JPH05517U - 自動車用ウエザストリツプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車ドア外周縁部の各コーナー部に対応し
て配される型成形部材の間に、押出成形部材を夫々配し
て一連に接続してなるウェザストリップにおいて、軟質
ゴムで構成される型成形部材の取付時における局所的な
伸びを解消してウェザストリップの美観とシール性能の
向上を図る。 【構成】 ウェザストリップ（Ｗ）の型成形部材（Ｗ
ａ）に埋設されるインサート部材（１０）を押出成形部
材（Ｗｂ）との接続部（１１）に突出させると共に、該
突出したインサート部材（１０）を、上記押出成形部材
（Ｗｂ）に設けた中空部（Ｗｂ´）に挿入して上記両成
形部材（Ｗａ），（Ｗｂ）を接続したことを特徴として
いる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車のドア外周縁またはボディ開口部周縁に、該ドアとボディと の隙間をシールするために装着される自動車用ウェザストリップに関するもので ある。

【０００２】

【従来の技術】

通常、図１０に示す如きセダン型の自動車（Ｃ）のボディ（１）開口部とドア （２）との間の隙間をシールするためにドアフレーム（３）の外周縁にシール部 材として装着されるゴム製のウェザストリップ（Ｗ）は、ドア（２）自体の取付 精度の誤差や高速走行時での負荷によるドア吸出し現象等により隙間が変化し易 い箇所をシールするため、この部分からの雨水等の侵入を防止する高度なシール 性能、ならびにウェザストリップ（Ｗ）そのものの正確な装着、固定が要求され る。

【０００３】 そのために、従来のウェザストリップ（Ｗ）は一般に、上記自動車（Ｃ）のボ ディ（１）開口部に一側端で蝶着されたドア（２）の、図１１に示す如き断面形 状のドアフレーム（３）外周縁に設けられた樋状のリテーナ（４）内に装着され る基底部（６）と、ドア（２）閉止時にボディパネル（５）の開口内角部に当接 して変形される中空のメインシール部（７）と、ボディパネル（５）の開口外角 部のガーニッシュ（９）角部に先端部が当接するサブリップ（８）とを一体に備 えている。 そして、かかる断面形状をなすウェザストリップは、図１２に示すように、前 記ドアフレーム（３）の各コーナー外周面に沿う形状に金型内で夫々成形する複 数の型成形部材（Ｗａ）…の金型（図示せず）の間に、押出成形によって直線状 に成形して夫々所要長さに切断した複数の押出成形部材（Ｗｂ）…をドアフレー ム（３）全外周縁への緊密装着に好適な形状となる如く正確に配置し、上記型成 形部材（Ｗａ）を加硫成形することにより一連に接続せしめて、同図に示す如き 全体形状のウェザストリップ（Ｗ）として形成される。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上記型成形部材（Ｗａ）には、押出成形部材（Ｗｂ）を構成するゴ ムより柔らかいゴムが用いられており、そのため該型成形部材（Ｗａ）には、図 ８に示すように樹脂製のインサート部材（１０´）が埋設され、その補強が図ら れている。 しかしながら、上記インサート部材（１０´）は、 押出成形部材（Ｗｂ）と の接続部（１１）近傍で途切れていることから、図９に示すようにウェザストリ ップ（Ｗ）をフレームに組み付けた際に、図示の如く引っ張り力がこの型成形部 材（Ｗａ）の端部に集中し、該部分が伸長して細くなり、美観を損なうと共に、 そのシール性能にも影響を及ぼしかねないという問題を有している。

【０００５】 本考案は叙上の如き実状に対処し、ウェザストリップに新規な構成を見出すこ とにより、型成形部材の局所的な伸びを解消してウェザストリップの美観とシー ル性能の向上を図ることを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

即ち、上記目的に適合する本考案自動車用ウェザストリップの特徴は、自動車 ドア外周縁部の各コーナー部に対応して配される型成形部材の間に、押出成形部 材を夫々配して一連に接続してなるウェザストリップにおいて、上記型成形部材 に埋設されるインサート部材を上記押出成形部材との接続部に突出させると共に 、該突出したインサート部材を上記押出成形部材に設けた中空部に挿入して上記 両成形部材を接続したことにある。

【０００７】

【作用】

上記構成を有する本考案のウェザストリップにおいては、型成形部材に埋設さ れたインサート部材が、該型成形部材と接続される押出成形部材の内部まで延設 されてなることから、ウェザストリップをフレームに組み付ける際にも、上記型 成形部材が局所的に伸びることはなく、従って該ウェザストリップの美観やシー ル性能が損なわれることがない。

