JPH0551551A - 自動車用塗料組成物 - Google Patents

自動車用塗料組成物

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JPH0551551A
JPH0551551A JP21356091A JP21356091A JPH0551551A JP H0551551 A JPH0551551 A JP H0551551A JP 21356091 A JP21356091 A JP 21356091A JP 21356091 A JP21356091 A JP 21356091A JP H0551551 A JPH0551551 A JP H0551551A
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JP
Japan
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mol
curing agent
vinyl
hexafluoropropylene
coating composition
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Application number
JP21356091A
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English (en)
Inventor
Yoshiki Shimizu
義喜 清水
Susumu Wada
進 和田
Masayuki Oka
正之 岡
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車の上塗り塗料に要求される諸性能をバ
ランスよく有し、かつそれらがいずれも優れている塗料
組成物を提供する。 【構成】 ヘキサフルオロプロピレン単位とカルボキシ
ル基含有ビニル単量体単位と硬化反応性部位を有するビ
ニル単量体単位を必須の構造単位とする有機溶剤可溶性
のヘキサフルオロプロピレン共重合体および硬化剤を含
有する自動車用塗料組成物。 【効果】 使用可能な硬化剤の幅が広く、かつえられる
塗膜が外観、耐汚染性、耐候性、撥水性保持率、耐酸性
などに優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車用塗料組成物に関
し、さらに詳しくは、耐候性、耐汚染性、撥水保持性に
優れ、長期間良好な外観を維持できるトップコートを与
える自動車用塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用上塗り塗料として、従来アルキ
ッド/メラミン樹脂塗料、アクリルメラミン樹脂塗料な
どが使用されているが、これらは耐候性や耐久性の点で
必ずしも充分ではない。
【0003】それらの点を改善するべく特開昭58-13662
5 号公報で塗装作業性の向上も考慮した含フッ素共重合
体が提案されている。この共重合体は、耐候性試験後の
光沢保持率は高いものの、フッ素樹脂の利点である撥水
性が著しく低下しており、また耐汚染性も優れていると
はいえず、自動車用上塗り塗料として必ずしも好ましい
ものではない。
【0004】さらに、特開昭61-275311 号および特開昭
62-292848 号各公報に、ヘキサフルオロプロピレンを使
用した共重合体を含有する組成物が記載されているが、
実際に使用するばあいの硬化剤の選択の幅が狭く、透明
な塗膜がえられないばあいもあり、必ずしも満足のいく
ものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の自
動車用塗料組成物、特に上塗り塗料組成物は耐候性や耐
久性および硬化剤相溶性にバランスのとれたものはな
い。
【0006】本発明は、硬化剤相溶性に優れ、かつ塗膜
外観、耐汚染性、耐候性、撥水保持率、耐酸性、耐スリ
傷性などの塗膜性能に優れた塗膜を与え、しかもこれら
の性質がバランスよく保たれている自動車用塗料組成物
を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の自動車用塗料組
成物は、ヘキサフルオロプロピレン単位とカルボキシル
基含有ビニル単量体単位と硬化反応性部位を有するビニ
ル単量体単位を必須の構造単位とする有機溶剤可溶性の
ヘキサフルオロプロピレン共重合体および硬化剤を含有
するものである。
【0008】
【実施例】本発明において、含フッ素共重合体のフルオ
ロオレフィン単位としてフッ素含有率の大きいヘキサフ
