JPH0553057U - 耐火電線 - Google Patents
耐火電線Info
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- JPH0553057U JPH0553057U JP10629891U JP10629891U JPH0553057U JP H0553057 U JPH0553057 U JP H0553057U JP 10629891 U JP10629891 U JP 10629891U JP 10629891 U JP10629891 U JP 10629891U JP H0553057 U JPH0553057 U JP H0553057U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 近年のビルの高層化、地下の高深度化に十分
対処しうる、少なくとも60分間の機能保持時間を有する
耐火性能に優れた耐火電線を提供する。 【構成】 導体1上に、マイカ複合テープを縦添して耐
火層2を形成し、その外周に、PEEKとチタン酸カリ
ウムウィスカーからなる絶縁被覆3が設けて絶縁心線4
とし、さらにこの絶縁心線4を所要数撚合わせるととも
に、これらの外周に難燃性シース5を設ける。
対処しうる、少なくとも60分間の機能保持時間を有する
耐火性能に優れた耐火電線を提供する。 【構成】 導体1上に、マイカ複合テープを縦添して耐
火層2を形成し、その外周に、PEEKとチタン酸カリ
ウムウィスカーからなる絶縁被覆3が設けて絶縁心線4
とし、さらにこの絶縁心線4を所要数撚合わせるととも
に、これらの外周に難燃性シース5を設ける。
Description
【0001】
本考案は、超高層ビルや地下街などに布設される耐火電線に関する。
【0002】
超高層ビルや地下街などにおいては、万一の火災事故の発生に備えて耐火電線 を布設することが行われている。
【0003】 従来、この耐火電線は、事故発生から少なくとも30分間は電線としての機能が 保持されるように構成されており、たとえば、導体上に、耐火性を有するマイカ ガラステープやマイカプラスチックテープを巻回し、その上にポリエチレンなど からなる絶縁被覆を設け、さらにその外周に難燃性を有するプラスチックシース を被覆したもの、あるいは、一般の絶縁電線のシース外周に不燃性の無機テープ を巻回したものなど、様々な構造のものが開発され、使用されている。
【0004】
しかしながら、近年のビルの高層化、地下の高深度化がますます進む中で、こ のような機能保持時間30分間とした従来の耐火電線では、十分にその機能が発揮 されないおそれが生じてきた。
【0005】 そこで、耐火性能が一段と向上した、すなわち、事故発生後、少なくとも従来 の 2倍の60分間程度は電線として機能しうる耐火電線の要求が高まっている。
【0006】 本考案はこのような要求に応えるべくなされたもので、近年のビルの高層化、 地下の高深度化に十分対処しうる、少なくとも60分間の機能保持時間を有する耐 火性能に優れた耐火電線を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】 本考案の耐火電線は、導体外周に、マイカ複合テープからなる耐火層を設け、 さらにその外周に、ポリエーテルエーテルケトンとチタン酸カリウムウィスカー からなる絶縁被覆を設けてなることを特徴としている。
【0008】 本考案の耐火層を構成するマイカ複合テープとしては、剥がしマイカや集成マ イカなどのマイカを、ガラスクロスやセラミックスクロスなどの無機繊維クロス 、あるいは、カプトンテープ(ポリイミドテープ)や架橋ポリエチレンフィルム などの耐熱性プラスチックフィルムの片面または両面に、シリコーン系などの耐 熱性接着剤により一体に貼り合わせたマイカ・ガラステープやマイカ・セラミッ クステープ、あるいはマイカ・プラスチックテープなどがあげられる。本考案の 耐火層は、このようなマイカ複合テープの重ね巻きあるいは縦添えによって形成 される。
【0009】 また、本考案の絶縁被覆は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)とチタ ン酸カリウムウィスカーとの混合物の押出しにより形成される。
【0010】 ここで使用されるPEEKは、ポリエチレンに匹敵する優れた絶縁性と、ガラ ス転移温度(Tg)143 ℃、熱変形温度(18.6 kg/cm2 )152 ℃という各種知られ る熱可塑性樹脂の中でも極だって優れた耐熱性を有するものである。したがって 、これを単独で被覆しただけでも耐火性能の向上した電線を得ることが期待でき るが、このPEEKは結晶性が高いために、成形収縮率が大きく寸法安定性に欠 けるという難点がある。このことは電線化を進める上で大きな障害となるところ であり、そこで、本発明においては、これを補完するために、チタン酸カリウム ウィスカーが混合される。すなわち、チタン酸カリウムウィスカーを混合するこ とにより、PEEKの寸法安定性を改善することができる。また、チタン酸カリ ウムウィスカーは、PEEKの耐火性および加工性をさらに向上させる効果も有 し、したがって、このようなPEEKとチタン酸カリウムウィスカーとを混合し 、これをマイカ複合テープからなる耐火層外周に押出被覆することにより、耐火 性能に優れ、かつ寸法安定性、加工性に優れた信頼性の高い耐火電線を得ること ができる。なお、このチタン酸カリウムウィスカーの配合量としては、PEEK とチタン酸カリウムウィスカーとの重量比が 60:40〜95:5となる範囲が適当であ る。これは、PEEKに対するチタン酸カリウムウィスカーの配合量が前記範囲 未満では、PEEKの寸法安定性改善効果が不十分となり、また、逆に前記範囲 を越えるとPEEK本来の特性を損なうおそれがあるからである。
【0011】
本考案の耐火電線では、導体外周に設けたマイカ複合テープからなる耐火層外 周に、チタン酸カリウムウィスカーによりその特性が補強補完されたPEEKか らなる絶縁被覆を設けているので、耐火性能は従来のものより大幅に向上し、し かも寸法安定性や加工性にも優れたものとなる。
