３１に装備してある。押圧ばね３９のばね力はこの揺動杆支持部材３１に装備してある単一のばね圧調整ねじ４０の螺動出没によって行うようにしてある。前記揺動杆３７の支点部と押しばね３９の間には摩擦を軽減する適当な部材を介在させてもよい。

【００１１】前記揺動杆３７の左右の腕杆３７ａ、３７ｂの先端部には垂直小軸４２によって、一対のガイド部材の一種であるガイドローラ４１が回転自在に装備してある。これらガイドローラ４１の垂直小軸４２は上端において揺動杆３７の腕杆３７ａ、３７ｂに片持支持してある。図２の実施例においては、垂直小軸４２はスリーブ状であり、この周りにこれまたスリーブ状の一対のガイドローラ４１が回転自在でかつ、軸方向に摺動可能に装備してある。この一対のガイドローラ４１の軸方向の摺動可能寸法は、実施図においては前記基準ガイド板２０の起立ガイド面２２の高さ、即ち、材料のリフトアップ寸法とほゞ等しくしてあるが、必ずしもリフトアップ寸法と等しくなくとも、これより短い寸法でも良い。然し乍らガイドローラ４１の軸方向の長さ及び上下摺動寸法は、一応使用される範囲のうちの最大リフトアップ寸法より若干５〜１０％長い寸法としてあくことが好ましい。

【００１２】更に図２の実施例においてはスリーブ状のガイドローラ４１が上下動しても、ガイドローラ４１の端部外に被搬送材料が当らないようカバー部材４３がガイドローラ４１の端に冠せてある。またこのカバー部材４３は基準ガイド板２０のリブ２３と同様に材料６０の移動上限を規制するものである。前述のガイドローラ４１の揺動杆３７の腕杆３７ａ、３７ｂの取付け構造は、図４に示すように、垂直小軸４２にガイドローラ４１を嵌合し、カバー部材４３、垂直小軸４２及びワッシャ４４を重ね、これらを貫通するボルト４５によって、前記腕杆３７ａ、３７ｂの先端にそれぞれ着脱自在に装備してある。従って、前記ガイドローラ４１は必要に応じて、取り外すこともできるし、摩耗すれば新しい部品と交換できるものである。前記ガイドローラ４１、垂直小軸４２及びボルト４５の長さの異なるものを３セット程度実用上は用意しておくことが好ましい。この考案のストックガイドを組立てたとき、前記一対のガイドローラ４１の自由端である下半部は、ベース部材１０の逃げ空間１３内に位置し、ガイドローラ４１はベース部材１０に当らないようになっている。以上一対のガイドローラ４１を用いた場合は請求項１乃至請求項３、請求項５乃至請求項７記載の考案の実施例となる。

【００１３】またガイド部材として、回転しない垂直小軸軸４２を用いる場合は請求項１乃至請求項４、請求項６記載の考案の実施例となる。また前記揺動杆３７は支点周りに大きく揺動し過ぎないように、その一部が揺動杆支持部材３１の一部に当接するようにしてある。つまり、揺動杆３７の腕３７ａ，３７ｂの背面３７ｃが揺動杆支持部材３１の上下一対の挟持部３３ａ，３３ｂ間の谷面３７ｃに当接するようにしてある。

【００１４】実施例の作用前述の実施例のものにおいては、ベース部材１０の長孔１１を利用して基準ガイド板２０をボルト２４によって仮止めし、また揺動杆支持部材３１にボルト３２に依ってねじ孔１２にねじ込み、揺動杆支持部材３１をベース部材１０に強固に固定する。次に基準ガイド板２０を使用される金型５０の所定の位置にボルト５１で強固に固定する。而して、ベース部材１０の一辺を金型５０の側面に当接した後、供給される材料６０の一側を基準ガイド板２０のガイド面２２に当接し、次いでばね力調整ねじ４０を緩めておいて、材料６０の他の縁に一対のガイドローラ４１を当て、ベース部材１０とプレス金型５０とを密着させた状態を維持して、基準ガイド板２０をベース部材１０に前記ボルト２４によって強固に固定する。