ルオロプロピレンが使用されているので、長期の使用に
対して撥水性の低下を低く抑えることができる。
【0009】また、自動車用のトップコートとして特に
問題となる塗膜への汚染物質の付着防止や耐スリ傷性
が、塗膜のガラス転移点(Tg)に主として依存し、Tgが
高いほどそれらの性質の優れることが知られている(特
開平2-283747号公報)。本発明においては、この問題に
対し、汎用のフルオロオレフィンのうちで最も構造的に
Tgが高くなるヘキサフルオロプロピレンを使用するとと
もに、カルボキシル基含有ビニル単量体を共重合するこ
とにより、えられる含フッ素共重合体のTgおよび硬化性
を高め、より一層硬い塗膜を与えることができる。
【0010】本発明で用いる好適な含フッ素共重合体
は、ヘキサフルオロプロピレン単位30〜70モル%、好ま
しくは40〜60モル%、カルボキシル基含有ビニル単量体
単位0.01〜10モル%、好ましくは0.2 〜4モル%、硬化
反応性部位を有するビニル単量体単位5〜30モル%、好
ましくは10〜25モル%、要すれば他の共重合可能な単量
体0〜70モル%、好ましくは10〜60モル%からなるもの
である。
【0011】ヘキサフルオロプロピレン単位が前記範囲
よりも少なければ汚染性および撥水性低下の原因とな
り、多ければ硬化剤との相溶性が減じる結果となる。
【0012】カルボキシル基含有ビニル単量体単位とし
ては、たとえばクロトン酸、マレイン酸、アクリル酸、
メタクリル酸、イタコン酸、ビニル酢酸などに由来する
ものがあげられ、前記範囲よりも少ないと硬化剤との相
溶性および顔料に対する分散性が低下し、多いと耐水性
の低下を招くことになる。
【0013】硬化反応性部位を有するビニル単量体単位
としては、硬化反応性部位が水酸基、エポキシ基、シリ
ル基であるものであり、硬化反応性部位が水酸基である
単量体としては、たとえば式(I) : CH2 = CHR1 (I) (式中、R1 は -OR2 または -CH2 OR2 (ただし、R2
は水酸基を有するアルキル基である))で表わされるヒ
ドロキシアルキルビニルエーテルやヒドロキシアルキル
アリルエーテルがあげられる。R2 としては、たとえば
炭素数1〜8の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基に1
〜3個、好ましくは1個の水酸基が結合したものであ
る。これらの例としては、たとえば2-ヒドロキシエチル
ビニルエーテル、3-ヒドロキシプロピルビニルエーテ
ル、2-ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2-ヒドロキ
シ-2- メチルプロピルビニルエーテル、4-ヒドロキシブ
チルビニルエーテル、4-ヒドロキシ-2- メチルブチルビ
ニルエーテル、5-ヒドロキシペンチルビニルエーテル、
6-ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、2-ヒドロキシエ
チルアリルエーテル、4-ヒドロキシブチルアリルエーテ
ル、グリセロールモノアリルエーテルなどがあげられ
る。
【0014】そのほか、硬化反応性部位を有するビニル
単量体としては、たとえば特開平2-232250号公報、特開
平2-232251号公報に記載されているエポキシ基含有ビニ
ル単量体、あるいは特開昭61-141713 号公報などに記載
されているシリル基含有ビニル単量体があげられる。
【0015】エポキシ基含有ビニル単量体としては、た
とえば式(II):
【0016】
【化1】
【0017】で表わされるエポキシビニルまたはエポキ
シビニルエーテルがあげられる。これらの例としては、
たとえば
【0018】
【化2】
【0019】などがあげられる。
【0020】シリル基含有ビニル単量体の具体例として
は、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルメチルジメ
トキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニル
メチルジエトキシシラン、ビニルトリス(β- メトキシ
エトキシ)シラン、トリメトキシシリルエチルビニルエ
ーテル、トリエトキシシリルエチルビニルエーテル、ト
リメトキシシリルブチルビニルエーテル、メチルジメト
キシシリルエチルビニルエーテル、トリメトキシシリル
プロピルビニルエーテル、トリエトキシシリルプロピル
ビニルエーテル、ビニルトリイソプロペニルオキシシラ
ン、ビニルメチルジイソプロペニルオキシシラン、トリ
