JPH0552004U - 組立建物における架渡し材の取付装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 横材の強度を損うことなく、簡単で効率よく
架渡し縦材を取付けることができる組立建物における架
渡し材の取付装置を得ること。 【構成】 一方の横材である根太掛３および他方の横材
である前桁４に、夫々架渡し縦材である根太１の側面に
対向した係止部を備えた固定金具１０を設けて、根太１
の側面１５に設けた被係止部を、根太１を横方向よりス
ライドさせて固定金具１０に取付けるように構成した組
立建物の一つであるバルコニーの根太の取付装置であ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、バルコニー、テラス、温室、サンルーム等の組立建物における根太 や垂木等の架渡し材の取付装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

例えば従来のユニット式バルコニーの架渡し材である根太の取付装置として実 公昭５８−４４１６１号公報に示すように、一方の横材である根太受の上面に突 出した根太固定金具を固着し、また他方の横材であるフロントフレームの縁部に は切起した起しを設けて、架渡し縦材となる根太の下面に設けた角孔をフロント フレームの起しに嵌めた後、根太の下面の他端に設けた開孔に、上方より突出し た根太固定金具に押込み嵌合してワンタッチ式に根太を取付けるようにしたもの が知られていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記の根太取付装置は、根太掛と前桁とではその取付構造が異なり、かつ取付 方法も異なるため根太の取付けが面倒となり、また前桁に切起して起しを形成す るため前桁の強度が落ちる等の問題点を有していた。 そこで本考案は、前記の問題点を解消して、根太掛や前桁等の横材の強度を損 うことなく簡単で効率的に根太等の架渡し縦材を取付けることができる組立建物 における架渡し材の取付装置を提供することを目的としたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、前記目的を達成するため、一方の横材３と他方の横材４とに、夫々 架渡し縦材１の側面１５に対向した係止部１１，２１，３１を備えた固定金具１ ０，２０，３０を設けると共に、架渡し縦材１の側面１５に、前記固定金具１０ ，２０，３０の係止部１１，２１，３１に係止する被係止部１６，２４，３３を 設けて、架渡し縦材１を横方向よりスライドさせて双方の横材３，４に取付ける ように組立建物における架渡し材の取付装置を構成したものである。 また固定金具１０が、架渡し縦材１の側面１５に設けた係止孔１６に嵌合係止 する弾性変形可能なフック部１４を備えた上下二片よりなる係止部１１を有して いるものである。 また固定金具２０が、架渡し縦材１の側面１５に設けたフック部２５を備えた 被係止部２４と係止する弾性変形可能なフック部２３を備えた係止部２１を有し ているものである。 さらに固定金具３０が、架渡し縦材１の側面１５に設けた突出した嵌合部３３ と嵌合係止するコ字状係止部３１と、架渡し材固定用弾性切起し舌片３２とを有 しているものである。

【０００５】

【実施例】

以下本考案の実施例を図面に基いて説明する。 図面は、組立建物の一例であるバルコニーについて、その架渡し材である根太 の取付装置について示したもので、図１は取付装置を用いて根太を取付けた状態 を示した縦断面図で、図２はそのバルコニーの根太の取付け状態を示す斜視図で ある。 １は架渡し縦材である根太であって、外壁２に取付けた一方の横材である根太 掛３と他方の横材である前方の前桁４との間に、図２に示すように数個所掛渡し て取付けられ、その上に図１に示すようにバルコニー９のデッキ材５を一面に載 置するものである。 根太掛３は断面Ｌ字状をなし、垂直部６が外壁２に固定され、水平部７に根太 １の一端が取付けられるものである。根太掛３の水平部７には、図２に示すよう に一定間隔をおいて根太１を取付ける固定金具１０を取付けるものである。なお 前桁４の内方に延びた延出部８にも、根太掛３に設けた固定金具１０と同様な固 定金具１０を同一ピッチで取付けて、根太１の他端を固定するもので、根太掛３ と同じであるため、前桁４への取付けの説明は省略する。以下固定金具２０，３ ０においても同様である。 固定金具１０は、図３および図４に示すように、係止部１１、起立部１２と取 付部１３よりなり、係止部１１は、根太１の側面１５に係止するように根太掛３ の長手方向に向って上下２個所に併設されていて、先端は夫々上方、下方に突出 したフック１４，１４が形成されていて、根太１の側面１５に穿設した係止孔１ ６に、ワンタッチで嵌合係止できるように弾性変形するように構成されている。 そして上方の係止部１１は起立部１２を介して、下方の係止部１１は直接取付部 １３と連結して、２個所でビス１７，１７により根太掛３の水平部７に取付け固 定されている。したがって根太１の取付けには、根太１を横方向から根太掛３の 長さ方向にスライドさせてその側面１５に穿設した係止孔１６を、固定金具１０ の上下の係止部１１のフック１４，１４に押付けることにより、上下のフック１ ４，１４が互いに接近する方向に弾性変形して間隔を狭め係止孔１６に侵入し、 孔内で弾性復帰して上下のフック１４，１４が係止孔１６の上下の縁部と係止し てワンタッチ式に根太１が固定されるので、根太１の取付けが非常に簡単である 。

