JPH0551815A - 抗菌性ポリアミド繊維及びその製造方法 - Google Patents
抗菌性ポリアミド繊維及びその製造方法Info
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- JPH0551815A JPH0551815A JP3203001A JP20300191A JPH0551815A JP H0551815 A JPH0551815 A JP H0551815A JP 3203001 A JP3203001 A JP 3203001A JP 20300191 A JP20300191 A JP 20300191A JP H0551815 A JPH0551815 A JP H0551815A
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Abstract
発揮し、且つ優れた強度特性および耐熱変色性を有する
抗菌性ポリアミド繊維を提供する。 【構成】 P2 O5 が49〜51モル%、MgOが43
〜45モル%、Al2 O 3 が5〜7モル%の組成を有す
るガラス成分100重量部に対してAg2 Oを0.1〜
0.7重量部を含有した、平均粒径が1〜10μmの耐
熱変色性に富む銀イオン含有リン酸系水溶性ガラスの粒
子を、0.5〜3.0重量%含有する抗菌性ポリアミド
繊維であって、単糸繊度が10デニール以下で、且つ破
断強度をDTとし、破断伸度をDEとすると、DT×D
E1/2 の値が25以上を示す。
Description
度特性を有するポリアミド繊維、並びにその製造方法に
関する。
表面にジフェニルエーテル系、クロルヘキシジン系等の
有機系抗菌剤又は無機系抗菌剤を付着させた繊維や、銀
イオン含有ゼオライト粒子を練り込んだ繊維などが知ら
れている(特開昭62-241939 号公報、特開昭63-79719号
公報) 。
又は無機系抗菌剤を表面に付着させただけでは、使用初
期には優れた抗菌性を示すものの、繰り返し洗濯される
ことにより、付着させた抗菌剤が脱落して次第に抗菌性
能が低下していくという問題がある。また、銀イオン含
有ゼオライト粒子を練り込んだ繊維は、一般に抗菌効果
が小さいだけでなく、繊維としての引っ張り強度が低く
なり、しかもゼオライト粒子自体の吸湿性のために、製
品加工性、保管性が悪い。さらに、銀イオンは不安定
で、溶融紡糸の際に樹脂の熱還元力により、あるいは選
択の繰り返し等によって、Ag+ →Ag0 の反応を起こ
して黄褐色に変色するという問題がある。
であり、その目的とするところは、優れた抗菌性能を長
期間にわたって安定して発揮し、且つ優れた強度特性及
び耐熱変色性を有する抗菌性ポリアミド繊維及びその製
造方法を提供することにある。
ド繊維は、P2 O5 が49〜51モル%、MgOが43
〜45モル%、Al2O3 が5〜7モル%の組成を有す
るガラス成分100重量部に対してAg2 Oを0.1〜
0.7重量部を含有した、平均粒径が1〜10μmの耐
熱変色性に富む銀イオン含有リン酸系水溶性ガラスの粒
子を、0.5〜3.0重量%含有する抗菌性ポリアミド
繊維であって、単糸織度が10デニール以下で、且つ破
断強度をDTとし、破断伸度をDEとすると、DT×D
E1/2 の値が25以上を示す。
オン含有リン酸系水溶性ガラス(以下、単に銀イオン含
有ガラスという)は、P2 O5 が49〜51モル%、M
gOが43〜45モル%、Al2 O3 が5〜7モル%の
組成を有するリン酸系ガラス成分100重量部に対し
て、Ag2 Oを0.1〜0.7重量部を含有するガラス
である。一般に銀イオン含有ガラスは、銀イオン含有ゼ
オライトに比べて熱変色に対する耐性に富むが、高温
(特に250〜300℃)状態にある溶融ポリアミドに
