JPH0551568A - アクリル系ホツトメルト接着剤組成物 - Google Patents

アクリル系ホツトメルト接着剤組成物

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JPH0551568A
JPH0551568A JP21522091A JP21522091A JPH0551568A JP H0551568 A JPH0551568 A JP H0551568A JP 21522091 A JP21522091 A JP 21522091A JP 21522091 A JP21522091 A JP 21522091A JP H0551568 A JPH0551568 A JP H0551568A
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JP
Japan
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weight
parts
chemical
general formula
compound
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Application number
JP21522091A
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English (en)
Inventor
Tomomoto Toda
智基 戸田
Yoshiyuki Oguchi
善之 大口
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低い溶融粘度を有し、溶融塗工性及び接着力
と凝集力とに優れ、しかも熱溶融時の粘度安定性及び熱
老化後の凝集力安定性にも優れたアクリル系ホットメル
ト接着剤組成物を得る。 【構成】 (メタ) アクリル酸アルキルエステルと、一
方の末端に(メタ) アクリロイル基を有し他方の末端に
非重合性ポリマー状セグメントを有する重合性ポリマー
とを主成分とする特定のラジカル共重合体に、ベンジリ
デンソルビトール誘導体と、金属石鹸又は脂環式エポキ
シ樹脂と、特定のホスファイト化合物又はホスフォナイ
ト化合物とを適量配合して、アクリル系ホットメルト接
着剤組成物を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、低い溶融粘度を有
し、溶融塗工性及び接着力と凝集力とに優れ、しかも熱
溶融時の粘度安定性及び熱老化後の凝集力安定性にも優
れたアクリル系ホットメルト接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル系接着剤は、耐候性、透明性及
び接着性能に優れ、種々の用途に広く使用されている。
【0003】現在用いられているアクリル系接着剤とし
ては、溶剤型のもの或いはエマルジョン型のものが主流
である。しかし、無溶剤タイプの接着剤に対する要求が
高まるにつれて、アクリル系接着剤をホットメルト型接
着剤として用いようとする試みがなされている。
【0004】例えば、特開平2−218780号公報には、一
般式CH2 =CR1 COOR2 (式中、R1 はH又はC
3 、R2 は炭素数2〜18のアルキル基である)で示さ
れる(メタ)アクリル酸アルキルエステル100 重量部
と、一般式CH2 =CR3 COOR4 (式中、R3 はH
又はCH3 、R4 は重量平均分子量 2,000〜50,000でガ
ラス転移点が50℃以上の非重合性ポリマー状セグメント
である)で示される重合性ポリマー5〜30重量部とを主
成分とするラジカル共重合体100 重量部と、ベンジリデ
ンソルビトール誘導体0.5 〜15重量部とからなるアクリ
ル系ホットメルト接着剤組成物が提案されている。
【0005】さらに、同公報には、上記のラジカル共重
合体100 重量部と、ベンジリデンソルビトール誘導体0.
