JPH0553540B2 - - Google Patents

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JPH0553540B2
JPH0553540B2 JP11426385A JP11426385A JPH0553540B2 JP H0553540 B2 JPH0553540 B2 JP H0553540B2 JP 11426385 A JP11426385 A JP 11426385A JP 11426385 A JP11426385 A JP 11426385A JP H0553540 B2 JPH0553540 B2 JP H0553540B2
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JP
Japan
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microcapsules
sec
water
polymerization
temperature
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JP11426385A
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JPS61274738A (ja
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Shigeo Okahata
Hiroshi Ito
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
Application filed by Mitsui Toatsu Chemicals Inc filed Critical Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority to JP11426385A priority Critical patent/JPS61274738A/ja
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Publication of JPH0553540B2 publication Critical patent/JPH0553540B2/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J13/00Colloid chemistry, e.g. the production of colloidal materials or their solutions, not otherwise provided for; Making microcapsules or microballoons
    • B01J13/02Making microcapsules or microballoons
    • B01J13/06Making microcapsules or microballoons by phase separation
    • B01J13/14Polymerisation; cross-linking

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Manufacturing Of Micro-Capsules (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は改質されたマイクロカプセルに関す
る。更に詳しくは特定の(メタ)アクリルアミド
誘導体の重合体層をその表面に形成させ水に不溶
化してなるマイクロカプセルに関する。
〔従来技術とその問題点〕
従来、マイクロカプセルは染料、香料等の有用
物質を包括・分離するのに用いられ、その主な用
途としてノーカーボン紙に代表される感圧顕色の
分野がある。その分野においては顕色剤の漏出が
起らないような強固なマイクロカプセルが要求さ
れるが、最近、農薬・医薬等の薬剤の分野におい
てもマイクロカプセルを使つてそれら薬剤の保持
放出、すなわち薬剤の徐放を行うという検討が
種々試みられている。
本発明はそれら薬剤の徐放に適したマイクロカ
プセルの提供にあり、特に温度により放出の制御
を行いうるマイクロカプセルに関するものであ
る。
従来、徐放を目的としたマイクロカプセルはそ
の構造として柔軟で疎なもので透過性を有するこ
とが必要であり、その製造法として界面重合法あ