添加されると、変色を阻止できない場合が多い。しか
し、ガラス成分をリン酸系とし、その組成を上記のよう
に設定し、且つ銀イオンの含有量を上記範囲内に設定す
ると、ガラス中の銀イオンの安定性が増大し、耐熱変色
性が大幅に向上する。よって、溶融紡糸のような高温下
でも全く変色しない。
銀イオンが、数時間から数年間の任意の期間にわたっ
て、定められ速度で銀イオンを溶出させることができ
る。そして溶出した銀イオンは、細菌や微生物の細胞壁
に吸着したり、細胞、膜内に凝縮していわゆるオリゴジ
ナミー作用により細菌や微生物の生育を阻害し、抗菌機
能を発揮することができる。
銀イオン含有ガラスが平均粒径1〜10μm、好ましく
は1〜5μm以下の粒子として、ポリアミド繊維中に均
一に含有されている。銀イオン含有ガラス粒子の平均粒
径が10μmを越えると繊維の強度低下が著しく、溶融
混練り、溶融紡糸時における相対粘度の上昇によって
も、これを改善することが出来ない。また、繊維の製造
において、紡糸、延伸時の糸切れが多発し、満足に操業
を続けることができない。一方、ガラス粒子の平均粒径
は小さい程好ましいが、粉砕技術及び経済性の面より1
μm以上の粒子を使用するのが困難である。
有ガラス粒子の含有量は、0.5〜3.0重量%であ
る。銀イオン含有ガラス粒子の含有量が0.5重量%未
満では、銀イオン含有ガラスによる抗菌性が十分発揮さ
れない。一方、3重量%を越えると繊維の強度低下が著
しく、溶融紡糸時における相対粘度の上昇によっても強
度特性を改善できない。
ド繊維における銀イオンの溶出速度は、繊維重量当たり
100ng/g/day〜10000ng/g/day
の範囲に制御されることが望ましい。この範囲に制御す
るためには、銀イオン含有ガラスからの銀イオンの溶出
速度を0.0005mg/g/hr〜5mg/g/hr
(20℃の水に粒径50μm以下の銀イオン含有ガラス
粒子1gを1時間浸漬したとき銀イオン溶出量)に設定
することが好ましい。一般に、繊維重量当たりの銀イオ
ンの溶出速度が100ng/g/day未満では十分な
抗菌性が発揮されず、10000ng/g/dayを越
えると抗菌性を発揮できる寿命が短くなる上に、繊維の
引張り強度も低下する。
度が10デニール以下である。上記組成を有する抗菌性
ポリアミド繊維が、10デニール以下にまで延伸される
ことにより、相対粘度(RV)が著しく上昇する。その
結果、破断強度をDTとし、破断伸度をDEとすると、
DT×DE1/2 の値が25以上を示す。このように優れ
た抗菌性を有し、且つ優れた強度特性及び耐熱変色性を
有する本発明の抗菌性ポリアミド繊維は、それ自体で衣
料、フィルター等の原料として使用してもよいし、仮撚
加工を施したい捲縮加工糸として使用してもよい。いず
れの場合も、水分が浸透しやすいポリアミド中に抗菌性
を有する銀イオン含有ガラス粒子が含有されているの
で、該粒子中に含まれている銀イオンが徐放されること
により、洗濯耐久性のある抗菌性を発揮できる。また、
ポリアミドはタフネスに対する曲げモジュラスが低いこ
とによりソフトな触感が得られ、直接肌に接する衣料材
料とし適する。
成を有する銀イオン含有ガラスを、平均粒径が1〜10
μmの粒子とし、該粒子をポリアミドに添加し、溶融粘
度2000ポイズ以下で混練りして、前記粒子の含有率
が0.5〜3.0重量%であるガラス粒子入り溶融ポリ
アミドを調製し、該ガラス粒子入り溶融ポリアミドの水
分率を0.05%以下に調湿した後、ポリアミドの融点
以上で紡糸して、単糸織度が10デニール以下となるよ
うに延伸することにより製造される。
0μmの耐熱変色性に富む銀イオン含有ガラス粒子は、
P2 O5 が49〜51モル%、MgOが43〜45モル
%、Al2 O3 が5〜7モル%の組成を有するガラス成
