JPH0551516A - 合成樹脂組成物 - Google Patents

合成樹脂組成物

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JPH0551516A
JPH0551516A JP21087091A JP21087091A JPH0551516A JP H0551516 A JPH0551516 A JP H0551516A JP 21087091 A JP21087091 A JP 21087091A JP 21087091 A JP21087091 A JP 21087091A JP H0551516 A JPH0551516 A JP H0551516A
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JP
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resin
novolac type
ortho
composition
ratio
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JP21087091A
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Kunio Mori
邦夫 森
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 混合安定性に優れた硬化性ノボラック型フェ
ノール樹脂組成物を得る。 【構成】 フェノールとホルムアルデヒドとを酢酸亜鉛
触媒下に反応せしめてなるメチレン結合のオルソ−パラ
比が3.2のノボラック型フェノール樹脂に、硬化剤と
してジビニルベンゼンを、硬化促進剤としてキシレンス
ルホン酸を混合した均一に溶解した組成物(実施例
1)。この組成物を加熱硬化させて硬化物を得る。 【効果】 相溶性に優れ、混合安定性良好な溶液状の組
成物が得られ、硬化時にガスの発生もなく、耐吸水性に
優れた硬化物が得られた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】米国特許第4200706号明細書に
は、フェノールとホルマリンとを反応させて獲られたノ
ボラック型フェノール樹脂に、ジビニルベンゼンを加え
た硬化性樹脂組成物が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記明
細書に記載された組成物は、通常のノボラック型フェノ
ール樹脂を使用しており、これはジビニルベンゼンに溶
解しないため、分散状態の組成物しか得られない。しか
も、分散状態であるために安定性が悪く、経時により分
離してしまうものであった。さらにこの組成物は均一に
硬化することができず、強度等の測定に供せる硬化物が
得られない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記実状に
鑑み鋭意検討したところ、ノボラック型フェノール樹脂
(A)として、芳香環を架橋するメチレン結合のオルソ
−パラ比が3以上のノボラック型フェノール樹脂を用い
ると、ジビニルベンゼン類に極めて容易に溶解し、均一
で安定性に優れた溶液状組成物が得られ、その硬化物
は、優れた強度や耐水性を有することを見い出し、本発
明を完成するに至った。
【0005】即ち本発明は、ノボラック型フェノール樹
脂(A)と、ジビニルベンゼン類(B)を必須成分とし
てなる合成樹脂組成物において、前記ノボラック型フェ
ノール樹脂(A)として、芳香環を架橋するメチレン結
合のオルソ−パラ比が3以上のノボラック型フェノール
樹脂を用いることを特徴とする合成樹脂組成物を提供す
るものである。
【0006】ノボラック型フェノール樹脂のメチレン結
合のオルソ−パラ比は、次の様に定義される。ノボラッ
ク型フェノール樹脂は、フェノール系化合物に由来する
芳香環がメチレン結合により架橋した構造のものである
が、メチレン結合の架橋の仕方がそれぞれの芳香環の水
酸基に対してオルソ位同志で架橋している場合と、オル
ソ位とパラ位とで架橋している場合と、パラ位同志とで
架橋している場合の3通りがある。この様に芳香環の水
酸基に対してパラ位とパラ位同志で架橋しているメチレ
ン結合数と、オルソ位とパラ位とで架橋しているメチレ
ン結合数の1/2の和に対する、オルソ位同志で架橋し
ているメチレン結合数と、オルソ位とパラ位とで架橋し
ているメチレン結合数の1/2との和との比がオルソ−
パラ比である(以下、単にO/P比という。)。
【0007】即ち、O/P比は次式で表わされる。 O/P比={(オルソ位同志で架橋しているメチレン結
合数)+(オルソ位とパラ位とで架橋しているメチレン
結合数の1/2)}/{(パラ位同志で架橋しているメ
チレン結合数)+(オルソ位とパラ位とで架橋している
メチレン結合数の1/2)} 用いるノボラック型フェノール樹脂のメチレン結合数及
