JPH05532U - タンブルシートのロツク解除構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】タンブルシートにおけるタンブル状態を解除す
るための操作レバーの操作性を向上させることを目的と
する。 【構成】シートクッションのラッチと一体の回動軸に操
作レバーを設けると共に、回動軸とタンブル状態を保持
するためのリンクＡ、Ｂとをコントロールワイヤで連結
して操作レバーの操作により、タンブル状態を解除する
ことを特徴とするものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はシートの不使用時に、シートクッションをその前部を中心に前方 に回転させて起立状（タンブル状態）にすることができる自動車用タンブルシー トにおけるロック解除構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の自動車用シート、例えば、リヤシート、セカンドシート、サードシ ートには、図３に示すように、シートクッション（ＳＣ）上にシートバック（Ｓ Ｂ）を前倒した後、このシートクッション（ＳＣ）を前方に回動させて起立状（ タンブル状態）とするタンブルシートがある。 これは、シートクッション（ＳＣ）の後部側に操作レバー（１１）によって回 動するラッチ（２）を設け、このラッチ（２）が係脱するストライカ（３）を車 床又は車床に固定したスライドレール（３１）（３２）に設けると共に、シート クッション（ＳＣ）の前部を車床側にヒンヂ（６）を介して上下方向に回動可能 に軸着してなる構造である。従って、前記操作レバー（１１）を操作すると、ラ ッチ（２）が回動してストライカ（３）から外れて、シートクッション（ＳＣ） 上に前倒したシートバック（ＳＢ）と共にシートクッション（ＳＣ）がタンブル 可能となる。図中、（Ａ）はシートクッション（ＳＣ）のフレームを示す。

【０００３】 図４は前記従来品のタンブル状態を示し、左右のラッチ（２）（２′）は回動 軸（１）の両端に一体に固定され、回動軸（１）はシートクッション（ＳＣ）フ レーム後部に左右方向に回動自在に支持され、操作レバー（１１）が一体に設け てあり、スライドレール（３１）（３１′）（３２）（３２′）は車床（Ｆ）に 固定したロアレール（３２）（３２′）と、このロアレール（３２）（３２′） に前後方向に移動可能に装着したアッパーレール（３１）（３１′）とから構成 され、前記ストライカ（３）（３′）はアッパーレール（３１）（３１′）の後 端に設けてある。 そして、前記シートクッション（ＳＣ）はリンク（４）（５）によって、タン ブル状態を保持され、一方のリンク（５）に設けたレバー（５１）の操作により 、伸長状態のリンク（４）（５）は折り畳まれる。このリンク（４）（５）の折 り畳みにより、シートクッション（ＳＣ）のタンブル状態は解除され、シートク ッション（ＳＣ）が倒れて元の状態（図１における実線の状態）に復帰可能とな る。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

以上の従来品はリンク（４）（５）に折畳み操作用のレバー（５１）を設 けているため、このレバー（５１）を操作してシートクッション（ＳＣ）のタン ブル状態を解除する際、シートクッションの前部側且つ車床に近い位置に設けた レバー（５１）を操作しなければならず、操作性が頗る悪い不具合があった。 そこで本考案は、タンブル状態のシートクッションを倒す際の操作性を向上す ることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

以上の目的を達成するための本考案は、シートクッションの後部左右方向 に回動自在に設けた回動軸に、該回動軸の回動操作によって回動して車床側スト ライカに係脱するラッチを有するタンブルシートにおいて、前記シートクッショ ンと車床との間に、シートのタンブル状態を保持する折畳み可能なリンクＡ、Ｂ を設け、該リンクの一方と前記回動軸とをコントロールワイヤで連結して、前記 操作レバーの操作によりリンクＡ、Ｂを折畳むことを特徴とするものである。

【０００６】

【作用】

回動軸の操作レバーを回動操作してラッチをストライカから外し、操作レ バーを持ち上げると、シートクッションが起立状であるタンブル状態になる。こ のシートクッションのタンブル状態への移動により、折畳み状態のリンクが伸長 して、シートクッションのタンブル状態を保持する。そして、タンブル状態にお いて、操作レバーを回動操作すると、コントロールワイヤが引かれて伸長状態の リンクＡ、Ｂが折り畳まれ、シートクッションが元の状態に復帰できる。