分100重量部に対してAg 2 Oを0.1〜0.7重量
部を含有したガラスを、適当な方法で粉砕することによ
り得られる。
の最終的含有率が0.5〜3.0重量%となるガラス粒
子入り溶融ポリアミドを調製する。粒子の練り込み方法
は特に限定しないが、例えば、マスターチップ法により
粒子の最終的含有率を調整しつつ練り込むことができ
る。すなわち、銀イオン含有ガラス粒子を多量に含有す
るポリアミドを予め溶融混練りにより作成して、これを
ベースポリマーとし、溶融紡糸の際に、前記ベースポリ
マーにポリアミドを添加することにより、ガラス粒子の
含有率を所定の範囲内となるように調整する。この他、
最終的含有率が上記範囲内となる所定量のポリアミドと
銀イオン含有ガラス粒子とを同時にホッパーに投入し、
溶融紡糸時に混練りを行う方法なども挙げられる。
アミド繊維における抗菌性を均一にするために、ポリア
ミド中にガラス粒子を均一に分散する必要がある。ポリ
アミド中のガラス粒子の分散性を上げるために、溶融粘
度2000ポイズ以下で溶融混練を行う。ここで、ガラ
ス粒子が添加されたポリアミドの溶融粘度は、溶融温
度、ポリアミドの重合度、ポリアミドの水分率によりコ
ントロールすることができる。特にガラス粒子がリン酸
系の場合、ガラス粒子の添加によりポリアミドの後重合
が起こるので、この後重合の進行を水分により抑制する
必要がある。従って、溶融混練時の溶融粘度を2000
ポイズ以下に調製するためには、経済性も考慮した上
で、相対粘度2.2〜2.5のポリアミドを使用し、ガ
ラス粒子が添加されたポリアミドの水分率を0.1〜
0.08%に調湿して、混練時の温度を270〜280
℃に設定することが好ましい。なお、水分率の調湿は、
予め0.1〜0.08%に調湿したポリアミドとガラス
粒子とを混合してもよいし、混合後に上記範囲となるよ
うに調湿してもよい。
に分散された溶融ポリアミド、すなわちガラス粒子入り
溶融ポリアミドを乾燥して、水分率を0.05%以下、
好ましくは0.02%以下に調湿する。ガラス粒子入り
溶融ポリアミドの水分率を0.05%以下とすることに
より、ポリアミドの後重合が促進されて、ポリアミドの
相対粘度が上昇する。相対粘度は分子量の指標として用
いることができ、相対粘度の上昇はポリアミドの重合度
が増加したことを意味する。一般に、無機系添加剤を繊
維中に分散させた場合、無機系添加剤とマトリックスポ
リマーとの界面、及び無機系添加剤自体が構造的欠陥と
なり繊維の強度特性を著しく低下させることになる。し
かし、本発明の製造方法で示されるように、ポリアミド
と特定の組成を有する銀イオン含有ガラス粒子とを組合
せ、ガラス粒子入り溶融ポリアミドの水分率を調湿する
と、ガラス粒子中のリン系化合物の作用により紡糸時の
ポリアミドの相対粘度すなわち分子量が増加する。従っ
て、比較的粗いガラス粒子を添加しているにも拘らず、
ポリアミド自体の分子量増加により強度が向上するの
で、ガラス粒子の混入による強度低下をカバーして、優
れた強度特性を有する抗菌性ポリアミド繊維を製造でき
る。
を、ポリアミドの融点以上の温度で溶融紡糸し、紡糸に
より得られたものを、さらに単糸織度が10デニール以
下となるまで延伸すると、DT×DE1/2 の値が25以
上を示す本発明の抗菌性ポリアミド繊維を製造できる。
なお、本発明の製造方法において、固相重合等により得
られた高分子量のポリアミドを使用すれば、より繊維の
強度がより向上した抗菌性ポリアミド繊維が得られる。
て、実施例に基づいて説明する。なお、下記の実施例に
おいて、相対粘度(RV値)及び抗菌性は、以下のよう
にして評価した。 RV値;試料0.2gを20ccの濃硫酸に溶解したも
のについて、20℃における比粘度を求めた。
葡萄状球菌 スタフィロコッカスアウレウス IFO