【００１５】次にばね圧調整ねじ４０をねじ込んで揺動杆３７の支点部を押圧ばね３７を介して押圧し、一対のガイドローラ４１を材料６０の一側縁に押圧し、これによって押圧された材料６０は基準ガイド板２０との間に適度の圧力によって挾持されたことになる。このようにして、材料６０を図示してない間歇搬送手段によって、基準ガイド板２０の長さ方向に間歇搬送する。このようにすると材料６０の幅に僅かな誤差があっても一対のガイドローラ４１は材料６０と転動接触し、揺動杆３７を垂直小軸３８廻りに揺動させ、或は揺動杆３７を押圧ばねの復元力に抗して、摺動させながら追随し、常時適当な押圧力を維持して材料６０を基準ガイド板２０と一対のガイドローラ４１によって挾持し、かつベース部材１０の上面とによって案内する。材料６０を搬送する直前にこれをリフトアップするとき、前記ガイドローラ４１はその垂直小軸４２の軸線上に摺動し、少なくともガイドローラ４１側のリフトアップ力を軽減している。リフトアップ寸法の異なる金型５０を使用する場合においては、基準ガイド板２０のみ、前記リフトアップ寸法に合致したそのガイド面２２の高さ寸法の別個基準ガイド板２０と取替へ、その他は前と同じ各部材をそのまま用いる。

【００１６】また、揺動杆３７を一旦揺動杆支持部材３１から外し、揺動杆支持部材３１の上下の位置を反転させ、再び揺動杆３７を垂直小軸３８によって揺動杆支持部材３１に取り付ける。揺動杆支持部材３１の上下反転でも、基準ガイド板２０のリフトアップ寸法にガイドローラの位置を対応させることができない場合はベース部材１０と揺動杆支持部材３１との間に適宜高さのスペーサ４７を選択して介在させて、前記ガイドローラの上下の位置を基準ガイド１０のリフトアップ寸法に対応させる。このようにして、帯金状の材料６０をベース部材１０に添わせて基準ガイド板１０と一対のガイドローラ４１間に供給すると、材料６０は基準ガイド板１０のガイド面２２に添って正確に送り込まれる。ガイドローラ４１の押圧力を調整するには、単一のばね圧調整ねじ４０を調整すれば、一対のガイドロール４１に押圧力は二分されて、各ガイドロール４１によって材料６０をほぼ等しい力で押圧する。材料６０の一側に多少の凹凸があったとしても、揺動杆３７が若干揺動し、これに追随するし、そのときにおいても一対のガイドローラ間の圧力は相互にほぼ等しい。また搬送される材料６０が不連続の場合であっても揺動杆３７と図１において反時計方向に回動させて揺動杆３７の上流側のガイドローラ４１を基準ガイド板２０か離反させた状態にして材料６０を送り込み、そのまま材料６０を搬送方向に押し込めば、下流側のガイドローラに材料６０が当たり揺動杆３７を図１において時計方向に回動して、一対のガイドローラ４１が材料６０の側縁に圧接することになり、材料６０の送り込みが連続した帯金でも、不連続板金でも容易に正確に送り込める。尚前記実施例の物においては、ガイドローラ４１を垂直小軸４２から外し、垂直小軸４２によって、直接ガイドすることもある。

