JPH0553146B2 - - Google Patents

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JPH0553146B2
JPH0553146B2 JP1504997A JP50499789A JPH0553146B2 JP H0553146 B2 JPH0553146 B2 JP H0553146B2 JP 1504997 A JP1504997 A JP 1504997A JP 50499789 A JP50499789 A JP 50499789A JP H0553146 B2 JPH0553146 B2 JP H0553146B2
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JP
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polymyxin
blood
catheter
hydrophilic
polymer
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JP1504997A
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Ronarudo Bii Ruusaa
Edowaado Shanburomu
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Edward Shanbrom Inc
Original Assignee
Edward Shanbrom Inc
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Publication date
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Publication of JPH0553146B2 publication Critical patent/JPH0553146B2/ja
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    • A61L33/00Antithrombogenic treatment of surgical articles, e.g. sutures, catheters, prostheses, or of articles for the manipulation or conditioning of blood; Materials for such treatment
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    • A61L2300/40Biologically active materials used in bandages, wound dressings, absorbent pads or medical devices characterised by a specific therapeutic activity or mode of action
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Description

請求の範囲 1 凝塊を形成し得るフイブリノーゲン−フイブ
リンを含む患者の体液に接触させて留置するため
に患者に挿入すべく形成されかつ必要な大きさに
された構造物、および前記構造物上の被覆を備
え、 前記被覆は、100重量部の親水性のポリウレタ
ン樹脂の存在下で10重量部から50重量部のポリエ
ンを反応させることにより得られるポリウレタン
ポリエン合成物で形成される三次元的ポリマーか
ら本質的になり、 前記被覆は、細菌の増殖および前記被覆上での
血液凝固物の形成を抑制するために効果的な量の
ポリミキシンから本質的になる抗菌性抗凝血剤を
その中に吸収している、挿入用具。
発明の分野 この発明は、脈管内に挿入留置させるカテーテ
ルに関する。
発明の背景 血液の適合性は、その他の体液や身体の組織と
生体適合材料との適合性に比べ、非常に複雑なも
のである。或る特定の生体適合材料と血液との適
合性の程度は、次に挙げるようなことに左右され
る。血液が動いているか(心臓装置や血管内にあ
るような)、止まつているか(ストレージバツク
やボトルの中にあるような)。血液が動脈である
か静脈であるか。血流のパターンおよび特に血流
のパターンの変化。赤血球、白血球、血小板、血
漿プロテインおよびその他の血液成分間の相互作
用。血液は不均一な非ニユートン流体であり、約
45%の固体分(赤血球、白血球および血小板)と
55%の血漿から構成される。血漿は、種々の無機
イオンを含むと同時に、アルブミン、フイブリノ
ーゲンおよびグロブリンに分類される一連の可溶
性蛋白質を含有する。
血液は、傷が発生したときや異物に接触したと
き、凝塊や血栓を形成する。ほとんどの生体適合
材料は、この凝塊形成過程を引き起こし、種々の
大きさで1度できてしまうと消失しない凝塊に覆
われるようになる。そして、生体適合材料の使用
に悪影響を及ぼすとともに、患者に致命的なもの
とさえなる。ポリジメチルシロキサンやポリエー
テルポリウレタン尿素(PEUU)のような、疎水
ポリマーの血液適合性は、ポリマーの湿潤度に反
比例する。一方、ヒドロゲルのような特定の親水
ポリマーは、血液との適合性を有する。特定のイ
