JPH0553084A - 眼鏡フレーム用コーテイング液及びこれを用いるコーテイング膜付き眼鏡フレームの製造方法 - Google Patents

眼鏡フレーム用コーテイング液及びこれを用いるコーテイング膜付き眼鏡フレームの製造方法

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JPH0553084A
JPH0553084A JP21742091A JP21742091A JPH0553084A JP H0553084 A JPH0553084 A JP H0553084A JP 21742091 A JP21742091 A JP 21742091A JP 21742091 A JP21742091 A JP 21742091A JP H0553084 A JPH0553084 A JP H0553084A
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coating liquid
frame
spectacle frame
coating
spectacle
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Shigeji Sadakane
茂治 貞包
Yoshiyasu Koyama
賀尉 小山
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Kanebo Ltd
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Hoya Corp
Kanebo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 眼鏡フレームに塗布硬化してコーティング膜
を形成したときに、このコーティング膜が眼鏡フレーム
との密着性にすぐれ、その結果膜ハゲなどを起さないた
め、抗菌作用の長期維持および眼鏡フレームの劣化防止
を達成し得る眼鏡フレーム用コーティング液を提供する
と共に、上記眼鏡フレーム用コーティング液を用いて、
抗菌作用が長期に維持され、かつ眼鏡フレームの劣化も
防止し得るコーティング膜付き眼鏡フレームの製造方法
を提供する。 【構成】 眼鏡フレーム用コーティング液は、眼鏡フレ
ームの樹脂製部品と同質材料系の基質成分と、この基質
成分を溶解可能な溶媒と、抗菌剤と含む。コーティング
膜付き眼鏡フレームの製造方法は、上記眼鏡フレーム用
コーティング液を、眼鏡フレームの樹脂製部品に塗布す
る工程と、前記眼鏡フレームの樹脂製部品に塗布された
前記コーティング液を硬化させる工程とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、眼鏡フレーム用コーテ
ィング液及びこれを用いるコーティング膜付き眼鏡フレ
ームの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】眼鏡フレームに付着する汗、分泌物など
の汚れは、皮膚常在菌である黄色ブドウ球菌をはじめと
する雑菌の繁殖源となり、衛生上好ましくないばかりで
なく、眼鏡フレーム部品の劣化の原因となる。そこで、
眼鏡フレームに抗菌剤を含有させることは知られてお
り、実開平3−47513号公報には、抗菌性ゼオライ
トを眼鏡フレーム用樹脂成分中に練り込んで含有させる
方法あるいは抗菌性ゼオライトをコーティング液に含有
させ、そのコーティング液を眼鏡フレームに塗布、硬化
させる方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、抗菌性
ゼオライトを眼鏡フレーム用樹脂成分中に練り込んで含
有させる方法においては、抗菌性ゼオライト含有樹脂を
パッドに使用した場合、着色作用を生じる場合があり、
オリジナルな色彩とは異なった外観イメージとなること
がある。また所望の抗菌作用を得るためには、かなり多
量の抗菌剤を含有させる必要があり、抗菌剤の含有量に
よっては、部品強度が劣って来たりする現象がみられる
場合がある。従って、その用途、使用範囲について、注
意しなければならない。
【0004】一方、抗菌剤含有コーティング液を眼鏡フ
レームに塗布、硬化させる方法は、塗布、硬化直後にお
いては、眼鏡フレーム上に十分な量の抗菌剤を含むコー
ティング膜を形成することができるが、眼鏡フレームと
コーティング膜との密着性が不十分であるため、着脱等
の日常の使用によって膜ハゲを生じ、抗菌作用の低下、
眼鏡フレームの劣化の問題を生じる場合がある。