12732)のブイヨン懸濁液を注加し、密閉容器中で
37℃、18時間培養後の生菌数(C)を計測し、下記
式に基づいて植菌数(A)に対する増滅値を算出し、抗
菌性の指標とした。 増滅値=logC−logA 〔実施例1〕P2 O5 が50モル%、MgOが44モル
%、Al2 O3 が6モル%の組成を有するガラス成分1
00重量部に、Ag2 O0.5重量部添加して、耐熱変
色性に富む銀イオン含有ガラスを調製した。この銀イオ
ン含有ガラスを、粒径が1〜5μmになるように粉砕
し、水分率を0.08%以下に調湿した。
=2.5)を用い、このナイロン6の水分率を0.08
%以下に調湿した。調湿したナイロン6中に、上記ガラ
ス粒子を最終的含有率が1.5重量%となるように添加
し、添加後の溶融粘度を1850ポイズとして、混練り
してガラス粒子入りナイロン6チップを作成した。次い
で、このガラス粒子入りナイロン6チップを乾燥して、
水分率を0.02%に調湿して溶融紡糸した後、延伸し
て、35デニール10フィラメントの抗菌性ポリアミド
繊維を得た。この抗菌性ポリアミド繊維のRV値を測定
したところ、3.3に上昇していた。また、この抗菌性
ポリアミド繊維の破断強度(DT)は5.4g/dで、
破断伸度(DE)は39%であった。尚、DT×DE
1/2 の値は33.7であった。
して、抗菌性ポリアミドの試料布を作成した。この試料
布について、洗濯前及び洗濯10回後の抗菌性を測定し
た。洗濯前及び洗濯後のいずれも、増滅値は−2.1で
あった。洗濯による抗菌性の低下は認められなかった。 〔実施例2〕実施例1で得られた抗菌性ポリアミド繊維
に仮撚加工を施して、捲縮加工糸を得た。この捲縮加工
糸を筒編みし、抗菌性ポリアミド繊維の試料布を作成し
た。この試料布について、洗濯前及び洗濯10回後の抗
菌性を測定した。洗濯前の増滅値は−2.6であり、洗
濯後の増滅値は−3.4であった。 〔比較例1〕抗菌性ポリアミド繊維における銀イオン含
有ガラス粒子の最終的含有率を、5重量%に変更した以
外は実施例1と同様にして、35デニール10フィラメ
ントの抗菌性ポリアミド繊維を製造した。この抗菌性ポ
リアミド繊維の破断強度(DT)は3.2g/dで、破
断伸度(DE)は38%であった。尚、DT×DE1/ 2
の値は17.9であった。 〔比較例2〕銀イオン含有ガラス粒子に代えて、平均粒
子径が3μmの銀イオン含有ゼオライトを用いた以外
は、実施例1と同様にして、35デニール10フィラメ
ントの抗菌性ポリアミド繊維を製造した。この抗菌性ポ
リアミド繊維の破断強度(DT)は3.2g/dで、破
断伸度(DE)は38%であった。尚、DT×DE1/2
の値は17.9であった。また、この抗菌性ポリアミド
繊維のRV値は2.7で、銀イオン含有ガラス粒子を添
加したとき程上昇しなかった。このことは、銀イオン含
有ゼオライトでは、粒子添加による繊維中の欠陥部を補
うのに充分な重合度の増加がなく、繊維としての強度特
性が低くなったと推測される。
色に(b値=6.2)着色しており、衣料糸として品質
の劣るものであった。 〔比較例3〕銀イオン含有ガラス粒子におけるガラス成
分を、P2 O5 50モル%、MgO44モル%、K2 O
6モル%に変更した以外は、実施例1と同様にして35
デニール10フィラメントの抗菌性ポリアミド繊維を製
造した。この抗菌性ポリアミド繊維に仮撚加工を施して
捲縮加工糸とし、この捲縮加工糸を筒編みして、抗菌性
ポリアミド繊維の試料布を作成した。この試料布を10
回洗濯したところ、茶褐色に変色していた。
ド繊維は、抗菌性を有する銀イオン含有リン酸系ガラス
の粒子が、単に繊維表面に付着するのではなく、繊維中
に分散されているので、銀イオンが徐々に放出されるこ
とにより、繰り返し洗濯しても、抗菌性が著しく低下す