イソプロペニルオキシシリルエチルビニルエーテル、ト
リイソプロペニルオキシシリルプロピルビニルエーテ
ル、トリイソプロペニルオキシシリルブチルビニルエー
テル、ビニルトリス(ジメチルイミノオキシ)シラン、
ビニルトリス(メチルエチルイミノオキシ)シラン、ビ
ニルメチルビス(ジメチルイミノオキシ)シラン、ビニ
ルジメチル(ジメチルイミノオキシ)シラン、トリス
(ジメチルイミノオキシ)シリルエチルビニルエーテ
ル、メチルビス(ジメチルイミノオキシ)シリルエチル
ビニルエーテル、トリス(ジメチルイミノオキシ)シリ
ルブチルビニルエーテル、γ-(メタ)アクリロイルオキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロイ
ルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アク
リロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-
(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリイソプロペニ
ルオキシシラン、γ-(メタ)アクリロイルオキシプロピ
ルトリス(β- メトキシエトキシ)シラン、γ-(メタ)
アクリロイルオキシプロピルトリス(ジメチルイミノオ
キシ)シラン、アリルトリメトキシシランなどがあげら
れる。
【0021】前記範囲よりも少ないと硬化性が不充分と
なり、物理的・化学的性能が低下し、多いと硬度が過度
になって塗膜がもろくなり好ましくない。
【0022】これらの単量体単位のほかに共重合可能な
他の単量体単位を含有させることができる。共重合可能
な他の単量体としては、たとえばエチルビニルエーテ
ル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、
シクロヘキシルビニルエーテルなどのアルキルビニルエ
ーテル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニ
ル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、バーサチッ
ク酸ビニル、安息香酸ビニル、p-tert- ブチル安息香酸
ビニルなどのビニルエステル;エチレン、プロピレン、
イソブチレンなどのオレフィン類などがあげられる。
【0023】これらの各単量体単位は、それぞれ2種以
上含まれていてもよい。
【0024】特に好ましいヘキサフルオロプロピレン共
重合体は、ヘキサフルオロプロピレン単位30〜70モル
%、好ましくは40〜60モル%、カルボキシル基含有ビニ
ル単量体単位0.01〜10モル%、好ましくは0.5 〜4モル
%、ヒドロキシアルキルビニルエーテル5〜30モル%、
好ましくは10〜25モル%、アルキルビニルエーテル5〜
45モル%、好ましくは10〜40モル%およびビニルエステ
ル5〜45モル%、好ましくは10〜40モル%からなるもの
であり、水酸基価が10〜200mgKOH/g、好ましくは20〜15
0mgKOH/g、酸価が0.1 〜60mgKOH/g 、好ましくは1〜30
mgKOH/g でGPC による数平均分子量(Mn)が3000〜1000
00、好ましくは6000〜50000 のものである。
【0025】数平均分子量が前記範囲よりも小さいと、
えられる塗膜の耐久性が不充分となり、大きすぎると仕
上り塗膜外観が不良となる。水酸基価が前記範囲よりも
小さいと硬化性が不足して塗膜性能が不良となり、一
方、大きくなると効果が過度になりすぎて塗膜が脆くな
る。酸価についても前記範囲よりも小さいと配合可能な
硬化剤種の選択の幅が狭くなり、大きくなりすぎると耐
水性などの塗膜性能が低下してしまう。
【0026】共重合法は、乳化、懸濁または溶液重合法
のいずれでもよく、重合条件は含フッ素共重合体の重合
で通常採用されている範囲で適宜選定すればよい(たと
えば特開昭62-292848 号公報参照)。
【0027】本発明の効果の一つは、前記のごとく、配
合可能な硬化剤の幅が広い点にある。本発明の組成物に
配合可能な硬化剤としては、塗料用に通常用いられてい
るアミノプラスト、イソシアネート化合物、ブロック化
イソシアネート化合物、多塩基酸またはその無水物など
があげられる。アミノプラストとしては、たとえばメラ
ミン、尿素、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、ス
テログアナミン、スピログアナミンなどのアミノ基含有