【0005】本発明は、抗菌剤含有コーティング液を眼
鏡フレームに塗布する従来方法の上述のような問題点を
解消するためになされたものであり、その第1の目的
は、眼鏡フレームに塗布硬化してコーティング膜を形成
したときに、このコーティング膜が眼鏡フレームとの密
着性にすぐれ、その結果膜ハゲなどを起さないため、抗
菌作用の長期維持および眼鏡フレームの劣化防止を達成
し得る眼鏡フレーム用コーティング液を提供することに
あり、第2の目的は、上記眼鏡フレーム用コーティング
液を用いて、抗菌作用が長期に維持され、かつ眼鏡フレ
ームの劣化も防止し得るコーティング膜付き眼鏡フレー
ムの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる目的を達
成するためになされたものであり、第1の目的を達成す
る本発明の眼鏡フレーム用コーティング液は、眼鏡フレ
ームの樹脂製部品と同質材料系の基質成分と、この基質
成分を溶解可能な溶媒と、抗菌剤と含むことを特徴とす
る。
【0007】また、第2の目的を達成する本発明のコー
ティング膜付き眼鏡フレームの製造方法は、眼鏡フレー
ムの樹脂製部品と同質材料系の基質成分と、この基質成
分を溶解可能な溶媒と、抗菌剤とを含む眼鏡フレーム用
コーティング液を、眼鏡フレームの樹脂製部品に塗布す
る工程と、前記眼鏡フレームの樹脂製部品に塗布された
前記コーティング液を硬化させる工程とを含むことを特
徴とする。
【0008】先ず、本発明の眼鏡フレーム用コーティン
グ液について詳細に説明する。本発明の眼鏡フレーム用
コーティング液は、眼鏡フレームの樹脂製部品と同質材
料系の基質成分と、この基質成分を溶解可能な溶媒と、
抗菌剤とを必須成分として含有する。
【0009】眼鏡フレームの樹脂製部品と同質材料系の
基質成分を使用する理由は、フレームとの密着性を向上
させるためである。すなわち、一般的な加飾材としてラ
ッカー、ペイント材に抗菌剤を含有させることが考えら
れるが、この場合、フレーム素材との関係を無視する
と、塗布硬化後のコーティング膜とフレームとの密着性
が得られなくなり、抗菌作用、フレーム劣化防止作用な
どが得られない。特に、眼鏡フレームは着脱動作が伴
う、経時的日常の使用に耐えなくてはならない。従っ
て、フレームとの密着性を向上させて抗菌作用、フレー
ム劣化防止作用を長期に維持するためには、同質材料系
の基質成分を使用することは必須要件である。眼鏡フレ
ームの素材としては、アセチルセルロース系樹脂、プロ
ピオニルセルロース系樹脂、ニトロセルロース系樹脂な
どのセルロース系樹脂、エポキシ樹脂、炭素繊維系樹
脂、炭化ケイ素系樹脂等の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂
が使用されている。従って使用される眼鏡フレームの素
材に応じて、コーティング液に含有させる、同質材料系
の基質成分を選択する。例えば眼鏡フレームがアセチル
セルロース系樹脂で形成されている場合には、コーティ
ング液に含有させる、同質材料系の基質成分としては同
一ないし同種のアセチルセルロース系樹脂を用いるのが
特に好ましいが、眼鏡フレームの素材と親和性を有する
ものであれば異種の樹脂材料を用いてもよい。また眼鏡
フレームの素材と親和性を有することを条件に、異種の
樹脂材料を同一ないし同種の樹脂材料に加えてもよい。
【0010】溶媒としては、上記の基質成分を溶解し得
るものであれば、いかなるものも使用し得る。使用され
る溶媒は、基質成分の種類によって異なる。例えばアセ
テート系樹脂の場合には、アセトンなどのケトン類、エ
タノール、n−ブタノールなどのアルコール類、酢酸エ
チルなどのエステル類、トルエンなどの芳香族炭化水素
類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレン
グリコールモノフエニルエーテルなどのエチレングリコ
ール誘導体類などの溶媒を用いるのが好ましい。これら
の溶媒は1種のみを用いても良いが、溶解性、粘度、揮
発性などの異なる2種以上の溶媒を用いることにより、
コーティング液の粘度、コーティング液の眼鏡フレーム
への濡れ性、コーティング液の揮発速度を適宜コントロ
ールすることができる。例えば眼鏡フレームがアセチル
セルロース系樹脂などのセルロース系樹脂の場合、アセ
トンはこの樹脂の良溶媒であるが、低沸点、低粘度であ
るため、揮発しやすく、コーティング液の粘度を一定に
維持することが難しいので、このアセトンより高沸点、