5 〜10重量部と、金属石鹸0.08〜0.8 重量部とからなる
アクリル系ホットメルト接着剤組成物が提案されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のアクリル系ホッ
トメルト接着剤組成物は、低い溶融粘度を有し、溶融塗
工性及び接着力と凝集力とに優れ、有用である。しか
し、このホットメルト型接着剤は、熱溶融時の粘度安定
性及び熱老化後の凝集力安定性の点では充分でなく、こ
の点で未だ改善すべき問題がある。
【0007】熱溶融時の粘度安定性が悪いと、接着剤組
成物が溶融塗工温度に長時間さらされる際に、その粘度
が増して連続的に安定した塗工ができなくなる。また、
熱老化後の凝集力安定性が悪いと、高温時の接着保持力
が低下して良好な耐熱性が得られない。
【0008】この発明は、上記の問題を解決するもので
あり、その目的とするところは、低い溶融粘度を有し、
溶融塗工性及び接着力と凝集力とに優れ、しかも熱溶融
時の粘度安定性及び熱老化後の凝集力安定性にも優れた
アクリル系ホットメルト接着剤組成物を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明のアクリル系ホ
ットメルト接着剤組成物は、二つの発明から構成されて
おり、それにより上記の目的が達成される。すなわち、
第1の発明は、一般式CH2 =CR1 COOR2 (式
中、R1 はH又はCH3 、R2は炭素数2〜18のアルキ
ル基である)で示される(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル(a) 100 重量部と、一般式CH2 =CR3 COO
4 (式中、R3 はH又はCH3 、R4 は重量平均分子
量 2,000〜50,000でガラス転移点が50℃以上の非重合性
ポリマー状セグメントである)で示される重合性ポリマ
ー(b) 5〜30重量部とを主成分とするラジカル共重合体
100 重量部と、ベンジリデンソルビトール誘導体(c)0.5
〜15重量部と、金属石鹸(d)0.08 〜1重量部とからなる
アクリル系ホットメルト接着剤組成物に、下記の一般式
で示されるホスファイト化合物又はホスフォナイト化合
物の中から選ばれる少なくとも一種の化合物(e) が適量
含有されている。
【0010】
【化13】
【0011】
【化14】
【0012】
【化15】
【0013】
【化16】
【0014】
【化17】
【0015】
【化18】
【0016】第2の発明は、一般式CH2 =CR1 CO
OR2 (式中、R1 はH又はCH3 、R2 は炭素数2〜
18のアルキル基である)で示される(メタ)アクリル酸
アルキルエステル(a) 100 重量部と、一般式CH2 =C
3 COOR4 (式中、R3 はH又はCH3 、R4 は重
量平均分子量 2,000〜50,000でガラス転移点が50℃以上
の非重合性ポリマー状セグメントである)で示される重
合性ポリマー(b) 5〜30重量部とを主成分とするラジカ
ル共重合体100 重量部と、ベンジリデンソルビトール誘
導体(c)0.5〜15重量部とからなるアクリル系ホットメル
ト接着剤組成物に、脂環式エポキシ樹脂(f)0.08 〜10重
量部と、下記の一般式で示されるホスファイト化合物又
はホスフォナイト化合物の中から選ばれる少なくとも一
種の化合物(e) が適量含有されている。
【0017】
【化19】
【0018】
【化20】
【0019】
【化21】
【0020】
【化22】
【0021】
【化23】
【0022】
【化24】
【0023】なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ルという表現は、アクリル酸アルキルエステル及びメタ
クリル酸アルキルエステルの双方を含ませるために用い
られており、以下の記載においても、同様に(メタ)ア
クリルは、アクリル及びメタクリルの双方を含むものと
する。
【0024】第1及び第2の発明に用いられる(メタ)
アクリル酸アルキルエステル(a) としては、(メタ)ア
クリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メ
タ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル
酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メ
タ)アクリル酸ラウリル等が挙げられる。これらの(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルは、単独で使用しても
よく、二種類以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
【0025】なお、上記(メタ) アクリル酸アルキルエ