【０００７】

【実施例】

本考案の一実施例を図１、２に基づいて説明する。 図１はタンブル状態を示し、タンブル状態のシートクッション（ＳＣ）は伸 長したリンクＡ（４）、リンクＢ（５）によってタンブル状態を保持し、自動車 の急停車などによって後方に倒れることがない。 この状態において、リンクＢ（５）と、回動軸（１）に固着する取付片（１２ ）との間にはコントロールワイヤ（７）が緊張するように張設されている。 リンクＡ（４）とリンクＢ（５）とはピン（４１）によって折畳み可能に連結 され、リンクＢ（５）はシートクッション（ＳＣ）のフレーム（Ａ）に、またリ ンクＡ（４）はリンクＣ（６４）に夫々回動自在に軸着され、リンクＣ（６４） はアッパーレール（３１）に固定した固定ブラケット（６３）に、ヒンヂブラケ ット（６１）と共にヒンヂ結合している。

【０００８】 図２はコントロールワイヤ（７）の回動軸（１）側の連結個所を示す。 回動軸（１）の両端には前記従来品と同様にラッチ（２）（２′）が一体に固 着され、回動軸（１）に一体に設けた操作レバー（１１）を回動操作することに より、ラッチ（２）（２′）がスライドレール（３１）（３２）側のストライカ （３）（３′）から外れるように構成されている。 そして、フレーム（Ａ）に回動自在に支持されている回動軸（１）の適宜個所 には、該回動軸（１）に取付片（１２）が溶接され、この取付片（１２）に前記 コントロールワイヤ（７）の端部（７１）が係止ピン（７２）で連結されている 。

【０００９】 斯して、シートクッション（ＳＣ）のラッチ（２）（２′）がストライカ（３ ）（３′）に係合状態において、操作レバー（１１）を図２の矢印方向に引くと 、回動軸（１）が回動して、ラッチ（２）（２′）が同図矢印方向に回動してス トライカ（３）（３′）から脱出する。そのため、シートクッション（ＳＣ）は タンブル可能に状態になり、更に、操作レバー（１１）を持ち上げると、シート クッション（ＳＣ）はタンブル状態になり、折り畳まれていたリンクＡ（４）、 リンクＢ（５）は伸長して図１に示すようにシートクッション（ＳＣ）のタンブ ル状態（ロック状態）を保持し、且つコントロールワイヤ（７）は緊張状態にな る。

【００１０】 そして、操作レバー（１１）を図１の矢印方向に回動操作すると、回動軸（１ ）と一体の取付片（１２）が回動するため、図１の鎖線に示すように、コントロ ールワイヤ（７）を介して、リンクＡ（４）、リンクＢ（５）を引き、両リンク Ａ、Ｂ（４）（５）が折畳み、シートクッション（ＳＣ）のタンブル状態（ロッ ク状態）が解除される。タンブル状態を解除した後も操作レバー（１１）を握持 して、操作レバー（１１）を下方に押動すると、シートクッション（ＳＣ）が元 の状態に戻り、ラッチ（２）（２′）がストライカ（３）に係合する。

【００１１】

【考案の効果】

本考案はシートクッションのタンブル状態を保持するリンクＡ、Ｂと、操 作レバー及びラッチを一体に有する回動軸とに渉って、コントロールワイヤを設 けてなるから、１ケの操作レバーの操作でシートクッションをタンブル状態にす ることもできるし、また、タンブル状態のシートクッションを元の状態に戻すこ とも可能となる。そして、タンブル状態のシートクッションを元の状態に戻す際 、操作レバーは上方に位置しているため、シートクッションのタンブル状態を解 除し易く、その操作性が向上する。また、解除後、その操作レバーを乗員が握持 して下げることにより、シートクッションの後部がスムーズに下降し、シートク ッション、シートバックの自重による急激なシートの下降を防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案を示し、タンブル状態の側面図であ
る

【図２】 本考案の分解部分斜視図である

【図３】 従来のタンブルシートの側面図である

【図４】 従来のタンブルシートのタンブル状態を示
す斜視図である

【符号の説明】

１ 回動軸 ２、２′ ラッチ ３、３′ ストライカ ４、５ リンクＡ、リンクＢ ７ コントロールワイヤ １１ 操作レバー

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 安井 太志 東京都昭島市松原町３丁目２番12号 株式 会社タチエス内

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 シートクッションの後部に左右方向に、操作レバー付の
   回動軸を回動自在に設け、該回動軸の両端に、回動軸の
   回転により車床側のストライカに係脱するラッチを設
   け、且つシートクッションの前部を車床に対して上下方
   向に回動自在に軸着してなるタンブルシートにおいて、
   前記シートクッションと車床との間に、シートのタンブ
   ル状態を保持する折畳み可能なリンクＡ、Ｂを設け、該
   リンクの一方と前記回動軸とをコントロールワイヤで連
   結して、前記操作レバーの操作によりリンクＡ、Ｂを折
   畳むことを特徴とするタンブルシートのロック解除構
   造。