高粘度のエチレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ートやジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエ
チレングリコール誘導体類を加えることにより、コーテ
ィング液の揮発を抑え、コーティング液の粘度を一定に
保つことができる。
【0011】なお、眼鏡フレームの素材がエポキシ樹脂
などの熱硬化性樹脂である場合、溶媒はエポキシ樹脂の
モノマーおよび/またはプレポリマーを溶解し得るもの
であれば良い。エポキシ樹脂のモノマーおよび/または
プレポリマーと反応する、いわゆる反応性希釈剤も溶媒
として用いられる。
【0012】抗菌剤として有効に用いられるものは、抗
菌性ゼオライトであり、これはゼオライトに銀イオン、
銅イオン、亜鉛イオン等の抗菌性金属イオンをイオン交
換により担持させたものである。また、ゼオライトは、
アルミノシリケートでxM2 /nO・Al2 3 ・yS
iO2 ・zH2 O(Mはイオン交換可能な金属イオンを
表し、通常は1価〜2価の金属であり、nはこの原子価
に対応する。x及びyは、それぞれ金属酸化物、シリカ
の係数、zは結晶水の数を表す。)である。
【0013】抗菌性ゼオライトの使用量は、抗菌性ゼオ
ライトの種類や基質成分の種類等によって異なるが、例
えば、基質成分に対して0.01〜3重量%添加するこ
とが好ましい。抗菌性ゼオライトの粒径は2〜5μ程度
であるのが好ましい。
【0014】抗菌剤として有効なものは、抗菌性ゼオラ
イトの他に、2−(4−チアゾイル)ベンゾイミダゾー
ル、2−(カルボメトキシアミノ)ベンゾイミダゾー
ル、N−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタルイミ
ド、N,N−ジメチル−N−フェノール−N′(フルオ
ロジクロロメチルチオ)−サルファミド、o−フェニル
フェノール、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロ
ニトリル、10,10′−オキシビスフェノキシアルシ
ン、クロルヘキシジンなどが挙げられる。これらの抗菌
剤は、同種のもの又は異種のものをそれぞれ混合して用
いても良い。
【0015】本発明の眼鏡フレーム用コーティング液
は、上記の必須成分(眼鏡フレームの樹脂製部品と同質
材料系の基質成分、この基質成分を溶解可能な溶媒およ
び抗菌剤)以外に必要に応じて紫外線吸収剤、顔料、染
料などの副次成分を含有することができる。
【0016】本発明の眼鏡フレーム用コーティング液
は、以下に詳述するように、眼鏡フレームに塗布硬化し
てコーティング膜を形成したとき、このコーティング膜
が眼鏡フレームとの密着性にすぐれ、その結果膜ハゲな
どを起さないため、抗菌作用が長期に維持され、また眼
鏡フレームの劣化が防止されるという顕著な利点を有す
る。
【0017】次に上述の眼鏡フレーム用コーティング液
を用いるコーティング膜付き眼鏡フレームの製造方法に
ついて説明する。本発明の方法においては、先ず上述の
眼鏡フレーム用コーティング液を眼鏡フレームの樹脂製
部品に塗布する。コーティング液の塗布は、眼鏡フレー
ムの樹脂製部品の全部または一部について行なわれる
が、特に頭、毛髪、顔との接触部分(例えばテンプル
部、鼻当てパッド部)に塗布するのが好ましい。
【0018】コーティング液の塗布量は、硬化後に形成
されるコーティング膜の膜厚が5〜10μ程度となるよ
うに適宜選定される。コーティング液を塗布する方法と
して浸漬法、ハケ塗り法、スプレー法等があるが、浸漬
法を用いるのが特に好ましい。浸漬法において、浸漬時
間は、溶媒の種類、基質成分の濃度、求める膜物性など
によって異なるが、通常約3〜10秒程度が良い。その
理由は、3秒未満であると、コーティング液の塗布量が
少なくて十分なコーティング膜が得られず、一方10秒
を超えてもそれ以上に塗布量を多くすることができない
からである。
【0019】浸漬法においては、引き上げ速度も重要で
あるが、これはコーティング液の粘度に依存する。例え
ば粘度が600〜900cpでは引き上げ速度を12〜2
0cm/min とするのが良い。
【0020】一般的に引き上げ速度が速いと、ダレ、ワ
キと呼ばれるものが生じやすく、膜厚を均一に保つこと
が難しく、完成時に外観をそこなう場合がある。引き上
げ速度が遅いと規定の膜厚が得られなかったり、作業性
が悪くなりコスト高となる。またこの浸漬法では、浸漬
方向を変化させ、複数回浸漬操作を行なうことができ
る。例えば上部と下部で膜厚が異る場合や、部品に付着
したアワを除去する場合には、最初の浸漬操作後、上部