るいはコアソルベーシヨン法等が適用されてい
る。それらの方法で製造されるカプセル膜はその
表面に極めて微細な孔が存在し、その結果として
半透性となる。そのようなマイクロカプセルで薬
剤を包み薬剤を放出させると、ある一定時間薬剤
の放出を継続させることが可能となり、農薬等の
分野では実際に使用されている。
しかし乍ら、それらの問題点として放出中にそ
の放出を止めたり、放出量を制御することが困難
なので、医薬品等の投与の制御が必要な場合には
利用することが難しいとされている。
その問題点の解決方法の1つとしてカプセル膜
表面の微細な孔をジアルキルアンモニウム化合物
のような二分子膜を形成する能力を有する化合物
で被覆しておき、その二分子膜の温度により変化
する構造を利用して放出量の制御を行うという試
みがなされている。この場合、温度により放出量
は制御できるが、その制御を司る二分子膜形成化
合物が徐々に水に溶解し耐久性の点で欠点を有す
る。一方、PHによりその構造を変化させうる化合
物でカプセル膜を被覆しておき、PHを変えること
により放出を制御する試みもなされているが、必
ずしも満足できる結果になつていない。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らはマイクロカプセルを被覆する素材
としてN−置換(メタ)アクリルアミド誘導体の
重合体を選び鋭意検討したところ、特定の(メ
タ)アクリルアミド誘導体の水に不溶化した重合
体は水との接触により、保水ゲルを形成し、その
保水ゲルが温度により膨潤・収縮する結果とし
て、その保水ゲル中の物質透過が温度により制御
されることを見い出し、本発明に到つた。
即ち、本発明は一般式()または一般式
()で表わされる一般式 (上式でR1は水素原子またはメチル基、R2は水
素原子、メチル基またはエチル基、R3はメチル
基、エチル基またはプロピル基を表わす。) 一般式 (上式でR1は水素原子またはメチル基、Aは(―
CH2)―oでnは4〜6をまたは(―CH2)―2O(―CH2
)―2を表わす。) N−アルキルまたはN−アルキレン置換(メ
タ)アクリルアミドの単独または共重合体、もし
くは他の共重合しうる単量体との共重合体よりな
る重合体層をマイクロカプセル表面に形成させ水
に不溶化してなるマイクロカプセルである。
本発明に用いられる単量体としては、たとえば
N−n−プロピルアクリルアミド、N−n−プロ
ピルメタクリルアミド、N−イソプロピルアクリ
ルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、
N−エチルアクリルアミド、N,N−ジエチルア
クリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、
N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメ
チルメタクリルアミド、N−アクリロイルピロリ
ジン、N−メタクリロイルピロリジン、N−アク
リロイルピペリジン、N−メタクリロイルピペリ
ジン、N−アクリロイルモルホリン等をあげるこ
とができる。
また、上記した単量体と共重合可能な単量体と
しては、親水性単量体、イオン性単量体、親油性
単量体等があげられ、それらの一種以上の単量体
が適用できる。
具体的には親水性単量体としては、たとえばア
クリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルア
クリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、ヒド
ロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチル
アクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、ヒドロキシプロピルアクリレート、各種のメ
トキシポリエチレングリコールメタクリレート、
各種のメトキシポリエチレングリコールアクリレ
ート、N−ビニル−2−ピロリドン等をあげるこ
とができるし、また、酢酸ビニル、グリシジルメ
タクリレート等を共重合により導入して、それを
加水分解して親水性を賦与することもできる。
イオン性単量体としては、たとえばアクリル
酸、メタクリル酸、ビニルスルホン酸、アリルス
ルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホ
ン酸、2−アクリルアミド−2−フエニルプロパ
ンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチル
−プロパンスルホン酸等の酸及びそれらの塩、
N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、
N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、
N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、
N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルア
ミド等のアミン及びそれらの塩等をあげることが
できる。また、各種アクリレート、メタクリレー
ト、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリ
ロニトリル等を共重合により導入して、それを加
水分解してイオン性を賦与することもできる。親
油性単量体としては、たとえばN−n−ブチルア
クリルアミド、N−tert.−ブチルアクリルアミ
ド、N−n−ヘキシルアクリルアミド、N−n−
オクチルメタクリルアミド等のN−アルキル(メ
タ)アクリルアミド誘導体、エチルアクリレー
ト、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート
等の(メタ)アクリレート誘導体、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ブタジエン、イソプレ
ン等をあげることができる。
次に、上記した単量体の単独または共重合体、
もしくは他の共重合しうる単量体との共重合体よ
りなる重合体層を表面に形成させる基材としての
マイクロカプセルとしては、種々の方法で製造さ
れるものが摘用できるが、具体的には例えば、マ
イクロカプセル(近藤朝士著、日刊工業新聞社、
昭和45年)に記載されている界面重合法、コアソ
ルベーシヨン法およびインシチユウ法(In−situ
法)等があげられる。而して界面重合法とは二液
界面で重縮合等の重合反応を行わせて膜を形成す
るものであり、コアソルベーシヨン法とは二液界
面でゼラチン等の相分離を利用して膜を形成する
ものであり、In−situ法とは二液界面でフエノー
ル樹脂等の可溶性プレポリマーを酸またはアルカ
リ等の添加で不溶化して膜を形成させるものであ
る。上記の中でより好ましい方法は、膜が多孔質
となる界面重合法及びコアソルベーシヨン法であ
り、その中でも特に界面重合法により製造される
マイクロカプセルが取り扱いの容易さ及び耐久性
の点で優れている。
界面重合法としては種々の重合様式が採用され
るが、一般的には重縮合、重付加等の様式がよく
使用されている。その時の原料の組合せを種々変
えることにより、各種の結合様式のカプセル膜を
製造できる。例えば、ジカルボン酸ハライドとジ
アミンよりポリアミドカプセル膜を、ジカルボン
酸ハライドとジオールよりポリエステルカプセル
膜を、ジイソシアネートとジアミンよりポリ尿素
結合を有する膜を、ジイソシアネートとジオール
よりポリウレタン膜を及びジエポキシ化合物とジ
アミンよりエポキシ硬化膜を製造できる。
界面重合を行う具体的方法として、まず2液界
面を形成する溶媒の組合せの選定が必須となる
が、基本的には互いに相溶しない溶媒の組合せで
あればよい。通常それらの組合せの一成分として
は水溶液が使用され、他の成分としては水に相溶
しない溶媒が用いられ、具体的には脂肪族炭化水
素溶媒、脂環式炭化水素溶媒、芳香族炭化水素溶
媒及びそれらに1個または1種以上のハロゲン原
子の置換したものである。
その時、水溶液を連続相として有機溶媒を滴状
として分散してもよいし、逆の組合せで行つても
よい、ただし、分散を良好に行う方法として、前
者の場合には有機溶媒の比重を水より小さく、逆
の場合には水より大きくする方法が採用される。
そのような方法としては種々の方法が考えられる
が、簡便な方法としては比重が1よりも小さい炭
化水素溶媒と比重が1よりも大きいハロゲン置換
炭化水素溶媒とを組合せて使用することにより容
易に達成される。
上記した有機溶媒としては特に限定はないが、
具体的には脂肪族炭化水素溶媒では飽和脂肪族炭
化水素溶媒が好ましく、たとえばペンタン、ヘキ
サン、ヘプタン、オクタン、デカン、トリデカ
ン、テトラデカン等があげられる。脂環式炭化水
素溶媒では、たとえばシクロペンタン、シクロヘ
キサン等があげられる。芳香族炭化水素溶媒で
は、たとえばベンゼン、トルエン、キシレン、エ