オノマータイプのポリマーおよびエレクトレツト
(荷電したポリマー)もまた、血液との適合性を
有する。この血液との適合性は、ある程度、生体
適合材料の表面に吸着する蛋白質の性質に関係し
ている。血液が異物に接触するときは必ず、種々
の血漿プロテインがこの表面に吸着する。疎水性
のポリエーテルポリウレタン尿素や、親水性のヒ
ドロゲルのような、いくつかの種類のポリマーに
おいて、主として冷水可溶性グロブリン(フイブ
ロネクチン)およびフイブリノーゲンを吸着する
表面は、アルブミンを吸着する表面に比べ、トロ
ンボゲンがより形成されやすくなつている。蛋白
質の吸着は、ゆつたりとした過程を経て進み、血
清の形成がわずか数分で始まるのに対し、何時間
あるいは何日もかかる。したがつて、或る生体適
合材料は、最初はトロンボゲン形成を阻止してい
るが、吸着された蛋白質層に変化が起こることに
よつて数週間後には凝塊ができる。或る特定の種
類において1つのポリマーが、同じ種類の別のポ
リマーに比べて、血液との適合性に優れているか
劣つているかを説明するには、様々な理論が妥当
なものであると考えられる。しかし、天然および
人工の材料にとつて、血液の適合性における様々
な変化をすべて説明するような妥当な理論はな
い。
いくつかの生体適合材料は、ヘパリンのような
適当な抗凝血剤を血液に添加する場合には、種々
の用途が生体外に限られてきた。しかしながら、
ヘパリンの投与は、自然に起こる血液の凝固を弱
めるか、阻止する。ヘパリンは分子量12000〜
16000の天然に存在する重アニオン性ムコ多糖体
であり、様々な表面に様々な方法によつて結びつ
いている。イオン結合したヘパリンは、トロンボ
ゲン形成阻止力を表面に、かなりの程度与える
が、ヘパリンは脱着したりおよび/または、時間
とともに不活性化され、もともとあつた表面のト
ロンボゲン形成が勝つてくる。一方、ヘパリン
は、通常天然物に比べて活性が弱いものである
が、共有結合したヘパリンは、トロンボゲン形成
阻止力を長く持続する。多くの実験により、非ト
ロンボゲン形成性のアミド−アミンポリマーは、
そのアミド−アミン部位にヘパリンが吸着される
ことによつて、トロンボゲン形成を阻止すること
が明らかになつている。このヘパリンの吸着にお
いて、多くのヘパリン化の方法は、4級アンモニ
ウム化合物とヘパリンを用い、ヘパリンはアミノ
基と複合体を形成する。また、いくつかの実験的
なポリマー系も有望である。これらのポリマー系
には、イオプレツクス物質および2−ヒドロキシ
エチルメタクリレートまたはアクリルアミドに基
づくようなヒドロゲルがある。これらの物質は、
50〜80%の水を含むことができ、これがヒドロゲ
ルのトロンボゲン形成阻止の根拠となることが先
に開示されている。より最近の研究では、血液の
適合性はヒドロゲルの水分含量によらないことが
示されている。ヒドロゲルは通常、物理的もしく
は機械的強度に欠ける。この問題は、他の基質に
ヒドロゲルを接合させることや、血液が接触する
ヒドロゲル表面に複合物を形成することによつて
部分的に解決されている。また、ウロキナーゼや
ストレプトキナーゼのような溶解試薬をポリマー
に結合させ、ポリマーの表面に形成する凝固物質
の溶解を目的とすることもある。或るポリエーテ
ルポリウレタン尿素(PEUU)は、トロンボゲン
形成をよく阻止し、一般的に体内に用いても大丈
夫であるとみなされている。このPEUU系は、広
範で様々なアルキルおよび/またはアリルポリマ
ー群によつて形成され、しばしばセグメント化ポ
リウレタンと呼ばれる。これら疎水ポリマーより
形成された用具を用いた場合、その表面に血栓が
形成された形跡は見られない場合でもしばしば実
験動物の他の部位に塞栓が顕著に見られる。
材料科学、凝血過程の解明、凝血と種々の材料
物質との関係の解明、殺菌剤、殺ウイルス剤、お
よび殺真菌剤において著しい進歩がなしとげられ
たにもかかわらず、現代医療、特に病院の医療に
おいて、主な危険の1つとして、脈管内に挿入す
る用具に伴なう血栓の形成および感染が挙げられ
る。これらの用具の種類や形式のすべては、簡単
にカテーテルとみなすことができる。この発明の
第1の特徴および目的は、この感染の危険性を顕
著に減少させ、同時に血栓や塞栓の形成の危険性
も減少できるより好ましいカテーテルを提供する
ことにある。
微生物の存在する環境に生まれてくれば、人の
身体は生まれたときから感染が始まる。一生の
間、皮膚や粘膜は外界にさらされ、種々のバクテ
リア、真菌およびウイルスのすみかとなる。これ
らの多くは皮膚や粘膜の表面の上および内にほぼ
永久的なすみかを形成する。或る種類は、はつき
りとした害をもたらさず、或るものは人と共生す
る。或るものは人の生存に必須であり、或るもの
は人の健康を害し生命の危険にさらす。或る種類
は、皮膚の上では害をもたらさないが、血管内で
は病原性を有する。また或るものは、非病原性で
あるかまたは、病原性が弱いため強力な免疫防御
によつて人の健康に何ら影響を与えることはな
い。しかし、年齢、病気、放射線、化学治療さら
には精神的および感情的な抑圧によつて弱くなつ
た身体において、これらの微生物は弱い病原性、
時には致命的な病原性を有するようになる。
重大な病気にかかつた人々の多くは、より良い
治療を受けるので、命をとりとめる。しかし、重
大な病気またはその治療によつて免疫機能が少な
からず低下する。外因性の有害微生物によつて引
き起こされた多くの感染症は、効果的な抗菌製剤
によつて治療されるので、内因性の細菌やその他
