JPH0552390A - 空気調和機の制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 機体が設置されている室内の音響値の大きさ
に応じて室内送風機のモータの回転数と圧縮機の回転数
とを制御して機体の運転に支障をきたさないようにした
制御装置を提供する。 【構成】 音響検出手段３１からの電気信号に基づいて
室内送風機７のモータの回転数が制御されている最中
に、負荷検出手段からの信号が出力されると、それ以上
に及ぶインバーター５７を介しての圧縮機５９の運転周
波数（能力）の上昇は禁止される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、空気調和機の制御装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、空気調和されたオーディオルー
ム内で音楽を鑑賞する際には、音楽の曲構成に応じて音
量が小さくなった場合に、室内送風機のモータ音が不協
和音となって聞える場合がある。これを解消するため
に、従来、室内機にマイクロフォンを内蔵し、このマイ
クロフォンによりオーディオルーム内の音響を検出し
て、この検出された音響の値が予め決められた音響の設
定値よりも大きいときには、室内送風機のモータの回転
数を現状のまゝ維持すると共に、検出された音響の値が
音響設定値よりも小さいときには、上記モータの回転数
を減少させるように構成したものが提案されている（例
えば、特開昭６０−４７４１号公報）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
構成は、いわゆる音響優先の空調であり、空調本来の機
能を犠牲にした上で成り立つ空調制御になっている。即
ちこの種の従来の空気調和機では、室内送風機を駆動す
るモータの回転数を、室内熱交換器温度情報や室内温度
情報や室内湿度情報などに基づいて制御しており、これ
らの情報を無視して、いわゆる音響優先の空調に切替え
ると様々な問題が生じる。

【０００４】例えば、冷房運転時に各種情報を無視して
音響優先の空調に切替え、モータの回転数を減少させ
て、ずっと低い回転数のまゝ制御すると、低圧冷媒圧力
や室内熱交換器の温度が異常に低下して、室内熱交換器
が収納された機体の表面にドレンが付着し易くなるし、
暖房運転時に、ずっと低い回転数のまゝ制御すると、冷
媒圧力が異常に上昇して、高負荷状態になるという問題
がある。

【０００５】そこで、本発明の目的は、上述した従来の
技術が有する問題点を解消し、室内機（機体）が設置さ
れている室内の音響値の大きさに応じて室内送風機のモ
ータの回転数を制御しても、冷房運転時における機体の
表面のドレンの付着や、暖房運転時における高負荷状態
などの発生することのない空気調和機の制御装置を提供
することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、室内送風機と室内熱交換器とを収納した
機体が設置されている室内の音響の大きさに応じた電気
信号を出力する音響検出手段と、冷房運転時における空
気調和機の冷凍サイクルの低負荷、又は暖房運転時にお
ける空気調和機の冷凍サイクルの高負荷を検出する負荷
検出手段と、音響検出手段から出力される電気信号に基
づいてモータの回転数を決定するモータ回転数決定手段
と、このモータ回転数決定手段により決定された回転数
に基づいてモータが制御されている最中に、負荷検出手
段からの信号が出力された時には、該モータの回転数の
制御を継続しつゝ、圧縮機の能力の上昇を禁止する制御
手段とを備えたことを特徴とするものである。

【０００７】また、他の発明は、モータ回転数決定手段
により決定された回転数に基づいてモータが制御されて
いる最中に、負荷検出手段からの信号が出力された時に
は、音響検出手段の電気信号よりも優先してモータの最
低回転数を決定する制御手段を備えたことを特徴とする
ものである。

【０００８】

【作用】上記構成において、室内に発生した音響は、音
響検出手段によって検出され、この検出された音響は、
その大きさに応じた電気信号として制御手段に出力さ
れ、この制御手段にて、電気信号に基づき室内送風機を
駆動するモータの回転数が決定される。この場合に、冷
房運転時における冷凍サイクルの低負荷時、又は暖房運
転時における冷凍サイクルの高負荷時には、モータの回
転数の制御を継続しつゝ、圧縮機の能力の上昇が禁止さ
れる。従って、冷房運転時には室内熱交換器の必要以上
の温度降下が阻止されると共に、暖房運転時には室内熱
交換器の必要以上の温度上昇が阻止されるので、機体の
表面のドレン付着や、冷媒圧力の上昇、即ち高負荷の発
生が防止される。