と下部を逆にして第2の浸漬操作を行なうことができ
る。低粘度のコーティング液を用いる場合には、複数回
の浸漬操作を繰り返すのが好ましい。浸漬操作の回数に
より、最終的に得られるコーティング膜の膜厚をコント
ロールすることもできる。なお浸漬操作は、ホコリや異
物の混入が起こらないように、クリーンルーム内で行な
うのが良い。
【0021】本発明の方法においては、次に、眼鏡フレ
ーム部品に塗布されたコーティング液の硬化を行なう。
硬化方法は、自然乾燥や熱風乾燥が好ましく用いられ
る。特に好ましくは、両者を組合せた方法である。乾燥
中、温度を急激に高くすると、眼鏡フレーム素材中の可
塑剤などの添加剤がコーティング面に悪影響を及ぼし、
クラックや白化をもたらす恐れがあるので、硬化は徐々
に行なうのが好ましい。眼鏡フレームがアセチルセルロ
ース系樹脂の場合、45℃〜60℃近傍が最も好ましい
温度範囲である。耐熱性にすぐれた樹脂ならば、耐熱温
度の範囲で一般的に温度を高めることが可能であり、温
度を高めることにより密着性、塗膜強度を高めることが
できる。また、熱風乾燥の場合、フィルターを通した清
浄空気を用いるのが好ましい。
【0022】眼鏡フレーム部品に抗菌剤含有コーティン
グ液を塗布、硬化する本発明の方法により得られたコー
ティング膜付き眼鏡フレームは、眼鏡フレーム部品とコ
ーティング膜との密着性に優れているので、膜ハゲを起
さない。従って抗菌作用が長期間維持され、また眼鏡フ
レームの劣化も防止される。また本発明の方法によれ
ば、以下のような予期せぬ効果も得られる。それは、プ
ラスチックフレームの製造工程を簡略化できるというこ
とである。プラスチックフレーム板から切り出して眼鏡
フレームを製造する場合、所望の形状に切り出した後、
切り口やフレーム表面をより光沢ある面にするために、
荒摺り、中摺、仕上げの研摩加工を行う。ところが、本
発明によれば、その表面の凸凹をコーティング膜により
平坦化できるので、表面光沢の要求度にも異なるが、特
に荒摺後、コーティングするとそれ以後の表面加工が不
用となるという顕著な効果がもたらされる。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する。
【0024】実施例1(本発明の眼鏡フレーム用コーテ
ィング液) 眼鏡フレーム部品がアセチルセルロースである場合に、
この眼鏡フレーム部品に塗布するためのコーティング液
を以下のように製造した。
【0025】眼鏡フレーム部品と同質材料系の基質成分
としてアセチルセルロースペレットを用い、その5重量
部を、アセトン47.45重量部に加え、さらにエチレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート47.45
重量部を加えて、アセチルセルロースペレットをアセト
ン−エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート
混合溶媒に溶解させた。
【0026】次に抗菌性ゼオライトである銀イオン含有
アルミノ珪酸ナトリウム(平均粒径2μ)を0.1重量
部加えて撹拌して本発明の抗菌剤含有コーティング液A
を得た。
【0027】得られたコーティング液Aは、アセチルセ
ルロースの良溶媒であるアセトンと、アセトンよりも高
沸点、高粘度のエチレングリコールモノメチルエーテル
アセテートとを含むため、アセチルセルロースの溶解性
に優れているだけでなく、揮発性がコントロールされて
いるので、粘度を長期間一定に保つことができる。現実
に得られたコーティング液Aは調製当初に700cpであ
り、10日間貯蔵後も750cpであり、大きな変化はな
かった。
【0028】このコーティング液Aは、後記実施例3に
おいてアセチルセルロースからなる眼鏡フレーム部品の
コーティングに用いられる。
【0029】実施例2(本発明の眼鏡フレーム用コーテ
ィング液) 基質成分としてプロピオニルセルロース系樹脂(プロピ
オニルセルロースペレット)を6重量部、抗菌剤として
抗菌性ゼオライトを1.5重量部用いた以外は前記コー
ティング液Aの調製方法と同様にして本発明のコーティ
ング液Bを得た。得られたコーティング液Bの調製当初
の粘度は600cpであり、10日間貯蔵後も620cpで
あり、大きな変化はなかった。このコーティング液Bは
後記実施例4においてプロピオニルセルロース系樹脂か
らなる眼鏡フレーム部品のコーティングに用いられる。
【0030】実施例3(本発明のコーティング膜付きの
眼鏡フレームの製造方法) 実施例1で得られたコーティング液Aをアセチルセルロ