の微生物による病気がより共通の問題となる。こ
れらの病気は、臨床において遭遇する細菌によつ
て引き起こされる重大な病気の中にあつて大きな
比率を占めている。
脈管内に挿入する用具の使用が急激に増加し、
夥しい数のカテーテルの活用が可能になり、その
他新素材でできたこのような用具が開発されるこ
とにより、患者および開業医にとつてより高度な
危険因子を招くことになつている。このような現
象より発生する問題点のいくつかは次に挙げる報
告に述べられている。
“Plastic Devices:New Fields for Old
Microbes”,The Lancet,p.365,February 13,
1988. 人の皮膚に見られる微生物フローラは、皮膚の
どの部位が検査されるかによつて、その程度や種
類が異なつている。典型的な皮膚の微生物フロー
ラには、ブドウ球菌、ストレプトコツカスビリダ
ンス、ストレプトコツカスフアエカリス、コリネ
バクテリウムおよびマイコバクテリウムが挙げら
れる。また、どの部位の皮膚を検査するかによつ
ても異なつており、肺炎球菌、クロストリジウ
ム、腸内細菌、スピロヘータ、マイコプラズマ、
ストレプトコツカスアナエアロビなども挙げられ
る。また、酵母、カンジダ、特にカンジダアビリ
カンスのような真菌も皮膚または膜に形成された
フローラにしばしば見られる。
皮膚に見られる病原体の中で、最も一般的で、
潜在的に最も危険なのは、ブドウ球菌である。ブ
ドウ球菌は、球状のグラム陽性細菌であり、ヒト
に高範囲な化膿性疾患を引き起こす。ブドウ球菌
は、しばしば薬剤耐性となるので、臨床医学で
は、特に重要な位置に置かれている。
ヒトは常にブドウ球菌にさらされている。幼児
の鼻や皮膚には生まれてから数日でブドウ球菌が
定着する。表皮ブドウ球菌はヒトの皮膚や粘膜に
実質的に常に棲みついている。一方、皮膚、鼻、
咽頭および腸内への感染においては、黄色ブドウ
球菌が一般的である。皮膚が傷つかない限りは、
広範なブドウ球菌のコロニーはそのままで、有害
な影響をもたらすことはない。しかし、傷、火傷
あるいはその他で皮膚が傷つくと感染症を引き起
こす。
脈管内カテーテルの使用や入院中の感染を抑え
るにあたつて、重要な問題の1つは、表皮ブドウ
球菌のような或る種の細菌が、抗生物質に立向か
い薬剤耐性を有する株になるということである。
したがつて、伝統的な抗生物質の投与による感染
症の防御方法は、一過性のものになるおそれがあ
る。一方、ブドウ球菌およびその他の感染性微生
物において、ポリミキシンに対して薬剤耐性とな
る微生物は知られていない。ポリミキシンは、溶
菌させ、微生物を不活性化させる細胞の外膜破壊
試薬であり、微生物を内部より攻撃するものでは
ない。したがつて、はつきりとは知られていない
が、ポリミキシンBに対する薬剤耐性は獲得され
ないということができる。したがつて、或る種の
細菌が本来より有する突然変異による防御機構の
引き金を引くことなくその微生物を破壊すること
ができるといえる。
従来より、体内に挿入するための多くの針、カ
テーテルおよびその他の用具が考案されている。
この発明は、使用に適し、1つの部品として成立
つか、または上記用具の要素として成立つことが
できるものである。たとえば、離脱する針とカテ
ーテルの組立品一式が、Lutherらによつて、米
国特許4702735において開示されている。また彼
等はスタイレツトとカテーテルの組立品一式を開
示している。Luther、米国特許4668221,
4610671。またスタイレツトとカテーテルの組立
品一式、Luther、米国特許4610671。アダプタと
チユーブの接続のために設けられた隔壁を有する
組立品、Lutherら、米国特許番号4559043。小ゲ
ージ、プレスプリツトカニユーレおよびその製造
方法、Lutherら、米国特許番号4449973。オーバ
サイズカテーテルのカニユーレ通過促進用装置、
および同様のもの、Luther、米国特許番号
4401433。およびカテーテル用カニユーレ針、
Freyら、米国特許4377165がある。
親水ポリマーの使用は、被覆用としてまたは医
療用具の一部として、これらの関係してよく知ら
れている。また、このポリマーは薬品や抗生物質
などの貯蔵容器に用いられたり、体内に留置する
間のタイムリリース用用具として用いられている
ことがよく知られている。たとえば、Lutherに
よる米国特許4610671に示されたスタイレツトと
カテーテルの組立品一式において、スタイレツト
より拡張する親水ポリマーによつて構成されたカ
テーテルが、記載されている。この組立品一式
は、カテーテルを静脈に入れたままで、スタイレ
ツトを挿入部位から抜き取ることができる。また
スタイレツト不要のカテーテル一式を静脈および
動脈の部位に針を抜き取ることなく挿入する方法
も示されている。
体内挿入用にイソシアン酸処理した被覆物が、
Lambertによつて米国特許4666437および4585666
に記載されている。これらについて親水皮膜が形
成されているポリマー表面は、湿潤状態において
摩擦が少ない。形成方法は以下に示すとおりであ
る。1分子中に少なくとも2つ未反応のイソシア
ン酸基を有する化合物を含む溶液で、ポリマー表
面を処理する。溶媒を気化蒸発させた後、処理さ
れたポリマーの表面にポリビニルピロリドンを含
む溶液を供し、触媒の存在下でイソシアン酸の重
合により被覆を重合させる。
親水性の被覆を重合基質に適用する方法および
その方法に従つて調製されたものについて
Graperらによつて、米国特許4589873に述べられ