ステルのうち、アクリル酸n−ブチル及びアクリル酸2
−エチルヘキシルが好適に用いられる。第1及び第2の
発明に用いられる重合性ポリマー(b) は、マクロモノマ
ーとも呼ばれており、分子の一方の末端に(メタ)アク
リロイル基を有し、他方の末端にR4で示す非重合性ポリ
マー状セグメントを有する。そして、この非重合性ポリ
マー状セグメントは、重量平均分子量が2,000〜50,000
でガラス転移点が50℃以上である。
【0026】上記非重合性ポリマー状セグメントの重量
平均分子量が小さすぎると、得られる接着剤が軟らかく
なり塗布固化直後の凝集力が低下する。逆に、非重合性
ポリマー状セグメントの重量平均分子量が大きすぎる
と、この重合性ポリマーの反応性が低下する。
【0027】それゆえ、R4で示す非重合性ポリマー状セ
グメントの重量平均分子量は2,000〜50,000に限定さ
れ、さらに好ましくは5,000 〜20,000である。また、上
記非重合性ポリマー状セグメントのガラス転移点が低く
なりすぎると、得られる接着剤が軟らかくなり塗布固化
直後の凝集力が低下するので、そのガラス転移点は50℃
以上に限定される。
【0028】重合性ポリマー(b) において、R4で示す非
重合性ポリマー状セグメントとしては、ポリスチレン及
びその誘導体、ポリメチルメタクリレート及びその誘導
体、スチレン−アクリロニトリル共重合体等が好適に用
いられる。このような重合性ポリマーは、例えば米国特
許第3786116 号明細書、米国特許第3842059 号明細書、
特開昭60-133007 号公報に開示されている方法により製
造することができる。また、かかる重合性ポリマーは市
販されている。
【0029】上記重合性ポリマー(b) の使用量は、(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル(a) 100 重量部に対し
て、5〜30重量部、好ましくは8〜25重量部である。5
重量部未満では塗布硬化後の初期凝集力が低く、逆に30
重量部を越える場合には溶融粘度が高くなり過ぎて塗布
性及び接着性が低下する。
【0030】なお、上記の(メタ)アクリル酸アルキル
エステル(a) 及び重合性ポリマー(b) とともに、凝集力
を向上させる目的で、それ自体を単独重合した場合にガ
ラス転移点が0℃以上の重合体となるようなビニル系モ
ノマーを少量使用してもよい。
【0031】このようなビニル系モノマーとしては、メ
タクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メ
タ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イ
ソボロニル、スチレン、(メタ)アクリルアミド、(メ
タ)アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン等が挙げ
られる。
【0032】上記の(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル(a) と重合性ポリマー(b) と、必要に応じて上記のビ
ニル系モノマーとをラジカル共重合することにより、ラ
ジカル共重合体が得られる。このラジカル共重合体の重
量平均分子量は、100,000 〜800,000 が好ましく、より
好ましくは150,000 〜700,000 である。重量平均分子量
が100,000 未満では、接着固化直後の初期凝集力が低く
なり、逆に800,000 を越えると、塗布作業時の粘度が高
くなり過ぎ、作業性が低下する。
【0033】上記ラジカル共重合体を製造する方法とし
ては、例えば、溶液重合法や塊状重合法等により製造す
ることができる。共重合に際しては、ラジカル重合開始
剤としてパーオキサイド系又はアゾ系化合物を用いるの
が普通であるが、光または放射線等を照射して重合して
もよい。また、分子量を調整するために、適当な連鎖移
動剤、例えばラウリルメルカプタン等のメルカプタン類
を用いてもよい。
【0034】第1及び第2の発明に用いられるベンジリ
デンソルビトール誘導体(c) としては、ソルビトールと
芳香族アルデヒドとの脱水縮合物であるジベンジリデン
ソルビトール及びメチル置換、エチル置換ジベンジリデ
ンソルビトールやトリベンジリデンソルビトール及びメ
チル置換、エチル置換トリベンジリデンソルビトール、
例えば1,3:2,4 −ジベンジリデンソルビトール、1,3:2,
4 −p,p'−ジトルイリデンソルビトール、1,3:2,4 −ビ
ス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4:5,
6 −トリベンジリデンソルビトール等が挙げられる。
【0035】これ等のベンジリデンソルビトール誘導体
(c) の使用量は、上記ラジカル共重合体100 重量部に対