化合物と、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、
アセトアルデヒド、グリオキザールなどのアルデヒド類
との縮合反応生成物、さらにはこれらアルコール類でエ
ーテル化したものなどがあげられる。特に炭素数1〜4
個のアルコール類で部分的あるいは完全にエーテル化さ
れたアミノプラストが好ましく、その例としてたとえば
ヘキサメチルエーテル化メチロールメラミン、ヘキサブ
チルエーテル化メチロールメラミン、メチルブチル混合
エーテル化メチロールメラミン、メチルエーテル化メチ
ロールメラミン、ブチルエーテル化メチロールメラミ
ン、イソブチルエーテル化メチロールメラミン、それら
の縮合物などがあげられる。
【0028】イソシアネート化合物としては、たとえば
ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメ
チレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート
類;キシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネートなどの環式脂肪族ジイソシアネート類;トリレン
ジイソシアネート、 4,4´- ジフェニルメタンジイソシ
アネートなどの芳香族ジイソシアネート類;これらと多
価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂または水など
との付加物;前記ジイソシアネートの重合体やイソシア
ネート・ビウレット体などがあげられ、これらをブロッ
ク化剤でブロックしたものも用いることができる。
【0029】前記ヘキサフルオロプロピレン共重合体は
汎用の有機溶剤に可溶であり、有機溶媒溶液を形成す
る。好ましい有機溶媒としては、たとえば酢酸エチル、
酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸
セロソルブなどのエステル類;アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンな
どのケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの
環状エーテル類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメ
チルアセトアミドなどのアミド類;トルエン、キシレン
などの芳香族炭化水素類;これらの混合溶媒などがあげ
られる。
【0030】共重合体濃度は5〜95重量%、好ましくは
10〜70重量%である。
【0031】硬化剤の配合量は、前記ヘキサフルオロプ
ロピレン共重合体中の硬化反応性部位( -OH基やエポキ
シ基、シリル基)1当量に対して0.01〜5当量、好まし
くは0.3 〜1.5 当量である。本発明の組成物は通常0〜
200 ℃で数分間ないし10日間程度で硬化させることがで
きる。
【0032】本発明の組成物には、さらに各種の添加剤
を配合することができる。添加剤としては、硬化促進
剤、着色顔料、顔料分散剤、レベリング剤、沈降防止
剤、色分かれ防止剤、消泡剤、ハジキ防止剤、紫外線防
止剤、酸化防止剤などの公知の添加剤があげられる。本
発明の組成物はヘキサフルオロプロピレン共重合体と硬
化剤、必要に応じて他の添加剤を有機溶剤に溶解、分散
させ混合することによって調製することができる。
【0033】本発明の自動車用塗料組成物は、たとえば
着色顔料を配合したソリッドカラー塗料、あるいは着色
顔料を配合しないか、または透明性を失わない程度に配
合したクリア塗料として使用できる。クリア塗料はアク
リルメラミン樹脂塗料などのメタリックベース塗料など
と組合わせて、たとえば2コート1ベークまたは2コー
ト2ベークメタリック塗装を与えることができる。
【0034】こうしてえられた塗膜は、塗膜外観、光沢
保持率、撥水性、耐汚染性などに優れ、かつ変色や混色
しにくいなどの耐候性に特に富むものである。
【0035】つぎに製造例、実施例および比較例をあ
げ、本発明の自動車用塗料組成物を説明するが、本発明
はかかる実施例のみに限定されるものではない。なお、
実施例および比較例中の「部」は「重量部」である。
【0036】製造例 1000mlのステンレス製オートクレーブに酢酸ブチル 340
g、ピバリン酸ビニル(VPi )84g、ヒドロキシブチル
ビニルエーテル(HBVE)40g、エチルビニルエーテル
(EVE )24g、クロトン酸(CA)2gおよびジイソプロ