【００１７】

【考案の効果】

請求項１記載の考案においては、前述のように構成し作用をなすから、材料は基準ガイド板のガイド面にガイド部材で押圧されて、常に正確な位置になる。また一対のガイド部材は前述の通り、左右対称な揺動杆の先端にそれぞれ設けられて、この揺動杆の支点部を単一ばねで基準ガイド板方向に押圧してあるから左右のガイド部材の押圧力は、常にほぼ等しくかつ、揺動杆はその支点廻りに揺動できるから材料を送り込むときや、搬送途中、ガイド部材に当たる一側縁に若干の凹凸があったとしても、これにガイド部材は追随しながら押圧し、搬送を阻害するおそれがない。またばね圧の調整も唯一個のばね圧を調整すればよく調整が容易である。また材料幅の異なる材料を用いるプレス金型に使用するときは、基準ガイド板及び揺動杆支持部材をそれぞれベース部材の長孔の許容範囲内において調整して使用できる。

【００１８】請求項２記載の考案においては、前記請求項１記載の考案の効果の外、押圧ばねのばね圧を調整する単一のばね圧調整ねじを調整することによって、二個のガイド部材の押圧力を同時に調整できる。また、揺動杆は揺動杆支持部材の上下挟持部に摺動自在に装備されいるから安定している。請求項３記載の考案においては、前述の請求項１記載の考案の効果の外、前述のように構成しているから、材料搬送中においては、必ず材料の一側縁はガイド部材に接触し、これより逸脱するおそれはない。

【００１９】また材料搬送途中において、ガイド部材が基準ガイド板方向に接離移動を繰返したとしても、一対のガイド部材の下半分はベース部材の逃空間内に位置しているから、ガイド部材のガイド面がベース部材に当たってガイド不能乃至不完全になるおそれはない。更に、厚みの異なる材料や、リフトアップ寸法の異なるプレス金型に使用する場合は、これら材料に合致して基準ガイド板のみを別の寸法のものに取替え、ベース部材及びこの揺動型ガイド装置はそのまま用い、唯、新しい基準ガイド板のガイド面の高さに合わせて、これに対応した寸法のスペーサをベース部材と揺動杆支持部材の間に介在させるだけで使用ができ、これらを新しい別の寸法のものに取り替える必要がない。この場合においても、一対のガイド部材の下端部は逃げ空間内に挿入される寸法であるから、ガイド部材の機能は勿論、揺動型ガイド装置の全体の機能は発揮される。

【００２０】請求項４記載の考案においては、一対のガイド部材はそれぞれ揺動杆の先端に固着した不動のものであるから、材料が各プレス作業毎に分離している不連続なものであっても、材料の送りこみに対する反発や、送り出しの最終端において材料を弾きだすおそれがなく安全であり、手作業による材料のプレス機への供給及び取りにおいて、前記安全性の効果は顕著である。請求項５記載の考案においては、一対のガイド部材がガイドローラであるから、材料とは転動接触となり、搬送抵抗が著しく軽減される。請求項６記載の考案においては、揺動杆支持部材の挾持部の寸法が前述のように上下の厚みを異寸法としたものであるからこの部材をベース部材に取付けるとき、上下の位置を逆にするだけで、揺動型ガイド装置のリフトアップ寸法が異なるプレス作業のガイドをすることができる。請求項７記載の考案においては、ガイドローラが軸方向にも揺動自在に設けて、その揺動寸法がリフトアップ寸法の少なくとも２倍の寸法としてあるから材料をリフトアップするとき、ガイドローラが伴われ上下動し、リフトアップ抵抗を少なくし、かつ、ガイドローラ移動時においても、材料の一側縁がガイドローラ周面から外れることはない。

【００２１】実施例の効果実施例に示すものは、請求項４記載の考案の効果を除き、他の各請求項に示す効果を全て奏する。その他ガイドローラ４１を垂直小軸４２から着脱自在にしたものにおいては、材料６０を手作業で送り込み、乃至取り出すとき、材料の最先端及び最終端で反発や弾き出し力が少なく、材料が安定し安全である。また揺動杆３７の揺動範囲を揺動杆支持部材３１の一部の前記谷面３３ｃで規制したものにおいては、必要以上に揺動杆３７が傾斜せず、材料６０側に何らかの大きな外力が作用したとしても、材料６０がこのストックガイドから外れず安全である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本件考案の実施例であるストックガイドをプレ
ス金型に取り付けた状態の平面図である。