して0.5 〜15重量部、好ましくは1〜13重量部である。
0.5重量部未満では凝集力が低く、15重量部を越えると
ホットメルト接着剤に必要なオープンタイムが充分にと
れなくなる。
【0036】また、第1の発明に用いられる金属石鹸
(d) とは、脂肪酸のカルシウム塩やバリウム塩等のアル
カリ土類金属塩、脂肪酸のナトリウム塩やカリウム塩等
のアルカリ金属塩である。この場合の脂肪酸としては、
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、ベヘニン酸等が挙げられる。
【0037】これ等の金属石鹸(d) の使用量は、上記ラ
ジカル共重合体100 重量部に対して0.08〜1重量部、好
ましくは0.1 〜0.8 重量部である。0.08重量部未満では
熱老化後の凝集力が低下し、1重量部を越えると溶融粘
度の安定性が低下する。
【0038】また、第2の発明に用いられる脂環式エポ
キシ樹脂(f) とは、シクロヘキセン環の二重結合を酸化
してエポキシ化したエポキシシクロヘキシル骨格を有す
るエポキシ樹脂である。このようなエポキシ樹脂として
は、例えば、
【0039】
【化25】
【0040】
【化26】
【0041】
【化27】
【0042】
【化28】
【0043】等が挙げられる。これ等の脂環式エポキシ
樹脂(f) の使用量は、上記ラジカル共重合体100 重量部
に対して0.08〜10重量部、好ましくは0.1 〜8重量部で
ある。0.08重量部未満では熱老化後の凝集力が低下し、
10重量部を越えるとその量に見合うだけの熱老化後の凝
集力が向上せず、増量する意味がない。
【0044】さらに、第1及び第2の発明に用いられる
ホスファイト化合物又はホスフォナイト化合物のうち、
前記の一般式(I)で示される化合物(e) は、ジアルキ
ルペンタエリスリトールジホスファイト誘導体であり、
例えばジオクタデシルペンタエリスリトールジホスファ
イト、ジトリデシルペンタエリスリトールジホスファイ
ト等が挙げられる。
【0045】また、前記の一般式(II)で示される化
合物(e) は、ジフェニルペンタエリスリトールジホスフ
ァイト誘導体であり、例えばビス(2−t−ブチル−4
−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ
ト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニ
ルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等が
挙げられる。
【0046】また、前記の一般式(III)で示される
化合物(e) は、トリフェニルホスファイト誘導体であ
り、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(モノ
ノニルフェニル)ホスファイト、ビス(ジノニルフェニ
ル)モノノニルフェニルホスファイト、ビス(モノノニ
ルフェニル)ジノニルフェニルホスファイト等が挙げら
れる。
【0047】また、前記の一般式(IV)で示される化
合物(e) は、ジフェニルアルキルホスファイト誘導体で
あり、例えばジフェニルオクチルホスファイト、ジフェ
ニルデシルホスファイト等が挙げられる。
【0048】また、前記の一般式(V)で示される化合
物(e) は、分子中にホスファイト骨格を有するホスファ
イト化合物であり、例えば、
【0049】
【化29】
【0050】
【化30】
【0051】
【化31】
【0052】
【化32】
【0053】が挙げられる。また、前記の一般式(V
I)で示される化合物(e) は、テトラキス(フェニル)
ビフェニレンホスフォナイト誘導体であり、例えばテト
ラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4'−ビ
フェニレンホスフォナイトが挙げられる。
【0054】これ等のホスファイト化合物又はホスフォ
ナイト化合物の使用量は、用いる化合物の種類及び組合
わせにより異なる。これ等の化合物が少なすぎると溶融
粘度の安定性が向上せず、逆にこれ等の化合物が多すぎ
ると熱老化後の凝集力が低下する。したがって、使用量
は、実験によりその適量が定められる。
【0055】例えば、一般式(I)で示される化合物
(e) を単独で用いる場合は、ラジカル共重合体100 重量
部に対して、0.05〜2重量部、好ましくは0.1 〜1.5 重
量部である。一般式(II)で示される化合物(e) を単
独で用いる場合は、ラジカル共重合体100 重量部に対し
て0.1 〜3重量部、好ましくは0.1 5 〜2重量部であ
る。
【0056】また、一般式(III)で示される化合物
(e) を単独で用いる場合は、ラジカル共重合体100 重量
部に対して、0.3 〜5重量部、好ましくは0.5 〜3重量