ている。また、溶媒の気化蒸発の後得られるポリ
ビニルピロリドンの被覆は、水に濡れたときその
表面が滑らかになる。
外側に親水性の被覆を有し、被覆の中に殺菌剤
を吸着させた医療用管材、および、その使用方法
が、Nortonによつて、米国特許4515593に開示さ
れている。このカテーテルおよび同等のものの本
体部分は、疎水性のエラストマで形成されてい
る。また、外側表面の予め決められた部分には、
カテーテルの体内への挿入部位に限定された部分
に沿つて、殺菌剤が吸着できるように親水性のエ
ラストマで被覆された部分が設けられている。
Franetzkiらによつて、米国特許4511355に開
示されたもので、生体移植用に考案された輸液用
具は、親水性の隔壁を備えている。
カテーテルのような医療用具で親水性の被覆を
有するものにあつて、親水性の被覆がポリエーテ
ルウレタン共重合体であるものは、米国特許
4487808および4459317に開示されている。被覆形
成方法は、1分子あたり少なくとも2つ未反応の
イソシアン酸基を有する化合物で、ポリマーの表
面を処理し、溶媒を気化蒸発させた後、ポリエチ
レンオキサイド溶液で処理するものである。
親水性のプラスチツク包装材を有するカテーテ
ルが、Torstenにより、米国特許4434797に開示
されている。このカテーテルに設けられたプラス
チツク包装材は、カテーテルの全体または部分を
覆うもので、親水性の合成樹脂によつて形成され
ている。この親水性の合成樹脂は、液体を吸収す
ることができ、その結果膨潤する。膨潤したカテ
ーテルは、脈管、血管またた体腔に挿入した部分
に定置する。
血液中の二酸化炭素の濃度を測定するために、
PH感受性FET変換器が設けられたガス検知カテ
ーテルがShibataniらによつて、米国特許4409980
に開示されている。ここでは、水素イオン濃度の
変化を感度良く検知するために、親水ポリマー層
が、FET変換器のゲート領域、基準電極および
電解質にまで延びている。
Hajimeらによつて、米国特許4346712に、取外
しができるバルーンカテーテルが開示されている
が、このカテーテルにおいて本体は親水ポリマー
で構成されている。
この発明に使用するにあたり、適当なものであ
つて優れた親水ポリマーを構成するポリウレタン
ポリエン合成物が、Gouldらによつて、米国特許
4359558,4408023,4439583,4439584,4439585,
4451635,4454309,4490423および4496535に開示
されている。概して言えば、上記特許は、親水ポ
リウレタン樹脂約100重量部の存在下で、約10〜
約50重量部のポリエンを反応させることによつて
得られたポリウレタンポリエン合成物の3次元構
造の形成に関するものである。生成物は、水に浸
漬すると膨潤し、重量が増加する。また生成物
は、ガス、水蒸気、イオンおよびその他の低分子
物質を透過させる性質を有する。この親水性ポリ
ウレタンポリエン合成物は、沸騰水に繰返しさら
すことにより、立体的に安定で、形を整えられた
生成物を得ることができ、しかも塑性復原を示
す。上記明細書は以下のことも開示している。親
水ポリウレタン樹脂の存在下でポリエンを反応さ
せることによつて得られたポリウレタンポリエン
合成物によつて形成された被覆を少なくとも1つ
の面に有している3次元構造の基質。コンタクト
レンズのようなものに適用できるアリルまたはア
クリルエステルの付加−重合ポリマーおよび、ポ
リウレタンポリエン合成物の医療用器具は、親水
ポリウレタン樹脂の存在下でポリエンを反応させ
ることによつて得られる。ポリウレタン4級アン
モニウム塩は、ポリマー骨格に水酸基を有するポ
リウレタン樹脂の溶液を加熱することによつて得
られ、またカルボキシレートラジカルまたはカル
ボキシルラジカルを有する化合物に強塩基を添加
した反応混合物で反応を続けると、ポリウレタン
4級アンモニウムの水酸化物が溶液に形成され
る。このポリウレタン4級アンモニウムの水酸化
物は、反応混合物を過剰の水に注ぐことにより回
収される。ポリウレタン4級アンモニウム水酸化
物は、塩酸を加えて溶液のPHを8とすれば、溶解
する。そして相当するポリウレタン4級アンモニ
ウム塩酸塩は溶媒を気化蒸発させることにより回
収できる。ポリウレタン4級アンモニウム硫酸塩
は、ポリマー骨格に水酸基およびラクトン基を有
するポリウレタン樹脂を硫酸に溶かすことによつ
て調製することができる。この溶液は、攪拌しな
がら過剰の水を注ぎ、水酸化ナトリウムで中和
し、PHを3から4の間にする。溶媒を気化蒸発さ
せると、ポリウレタン4級アンモニウム硫酸塩と
硫酸ナトリウムを含有する残渣が得られる。ポリ
ウレタン4級アンモニウム硫酸塩は、この混合残
渣よりメタノールで抽出することによつて分離す
ることができる。ポリウレタンジアクリル酸合成
物は、親水ポリウレタン樹脂の存在下でジアクリ
ル酸を反応させることにより得られる。この合成
物は水に浸漬するとヒドロゲルを形成する。ま
た、この合成物は、ガス、イオンおよびその他の
低分子物質を透過させる。この合成物は、経口投
与システムを形成する際、薬理学的に活性にある
薬剤の担体として有用である。親水ポリウレタン
樹脂の存在下にジアクリル酸を反応させて得られ
るポリウレタンジアクリル酸合成物は、ガスおよ
びイオン透過性の膜となるので、熱傷用包帯、外
科手術用の布およびそれらと同等のものに有用で
ある。この合成物は、水に浸漬するとヒドロゲル
を形成する他、低分子物質の透過性を有する。親
