JPH0553400U - マルチチャンネル・ステレオシステム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 赤外線センサ１によって検出した聴視者の位
置に対してリスニングルームを自動的に常に最適音場に
制御するものである。 【構成】 聴視者の位置を感知する赤外線センサ１と、
この赤外線センサ１によって聴視者の位置を検出する聴
取位置検出処理回路２とを設け、この位置検出データを
オーディオ信号が入力されているＤＳＰ４に供給してマ
ルチチャンネル出力信号を聴視者の位置により制御して
複数のスピーカ９〜12より音響出力し、最適な音場制御
するよう構成したものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案はマルチチャンネル出力のステレオシステムに係り、特に、マルチチ ャンネル出力の音場を制御して最適な音響を聴取するのに好適なマルチチャンネ ル・ステレオシステムに関する。

【０００２】

【従来技術】

従来より、マルチチャンネル・ステレオシステムは図３に示すブロック図のも のが多く提供されていた。図において、３はオーディオ入力信号の入力端子であ り、この入力端子１に供給されたオーディオ信号は DSP４によって信号処理され てマルチチャンネル出力信号を出力する。５はマルチチャンネル出力の例えばフ フロント左チャンネル(FLch)増幅器、６はフロント右チャンネル(FRch)増幅器、 ７はリア左チャンネル(RLch)増幅器、８はリア右チャンネル(RRch)増幅器であり 、この各増幅器５〜８に接続したFLch,FRch,RLch,RRch スピーカ９〜12よりマル チチャンネルの音響出力信号が出力される。

【０００３】 この様に構成したマルチチャンネル・ステレオシステムは、音楽などを聴取す るリスニングルームにステレオセット及び上記FLch,FRch,RLch,RRch スピーカ９ 〜12を予め決められた所に配置し、音楽聴取者はリスニングルームの最も音響効 果のある位置で聴取していた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記した従来のマルチチャンネル・ステレオシステムは、リスニング ルームの予め決められた位置に設置されたFLch,FRch,RLch,RRch スピーカ９〜12 からの音響出力が聴視者の位置に対して最良のリスニングポジションになるよう 、ステレオセットのFLch,FRch,RLch,RRch 増幅器５〜８の出力レベルなどを調節 しなければなず、この調節のみでは充分な音響効果を得ることができないという 欠点があった。

【０００５】 この考案は上記した点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは 従来例の欠点を解消し、赤外線センサによって聴視者の位置を検出し、聴視者に 対して自動的に最適な音場に制御するマルチチャンネル・ステレオシステムを提 供するところにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この考案のマルチチャンネル・ステレオシステムは、オーディオ入力信号を D SP制御によって出力されるマルチチャンネル信号を複数のスピーカより音響出力 するマルチチャンネル・ステレオシステムにおいて、聴視者の位置を感知する赤 外線センサと、この赤外線センサによって聴視者の位置を検出する聴取位置検出 処理回路とを設け、聴視者に対して最適な音場制御を行うよう構成したものであ る。

【０００７】

【作用】

この考案によれば、リスニングルーム内の聴視者を赤外線センサによって感知 し、この赤外線センサの受光出力信号を聴取位置検出処理回路に供給して聴視者 の位置を検出するすることができる。

【０００８】 例えば、リスニングルーム内の左右前方及び左右後方に配置したFLch,FRch,RL ch,RRch スピーカの近傍に複数の赤外線センサを配置し、この複数の赤外線セン サによってリスニングルーム内のどんな位置にある聴視者の位置を検出すること ができる。

【０００９】 上記、聴取位置の検出データは DSPに供給され、一方、 DSPに供給されている オーディオ入力信号を信号処理し、前記聴視者の位置によって、例えばFLch,FRc h,RLch,RRch のマルチチャンネル出力信号を出力し、それぞれのFLch,FRch,RLch ,RRch 増幅器を介してリスニングルームのFLch,FRch,RLch,RRch スピーカから音 響出力することができる。

【００１０】 即ち、上記、聴視者の位置検出によってリスニングルームの音場制御を行って FLch,FRch,RLch,RRch 音響出力を出力し、聴視者に対して常に最適な音響効果の 音場を自動的に作り出すことができる。

【００１１】

【実施例】

この考案に係るマルチチャンネル・ステレオシステムの実施例を図１のブロッ ク図及び図２のリスニングルームの平面図に基づいて説明する。なお従来例と同 一部分には同一符号を付してその説明を省略する。

【００１２】 図において、１は聴視者の位置を検出する赤外線センサであり、この赤外線セ ンサ１は、例えば、リスニングルームなどの前方左右及び後方左右に配置した４ 個の赤外線センサ1a,1b,1c,1d より聴視者の位置信号を聴取位置検出処理回路２ に供給し、聴視者の位置を感知することができる。

【００１３】 20はリスニングルームであり、このリスニングルーム20には、例えば正面にス テレオセット21を配置し、前方左右にFLch,FRch スピーカ9,10を配置し、更に、 後方左右にRLch,RRch スピーカ11,12 を配置して構成し、上記、赤外線センサ1a ,1b,1c,1d をそれぞれ図のようにFLch,FRch,RLch,RRch スピーカ９〜12の近傍に 配置したものである。