ることはなく、耐久性ある抗菌性を有する。さらに、本
発明に用いられる銀イオン含有リン酸系ガラスの粒子
は、銀イオンが安定状態にあるので、耐熱変色性に優れ
ている。
維は、所定の組成を有する銀イオン含有リン酸系ガラス
の粒子を用いることにより、ポリアミドの後重合が促進
されるので、無機系添加剤を添加したにも拘らず、従来
の抗菌性繊維に比較して高強度である。このように優れ
た抗菌性及び強度特性を有する抗菌性ポリアミド繊維
は、本発明の製造方法によれば、容易に製造することが
できる。
又は無機系抗菌剤を表面に付着させただけでは、使用初
期には優れた抗菌性を示すものの、繰り返し洗濯される
ことにより、付着させた抗菌剤が脱落して次第に抗菌性
能が低下していくという問題がある。また、銀イオン含
有ゼオライト粒子を練り込んだ繊維は、一般に抗菌効果
が小さいだけでなく、繊維としての引っ張り強度が低く
なり、しかもゼオライト粒子自体の吸湿性のために、製
品加工性、保管性が悪い。さらに、銀イオンは不安定
で、溶融紡糸の際に樹脂の熱還元力により、あるいは洗
濯の繰り返し等によって、Ag+ →Ag0 の反応を起こ
して黄褐色に変色するという問題がある。
ド繊維は、P2 O5 が49〜51モル%、MgOが43
〜45モル%、Al2O3 が5〜7モル%の組成を有す
るガラス成分100重量部に対してAg2 Oを0.1〜
0.7重量部を含有した、平均粒径が1〜10μmの耐
熱変色性に富む銀イオン含有リン酸系水溶性ガラスの粒
子を、0.5〜3.0重量%含有する抗菌性ポリアミド
繊維であって、単糸繊度が10デニール以下で、且つ破
断強度をDTとし、破断伸度をDEとすると、DT×D
E1/2 の値が25以上を示す。
銀イオン含有ガラスが平均粒径1〜10μm、好ましく
は1〜5μm以下の粒子として、ポリアミド繊維中に均
一に含有されている。銀イオン含有ガラス粒子の平均粒
径が10μmを越えると繊維の強度低下が著しく、溶融
混練り、溶融紡糸時における相対粘度の上昇によって
も、これを改善することが出来ない。また、繊維の製造
において、紡糸、延伸時の糸切れが多発し、満足に操業
を続けることができない。一方、ガラス粒子の平均粒径
は小さい程好ましいが、粉砕技術及び経済性の面より1
μm以上の粒子を使用するのが好ましい。
度が10デニール以下である。上記組成を有する抗菌性
ポリアミド繊維が、10デニール以下にまで延伸される
ことにより、相対粘度(RV)が著しく上昇する。その
結果、破断強度をDTとし、破断伸度をDEとすると、
DT×DE1/2 の値が25以上を示す。このように優れ
た抗菌性を有し、且つ優れた強度特性及び耐熱変色性を
有する本発明の抗菌性ポリアミド繊維は、それ自体で衣
料、フィルター等の原料として使用してもよいし、仮撚
加工を施した捲縮加工糸として使用してもよい。いずれ
の場合も、水分が浸透しやすいポリアミド中に抗菌性を
有する銀イオン含有ガラス粒子が含有されているので、
該粒子中に含まれている銀イオンが徐放されることによ
り、洗濯耐久性のある抗菌性を発揮できる。また、ポリ
アミドはタフネスに対する曲げモジュラスが低いことに
よりソフトな触感が得られ、直接肌に接する衣料材料と
して適する。
成を有する銀イオン含有ガラスを、平均粒径が1〜10
μmの粒子とし、該粒子をポリアミドに添加し、溶融粘
度2000ポイズ以下で混練りして、前記粒子の含有率
が0.5〜3.0重量%であるガラス粒子入り溶融ポリ
アミドを調製し、該ガラス粒子入り溶融ポリアミドの水
分率を0.05%以下に調湿した後、ポリアミドの融点
以上で紡糸して、単糸繊度が10デニール以下となるよ
うに延伸することにより製造される。
を、ポリアミドの融点以上の温度で溶融紡糸し、紡糸に
より得られたものを、さらに単糸繊度が10デニール以