水ポリウレタン樹脂の存在下でジアクリル酸を反
応させて得られたポリウレタンジアクリル酸合成
物より形成されたカニユーレまたは上記合成物の
被覆を有するカニユーレを得ることができる。ま
た、ジアクリル酸と親水ポリウレタン樹脂を反応
させて得られたポリウレタンジアクリル酸合成物
より、外科用インプラント、子宮内避妊器具およ
びそれらと同等のものを形成させることができ
る。形成された製品は、必要とする薬剤をその中
に含んでいる。これらの合成物は、コンタクトレ
ンズおよび外科用具の多くのものを製造するのに
も有用である。
バチルス種によつて生産されるペプチド抗生物
質には、分類学的に異なる種によつて生産される
にもかかわらず、化学的に非常に近いものがいく
つかある。たとえば、バチルスリケニフオルミス
および枯草菌によつて生産されるバシトラシン、
バチルスポリミキサ、バチルスエアロスポラス、
バチロスコリスチヌス、バチルスサーキユランス
によつて生産されるポリミキシンである。この種
の抗生物質において、第1の、しかし唯一のもの
ではなく、抗生物質のサブクラスを示し、この発
明において注目されるものはポリミキシンであ
る。ポリミキシンは、洗浄剤に近い作用を有する
抗生物質で、α,γ−ジアミノ酪酸のアミノ酸残
基と脂肪酸側鎖を有している。ポリミキシンは、
グラム陰性細菌の細胞膜を無欠の状態から破壊す
るが、一般に、グラム陽性細菌には効果がないと
考えられている。ポリミキシンは、神経毒性およ
び腎細胞毒性を有する。したがつて、その他の抗
生物質に対し、もともと耐性を有していたかある
いは耐性を獲得した罹病性微生物が引き起こす重
大な感染症に限つて、使用される。たとえばポリ
ミキシンは、緑膿菌に対して効果がある数少ない
薬剤の1つである。緑膿菌は、長期にわたつて化
学療法が行なわれているとき、患者にしばしばそ
して執拗に2次感染を引き起こす。ポリミキシン
は多くのグラム陰性細菌の増殖を抑制する。これ
らのグラム陰性細菌としては、シユードモナス、
エシエリキア、クレブシエーラ、エンテロバク
タ、サルモネラ、赤痢菌およびヘモフイールス種
が挙げられる。一方、プロテウスやグラム陽性細
菌の増殖は抑制しない。ポリミキシンBおよびコ
リスチン(ポリミキシンE)の硫酸塩製剤は、局
所、口喉および静脈への薬剤として用いられる。
また、これらのN−スルホメチル誘導体のナトリ
ウム塩は筋肉内およびくも膜下への投与にも用い
られる。これらについて広範囲に混合された抗生
物質調製剤が市販されている。
Ainsworthおよび共同研究者、Shepherdおよ
び共同研究者、ならびにBenedictおよび
Langlykkeは、1947年、エアロスポリンおよびポ
リミキシンをバチルスポリミキサ株から得たこと
を発表した。特にここに言及された、この一連の
抗生物質はポリミキシンという一般名で知られる
ところとなつた。エアロスポリンは、ポリミキシ
ンAに命名し直され、ポリミキシンはポリミキシ
ンDとなつた。これらの構成物質は共に腎細胞毒
性を有する。この臨床上の欠陥のため、バチルス
ポリミキサでその他の抗生物質を生産する株を探
すこととなつた。そして、ポリミキシンB,C,
E、およびFの4つの新しい物質が発見された。
ポリミキシンBおよびEは、治療時の投薬量の限
界内で、ごくわずかな毒性を示した。その他のポ
リミキシンは、バチルスポリミキサである種々の
株について評価を行なつている際に発見された。
たとえば、初めはバチルスクロスチヌス株として
同定され、今ではバチルスポリミキサ変種ガリフ
アルスとして同定されている微生物より生産され
るクロスチンがある。また、モスクワで採取され
た土より分離されたバチルスポリミキサ株は、ポ
リミキシンMと命名された抗生物質を産生した。
さらにバチルスブレビスは、チロスリシンを主成
分とした抗生物質の混合物を生産する。J.Biol.
Chem.141:155,163(1941).チロスリシンは、
3つのよく知られたカチオン性環状ポリペプチ
ド、チロシジンA,BおよびCに分けられてき
た。また、カチオン性環状ポリペプチド抗生物質
において、現在では同等のものとみなされている
ものにには、グラミシジン、バイオマイシン、カ
プレオマイシンが挙げられる。ポリミキシンが最
も良く知られたものであるが、その他に、コリス
チン、グラミシジン、バイオマイシン、カプレオ
マイシンおよびチロスリシンを含むカチオン性環
状ポリペプチド抗生物質は、この発明に有用であ
る。特に、ポリミキシンは、この発明を実施する
にあたり最も適したものであると考えられる。ま
た、ポリミキシンが、最もよく知られているの
で、特に定義しない限り、ここでの「ポリミキシ
ン」という用語は、カチオン性環状ポリペプチド
抗生物質に関連した、ポリミキシンおよびそれと
同等のものをまとめて広く指すことにする。ま
た、特定のものを指すポリミキシンBはより好ま
しい化合物である。
ポリミキシンは、すべて塩基性ポリペプチドで
あり、その塩基は、特異な塩基性アミノ酸、α、
γ−ジアミノ酪酸に結合されている。これらは、
鉱酸と水溶性の塩を形成するが、リン酸塩のみが
結晶の形として単離できる。したがつて、硫酸塩
および塩酸塩の製剤の通常の形は、非晶質の固体
である。一方、2−スルホン酸ナフタレンおよ
び、4−スルホン酸アゾベンゼンの水不溶性は、
ポリミキシンの精製に有用であり、これらを用い
てアルコール水溶液から結晶を得ることができ
る。ピクリン酸塩、ライネケ塩、ヘリアンター
ト、ポーラーエロー、およびその他の酸性染料の