部である。一般式(IV)で示される化合物(e) を単独
で用いる場合は、ラジカル共重合体100 重量部に対し
て、0.2 〜4重量部、好ましくは0.4 〜2.5 重量部であ
る。
【0057】また、一般式(V)で示される化合物(e)
を単独で用いる場合は、ラジカル共重合体100 重量部に
対して、0.05〜2重量部、好ましくは0.1 〜1.5 重量部
である。一般式(VI)で示される化合物(e) を単独で
用いる場合は、ラジカル共重合体100 重量部に対して、
0.1 〜2重量部、好ましくは0.2 〜1.5 重量部である。
【0058】前記のラジカル共重合体にベンジリデンソ
ルビトール誘導体(c) 、金属石鹸(d) 又は脂環式エポキ
シ樹脂(f) 、及びホスファイト化合物又はホスフォナイ
ト化合物の中から選ばれる少なくとも一種の化合物(e)
の各成分を配合する方法としては、例えばラジカル共重
合体に各成分を混合し、これを加熱溶融して混練する方
法、或いはラジカル共重合体及び各成分をトルエンやメ
チルエチルケトン等の有機溶剤に溶解して混合した後、
有機溶剤を揮発させる方法等が採られる。
【0059】なお、上記の各成分には、幅広い接着特性
を付与するために、必要に応じて可塑剤、粘着付与剤、
充填剤、酸化防止剤など、一般にホットメルト接着剤に
使用されている添加剤を配合してもよい。こうして、こ
の発明のアクリル系ホットメルト接着剤組成物が得られ
る。
【0060】
【作用】第1の発明においては、(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステル(a) と重合性ポリマー(b) とを主成分と
するラジカル共重合体に、ベンジリデンソルビトール誘
導体(c) と金属石鹸(d) とが配合されており、また第2
の発明においては、(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル(a) と重合性ポリマー(b) とを主成分とするラジカル
共重合体に、ベンジリデンソルビトール誘導体(c) が配
合されている。それゆえ、前記した従来のアクリル系ホ
ットメルト接着剤組成物と同様な作用により、低い溶融
粘度を有し、溶融塗工性及び接着力と凝集力とに優れ
る。
【0061】さらに、第1の発明においては、特定のホ
スファイト化合物又はホスフォナイト化合物の中から選
ばれる少なくとも一種の化合物(e) が適量配合されてお
り、このような化合物(e) は、酸化防止剤(ハイドロパ
ーオキサイド分解剤)として作用し、熱溶融時に上記の
ラジカル共重合体の酸化劣化の際に生成するハイドロパ
ーオキサイドを分解し、ラジカルの発生を抑える。その
結果、酸化劣化の連鎖反応の進行が効果的に抑制され、
溶融粘度の安定性が向上するものと推察される。
【0062】また、第1の発明では、金属石鹸(d) が配
合されており、この金属石鹸(d) は弱アルカリ性であ
り、ホスファイト化合物又はホスフォナイト化合物の中
から選ばれる少なくとも一種の化合物(e) の分解により
生成する燐酸や亜燐酸などの酸成分が中和され、酸成分
によるベンジリデンソルビトール誘導体(c) の加水分解
等の分解反応が抑制される。その結果、熱老化後の耐熱
凝集力の低下が防止されるものと推察される。
【0063】第2の発明においては、第1の発明と同様
に特定のホスファイト化合物又はホスフォナイト化合物
の中から選ばれる少なくとも一種の化合物(e) が酸化防
止剤(ハイドロパーオキサイド分解剤)として作用し、
酸化劣化の連鎖反応の進行が効果的に抑制され、溶融粘
度の安定性が向上するものと推察される。
【0064】また、第2の発明では、脂環式エポキシ樹
脂(f) が適量配合されており、この脂環式エポキシ樹脂
(f) が、ホスファイト化合物又はホスフォナイト化合物
の中から選ばれる少なくとも一種の化合物(e) の分解に
より生成する燐酸や亜燐酸などの酸成分と反応してこの
酸成分が捕捉され、酸成分によるベンジリデンソルビト
ール誘導体(c) の加水分解等の分解反応が抑制される。
その結果、熱老化後の耐熱凝集力の低下が防止されるも
のと推察される。
【0065】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例を示す。ラジカル共重合体の製造 セパラブルフラスコに、酢酸エチル100 重量部を入れ、
表1〜表24に共重合組成として示した所定重量部の共重
合成分〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a) 、重
合性ポリマー(b) 、メタクリル酸メチル〕を添加し、さ
らに連鎖移動剤としてラウリルメルカプタン0.15重量部
を添加し、均一に混合した後昇温し、酢酸エチル還流下
においてアゾビスイソブチロニトリルを1時間ごとに0.