【０００９】

【実施例】以下、本発明による一実施例を添付図面を参
照して説明する。

【００１０】図２及び図３において、１は室内機（機
体）を示しており、この室内機１は、室内機本体３の前
面に蓋部５を開閉自在に設けて構成されている。

【００１１】この室内機本体３の内部には、図４に示す
ように、室内送風機７が設けられており、この室内送風
機７がモータ（図示せず）により駆動された場合には、
蓋部５の吸込グリル９を通じて室内空気が吸込まれ、こ
の空気は、室内熱交換器１１を介して熱交換された後
に、吹出口１３を通じて室内に吹出される構成になって
いる。また吹出口１３の近傍には、垂直羽根１５が設け
られると共に、複数の水平羽根１７が設けられ、これに
より吹出し方向が設定される。

【００１２】室内機本体３の内部上方には、室内熱交換
器温度センサ１９、室内温度センサ２１、及び室内湿度
センサ２３が設けられている。また、室内機本体３の下
方前面には、図３に示すように、表示部２５が設けら
れ、この表示部２５には受信部２７が設けられ、この受
信部２７には、図２に示すように、リモートコントロー
ル装置２９から無線送信された指令信号が受信される。

【００１３】室内機本体３の表示部２５には、マイクロ
フォン３１が設けられている。このマイクロフォン３１
は、図２に示すように、オーディオ装置３２から発生す
る音響の大きさを検出するものであり、吹出口１３から
吹出される空気の音を余り検出しないような位置に設け
ることが望ましく、また室内機１の内部ではなく、その
外部に設けることが望ましい。

【００１４】例えば、室内機１から信号線３３を用いて
リモートコントロールケース３５を引出し、この引出さ
れたリモートコントロールケース３５にマイクロフォン
３１を設けることは望ましい。マイクロフォン３１は、
図２に示すように、リモートコントロール装置２９に設
けてもよく、この場合にマイクロフォン３１により検出
される音響信号は、リモートコントロール装置２９の送
信部３７から送信される制御信号に乗せて送信される。
３９は運転スイッチ、４１は静音スイッチ、４３は風速
切換ボタン、４５は設定温度切換ボタンである。

【００１５】オーディオ装置３２に出力ジャック（音響
出力端子）４７が設けられている場合には、マイクロフ
ォン３１の代りに、出力ジャック４７から信号線４９を
引出して、これを室内機１に接続してもよい。またリモ
ートコントロール装置２９に信号線４９を接続してもよ
く、この場合には、出力ジャック４７から取出される音
響信号は、リモートコントロール装置２９の送信部３７
から送信される制御信号に乗せて送信される。

【００１６】図１は、本発明の一実施例に係る空気調和
機、及び本発明の一実施例に従う空気調和機の制御装置
のブロック図である。

【００１７】同図において、空気調和機は、室内機１と
室外機５５とで構成されている。室内機１側には、後述
する制御系（制御装置）、室内送風機７、及び室内熱交
換器１１が設けられており、室外機５５側には、上記の
制御系の制御下に置かれるインバーター５７、圧縮機５
９、アキュムレータ６１、四方弁６３、室外熱交換器６
５、室外送風機６７、及び電動式膨張弁６９が設けられ
ている。これらは冷凍サイクルを構成する。

【００１８】本発明の一実施例に従う空気調和機の制御
装置は、フィルタ７１、増幅器７３、積分回路７５、マ
イクロコンピュータ７７、及び室内送風機７の駆動モー
タ制御回路（以下、モータ制御回路という）７９を備え
ている。

【００１９】図１において、室内機１が設置されている
室内の音響の大きさは、マイクロフォン３１によって検
出され、この音響の大きさに見合った電気信号として、
マイクロフォン３１からフィルタ７１に出力される。フ
ィルタ７１には、ＣＲ素子から成るローパスフィルタが
用いられている。フィルタ７１から出力された電気信号
は、増幅器７３により増幅された後に、積分回路７５に
出力され、ここからマイクロコンピュータ７７に与えら
れる。

【００２０】マイクロコンピュータ７７には、演算処理
部と記憶部（いずれも図示しない）とが設けられ、演算
処理部は、積分回路７５から電気信号が出力されると、
記憶部に記憶されている設定値情報（即ち、室内送風機
７のモータの回転数を変更するか否かを判断するための
電気信号の大きさの設定値）を読出し、電気信号中で、
設定値を超えている部分の有無をチェックする。