塩および長鎖アルキル硫酸塩なども非常に水に溶
けにくく、ポリミキシンの精製を行なうにあたつ
て適している。
ポリミキシンの筋肉内注入は痛みを伴ない、注
入部位に炎症反応を引き起こすようになる。
ポリミキシンをホルムアルデヒドおよびスルホ
ン酸()ナトリウムで処理すると、N−スルホ
メチル誘導体のナトリウム塩に変換される。これ
は、注入時に痛みを比較的起こさないものであ
り、その抗菌活性はほとんど低下していない。し
かし、この誘導体の効果は生体内でもとの化合物
に再生することによるので、腎細胞毒性は有意に
減少しない。N−スルホメチル化した化合物の中
で、コリマイシンがよく用いられるが、この調製
物は、約50%が最高7つのスルホメチル基を有し
ている。
ポリミキシンAおよびDが、2つのD−アミノ
酸残基を有するのに対し、ポリミキシンBおよび
Eは1つである。この違いは、おそらく、Aおよ
びDが高い腎細胞毒性を有する原因となつてい
る。またポリミキシンBおよびEおよびサークリ
ンAの水溶液が中和されると沈澱するのに関連し
て、ポリミキシンAおよびDに含まれるヒドロキ
シアミノ酸の比率がより高いことは、これらのポ
リミキシンの主成分が水に溶けやすいことを意味
している。
ポリミキシンBおよびコリスチンの硫酸塩は、
消化器系の感染および外科手術前の腸内の殺菌に
経口的に用いられてきた。しかし、吸収が悪いの
で、全身感染には用いられない。チロシジンA、
チロシジンBおよびチロシジンCは、密接に関連
したポリペプチドであつて、これらはより知られ
たポリミキシンBに匹敵する抗菌作用を有するも
のとして知られている。
ポリミキシンBの塩水等張液(0.5%)は、く
も膜下へ無菌的に用いられる。パイロジエンフリ
ーのポリミキシンB硫酸塩は、重大な全身感染の
場合に、静脈から注入することができる。(しば
しば入院中に必要とされる。)ホルムアルデヒド
およびメタスルホン酸()ナトリウムを用いた
スルホメチル化によつて、静脈に対する急性の毒
性は減じられるとはいえ、この毒性は治療にそれ
ほど重大なものではない。なぜならば、ポリミキ
シンB硫酸塩が十分満足すべき治療指数を有する
からである。むしろ、スルホメチル誘導体の主な
利点は、筋肉内に注入するとき、注入部位の痛み
を減少させることにある。このことによつて、注
入などの非経口による治療が我慢できるものとな
つている。種々の調剤を静脈内へ投与した場合の
LD50値とそれらの治療効果との相関関係は、よ
く調べられている。この結果、スルホメチル化に
よる解毒は最小であり、この誘導体のLD50(マウ
ス体内)は、100mg/Kgの水準であつた。このこ
とが、無理のない妥協点であることを示してい
る。ポリミキシンは、シユードモナス種、大腸
菌、エンテロバクタエアロゲネスおよびクレブシ
エラ種によつて引き起こされる急性腸炎、泌尿器
系および呼吸器系の感染、菌血症、腹膜炎および
髄膜炎を治療するため、筋肉内やくも膜下に投与
する場合に有用である。
ポリミキシンを固定した繊維状担体を血液に接
触させるエンドトキシン除去方法が、Hanazawa
Kazuyoshiらによつて、米国特許4661260に開示
されている。エンドトキシン除去手段は、ポリミ
キシンが固定された繊維状の担体から構成されて
いる。また、ポリミキシンが固定された担体より
構成されるエンドトキシン除去手段を体液に接触
させることにより、体液からエンドトキシンを除
去する方法も開示されている。開示された方法
は、血液に直接かつ安全にポリミキシンを接触さ
せることを可能にしている。そしてこの方法は、
内毒血症の治療や予防に新しい処方を提供するも
のである。また、この抗菌療法に用いる化合物
は、Vaara Marttiにより米国特許4510132に開
示されている。
ポリミキシンが広範な用途で長く使用されてい
るにもかかわらず、脈管内に入れて留置しておく
カテーテルの挿入に伴なう危険は、長年それほど
減少してこなかつた。そこで、この発明の目的
は、血栓や塞栓の形成の頻度や規模を減少させる
だけでなく、体内への挿入部位および脈管系にお
ける感染を大きく減少させることができるカテー
テルを提供することにある。
発明の要約 この発明は、患者の脈管系に挿入するために形
成され、必要な大きさにされたカニユーレを含む
脈管内カテーテルからなる。典型的には、上記カ
テーテルはカニユーレを含むかまたはカニユーレ
からなる。ただしこのことは必須ではない。カテ
ーテルが、カニユーレを含むならば、カニユーレ
に親水ポリマーの被覆が設けられている。カニユ
ーレが形成されていないカテーテルが用いられる
ならば、前記被覆は、カテーテルの外側に設けら
れている。この発明を実施するにあたり、ポリミ
キシンBが最も適した態様であるとして用いら
れ、ポリミキシンが例として挙げられる、カチオ
ン性環状ポリペプチド抗生物質が、親水ポリマー
の被覆に適当量導入される。そして、ポリミキシ
ン感受性の微生物の増殖を十分に効果的に阻止す
ることおよび、カテーテルでの血栓形成を効果的
に抑制することを目的としている。
また、この発明において以下に示すように有利
で予期しなかつた特徴が見出される。ポリミキシ
ンが最もよく知られた例であるカチオン性環状ペ
プチド抗生物質をカテーテル表面上もしくは表面
内に同一水準で提供すると、病原性のグラム陰性
細胞のみならず、グラム陽性細菌の増殖も抑制さ
れ、またウイルスの複製や真菌の感染部位におけ
る増殖も抑制される。さらに、微生物の抗生物質
耐性の獲得を防ぎ、カテーテルに非トロンボゲン