01重量部添加し、6時間ラジカル共重合を行い、表1〜
表24に示す各共重合体の溶液を得た。この共重合体の重
量平均分子量(GPC法によるポリスチレン換算分子
量)を表1〜表24に示した。
【0066】ホットメルト接着剤組成物の製造 この共重合体の溶液の溶剤を揮発させた後、この共重合
体に、表1〜表24に示した所定重量部の配合剤〔ベンジ
リデンソルビトール誘導体(c) 、金属石鹸(d)、ホスフ
ァイト化合物又はホスフォナイト化合物(e) 、脂環式エ
ポキシ樹脂(f)、粘着付与樹脂、フェノール系酸化防止
剤、チオエーテル系酸化防止剤〕を配合し、窒素雰囲気
下190 ℃で4時間加熱混練し、合計196 種(実施例1〜
96及び比較例1〜100 )のホットメルト接着剤組成物を
作製した。
【0067】ホットメルト接着剤組成物の物性測定 このホットメルト接着剤組成物について、下記の方法で
溶融粘度、凝集力及び接着力の測定を行った。その結果
を表1〜表24に示した。 (1) 溶融粘度 B型粘度計(東京計器製)を使用し、回転数:2.5 rpm
、ローター:♯HH4で、190 ℃における初期の溶融
粘度及び24時間経過後の溶融粘度を測定し、熱溶融時の
粘度安定性を評価した。 (2) 凝集力 ホットメルト接着剤組成物を1cm×1cm×1cm角に切断
した試験片を、垂直に保持したアルミニウム板に貼り付
け、80℃のオーブン中で12時間放置した後の試験片の垂
れ長さを測定し、これを凝集力とした。また、190 ℃で
24時間放置した後のホットメルト接着剤組成物を用い、
上記と同様の試験を行い、熱老化後の凝集力安定性を評
価した。 (3) 接着力 厚さ1.5 mm×幅2cm×長さ7cmのポリカーボネート板
に、ホットメルト接着剤組成物を190 ℃で溶融させてホ
ットメルト塗布し、この接着剤の厚みが1mm、面積が20
mm×10mmとなるように、2枚の上記ポリカーボネート板
を貼り合わせて試験片を作成した。この試験片23℃にお
ける剪断引張り強度(引張り速度50mm/分)を測定し、
これを接着力とした。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】
【0072】
【表5】
【0073】
【表6】
【0074】
【表7】
【0075】
【表8】
【0076】
【表9】
【0077】
【表10】
【0078】
【表11】
【0079】
【表12】
【0080】
【表13】
【0081】
【表14】
【0082】
【表15】
【0083】
【表16】
【0084】
【表17】
【0085】
【表18】
【0086】
【表19】
【0087】
【表20】
【0088】
【表21】
【0089】
【表22】
【0090】
【表23】
【0091】
【表24】
【0092】・表中の1)は、2−ポリスチリルエチルメ
タクリレートで、サートマー社製の商品名「マクロマー
13K−PSMA」(重量平均分子量13000 、ガラス転
移点100 ℃)である。 ・表中の2)は、1,3:2,4 −p,p'−ジベンジリデンソルビ
トールで、新日本理化社製の商品名「ゲルオールD」で
ある。 ・表中の3)は、1,3:2,4 −p,p'−ジトルイリデンソルビ
トールで、新日本理化社製の商品名「ゲルオールMD」
である。 ・表中の4)は、1,3:2,4 −ビス(p−エチルベンジリデ
ン)ソルビトールで、三井東圧化学社製の商品名「NC
−4」である。 ・表中の5)は、1,3:2,4:5,6 −トリベンジリデンソルビ
トールで、新日本理化社製の商品名「ゲルオールT」で
ある。 ・表中の6)は、アデカアーガス化学社製の商品名「MA
RK PEP −8」である。 ・表中の7)は、アデカアーガス化学社製の商品名「MA
RK PEP −13」である。 ・表中の8)は、三井石油化学社製の商品名「FTR 61
10」である。 ・表中の9)はアデカアーガス化学社製の商品名「MAR
K AO−60」である。 ・表中の10) は、アデカアーガス化学社製の商品名「M
ARK PEP −36」である。 ・表中の11) は、アデカアーガス化学社製の商品名「M
ARK PEP −24G 」である。 ・表中の12) はアデカアーガス化学社製の商品名「MA
RK 329K」である。 ・表中の13) はアデカアーガス化学社製の商品名「MA
RK 1178」である。 ・表中の14) はアデカアーガス化学社製の商品名「MA
RK 135A」である。 ・表中の15) は、アデカアーガス化学社製の商品名「M