【００２１】このチェックの結果、電気信号中に設定値
を超えている部分有りと判断すると、演算処理部は、記
憶部から所定の基準時間値情報（つまり、電気信号中の
設定値以上を示す部分の時間的長さが、室内送風機７の
モータの回転数の変更を有するか否かを判断するための
時間基準値）を読出して、電気信号の設定値を超えてい
る部分の時間的長さと比較し、この比較結果に基づき、
モータの回転数を決定する。演算処理部は、モータ制御
回路７９に対して制御情報を出力すると共に、インバー
ター５７に対して制御信号を出力する。

【００２２】これによれば、室内送風機７のモータの回
転数は、マイクロフォン３１から出力される電気信号の
値とマイクロコンピュータ７７の記憶部に予め設定され
ている設定値との比較に基づいて決定される。

【００２３】しかして、この実施例によれば、上記のよ
うに決定された回転数に基づいてモータが制御されてい
る最中に、空気調和機の冷房運転時における機体の表面
のドレン付着、又は暖房運転時における高負荷状態が予
測される場合すなわち、室内熱交換器温度センサ１９で
検出する値が冷房時は所定値以下、暖房時は所定値以上
になった場合に、マイクロコンピュータ７７を介して、
インバーター５７により制御される圧縮機５９の運転周
波数の上昇が禁止される。なお、この場合に、室内送風
機７を駆動するモータは、マイクロフォン３１から出力
される電気信号の値に基づいて、引続き制御される。

【００２４】図５を参照して、冷房運転開始の後には
（Ｓ１）、室内温度と設定温度との差に基づいて空調負
荷が検出され（Ｓ２）、この空調負荷に応じて圧縮機５
９の運転周波数が制御される（Ｓ３）。

【００２５】ここで本実施例に斯る制御を実施すべく静
音スイッチ４１（リモートコントロール装置２９に付設
されている）をオンにすると（Ｓ４）、室内熱交換器温
度センサ１９により検出された室内熱交換器の温度が所
定値以下であるか否かすなわち、低負荷状態であるか否
かが判断される（Ｓ５）。そして所定値以下（低負荷）
であれば室内機（機体）１の表面のドレン付着が予測さ
れるので、その後、圧縮機５９の運転周波数（能力）の
上昇は禁止される（Ｓ６）。

【００２６】また、暖房運転時においては、Ｓ５にて、
室内熱交換器温度センサ１９により検出された室内熱交
換器の温度が所定値以上であるか否かが判断され、所定
値以上であれば高負荷状態が予測されるので、その後、
圧縮機５９の運転周波数（能力）の上昇は禁止される
（Ｓ６）。

【００２７】これによれば、上述したように、マイクロ
フォン３１からの電気信号に基づいて室内送風機７のモ
ータの回転数が制御されている際、冷房運転時における
冷凍サイクルの低負荷時には、インバーター５７により
制御される圧縮機５９の運転周波数の上昇が禁止される
ので、その後の室内熱交換器１１の温度降下は阻止され
る。また暖房運転時において冷凍サイクルの高負荷時に
は、それ以上には、インバーター５７により制御される
圧縮機５９の運転周波数の上昇が禁止されるので、その
後の室内熱交換器１１の温度上昇は阻止される。

【００２８】従って、冷房運転時には、室内熱交換器１
１の必要以上の温度降下が阻止されるので、室内機の表
面のドレン付着といった現象を回避することができ、ま
た暖房運転時には、室内熱交換器１１の必要以上の温度
上昇が阻止されるので、冷媒圧力の上昇即ち高負荷状態
を防止することができる。

【００２９】以上、一実施例に基づいて本発明を説明し
たが、本発明は、これに限定されるものでないことは明
らかである。

【００３０】例えば、図６を参照して、室内湿度センサ
２３にて検出された湿度値に応じて、冷房運転時におけ
る室内機の表面のドレン付着の発生を未然に検出し、そ
の信号を出力することは可能である。この場合、図５に
示すチャートと異なるＳ７では、冷房運転時に室内湿度
が所定値以上か否かが判断される。