ピルパーオキシジカーボネート7gを仕込み、0℃に氷
冷したのち減圧下に脱気した。このものにヘキサフルオ
ロプロピレン(6F) 116gを仕込み、撹拌下に40℃に加
熱し、24時間反応させ、反応器内圧が5kg/cm2 Gから
2.1 kg/cm2 G へ下がった時点で反応を停止した(重合
収率92重量%)。えられた硬化性含フッ素共重合体(共
重合体Aという)を19F-NMR 、 1H-NMR および元素分析
法で分析したところ、6F 38.6 モル%、EVE 16.5モル
%、VPi 29.8モル%、HBVE 14.1 モル%およびCA 1.0モ
ル%とからなる共重合体であり、GPCで測定した数平
均分子量(Mn)は8500であった。また、フッ素含有量は
38重量%、水酸基価は63、酸価は4であった。
【0037】比較製造例1〜3 表1に示す単量体を用いたほかは製造例1と同様にして
含フッ素共重合体をえた。えられた共重合体の組成、フ
ッ素含有量、水酸基価、酸価、数平均分子量を表1に示
す。
【0038】
【表1】
【0039】実施例1 製造例でえられたヘキサフルオロプロピレン共重合体A
を酢酸ブチルに溶解して濃度50重量%の樹脂ワニスとし
た。このワニス100 部に対して硬化剤として完全アルキ
ル基型メラミン樹脂(サイメル303 、三井サイナミド
(株)製)またはメチロール基型メラミン樹脂(サイメ
ル370 、三井サイナミド(株)製)を固形分比で7/
3、有機溶剤(ソルベッソ150 、エッソ(株)製)10
部、n-ブタノール2部、レベリング剤(BYK-300 、ビッ
ク・マリンクロット社製)0.2 部および紫外線吸収剤
(チヌビン900 、チバガイギー社製)2部を充分混合し
て塗料組成物を調製した。なお、サイメル303 を配合し
たものを組成物A−1、サイメル370 を配合したものを
組成物A−2とする。
【0040】基材として、リン酸亜鉛の化成処理をした
ダル鋼板(90×300 ×0.8mm )に中塗り塗膜(エポマリ
ン中塗りプライマー、関西ペイント(株)製)を施こし
たものを用いた。この基材に、メタリックベース塗料
(ヒタロイド3004(日立化成工業(株)製)100 部、サ
イメル303 (三井サイナミド(株)製)26部、アルペー
スト1700NL(東洋アルミニウム(株)製)15部、酢酸エ
チル20部および酢酸ブチル80部)を乾燥塗膜の膜厚が20
μmとなるようにエアスプレーで塗装し、3分間室温で
セッティングした。
【0041】組成物A−1およびA−2を酢酸ブチル/
ソルベッソ150 (2/1、重量比)の混合溶剤で No.4
フォードカップで20秒になるように粘度調整し、これら
をメタリックベース塗膜上に乾燥膜厚が35μmとなるよ
うにエアスプレーで塗装し、140 ℃で30分間乾燥してメ
タリック塗装の試験片を作製した。
【0042】各試験片に対し、つぎの塗膜性能を調べ
た。結果を表2に示す。
【0043】(塗膜外観)目視により観察した。 A:透明 B:やや白濁 C:白濁 (PGD値)Potable Gloss Distinctnessの略であり、
塗膜外観を客観的に測定できる。数値が大きい方が塗膜
外観が優れている。(株)日本色彩研究所製の携帯用鮮
明度光沢度計(PGDIV型)で測定した。
【0044】(初期光沢)スガ試験機(株)製のカラー
コンピューターSM-4を用い光沢(60°)で測定した。
【0045】(初期撥水性)対水接触角を協和科学
(株)製のCA−A型接触角計で調べた。
【0046】(耐久性)スガ試験機(株)製のサイシャ
インウェザーメーターにて促進耐候性試験を500 時間行
なったのち、光沢および対水接触角を測定し、光沢保持
率(%)および撥水性保持率(接触角保持率、%)をみ
る。
【0047】(耐汚染性:フェルトペン)赤色のフェル
トペン(サクラペンタッチ(商品名))により10mm×10
mmの面積を塗りつぶし、24時間後にこれをエタノールで
拭きとり、インクの残存状態を目視で観察する。評価は
つぎの段階で行なった。
【0048】A:完全に除去された。 B:わずかに残った。 C:やや残った。 D:殆ど残った。
【0049】(耐汚染性:カーボン汚染性)カーボンブ
ラック(FW200 、デグサ社製)をキムタオルに付け、こ
れで試験片の塗面を拭く。1時間放置後、中性洗剤で付
着しているカーボンブラックを洗い、汚染度を色差計
(カラーコンピューターSM-4、スガ試験機(株)製)で
測定し、ΔEの値で評価する。
【0050】(鉛筆硬度)JIS K 5400に準ずる。
【0051】(塗膜のガラス転移温度)TMA(Therma