ースからなる眼鏡フレーム部品に塗布、硬化してコーテ
ィング膜付き眼鏡フレームを得た。その詳細は以下の通
りである。コーティング液を眼鏡フレーム部品に塗布す
るための装置は、図1に示す浸漬装置を用いた。この浸
漬装置は、浸漬部と眼鏡フレーム保持部と上下運動付与
機構部と駆動部と制御部と入力部とを備えている。
【0031】(浸漬部)コーティング液Aは図中では参
照数字1で示され、コーティング液槽2に収容されてい
る。コーティング液1はマグネチックスターラー3によ
ってローター4を回転することにより均一に撹拌され
る。
【0032】(フレーム保持部)図1において、5は金
属線からなるフレーム保持具であり、この保持具5の先
端には、コーティング液1が塗布される眼鏡フレーム部
品6の金属性蝶番部7が固定されている。かかる取付け
状態のフレーム部品6はコーティング液の浸漬塗布開始
前においてはコーティング液槽3の上方の所定の基準位
置に配置されている。
【0033】(上下運動付与機構部)図1に示される配
置状態から、フレーム6は下方向に移動され、コーティ
ング液槽2のコーティング液1に浸漬される。上記フレ
ーム保持具5は垂直状態に配置されるロッド8の下端に
固定され、更に、このロッド8は水平に支持される支持
バー9の図中右端に取付けられる。取付け部10はロッ
ド8における固定位置を適宜に調整することができる。
この調整機構によれば、コーティング液槽2の液面に対
するフレーム6の位置関係を必要に応じて適宜変更する
ことができる。11は固定・調整ネジである。一方、支
持バー9の図左端は雌ネジ12が設けられている。上記
支持バー9は図示された水平状態を保ったままで図1中
で上下方向に自在に移動できる。
【0034】(駆動部・制御部・入力部)駆動モータ1
3の出力軸14とシャフト15との間には周知の歯車機
構16が介設され、この歯車機構16を介して駆動モー
タ13の回転がシャフト15の回転に変換されるように
構成されている。これにより、駆動モータ13が正逆の
回転のいずれか一方に回転すると、シャフト15もそれ
に応じて回転する。駆動モータ13は例えばパルスモー
タであり、駆動信号に基づき回転する。駆動モータ13
の回転の制御はコンピュータ等によって構成される制御
装置17によって制御される。18は入力装置であり、
この入力装置18により、駆動モーター13の回転動作
を指令するための各種のデータを与えることができる。
以上の構成によって、制御装置17の出力する制御信号
に基づき駆動モータ13は正逆に回転する。その結果、
駆動モータ13の正逆の回転により支持バー9を上下運
動させる。
【0035】以上、説明したような浸漬装置を用いて、
以下の浸漬条件でコーティングした。 (浸漬条件) コーティング液の粘度 700cp 浸漬時間 8秒 引き上げ速度 16cm/min 回数 2回 尚、1回目の浸漬のとき、気泡がフレームの枠部に見ら
れたので、2回目はもう一方の蝶番部に保持具5を固定
させ、フレームの上下方向を逆にして浸漬させた。この
ようにすることにより、気泡がとれ、フレーム表面全体
が湿潤された。コーティング液1が塗布されたフレーム
6を自然乾燥(室温で30分)したのち、強制乾燥(6
0℃で1時間)して、膜厚7μの抗菌性ゼオライト含有
コーティング膜付き眼鏡フレームを得た。
【0036】得られた抗菌性ゼオライト含有コーティン
グ膜付き眼鏡フレームが、コーティング膜の眼鏡フレー
ムに対する密着性にすぐれていることは、眼鏡フレーム
と同一材質のアセチルセルロース板に本発明のコーティ
ング液Aを塗布、硬化して得たコーティング膜付きアセ
チルセルロース板についてJIS K 5400−79
のクロスカット試験を行ない、その結果が100/10
0であることから確認された。
【0037】次に、この眼鏡フレームの抗菌作用につい
て菌数法を用い温度30℃、湿度70%の清浄な雰囲気
中に黄色ブドウ球菌をコロニー数5.0×104 個/cm
2 、枯草菌をコロニー数3.4×104 個/cm2 をそれ
ぞれ眼鏡フレームに付着させて6時間後の菌減少率を求
めた。その結果、上記眼鏡フレームの黄色ブドウ状球菌
及び枯草菌の菌減少率は、それぞれ95%、90%で優
れた抗菌性が認められた。またこの眼鏡フレームは長期
間経過しても抗菌作用の低下や劣化が認められなかっ
た。
【0038】実施例4(本発明のコーティング膜付き眼
鏡フレームの製造方法) 実施例2で得られたコーティング液Bをプロピオニルセ
ルロース系樹脂製眼鏡フレームに実施例3と同様の方法
で、塗布硬化した。なお、実施例3と浸漬条件が若干異