【０００６】 図５および図６は本考案の第２実施例であって、根太掛３および前桁４に取付 ける固定金具２０は、上方の係止部２１と下方の押え部２２とからなり、上方の 係止部２１は先端にフック２３を備え、根太１の側面１５に設けた被係止部２４ のフック２５と弾性的に変形して係止し、下方の押え部２２は取付ける根太掛３ の水平部７および前桁４の延出部８と一定間隔をおいて設けられていて、この間 に根太１の側面１５の底部より延びたヒレ部２６が図５に示すように挿入されて 押えるようになっている。そして押え部２２の反対側の取付部２７をビス止めし て根太掛３の水平部７および前桁４の延出部８に固定される構成となっている。 この固定金具２０も前記の固定金具１０と同様に、根太１を横方向から根太掛３ の長さ方向にスライドさせて根太１の側面１５に設けた被係止部２４とワンタッ チ式に係止して根太１を固定するようになっている。

【０００７】 図７および図８は本考案の第３実施例であって、根太掛３および前桁４に取付 ける固定金具３０は、一枚の平板の一部から切起したコ字状の係止部３１と、こ の係止部３１と向うように切起した舌片３２とからなり、根太掛３の水平部７お よび前桁４の延出部８の中央に長さ方向に形成した凹条溝３４内に、係止部３１ と舌片３２が凹条溝３４から突出するようにビス３５により固定されている。そ して係止部３１は、一枚の平板の中心より半分側を図８に示すように切起してコ 字状に形成したもので、根太１の側面１５の下部を突出して形成した嵌合部３３ を図７に示すように嵌合係止するようになっている。また舌片３２は、係止部３ １の残り半分の後方に係止部３１に対向するように切起して形成したもので、根 太１の取付け時には根太１の底面により押圧されて凹条溝３４内に隠れるように 弾性変形し、根太１の嵌合部３３が係止部３１と嵌合して根太１の底面が通過す ると、図７に示すように元形に弾性復帰して根太１の底部を押えるようになって いる。このようにこの固定金具３０も前の固定金具１０，２０と同様に根太１を 横方向から根太掛３の長さ方向にスライドさせて、根太１の側面１５の突出した 嵌合部３３とワンタッチ式に係止して根太１を固定するようになっている。 なお以上の実施例は組立建物の１つであるバルコニーの架渡し材である根太の 取付装置について説明したが、その他テラス、温室、サンルーム等の組立建物に おける根太や垂木等の架渡し材の取付装置にも適用できるもので、横材に架渡し 材を簡単に取付けることができるものである。

【０００８】

【考案の効果】

本考案は以上のような構成であって、一方の横材と他方の横材とに、夫々架渡 し縦材の側面に対向した係止部を備えた固定金具を設けて、架渡し縦材を横方向 よりスライドさせてワンタッチで係止して取付けるようにしたため、架渡し縦材 の取付けが非常に簡単となり、また固定金具は双方の横材に同一構造のものを取 付けるため、あまり注意をはらわずに効率よく架渡し縦材を取付けることができ ると共に、横材を切欠いて固定金具を構成していないので、横材の強度を損うこ とがない等優れた効果を有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の取付装置により架渡し縦材である根太
を取付けた状態を示す縦断面図である。

【図２】同じく根太を取付けたバルコニーの斜視図であ
る。

【図３】固定金具の第１実施例の側面図である。

【図４】同じく根太を取付けるところの斜視図である。

【図５】固定金具の第２実施例の側面図である。

【図６】同じく根太を取付けるところの斜視図である。

【図７】固定金具の第３実施例の側面図である。

【図８】同じく根太を取付けるところの斜視図である。

【符号の説明】

１ 根太（架渡し縦材） ３ 根太掛（横材） ４ 前桁（横材） ９ バルコニー １０，２０，３０ 固定金具 １１，２１，３１ 係止部 １６ 係止孔 ２４ 被係止部 ３３ 嵌合部

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一方の横材（３）と他方の横材（４）と
   に、夫々架渡し縦材（１）の側面（１５）に対向させた
   係止部（１１）（２１）（３１）を備えた固定金具（１
   ０）（２０）（３０）を設けると共に、架渡し縦材
   （１）の側面（１５）に、前記固定金具（１０）（２
   ０）（３０）の係止部（１１）（２１）（３１）に係止
   する被係止部（１６）（２４）（３３）を設けて、架渡
   し縦材（１）を横方向よりスライドさせて双方の横材
   （３）（４）に取付けるようにしたことを特徴とする組
   立建物における架渡し材の取付装置。
2. 【請求項２】 固定金具（１０）が、架渡し縦材（１）
   の側面（１５）に設けた係止孔（１６）に嵌合係止する
   弾性変形可能なフック部（１４）を備えた上下二片より
   なる係止部（１１）を有している請求項１記載の組立建
   物における架渡し材の取付装置。
3. 【請求項３】 固定金具（２０）が、架渡し縦材（１）
   の側面（１５）に設けたフック部（２５）を備えた被係
   止部（２４）と係止する弾性変形可能なフック部（２
   ３）を備えた係止部（２１）を有している請求項１記載
   の組立建物における架渡し材の取付装置。
4. 【請求項４】 固定金具（３０）が、架渡し縦材（１）
   の側面（１５）に設けた突出した嵌合部（３３）と嵌合
   係止するコ字状係止部（３１）と、架渡し材固定用弾性
   切起し舌片（３２）とを有している請求項１記載の組立
   建物における架渡し材の取付装置。