形成性の表面を形成させる。
好ましい実施例の説明 この発明は、或る期間、血液に触れたまま血管
や切開部位の保持させることを意図して設計され
たものである。この発明に従う最も重要な実施例
は、市販用に考えられたもので、患者の脈管系に
挿入するため形成され、必要な大きさにされた脈
管内カテーテルである。上記カテーテルは、必要
な厚さの親水ポリマーで覆われており、浸漬、噴
霧またはその他の塗布方法によつて、カチオン性
環状ポリペプチドが導入されている。上記カチオ
ン性環状ポリペプチドにおいて、現在最もよく知
られている例としてポリミキシンが挙げられる。
凝塊を形成するフイブリノーゲン−フイブリン
を含有する患者の体液に、留置する挿入用具は、
この発明および方法の意図する適用の範囲にあた
る。このような用具は、たとえばチユーブが挙げ
られる。上記チユーブは、体内に薬剤を導入した
り、胸膜炎や腹膜炎、その他の症状や感染症の治
療に関連して、体腔から体液を排出したりする。
同様に、脳室水腫性脳脱出より、液体を排出した
りするのにも用いられる。このような用途におい
て、フイブリンの沈着や凝塊形成を防ぐことが重
要である。このようなチユーブも、ここに示そう
とする用具の範疇にある。当然のなりゆきとし
て、この発明の第1の用途はカテーテルのような
管状の用具である。或る挿入用具は、フイブリノ
ーゲン−フイブリンを含む患者の体液に入れてお
くもので、凝塊を形成できるフイブリノーゲン−
フイブリンを含有する患者の体液に触れたまま留
置するよう形成され、必要な大きさにされている
ものである。この発明に従うカテーテルを調製す
る簡便な方法として、前述したLutherらの特許
に記載された形式のカテーテルをカチオン性環状
ペプチドの水もしくはアルコール溶液に浸漬する
ものがある。もちろんその他の溶媒を用いること
もできるが、上記カテーテルに設けられた被覆が
親水性であるので、抗生物質の水溶液を用いるの
がほぼ理想的である。溶液は、0.1重量%の濃度
から、飽和溶液約50重量%の濃度まで用いること
ができる。濃度は、約1重量%の範囲の溶液が最
も都合がよい。以上のようにして、ポリミキシン
等のカチオン性環状ペプチド抗生物質は、ポリミ
キシン感受性の微生物の増殖を十分に抑えられか
つカテーテルに血栓が形成されるのを抑制できる
よう、経験的に決定された量が親水性の被覆に導
入される。上述した結果をもたらすため必要な親
水ポリマー内の抗生物質量に関して、正確なパラ
メータは決定されておらず、またこれらのパラメ
ータはそれほど重要でもない。カテーテルを処理
または被覆する親水ポリマーのエマルジヨンをポ
リミキシンBの1重量%溶液に数分間、たとえ
ば、ポリマーが脱水されている場合は、1または
2分間、ポリマーが水和している場合は、15分か
ら30分間、置けば、ポリマー内へのカチオン性環
状ポリペプチドの必要量の導入が完了する。
前述したように、この発明に関する限りでは、
親水ポリマーの厚さは重要ではなく、この厚さは
カテーテル自体の機械的特性や寸法制限に基づい
て決定される。
この発明において特に用いられるポリウレタン
ポリエン合成物は、親水ポリマーであつて、
Gouldらによつて、米国特許4359558,4408023,
4439583,4439584,4439585,4451635,4454309,
4490423および4496535に開示されている。概して
言えば、上記特許は、親水ポリウレタン樹脂約
100重量部の存在下で、約10〜約50重量部のポリ
エンを反応させることによつて得られたポリウレ
タンポリエン合成物の3次元構造の形成に関する
ものである。生成物は、水に浸漬すると膨潤し、
重量が増加する。また生成物は、ガス、水蒸気、
イオンおよびその他の低分子物質を透過させる性
質を有する。この親水性ポリウレタンポリエン合
成物は、沸騰水に繰返しさらすことにより、立体
的に安定で、形を整えられた生成物を得ることが
でき、しかも塑性復原を示す。
しかしながら、その他の親水ポリマーをこの発
明に従うカテーテルの製造に効果的に用いること
もできる。
既に指摘したように、予期しなかつたあるいは
予期することができなかつたいくつかの成果が見
出された。これらの予期せぬ成果は、以下のよう
なものである。カテーテルの表面上もしくは表面
内にポリミキシンが最もよく知られている例とし
て挙げられるカチオン性環状ポリペプチドを同一
水準供給したところ、病原性グラム陰性細菌のみ
ならず、グラム陽性細菌の増殖を抑制することが
見出された。また同時に、ウイルスの複製や真菌
の感染部位での増殖を抑制するほか、カテーテル
に非トロンボゲン形成性の表面を形成することが
見出された。
これらの成果をもたらす機構や化学作用はわか
つていない。特定の理論に限定されることなく、
この発明の環状ポリペプチドの抗凝血作用はおそ
らく凝固に必須であるトロンボプラスチンや血小
板のリン脂質の結合に関係していると考えられ
る。
この発明において、ポリミキシンが最もよく知
られているものであるカチオン性環状ポリペプチ
ドより、もたらされる非トロンボゲン形成性の表
面の効果は、ヘパリンのような抗凝血剤および
EDTAやクエン酸などのようなカルシウムおよ
びマグネシウムのキレート剤を添加することによ
つてさらに高められる。
この発明の典型的な製造工程はたとえば以下に
示すようなものがある。まず、適当な大きさのカ
ニユーレを押出し成形してカテーテルを形成す
る。次に、浸漬、噴霧またはその他の塗布方法に
よつてカテーテルに親水ポリマー層を1つもしく