チルベンゼン、キユメン、メシチレン等があげら
れる。一方、それらにハロゲン原子が一個または
一種以上置換した化合物としては、脂肪族炭化水
素誘導体及び芳香族炭化水素誘導体があり、置換
するハロゲン原子としては塩素、臭素、ヨウ素の
いづれもが適用できるが、ここでは簡略化のため
塩素置換化合物についてのみ例示を行う。脂肪族
炭化水素に置換した化合物としては、たとえばジ
クロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロ
ロエタン、ジクロロエタン、テトラクロロエタ
ン、ジクロロプロパン、ジクロロブタン、ジクロ
ロペンタン等があげられる。また芳香族炭化水素
に置換した化合物としては、たとえばクロロベン
ゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、
テトラクロロベンゼン、ヘキサクロロベンゼン、
塩化ベンジル、クロロトルエン等があげられる。
一方、界面重合を行うのに必要な原料として
は、ジカルボン酸ハライド、ジイソシアネート、
ジエポキシ化合物等は水との副反応及び水への低
い溶解性を有するために通常有機溶媒に溶解され
て使用される。従つて、ジアミン、ジオール等は
水に溶解して使用される。その時、使用される原
料はジカルボン酸ハライドでは、たとえばシユウ
酸ジクロライド、マロン酸ジクロライド、コハク
酸ジクロライド、アジピン酸ジクロライド、スベ
リン酸ジクロライド、セバシン酸ジクロライド、
デカンジカルボン酸ジクロライド、フタル酸ジク
ロライド、イソフタル酸ジクロライド、テレフタ
ル酸ジクロライド等があげられる。
ジイソシアネートでは、たとえばトルエンジイ
ソシアネート、メチレンビス(4−フエニルイソ
シアネート)、ジフエニルエーテルジイソシアネ
ート等があげられる。ジエポキシ化合物として
は、通常のエポキシ樹脂を使用でき、たとえばビ
スフエノールA−エピクロルヒドリン樹脂、脂環
式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等があげら
れる。ジアミンとしては、たとえばエチレンジア
ミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジア
ミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレン
ジアミン、デカメチレンジアミン、フエニレンジ
アミン、ジアミノトルエン、ジアミノジフエニル
エーテル、アミノベンジルアミン等である。
ジオールとしては、たとえばエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ブタンジオー
ル等である。それらの重合時の添加比率は上記の
官能基ベースで概ね当量であればよいが、目的と
するカプセル膜の物性に応じて変化させてよく、
0.5当量以上添加されていればよい。
具体的なカプセル膜の製造方法は上記した原料
を水溶液及び有機溶媒中に別個に溶解し、それら
の一方の溶液を他方の液中に懸濁させることによ
りマイクロカプセルを製造できる。その時、どち
らの溶液を懸濁させてもよい。懸濁してマイクロ
カプセルを製造する具体的方法としては、(1)ただ
単に溶液を滴下して液中に分散させて製造する方
法、(2)界面重合の進行の極めて緩慢な低い温度で
二液を混合分散しておき、その後加温により界面
重合を進行させて製造する方法、(3)滴状になる液
中にのみ原料を溶解しておき、まずその混合分散
液を作り、ついでその混合分散状態を保つたまま
残りのもう一方の原料を添加して界面重合を進行
させて製造する方法等が採用される。そのように
して製造されるマイクロカプセルの粒径は、分散
方法、有機溶媒の種類等により変化するが、概ね
0.5〜5000μの範囲であり、またその膜厚は概ね
0.5〜10μであり、カプセルを形成する膜は力学的
強度のすぐれたものである。
次に、上記の方法で製造されるマイクロカプセ
ルに前記した単量体の単独または共重合体、もし
くは他の共重合しうる単量体との共重合体よりな
る重合体層を形成させ水に不溶化する具体的方法
としては、(1)膜上で重合を行い、その後必要に応
じて後処理を施す方法、(2)膜上に重合体を被覆
し、その後必要に応じて後処理を施す方法があ
る。
膜上で重合を行う方法としては、単量体を膜に
含浸して重合を行う方法、マイクロカプセルを単
量体溶液中に分散し、そこで重合を行う方法等が
採用できる。
その際、重合を開始する方法としては、加熱の