【0012】
次に、図面に示す本考案の実施例について説明する。
【0013】 図1は本考案の一実施例の丸形多心ケーブルを示す横断面図である。
【0014】 図1において、この丸形多心ケーブルは、導体1上に、マイカ複合テープ、た とえばマイカ・プラスチックテープが巻回または縦添されて耐火層2が形成され 、その外周に、PEEKとチタン酸カリウムウィスカーからなる絶縁被覆3が設 けられて絶縁心線4が構成され、さらにこの絶縁心線4が所要数、たとえば30本 (図示したものは 7本)撚合わされるとともに、これらの外周に難燃性シース5 、たとえばノンハロゲン系の難燃剤を含有する難燃性ポリエチレンが押出被覆さ れて構成されている。
【0015】 以下、上記構成の丸形多心ケーブルの具体的製造例を記載する。
【0016】 断面積 2.0mm2 の銅導体上に、マイカ箔とポリイミドフィルムからなるマイカ ・プラスチックテープを縦添被覆して厚さ 1.2mmの耐火層を形成し、その外周に 、PEEK(商品名 PEEK 三井東圧化学社製)とチタン酸カリウムウィスカー (商品名 TISMO 大塚化学社製)を表1に示すような割合で混合したものを 350 ℃で押出して厚さ 0.8mmの絶縁被覆3を設けて絶縁心線とした。次いで、この絶 縁心線30本を撚合わせるとともに、その外周に、ノンハロゲン系の難燃剤を含有 する難燃性ポリエチレンを押出被覆して厚さ 1.5mmの難燃性シースを形成した。 得られた各丸形多心ケーブルについて、次のような耐火性評価試験を行った。 すなわち、各丸形多心ケーブルから切り出した試料ケーブルを加熱試験炉内に 収容し、JIS A 1304の火災温度曲線により 840℃、60分間の加熱を行った後、絶 縁抵抗および交流破壊電圧を測定した。結果を、絶縁被覆の組成およびその熱変 形温度(18.6 kg/cm2 )とともに、表1に示す。
【0017】 なお、本発明との比較のために、絶縁被覆3をPEEKまたは低密度ポリエチ レン(商品名 NUC9030 日本ユニカー社製)単独でそれぞれ形成した点を除いて 上記実施例と同様にして製造した丸形多心ケーブル(比較例1、2)について、 上記実施例と同様の耐火性評価試験を行った。結果を表1に併せ示す。
【0018】
【表1】 表1の結果からも明らかなように、本考案にかかるケーブルは、火災温度曲線 による 840℃、60分間の加熱に十分耐える耐火性能を有していたのに対し、低密 度ポリエチレンを用いた比較例2では加熱40分後に絶縁破壊され、また、PEE Kを単独で用いた比較例1では、絶縁破壊は生じなかったものの、加熱後の絶縁 特性は、各実施例に比べて低かった。
【0019】
以上説明したように、本考案の耐火電線によれば、耐火層上に設ける絶縁被覆 をPEEKおよびチタン酸カリウムウィスカーで構成するようにしたので、機能 保持時間60分以上という優れた耐火性能が得られるとともに、寸法安定性や加工 性にも優れており、近年のビルの高層化、地下の高深度化に十分対応することが できる。
【図1】本考案の耐火電線の一実施例を示す横断面図。
1………導体 2………耐火層 3………PEEKとチタン酸カリウムウィスカーからな
る絶縁被覆 4………絶縁心線 5………難燃性シース
る絶縁被覆 4………絶縁心線 5………難燃性シース
Claims (1)
- 【請求項1】 導体外周に、マイカ複合テープからなる
耐火層を設け、さらにその外周に、ポリエーテルエーテ
ルケトンとチタン酸カリウムウィスカーからなる絶縁被
覆を設けてなることを特徴とする耐火電線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10629891U JPH0553057U (ja) | 1991-12-24 | 1991-12-24 | 耐火電線 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10629891U JPH0553057U (ja) | 1991-12-24 | 1991-12-24 | 耐火電線 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0553057U true JPH0553057U (ja) | 1993-07-13 |
Family
ID=14430124
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10629891U Pending JPH0553057U (ja) | 1991-12-24 | 1991-12-24 | 耐火電線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0553057U (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011530139A (ja) * | 2008-06-05 | 2011-12-15 | タイコ・エレクトロニクス・ユーケイ・リミテッド | 高性能で耐高温性のワイヤまたはケーブル |
JP2014525846A (ja) * | 2011-06-20 | 2014-10-02 | タイコ エレクトロニクス ユーケー リミテッド | 高温絶縁テープ及びそれに覆われた電線又はケーブル |
-
1991
- 1991-12-24 JP JP10629891U patent/JPH0553057U/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011530139A (ja) * | 2008-06-05 | 2011-12-15 | タイコ・エレクトロニクス・ユーケイ・リミテッド | 高性能で耐高温性のワイヤまたはケーブル |
JP2014525846A (ja) * | 2011-06-20 | 2014-10-02 | タイコ エレクトロニクス ユーケー リミテッド | 高温絶縁テープ及びそれに覆われた電線又はケーブル |
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