【００３１】また冷凍サイクルの負荷検出手段を通じ
て、上記の信号が出力された場合に、圧縮機５９の運転
周波数を制御するのではなく、室内送風機７のモータの
回転数が所定の回転数以下にまで減少しないように、マ
イクロコンピュータ７７を介して、そのモータの最低回
転数を決定し、室内送風機７のモータ回転数の減少を制
限するように構成することは可能である。

【００３２】このように構成しても、上記の実施例と同
様に、冷房運転時におけるドレン付着や、暖房運転時に
おける冷媒圧力の上昇即ち高負荷の発生を確実に防止す
ることができる。

【００３３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
音響検出手段からの電気信号に基づいて室内送風機のモ
ータの回転数を制御している最中に、冷房運転時におけ
る冷凍サイクルの低負荷時や、暖房運転時における高負
荷時には、インバーターにより制御される圧縮機の運転
周波数（能力）の上昇を禁止して、室内熱交換器の温度
降下や温度上昇を阻止させるので、ドレン付着や冷媒圧
力の上昇即ち高負荷の発生などを確実に防止することが
できる。

【００３４】また他の発明によれば、冷凍サイクルの負
荷検出手段からの信号が出力された場合に、室内送風機
のモータの回転数が所定の回転数以下にまで減少しない
ように、そのモータの最低回転数が決定されるので、そ
の後の室内熱交換器の温度降下や温度上昇は阻止され、
従って、これによってもドレン付着や冷媒圧力の上昇即
ち高負荷の発生などを確実に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す空気調和機の制御装置
のブロック図である。

【図２】図１に示した空気調和機の室内機を示す斜視図
である。

【図３】図２に示した空気調和機の室内機の要部斜視図
である。

【図４】図２に示した空気調和機の室内機の断面図であ
る。

【図５】図１に示した空気調和機の制御装置のフローチ
ャートである。

【図６】本発明の他の実施例を示す空気調和機の制御装
置のフローチャートである。

【符号の説明】

７ 室内送風機 １９ 室内熱交換器温度センサ ２１ 室内温度センサ ２３ 室内湿度センサ ３１ マイクロフォン ５７ インバーター ５９ 圧縮機 ７７ マイクロコンピュータ ７９ モータ制御回路

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大桑 祐治 大阪府守口市京阪本通２丁目18番地 三洋 電機株式会社内 (72)発明者 川口 昌治 大阪府守口市京阪本通２丁目18番地 三洋 電機株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 能力可変型圧縮機、室内熱交換器、室外
   熱交換器等で冷凍サイクルが構成され、室内送風機、室
   外送風機を備えた空気調和機の制御装置において、少な
   くとも室内送風機と室内熱交換器とを収納した機体が設
   置されている室内の音響の大きさに応じた電気信号を出
   力する音響検出手段と、前記空気調和機の冷房運転時の
   冷凍サイクルの低負荷、又は暖房運転時の冷凍サイクル
   の高負荷を検出する負荷検出手段と、前記音響検出手段
   から出力される電気信号の値に基づいて前記室内送風機
   のモータの回転数を決定するモータ回転数決定手段と、
   このモータ回転数決定手段により決定された回転数に基
   づいて前記モータが制御されている最中に、前記負荷検
   出手段からの信号が出力された時には、該モータの回転
   数の制御を継続しつゝ、前記圧縮機の能力の上昇を禁止
   する制御手段とを備えたことを特徴とする空気調和機の
   制御装置。
2. 【請求項２】 圧縮機、室内熱交換器、室外熱交換器等
   で冷凍サイクルが構成され、室内送風機、室外送風機を
   備えた気調和機の制御装置において、少なくとも室内送
   風機と室内熱交換器とを収納した機体が設置されている
   室内の音響の大きさに応じた電気信号を出力する音響検
   出手段と、前記空気調和機の運転時の冷凍サイクルの低
   負荷、又は暖房運転時の冷凍サイクルの高負荷を検出す
   る負荷検出手段と、前記音響検出手段から出力される電
   気信号の値に基づいて前記室内送風機のモータの回転数
   を決定するモータ回転数決定手段と、このモータ回転数
   決定手段により決定された回転数に基づいて前記モータ
   が制御されている最中に、前記負荷検出手段からの信号
   が出力された時には、前記音響検出手段の電気信号より
   も優先して、前記モータの最低回転数を決定する制御手
   段とを備えたことを特徴とする空気調和機の制御装置。