みによつても行いうるが、通常重合開始剤を使用
したほうが良好な結果が得られる。重合開始剤と
してはラジカル重合を開始する能力を有するもの
であれば制限はなく、たとえば無機過酸化物、有
機過酸化物、それらの過酸化物と還元剤との組合
せおよびアゾ化合物などがある。具体的には渦硫
酸アンモニウム、渦硫酸カリ、過硫化水素、tert
−ブチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシ
ド、クメンヒドロキシパーオキシド、tert−ブチ
ルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、過安
息香酸ブチル等があり、それらと組合せる還元剤
としては亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、鉄、銅、コバ
ルトなどの低次のイオン価の塩、アニリン等の有
機アミン更にはアルドース、ケトース等の還元糖
等を挙ることができる。アゾ化合物としては、ア
ゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス−
2−アミジノプロパン塩酸塩、2,2′−アゾビス
−2,4−ジメチルバレロニトリル、4,4′−ア
ゾビス−4−シアノバレイン酸などを使用するこ
とができる。また、上記した重合開始剤の2種以
上を併用することも可能である。この場合の重合
開始剤の添加量は通常採用される量的範囲で充分
であり、たとえば単量体当り0.01〜5重量%、好
ましくは0.05〜2重量%の範囲である。
また、上記した通常の方法以外にナイロンカプ
セル膜等では硝酸セリウム()アンモニアを開
始剤として用いると選択的に膜にグラフト重合を
行うことができる。
そのようにして重合した後、マイクロカプセル
を分離して加熱、紫外線照射、放射線照射等を行
い水に不溶化することもできる。また、共重合す
る単量体として分子内に二重結合を二個以上有す
る架橋性単量体をまた親油性単量体を使用するこ
とにより、水に不溶化することもできる。
一方、マイクロカプセル表面に重合体層を形成
させる方法としては、前記した単量体を乳化重合
して得たエマルジヨンをマイクロカプセル表面に
コーテイングする方法、また前記した単量体の重
合体溶液をマイクロカプセル表面にコーテイング
する方法があり、この際用いる重合体溶液として
は水溶液でも有機溶媒よりなるものでもよい。そ
のようにしてコーテイングした後、マイクロカプ
セルを分離して加熱、紫外線照射、放射線照射を
行い水に不溶化することもできる。
そのようにして製造したマイクロカプセル膜は
十分水洗して残存する単量体及び水溶性重合体を
分離する。
マイクロカプセル膜の表面に一体化された重合
体の被覆量はマイクロカプセルの種類により変化
するが、概ねカプセル自重の0.01〜5倍の範囲で
あり、重合体量が少なすぎるとその被覆の効果が
稀薄になり、一方多すぎるとマイクロカプセルと
しての機能が損なわれてくる。
マイクロカプセル表面に形成された重合体層は
水に浸漬すると重合体が吸水して保水ゲルとな
る。その保水量は重合体の種類により変化する
が、概ね自重の0.5〜100倍の範囲であり、低温ほ
ど保水量は大きく、加温により水を放出して収縮
する。
マイクロカプセル中に徐放すべき物質を内蔵さ
せる方法としては、一般に該物質を溶解した水溶
液にマイクロカプセルを浸漬しておくだけで十分
であり、その時水溶性の低い物質を内蔵させる場
合、そのものをよく溶解する有機溶媒もしくはそ
れと水との混合溶媒を使用してもよい。また、比
較的分子量の大きい高分子物質を内蔵してマイク
ロカプセル中に固定する時には、マイクロカプセ
ル製造時に該物質をいづれかの溶液に溶解してお
けば製造されるマイクロカプセル中に内蔵され
る。内蔵する物質としては、目的に応じて多種多
様なものが適用でき、水溶性のものでも、また水
中に微細に懸濁したものでも特に限定はなく、た
とえばエマルシヨン、菌体、たんぱく質、酵素、
アミノ酸、核酸、多糖類、食品、抗生物質、農
薬、医薬等の各種生理活性物質、フエノール類、
アルコール類、脂肪族カルボン酸類、芳香族カル
ボン酸類、複素環カルボン酸類、脂肪族スルホン
酸類、芳香族スルホン酸類、モノ及びジリン酸エ
ステル、ADP、ATP等のポリリン酸エステル、
界面活性剤、芳香族化合物、色素、香料などがあ
げられる。
次に上記した物質のマイクロカプセル膜を通し
ての透過は、通常のマイクロカプセル膜では物質
の透過速度は、比較例に示す如く温度とともに一