ARK C」である。 ・表中の16) は、ホスファイト化合物で、アデカアーガ
ス化学社製の商品名である。 ・表中の17) は、ホスファイト化合物で、アデカアーガ
ス化学社製の商品名である。 ・表中の18) は、ホスフォナイト化合物で、サンド社製
の商品名「Sandostab PEP −Q 」である。 ・表中の19) は、脂環式エポキシ樹脂で、ユニオンカー
バイド社製の商品名「ERL 4221 」である。 ・表中の20) は、脂環式エポキシ樹脂で、ユニオンカー
バイド社製の商品名「ERL 4299 」である。 ・表中の21) は、アデカアーガス化学社製の商品名「M
ARK AO−412S」である。
【0093】
【発明の効果】上述の通り、この発明のアクリル系ホッ
トメルト接着剤組成物は、(メタ)アクリル酸アルキル
エステル(a) と重合性ポリマー(b) とを主成分とするラ
ジカル共重合体に、ベンジリデンソルビトール誘導体
(c) が配合されており、それにより低い溶融粘度を有
し、溶融塗工性及び接着力と凝集力が優れる。
【0094】さらに、金属石鹸(d) 或いは脂環式エポキ
シ樹脂(f)とともに、特定のホスファイト化合物又はホ
スフォナイト化合物の中から選ばれる少なくとも一種の
化合物(e) が適量配合されており、それにより溶融粘度
の安定性及び熱老化後の凝集力も優れる。
【0095】したがって、この発明のアクリル系ホット
メルト接着剤組成物は、連続的に安定した塗工ができ、
また、耐熱性も良好で、ホットメルト接着剤として有用
である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式CH2 =CR1 COOR2(式
    中、R1 はH又はCH3 、R2 は炭素数2〜18のアルキ
    ル基である)で示される(メタ)アクリル酸アルキルエ
    ステル(a) 100 重量部と、一般式CH2 =CR3 COO
    4 (式中、R3 はH又はCH3 、R4 は重量平均分子
    量 2,000〜50,000でガラス転移点が50℃以上の非重合性
    ポリマー状セグメントである)で示される重合性ポリマ
    ー(b) 5〜30重量部とを主成分とするラジカル共重合体
    100 重量部と、ベンジリデンソルビトール誘導体(c)0.5
    〜15重量部と、金属石鹸(d)0.08 〜1重量部とからなる
    アクリル系ホットメルト接着剤組成物に、 下記の一般式で示されるホスファイト化合物又はホスフ
    ォナイト化合物の中から選ばれる少なくとも一種の化合
    物(e) が適量含有されていることを特徴とするアクリル
    系ホットメルト接着剤組成物。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】
  2. 【請求項2】 一般式CH2 =CR1 COOR2(式
    中、R1 はH又はCH3 、R2 は炭素数2〜18のアルキ
    ル基である)で示される(メタ)アクリル酸アルキルエ
    ステル(a) 100 重量部と、一般式CH2 =CR3 COO
    4 (式中、R3 はH又はCH3 、R4 は重量平均分子
    量 2,000〜50,000でガラス転移点が50℃以上の非重合性
    ポリマー状セグメントである)で示される重合性ポリマ
    ー(b) 5〜30重量部とを主成分とするラジカル共重合体
    100 重量部と、ベンジリデンソルビトール誘導体(c)0.5
    〜15重量部とからなるアクリル系ホットメルト接着剤組
    成物に、 脂環式エポキシ樹脂(f) 0.08〜10重量部と、下記の一般
    式で示されるホスファイト化合物又はホスフォナイト化
    合物の中から選ばれる少なくとも一種の化合物(e) が適
    量含有されていることを特徴とするアクリル系ホットメ
    ルト接着剤組成物。 【化7】 【化8】 【化9】 【化10】 【化11】 【化12】
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011053792A2 (en) 2009-10-30 2011-05-05 Intratus, Inc. Methods and compositions for sustained delivery of drugs

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