l Mechanical Analysis )法により針入モードで実施す
る。
【0052】さらに、強制伸縮振動粘弾性測定装置(バ
イブロン、東洋ボールドウィン(株)製)を用い、振動
周波数11Hzで昇温速度2℃/min にて tanδを測定す
る。
【0053】(耐酸性)試験片上に50%硫酸を滴下し、
80℃の雰囲気中で30分間放置したのち水洗し、24時間室
温にて放置後、目視で観察する。
【0054】比較例1〜3 比較製造例1〜3でそれぞれえられた含フッ素共重合体
(B、C、D)を用いたほかは実施例1と同様にしてワ
ニス、比較用の塗料組成物(B−1、B−2、C−1、
C−2、D−1、D−2。いずれも表2に示す)を調製
し、実施例1と同様にしてメタリック塗装をし、えられ
た各塗膜の性能を調べた。
【0055】結果を表2に示す。
【0056】
【表2】
【0057】実施例2 製造例でえられたヘキサフルオロプロピレン共重合体A
を酢酸ブチルに溶解して濃度50重量%の樹脂ワニスとし
た。このワニス100 部に対して硬化剤としてイソホロン
ジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物(タ
ケネートD140N、タケダ薬品工業(株)製)またはヘキ
サメチレンジイソシアネート−イソシアヌレート(コロ
ネートEH、日本ポリウレタン(株)製)をOH/NCO が1
/1になるように混合し、ついでソルベッソ150 を10
部、酢酸ブチルを10部、レベリング剤を0.2部および紫
外線吸収剤を2部充分混合して塗料組成物を調製した。
なお、タケネートD140N を配合したものを組成物A−
3、コロネートEHを配合したものを組成物A−4とす
る。
【0058】実施例1で用いたものと同じ基材に、メタ
リックベース塗料(ヒタロイド3004/タケネートD140N
/アルペースト1700NL/酢酸エチル/酢酸ブチル= 100
/21/15/20/80)を乾燥塗膜の膜厚が20μmとなるよ
うにエアスプレーで塗装し、3分間室温でセッティング
した。
【0059】組成物A−3およびA−4を酢酸ブチル/
ソルベッソ150 (2/1、重量比)の混合溶剤で No.4
フォードカップで20秒になるように粘度調整し、これら
をメタリックベース塗膜上に乾燥膜厚が35μmとなるよ
うにエアスプレーで塗装し、140 ℃で30分間乾燥してメ
タリック塗装の試験片を作製した。
【0060】各試験片に対し、実施例と同様に塗膜性能
を調べた。結果を表3に示す。
【0061】比較例4〜6 比較製造例1〜3でそれぞれえられた含フッ素共重合体
(B、C、D)を用いたほかは実施例2と同様にしてワ
ニス、比較用の塗料組成物(B−3、B−4、C−3、
C−4、D−3、D−4。いずれも表3に示す)を調製
し、実施例2と同様にしてメタリック塗装をし、えられ
た各塗膜の性能を調べた。
【0062】結果を表3に示す。
【0063】
【表3】
【0064】
【発明の効果】本発明の自動車用塗料組成物は、使用可
能な硬化剤の幅が広く、フッ素含有量が多くかつガラス
転移点の高いヘキサフルオロプロピレン共重合体を用い
ており、塗膜外観、耐汚染性、耐候性、撥水保持率、耐
酸性などの塗膜性能に優れた塗膜を与える。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘキサフルオロプロピレン単位とカルボ
    キシル基含有ビニル単量体単位と硬化反応性部位を有す
    るビニル単量体単位を必須の構造単位とする有機溶剤可
    溶性のヘキサフルオロプロピレン共重合体および硬化剤
    を含有する自動車用塗料組成物。
  2. 【請求項2】 ヘキサフルオロプロピレン共重合体が硬
    化反応性部位として水酸基を有し、硬化剤がイソシアネ
    ート系硬化剤またはメラミン系硬化剤である請求項1記
    載の組成物。
  3. 【請求項3】 ヘキサフルオロプロピレン単位30〜70モ
    ル%、カルボキシル基含有ビニル単量体単位0.01〜10モ
    ル%、ヒドロキシアルキルビニルエーテル単位5〜30モ
    ル%、アルキルビニルエーテル単位5〜45モル%および
    ビニルエステル単位5〜45モル%からなる共重合体とイ
    ソシアネート系硬化剤またはメラミン系硬化剤を含有す
    る自動車用塗料組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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