【０００８】

【実施例】

以下、更に添付図面を参照して、本考案実施例の自動車用ウェザストリップを 説明する。

【０００９】 図１は、本考案実施例のウェザストリップの要部を示す透視図、図２は図１の 要部断面図、図３は図２のＡ−Ａ線断面図、図４は図２のＢ−Ｂ線断面図である 。このウェザストリップ（Ｗ）は図３，図４に示すように、ドアフレームのリテ ーナーに嵌着される基底部（６）と、ドア閉止時にボディパネルの開口内角部に 当接する中空のメインシール部（７）と、ボディパネルのガーニッシュ角部に先 端部が当接するサブリップ（８）とを一体に備えている。また、このウェザスト リップ（Ｗ）は、図１２に示すようにドアフレームの各外周面に沿う形状に金型 内で成形する複数の型成形部材（Ｗａ）の金型（図示せず）の間に、押出成形に よって直線状に成形して夫々所要長さに切断した複数の押出成形部材（Ｗｂ）を 正確に配置し、上記型成形部材（Ｗａ）を加硫成形することにより一連に接続せ しめて、同図に示す如き環状のウェザストリップ（Ｗ）として形成されている。

【００１０】 そして、この場合、上記ウェザストリップ（Ｗ）は、図１に示す如く前記型成 形部材（Ｗａ）に、両側の押出成形部材（Ｗｂ）との接続部（１１），（１１） に夫々突出する樹脂インサート部材（１０）を埋設すると共に、図２乃至図４に 示すように、この突出したインサート部材（１０）を上記押出成形部材（Ｗｂ） に設けた中空部（Ｗｂ´）に挿入して、上記型成形部材（Ｗａ）と押出成形部材 （Ｗｂ）とを接続させている。

【００１１】 上記インサート部材（１０）は図６，図７にも示す如く、ゴムが浸入し該イン サート部材を固定する複数の貫通孔（１０ｃ）を有すると共に、その一端または 両端には前記押出成形部材（Ｗｂ）の挿入孔（Ｗｂ´）と密に嵌合する頭部（１ ０ａ）が設けられている（１０ｂは固定用の小頭部である）。かくして、このイ ンサート部材（１０）は、上記頭部（１０ａ）が該インサート部材（１０）の先 端部で押出成形部材（Ｗｂ）の挿入孔（Ｗｂ´）を閉塞することにより、図２に 示すように該挿入孔（Ｗｂ´）に接続のために流し込まれるゴム（Ｗａ´）をせ き止める。

【００１２】 以上の構成を有する本考案実施例のウェザストリップにあっては、型成形部材 （Ｗａ）に埋設されたインサート部材（１０）が、該型成形部材（Ｗａ）と接続 される押出成形部材（Ｗｂ）の内部まで延設されてなることから、ウェザストリ ップ（Ｗ）を自動車フレームに組み付ける際にも、従来の如く上記型成形部材（ Ｗａ）が引っ張りによって局所的に伸びることがなく、従って、ウェザストリッ プ（Ｗ）の美観ならびにシール性能は損なわれることがない。

【００１３】 なお、前記型成形部材（Ｗａ）に対する引っ張りが、図５に示すように該型成 形部材（Ｗａ）の片側にのみ生じる場合は、図示の如くその部分だけインサート 部材（１０）を突出させるようにして接続しても、所期の目的は達成される。

【００１４】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の自動車用ウェザストリップは、自動車ドア外周 縁部の各コーナー部に対応して配される型成形部材の間に、押出成形部材を夫々 配して一連に接続してなるウェザストリップにおいて、上記型成形部材に埋設さ れるインサート部材を上記押出成形部材との接続部に突出させると共に、該突出 したインサート部材を上記押出成形部材に設けた中空部に挿入して上記両成形部 材を接続したものであり、ウェザストリップの型成形部材に埋設されたインサー ト部材が該型成形部材と接続される押出成形部材の内部まで延設されてなること から、ウェザストリップをフレームに組み付ける際に従来生じていた型成形部材 の局所的な伸びを解消し、ウェザストリップの美観とシール性能を従来に比し向 上せしめるとの顕著な効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例のウェザストリップの要部を示す
透視図である。

【図２】図１の要部断面図である。

【図３】図２のＡ−Ａ線断面図である。

【図４】図２のＢ−Ｂ線断面図である。

【図５】本考案他の実施例に係るウェザストリップの要
部を示す透視図である。

【図６】本考案実施例のインサート部材の１例を示す透
視図である。

【図７】同実施例インサート部材の他の例を示す斜視図
である。

【図８】従来のウェザストリップの要部透視図である。

【図９】従来のウェザストリップの組み付け時の状態を
示す説明図である。

【図１０】自動車の概要図である。

【図１１】ウェザストリップの取付状態を示す断面図で
ある。

【図１２】ウェザストリップの全体図である。

【符号の説明】

（１） ボディ （２） ドア （３） ドアフレーム （４） リテーナー （５） ボディパネル （６） 基底部 （７） メインシール部 （８） サブリップ （９） ガーニッシュ （１０） インサート部材 （１１） 接続部 （Ｗ） ウェザストリップ （Ｗａ） 型成形部材 （Ｗｂ） 押出成形部材

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 自動車ドア外周縁部の各コーナー部に対
   応して配される型成形部材の間に、押出成形部材を夫々
   配して一連に接続してなるウェザストリップにおいて、
   上記型成形部材に埋設されるインサート部材を上記押出
   成形部材との接続部に突出させると共に、該突出したイ
   ンサート部材を上記押出成形部材に設けた中空部に挿入
   して上記両成形部材を接続したことを特徴とする自動車
   用ウェザストリップ。