なるので、以下に示す。 (浸漬条件) コーティング液の粘度 600cp 浸漬時間 10秒 引き上げ速度 18cm/min 回数 4回 得られた抗菌性ゼオライト含有コーティング膜付き眼鏡
フレームは、実施例3で得られたものと同様に、コーテ
ィング膜の眼鏡フレーム部品への密着性にすぐれ、また
抗菌作用もすぐれていた。また眼鏡フレームの抗菌作用
の低下や劣化も長期間認められなかった。
【0039】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、眼鏡フレ
ームに塗布硬化してコーティング膜を形成したときに、
このコーティング膜が眼鏡フレームとの密着性にすぐ
れ、そのため膜ハゲを起さないために、抗菌作用の長期
維持および眼鏡フレームの劣化防止を達成し得るコーテ
ィング液が提供された。またこのコーティング液を用い
ることにより抗菌作用が長期に維持され、かつ眼鏡フレ
ームの劣化も防止し得るコーティング膜付き眼鏡フレー
ムの製造方法が提供された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコーティング膜付き眼鏡フレームの製
造方法においてコーティング液を眼鏡フレーム部品に塗
布するための装置である。
【符号の説明】
1…コーティング液、2…コーティング液槽、3…マグ
ネチックスターラー、4…ローター、5…フレーム保持
部、6…フレーム、8…ロッド、9…支持バー、13…
駆動モーター、14…出力軸、15…シャフト、16…
歯車機構、17…制御装置、18…入力装置

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 眼鏡フレームの樹脂製部品と同質材料系
    の基質成分と、この基質成分を溶解可能な溶媒と、抗菌
    剤とを含むことを特徴とする眼鏡フレーム用コーティン
    グ液。
  2. 【請求項2】 基質成分がセルロース系樹脂材料であ
    り、溶媒がアセトンとエチレングリコール誘導体類との
    混合液である、請求項1記載の眼鏡フレーム用コーティ
    ング液。
  3. 【請求項3】 抗菌剤が抗菌性ゼオライトである、請求
    項1記載の眼鏡フレーム用コーティング液。
  4. 【請求項4】 抗菌性ゼオライトの含有量が基質成分に
    対して0.01重量%〜3重量%である、請求項3記載
    の眼鏡フレーム用コーティング液。
  5. 【請求項5】 眼鏡フレームの樹脂製部品と同質材料系
    の基質成分と、この基質成分を溶解可能な溶媒と、抗菌
    剤とを含む眼鏡フレーム用コーティング液を、眼鏡フレ
    ームの樹脂製部品に塗布する工程と、 前記眼鏡フレームの樹脂製部品に塗布された前記コーテ
    ィング液を硬化させる工程とを含むことを特徴とするコ
    ーティング膜付き眼鏡フレームの製造方法。
  6. 【請求項6】 眼鏡フレーム用コーティング液の塗布工
    程を浸漬法により行なう、請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記眼鏡フレーム用コーティング液に浸
    漬する際に、眼鏡フレーム部品の浸漬方向を変化させ、
    複数回浸漬させる、請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 コーティング液の硬化工程において、自
    然乾燥および/または強制乾燥とを行いコーティング液
    を硬化させる、請求項5記載の方法。
JP21742091A 1991-08-28 1991-08-28 眼鏡フレーム用コーテイング液及びこれを用いるコーテイング膜付き眼鏡フレームの製造方法 Pending JPH0553084A (ja)

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JP21742091A Pending JPH0553084A (ja) 1991-08-28 1991-08-28 眼鏡フレーム用コーテイング液及びこれを用いるコーテイング膜付き眼鏡フレームの製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010519403A (ja) * 2007-02-27 2010-06-03 タークソル・インターナショナル エル.エル.シー. 非揮発性有機化合物コーティングを適用する方法

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