様に上昇するが、本発明のマイクロカプセルにお
いては温度により一様には上昇せず、ある特定の
温度では温度の上昇にかかわらず透過速度が低下
する場合があるという極めて興味深い機能が見い
出されている。そのような特異現象を示す温度領
域はマイクロカプセル表面に形成された重合体層
の性質に密接に関連するものであり、その重合体
の水溶液を徐々に加温した際、曇りの生じる温
度、すなわち曇点に対応するものである。この場
合、重合体の曇点は0〜100℃まで制御できるの
で、その特定の温度も0〜100℃の間に設定する
ことができる。また、その時加温により低下する
透過速度の幅は透過する物質の種類に大きく依存
するが、概ね20〜30倍以下の範囲であり、透過す
る物質の分子容が大きくなる程その差が顕著とな
る。
また、更に加温すると透過速度が上昇に転じ、
透過速度に最低値が認められる場合とそのまま一
定になり温度に依存しなくなる場合とがある。そ
の違いは透過する物質及びマイクロカプセル表面
に形成する重合体の種類に依存する。
上記したマイクロカプセルを使用して、内蔵し
た物質を溶液中に溶出させたり、あるいは溶液中
の物質を透過させてマイクロカプセルに内蔵固定
化されている物質と接触させる具体的方法として
は、マイクロカプセルを溶液中に懸濁する方法、
マイクロカプセルをカラム等に固定しそこに溶液
を流入させる方法、農薬、肥料等ではそれらを内
蔵したマイクロカプセルを耕作地等に散布し雨水
等で溶出させる方法等種々のものが採用される。
そのような方法を具体的に使用する用途として
は、(1)肥料、農薬の遅効性化、(2)フエノール類で
はたとえばその消毒力の各種使用での長期持続
化、(3)カルボン酸類ではたとえばその防腐力の長
期持続化、(4)アミノ酸ではたとえば温度による必
須アミノ酸の連続添加の制御、(5)医薬品ではたと
えば温度による徐放速度の制御、(6)酵素、たんぱ
く質、多糖類、食品ではたとえば温度による飲料
水等への必須栄養分の添加量の制御、(7)色素、香
料などではたとえば色または香りによる温度変化
の検出、(8)界面活性剤ではたとえば温度による連
続添加の制御、などがあげられるが、更に広範囲
な応用が可能である。
〔作用〕
上記したように本発明のマイクロカプセルは、 (i) カプセル膜での透過速度の温度依存性が一様
でなく、その膜上に形成する重合体の種類を選
別することにより任意に設定でき、加温により
透過速度を減少させることができるので、非常
に幅広い使い方が可能である。
(ii) カプセル膜上に形成した重合体層の保水ゲル
は加温により疎水化するので、物質透過におい
てその疎水的な面もあわせて活用できる。
(iii) カプセル膜上に形成した重合体の保水ゲルは
冷却により親水化するので、洗滌することによ
り何度でも再生使用が可能である等の効果を有
する。
以下、本発明を実施例により更に説明する。
実施例 1 クロロホルム40mlとシクロヘキサン20mlよりな
る混合溶媒にデカンジカルボニルクロライド10mg
を溶解した溶液に、エチレンジアミン2mgを溶解
した後PHを10に調整したアルカリ水溶液8.5mgを
注射針を用いて1滴づつ滴下することにより界面
重合させ、有機溶媒中に直径2mm、膜厚1ミクロ
ンのナイロン−2−12−カプセル200個を得た。
有機溶媒中より該カプセルを取り出し蒸留水で十
分に洗浄した。洗浄後のカプセル20個を、硝酸セ
リウム()アンモニウム10mgと濃硝酸0.5mlを
溶解した蒸留水200mlに懸濁させ、N2ガス雰囲気
下でN−アクリロイルピロリジン5mgを添加し、
室温で3時間グラフト重合させた。得られたカプ
セルをイソプロパノールで十分に洗浄した後、エ
タノールで十分に洗浄し、更に蒸留水で十分に洗
浄する事により、該カプセルより未反応モノマ
ー、触媒、酸などを除去し、カプセル1個当り
2.65μgのN−アクリロイルピロリジンがグラフ
ト重合したナイロン−2−12−カプセルを得た。
得られたカプセルをナフタレンジスルホン酸ジナ
トリウムの0.001モル水溶液中に2日間浸漬する
ことにより、ナフタレンジスルホン酸ジナトリウ
ムを内蔵したカプセルを得た。該カプセル1個を
所定温度に保つたセル中の蒸留水中に投入し、蒸
留水に透過してくるナフタレンジスルホン酸ジナ
トリウムの速度をけい光分光計を用いて測定した
ところ、20℃で3.55×10-6cm/sec、50℃で2.40×
10-5cm/sec、60℃で8.32×10-6cm/sec、70℃で
1.32×10-5cm/secであつた。