【００１４】 この様に構成したマルチチャンネル・ステレオシステムは、今、例えばリスニ ングルーム20の略中央部のＭ点に聴視者が位置して音楽などを聴取する場合、聴 視者の位置Ｍ点からの赤外線を四方に略等間隔に配置した赤外線センサ1a,1b,1c ,1d がそれぞれ等受光量を受光し、この赤外線センサ1a,1b,1c,1d の出力信号が 聴取位置検出処理回路２に供給され、聴視者がＭ点に位置していることを検出す ることができる。

【００１５】 聴取位置検出処理回路２からの聴視者のＭ点位置データは DSP４に供給され、 DSP ４に入力されているオーディオ入力信号のマルチチャンネル出力信号、例え ばFLch,FRch,RLch,RRch 出力信号を聴視者のＭ点位置に対して最適な音響効果を 発生するよう信号処理され、略等出力レベルのFLch,FRch,RLch,RRch 出力をFLch ,FRch,RLch,RRch スピーカ９〜12より出力することができる。

【００１６】 また、聴視者の位置がリスニングルーム20の左側Ｌ点に位置している場合は、 上記、複数の赤外線センサ1a,1b,1c,1d の左側赤外線センサ1a,1c は強い受光量 を受光し、右側赤外線センサ1b,1d は聴視者が遠く離れた分だけセンサ受光量が 弱くなり、この赤外線センサ1a,1b,1c,1d のそれぞれの受光信号が、前記同様に 聴取位置検出処理回路２に供給されて聴視者のＬ点位置を検出し、この聴視者の Ｌ点位置データによって DSP４のマルチチャンネル出力が聴視者のＬ点位置の音 響効果が最適になるよう信号処理される。

【００１７】 更に、聴視者の位置がリスニングルーム20の右側Ｒ点に位置している場合は、 前記、同様に右側に配置した赤外線センサ1b,1d が強い受光量を受光し、左側赤 外線センサ1a,1c は弱い受光になり、それぞれの赤外線センサ1a,1b,1c,1d と聴 取位置検出処理回路２によって、聴視者の位置Ｒ点を検出して DSP４を制御し、 聴視者のＲ点位置でのマルチチャンネル出力が最適な音響効果になるよう信号処 理することができる。

【００１８】 この様に、聴視者がどこに位置していても複数の赤外線センサ1a,1b,1c,1d に よって聴視者位置を自動的に検出し、この聴視者の位置に適したマルチチャンネ ル音響出力をFLch,FRch,RLch,RRch スピーカ９〜12から出力するよう音場制御す ることができ、この聴視者に対して最適音場を得ることができる。

【００１９】 以上、リスニングルーム20における聴視者の位置を検出して音場制御するマル チチャンネル・ステレオシステムについて説明したが、この考案のマルチチャン ネル・ステレオシステムはカーオーディオや映画館などに応用して音響効果を上 げることもできる。

【００２０】 例えば、車両内部の運転者や他の乗人を赤外線センサ１で検出して乗車してい る乗人に対して最適音響になるよう車両内の音響空間を音場制御することができ る。同様に映画館における観客の位置を検出して映画館の音場制御を行って映画 音響を効果的に聴取することもできる。

【００２１】

【考案の効果】

この考案に係るマルチチャンネル・ステレオシステムは前述のように、赤外線 センサによって聴視者の位置を検出し、この検出した聴視者に対して常に最適な 音響効果のある音場制御をすることができるので、聴視者はリスニングルーム内 のどの位置にあっても自動的に最適な音響効果の音場で音楽や映画などの音声信 号を聴取することができるという効果がある。

【００２２】 また、リスニングルーム内の聴視者の位置によって、従来のようにステレオセ ットなどの調節器を一々調節操作、又はリモコン調節などの操作をする必要が無 くなり、この考案のマルチチャンネル・ステレオシステムは常に聴視者に対して 最適な音場に制御して最良の音響効果で音響信号を聴取することができるという 効果もある。

【００２３】 しかも、構造が簡単であって、また、安価に構成することができるため実施 も容易であるなどの優れた特長を有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案のマルチチャンネル・ステレオシステ
ムの実施例を示したブロック図である。

【図２】この考案のステレオシステム機器の配置を示し
たリスニングルームの平面図である。

【図３】従来例を示したブロック図である。

【符号の説明】

１ 聴視者の位置を検出する赤外線センサ 1a 左前方(FL)に配置した赤外線センサ 1b 右前方(FR)に配置した赤外線センサ 1c 左後方(RL)に配置した赤外線センサ 1d 右後方(RR)に配置した赤外線センサ ２ 聴取位置検出処理回路 ３ オーディオ信号の入力端子 ４ ＤＳＰ ５〜８ FLch,FRch,RLch,RRch 増幅器 ９〜12 FLch,FRch,RLch,RRch スピーカ 20 リスニングルーム 21 ステレオセット

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 オーディオ入力信号をＤＳＰ制御によっ
   て出力されるマルチチャンネル信号を複数のスピーカよ
   り音響出力するマルチチャンネル・ステレオシステムに
   おいて、 聴視者の位置を感知する赤外線センサと、この赤外線セ
   ンサによって聴視者の位置を検出する聴取位置検出処理
   回路とを設け、聴視者に対して最適な音場制御を行うよ
   う構成したことを特徴とするマルチチャンネル・ステレ
   オシステム。