は複数設ける。その後ポリミキシンB溶液にカテ
ーテルを浸漬するかまたは、上記溶液の溶液中ま
たは噴霧中にカテーテルを通すことにより、上記
親水ポリマー中にポリミキシンBを含ませる。
このポリマーは、電子対の受容することができ
る部分または部位を本来より有しているかまたは
修飾によつて有する。塩基性の遊離(塩の形では
ない)ポリミキシンが近づくと、上記部分もしく
は部位で共有結合を形成する。
その他に、ヘパリンなどのような抗凝血剤を添
加することもできる。また種々のキレート剤など
を溶液に含有させるか、単独に添加することもで
きる。また、先行技術に示されるような特定の抗
生物質をポリマーに含有させることもできる。さ
らに、実質的にポリミキシンが最もよく知られて
いるものであるカチオン性環状ポリペプチドの上
記作用を妨げるものでなければ、ポリマー中に
種々の成分を含有させることができる。この発明
は、どんな種類のものであれ管状の挿入用具とし
て記述される。この挿入用具は血液に接触すると
ころに用いられ、親水ポリマーの被覆を有してい
る。上記親水ポリマーの被覆は、ポリミキシンが
よく知られた例であるカチオン性環状ポリペプチ
ドを必須成分とする抗菌性抗凝血剤を含有する。
この発明の好ましい態様として、親水ポリマー
の水溶成分の一部となる溶液にポリミキシンBま
たはポリミキシンで知られるその他のカチオン性
環状ポリペプチドを用いる。この実施例は、親水
ポリマーの表面上にあるポリミキシンBの更新を
連続的に可能にするタイムリリースメカニズムを
提供している。またポリミキシンBが血液へ放出
される割合が少ないので、ポリミキシンBによつ
て通常引き起こされる外傷や痛みがなくなつてい
る。ポリミキシンBの濃度や放出の割合は、簡単
な製造上の技術によつて達成される。
たとえば、ポリミキシンBの取込み量を最大に
したいならば、乾燥もしくはほぼ乾燥した親水ポ
リマーの被覆にポリミキシンBまたはその塩の水
溶液を飽和させるとよい。ポリマーへのポリミキ
シン取込み量を決定する第1の要因は、ポリミキ
シン溶液の濃度である。また、部分的に加水分解
されたポリマーをポリミキシンB溶液に接触させ
ることもできる。この場合、ポリミキシンBの取
込みを制限することができしかも親水ポリマーの
表面付近にポリミキシンBを集中させることがで
きる。このようにして、ポリマー中のポリミキシ
ンBの濃度は、溶液中のポリミキシンBの濃度を
調節するか、および/または、ポリマーへのポリ
ミキシンB溶液の取込み量を調節することによつ
て、容易に調節することができる。このような要
因を調節することによつて、実質的にしかも必要
とされる濃度のポリミキシンBを親水ポリマーに
取込ませることができる。そして、ポリミキシン
の単位時間に放出される量を調節することができ
る。
上述したように形成されたカテーテルにおい
て、カチオン性環状ポリペプチドを添加しなかつ
たものと添加したものを比較した。両者を種々の
時間だけ、全血に浸漬した。1つの試験として、
カテーテルを血液に1時間浸漬した後、引上げ、
凝血の形成について比較した。この発明に従つ
て、処理されたカテーテルは、外側は血液が付い
ておらず、流れもなめらかであり、内側には凝塊
が認められなかつた。一方、同じカテーテルでカ
チオン性環状ポリペプチドを添加しなかつたもの
は、血液から取出したとき、外側は血液に覆わ
れ、内側は部分的にまたは全体的に血液で塞がれ
ていた。また、市販されている典型的なカテーテ
ルを対象として用いた場合、対象例はすべて、血
液の凝塊に覆われ、管内は全体的または部分的に
塞がつていた。
カテーテルの表面を覆うポリミキシンBは、通
常の抗菌性すなわちグラム陰性細菌に対する抗菌
効果を示すことが予期された。しかも、静脈にポ
リミキシンBを投与したときに起こる痛みや外傷
が認められないことも予期された。一方、ポリミ
キシンBを含有する親水ポリマーで覆われたカテ
ーテルが、粘質物を生産する表皮ブドウ球菌のよ
うなグラム陽性細菌の増殖を抑えるといつたこと
は予期または予想されなかつた。しかし驚くべき
ことに、ブドウ球菌のいくつかの種によつて引き
起こされるグラム陽性細菌感染症は、ポリミキシ
ンBを含む親水ポリマーが被覆されたカテーテル
を用いることで防止されるのである。
さらに驚くべきことに、この発明に従うポリミ
キシンBを含む親水ポリマーで被覆されたカテー
テルは、ポリミキシンBを含まない同様のカテー
テルに比べ明らかにトロンボゲン形成が少ない。
この発明のカテーテルを用いる結果いくつかの
2次的な効果が現われるが、さらに加えて驚くべ
き1次的効果がある。このカテーテルは、血液か
ら取出したとき、たいてい全く汚れておらず、し
かも通常認められる血液の広範な凝固や被覆も認
められない。また、親水ポリマーの被覆にある抗
生物質の作用に伴なつて、カテーテルを取出した
とき、カテーテルには血液が少量しか残らないの
で、看護婦、医師および技術が医療中に巻込まれ
る感染の危険を減少させる。HIV(エイズ)ウイ
ルスによる感染の危険は最も深刻であることは知
られているところである。
以上述べたように、この発明のカテーテルはい
くつかの驚くべき予期しなかつた特徴を示し、従
来になかつた結果を達成する。そして脈管内カテ
ーテルとして用いれば上述したような危険を大き
く減少させる。
産業上の用途 この発明は、一般的に、病院および医療におい
て用いられる医療用具の応用に関する。
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