【図２】図１の２−２線切断一部省略正面図である。

【図３】図１の３−３線切断正面図である。

【図４】ローラ型ガイド装置の分解斜視図である。

【図５】従来例の平面図である。

【図６】図５の側面図である。

【図７】図６の７−７線切断矢視正面図である。

【符号の説明】

１０ベース部材１１長孔１２ねじ孔１３逃げ空間２０基準ガイド板３０揺動型ガイド装置３１揺動杆支持部材３６摺動長孔３７揺動杆３９押圧ばね４０ばね圧調整ねじ４１ガイドローラ

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ベース部材と金型基準面からベース部材に
わたってプレスの被加工物の搬送方向に伸びる一対のガ
イドを備えたストックガイドにおいて、前記一対のガイドのうちの一方のガイドはその平坦な単
一の基準面が金型基準面及びベース部材表面と密着固定
自在な単一部材よりなる基準ガイド板としてあり、かつ
この基準ガイド板はベース部材に対して、材料の搬送方
向と直角で水平方向に移動固定自在に装備してあり、前
記基準ガイド板と対峙した方のガイドは揺動型ガイド装
置としてあり、その一部をなす揺動杆支持部材はベース
部材に着脱自在に固定的に装備してあり、揺動杆支持部
材には、左右対称の腕を持つ揺動杆がその中央支点位置
において垂直線周りに揺動自在に支承してあり、前記揺
動杆の中央支点部は基準ガイド板方向に単一ばねにて弾
発的に付勢されて揺動杆支持部材に摺動自在に装備して
あり、前記揺動杆の一対の腕の先端にはそれぞれ一個の
ガイド部材が装備して、これら一対のガイド部材のガイ
ド面が前記基準ガイド板のガイド面と対峙させてあるこ
とを特徴とするプレス金型におけるストックガイド。
【請求項２】前記揺動杆の中央支点部分を基準ガイド板
方向に押圧する押圧ばね及びばね圧調整ねじが前記揺動
杆支持部材に装備してあることを特徴とする請求項１記
載のプレス金型におけるストックガイド。
【請求項３】前記一対のガイド部材の下端はそれぞれベ
ース部材の基準面よりも下側にまで延在する寸法として
あり、他方ベース部材には前記ガイド部材の下半部分が
当らない逃げ空間が形成してあることを特徴とする請求
項１又は請求項２記載のプレス金型におけるストックガ
イド。
【請求項４】前記一対のガイド部材は揺動杆の先端に不
動に固定してあることを特徴とする請求項１、請求項２
又は請求項３記載のプレス金型におけるストックガイ
ド。
【請求項５】前記一対のガイド部材はそれぞれガイドロ
ーラよりなり、揺動杆の先端に垂直線周りに回転自在に
装備してあることを特徴とする請求項１、請求項２又は
請求項３記載のプレス金型におけるストックガイド。
【請求項６】前記揺動杆支持部材には、揺動杆の支点近
傍を上下両側より挾む挾持部が設けてあり、かつこの揺
動杆支持部材の上下面は平行であり、ベース部材面と密
着可能な取付面としてあり、前記上下の挾持部の厚みは
相互に異寸法としてあることを特徴とする請求項１、請
求項２、請求項３、請求項４又は請求項５記載のプレス
金型におけるストックガイド。
【請求項７】前記ガイドローラの軸方向の長さは基準ガ
イド板のリフトアップ寸法の少なくとも２倍の寸法を有
し、ガイドローラはその回転軸に対し、リフトアップ寸
法相当軸方向に摺動自在に設けてあることを特徴とする
請求項１、請求項２、請求項５又は請求項６記載のプレ
ス金型におけるストックガイド。