実施例 2 N−アクリロイルピロリジン5mgの代りにN−
アクリロイルピペリジン5mgを用いて実施例1と
同様の方法で得られた1個当り3.9μgのN−アク
リロイルピペリジンがグラフト重合したナイロン
−2−12−カプセルを用いて、実施例1と同様の
方法によりナフタレンジスルホン酸ジナトリウム
の各温度での透過速度を測定したところ、10℃で
4.68×10-7cm/sec、20℃で1.32×10-7cm/sec、
30℃で2.88×10-7cm/sec、60℃で1.66×10-6cm/
secであつた。
比較例 1 実施例1で得られたナイロン−2−12−カプセ
ルを用いて実施例1と同様の方法により、ナフタ
レンジスルホン酸ジナトリウムの各温度での透過
速度を測定したところ、10℃で2.24×10-6cm/
sec、30℃で7.76×10-6cm/sec、50℃で2.40×
10-5cm/sec、70℃で6.61×10-5cm/secであつた。
実施例 3 N−アクリロイルピロリジン5mgの代りにN−
n−プロピルアクリルアミド5mgを用いて実施例
1と同様の方法で得られた1個当り11.1μgのN
−n−プロピルアクリルアミドがグラフト重合し
たナイロン−2−12−カプセルを用いて、実施例
1と同様の方法によりナフタレンジスルホン酸ジ
ナトリウムの各温度での透過速度を測定したとこ
ろ、10℃で3.09×10-6cm/sec、20℃で1.38×10-6
cm/sec、30℃で9.12×10-7cm/sec、40℃で1.51
×10-6cm/sec、60℃で7.94×10-6cm/secであつ
た。
実施例 4 N−アクリロイルピロリジン5mgの代りにN−
n−プロピルアクリルアミド10mgを用いて実施例
1と同様の方法で得られた1個当り54.1μgのN
−n−プロピルアクリルアミドがグラフト重合し
たナイロン−2−12−カプセルを用いて、実施例
1と同様の方法によりナフタレンジスルホン酸ジ
ナトリウムの各温度での透過速度を測定したとこ
ろ、10℃で3.98×10-7cm/sec、20℃で2.24×10-7
cm/sec、30℃で3.80×10-7cm/sec、40℃で1.02
×10-6cm/secであつた。
実施例 5 N−アクリロイルピロリジン5mgの代りにN−
イソプロピルアクリルアミド5mgを用いて実施例
1と同様の方法で得られた1個当り2.8μgのN−
イソプロピルアクリルアミドがグラフト重合した
ナイロン−2−12−カプセルを用いて、実施例1
と同様の方法によりナフタレンジスルホン酸ジナ
トリウムの各温度での透過速度を測定したとこ
ろ、10℃で2.19×10-6cm/sec、25℃で4.17×10-6
cm/sec、30℃で2.82×10-6cm/sec、40℃で1.74
×10-6cm/sec、60℃で1.51×10-6cm/secであつ
た。
実施例 6 N−アクリロイルピロリジン5mgの代りにN−
イソプロピルアクリルアミド10mgを用いて実施例
1と同様の方法で得られた1個当り40.7μgのN
−イソプロピルアクリルアミドがグラフト重合し
たナイロン−2−12−カプセルを用いて、実施例
1と同様の方法によりナフタレンジスルホン酸ジ
ナトリウムの各温度での透過速度を測定したとこ
ろ、10℃で1.26×10-5cm/sec、20℃で8.71×10-6
cm/sec、30℃で2.57×10-6cm/sec、40℃で1.20
×10-6cm/sec、60℃で1.00×10-6cm/secであつ
た。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式()または一般式()で表わされ
    る一般式 (上式でR1は水素原子またはメチル基、R2は水
    素原子、メチル基またはエチル基、R3はメチル
    基、エチル基またはプロピル基を表わす。) 一般式 (上式でR1は水素原子またはメチル基、Aは(―
    CH2)―oでnは4〜6をまたは(―CH2)―2O(―CH2
    )―2を表わす。) N−アルキルまたはN−アルキレン置換(メ
    タ)アクリルアミドの単独または共重合体、もし
    くは他の共重合しうる単量体との共重合体よりな
    る重合体層をマイクロカプセル表面に形成させ水
    に不溶化してなるマイクロカプセル。
JP11426385A 1985-05-29 1985-05-29 マイクロカプセル Granted JPS61274738A (ja)

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