下となるまで延伸すると、DT×DE1/2 の値が25以
上を示す本発明の抗菌性ポリアミド繊維を製造できる。
なお、本発明の製造方法において、固相重合等により得
られた高分子量のポリアミドを使用すれば、繊維の強度
がより向上した抗菌性ポリアミド繊維が得られる。
色に(b値=6.2)着色しており、衣料糸として品質
の劣るものであった。 〔比較例3〕銀イオン含有ガラス粒子におけるガラス成
分を、P2 O5 50モル%、MgO44モル%、K2 O
6モル%に変更した以外は、実施例1と同様にして35
デニール10フィラメントの抗菌性ポリアミド繊維を製
造した。この抗菌性ポリアミド繊維に仮撚加工を施して
捲縮加工糸とし、この捲縮加工糸を筒編みして、抗菌性
ポリアミド繊維の試料布を作成した。この試料布を10
回洗濯したところ、薄褐色に変色していた。
Claims (3)
- 【請求項1】 P2 O5 が49〜51モル%、MgOが
43〜45モル%、Al2 O3 が5〜7モル%の組成を
有するガラス成分100重量部に対してAg 2 Oを0.
1〜0.7重量部を含有した、平均粒径が1〜10μm
の耐熱変色性に富む銀イオン含有リン酸系水溶性ガラス
の粒子を、0.5〜3.0重量%含有する抗菌性ポリア
ミド繊維であって、 単糸織度が10デニール以下で、且つ破断強度をDTと
し、破断伸度をDEとすると、DT×DE1/2 の値が2
5以上を示すことを特徴とする抗菌性ポリアミド繊維。 - 【請求項2】 請求項1に記載の抗菌性ポリアミド繊維
に、仮撚加工を施した捲縮加工糸。 - 【請求項3】 P2 O5 が49〜51モル%、MgOが
43〜45モル%、Al2 O3 が5〜7モル%の組成を
有するガラス成分100重量部に対して、Ag2 Oを
0.1〜0.7重量部を含有した銀イオン含有リン酸系
水溶性ガラスを、平均粒径が10μm以下の粒子とし、 該粒子をポリアミドに添加し、溶融粘度2000ポイズ
以下で混練りして、前記粒子の含有率が0.5〜3.0
重量%であるガラス粒子入り溶融ポリアミドを調製し、 該ガラス粒子入り溶融ポリアミドの水分率を0.05%
以下に調湿した後、ポリアミドの融点以上で紡糸して、 単糸織度が10デニール以下となるように延伸すること
を特徴とする抗菌性ポリアミド繊維の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3203001A JPH0765245B2 (ja) | 1991-08-13 | 1991-08-13 | 抗菌性ポリアミド繊維及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3203001A JPH0765245B2 (ja) | 1991-08-13 | 1991-08-13 | 抗菌性ポリアミド繊維及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0551815A true JPH0551815A (ja) | 1993-03-02 |
JPH0765245B2 JPH0765245B2 (ja) | 1995-07-12 |
Family
ID=16466690
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3203001A Expired - Lifetime JPH0765245B2 (ja) | 1991-08-13 | 1991-08-13 | 抗菌性ポリアミド繊維及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0765245B2 (ja) |
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