びその結合形式は、公知慣用の方法、例えば赤外線吸収
スペクトル、核磁気共鳴スペクトル、ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィー等の方法で、メチレン結合数及
びその結合形式が同定された標準物質により予めそれぞ
れの吸収位置と強度を確認のうえ、その吸収位置と吸収
強度から求めることができる。
【0008】本発明では、上記O/P比が3以上のノボ
ラック型フェノール樹脂を用いることが特徴である〔以
下、この樹脂を単に樹脂(A)という〕。樹脂(A)と
しては、メチレン結合のみにてフェノール系化合物が架
橋された構造のものは勿論のこと、メチレン結合とジメ
チレンエーテル結合を両方とも有しそれらにより架橋さ
れた構造よりなるものも含まれる。
【0009】ノボラック型フェノール樹脂一分子中に含
まれるメチレン結合数が、全て芳香環の水酸基のオルソ
位同志で架橋している構造のものの場合、このノボラッ
ク型フェノール樹脂は、O/P比が無限大のノボラック
型フェノール樹脂である。
【0010】異なるO/P比のノボラック型フェノール
樹脂を混合して用いる場合は、全体として、O/P比が
3以上となる様にしてから用いることが好ましい。樹脂
(A)としては、O/P比ができるだけ大きいもの、な
かでも4〜7のものが好ましい。
【0011】このようなノボラック型フェノール樹脂と
しては、一般的にはハイオルソノボラック型フェノール
樹脂と呼称されて市販されているものがいずれも使用で
きる。
【0012】本発明で用いられる樹脂(A)の分子量は
特に限定するものではないが、数平均分子量が300〜200
0 のものが好ましく、中でも400〜900のものが特に好ま
しい。 樹脂(A)の製造方法は特に制限されるもので
はないが、例えばホルムアルデヒド供給物質とフェノー
ル類とを、必要に応じて触媒の存在下、そのモル比が
0.7〜1.0となる様にして反応せしめることによ
り、容易に得ることができる。
【0013】本発明で用いられるフェノール類として
は、公知慣用のものがいずれも使用できるが、例えばフ
ェノールや、ビスフェノールF、ビスフェノールA、ビ
スフェノールAF等のビスフェノール類、クレゾール、
P−ターシャリーブチルフェノールのごときアルキル置
換フェノール類、ブロモフェノール等のハロゲノフェノ
ール類、レゾルシン等のフェノール性水酸基を2個以上
含有する芳香族炭化水素、1−ナフトール、2−ナフト
ール、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒ
ドロキシナフタレン等のナフトール類等が挙げられる。
これらのフェノール類は単独のみならず、これらの化合
物を2種類以上を混合して使用してもよい。
【0014】ホルムアルデヒド供給物質としては、公知
のものがいずれも使用できるが、例えばホルムアルデヒ
ド水溶液や、パラホルムアルデヒドが使用できる。樹脂
(A)を得るための触媒は、特に制限されないが、例え
ば酢酸亜鉛、ホウ酸マンガン等の金属塩、酸化鉛、酸化
亜鉛等の金属酸化物が挙げられる。
【0015】樹脂(A)を製造するに当たっては、フェ
ノール類に必要に応じて、更にフルフラール、尿素、メ
ラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等を併用
してもよい。
【0016】上記反応は有機溶剤の存在下で行ってもよ
いし、得られた反応生成物に有機溶剤を加えてもよい
が、有機溶剤の存在下で上記反応を行ったほうが、オル
ソ−パラ比の大きい樹脂(A)が得られ易い。
【0017】この際に用いる有機溶剤は、特に限定され
ないが、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
が好ましい。上記反応は、バッチ釜で行ってもよいが、
静的混合要素を有する管状反応器中で行ってもよい。
【0018】樹脂(A)は単独で使用してもよいが、異
なる数種類のものを混合して使用することも可能であ
る。樹脂(A)としては、触媒として用いた金属塩や金
属酸化物が残留していても使用することができるが、硬
化促進剤を用いる場合には、それが残留する金属化合物
によって消費されるので、性能的にも触媒の残留量がで
きるだけ少ないもの、特に0.005ppm以下である
ものを用いることが好ましい。
【0019】触媒の残留量を低減する方法としては、公
知慣用の方法がいずれも採用できるが、通常は水洗を繰
り返すという方法が最も容易である。本発明で用いられ
るジビニルベンゼン類(B)としては、周知のものがい
ずれも使用できるが、例えばジビニルベンゼン、アルキ
ルジビニルベンゼン、ハロゲン置換物等が挙げられる
が、反応性や作業性等を考慮するとジビニルベンゼンが
最も好ましい。なお、本発明で用いられるジビニルベン
ゼン類(B)は単独使用でも、二種以上の混合物、さら
には、他の第三成分を含んでいても使用することができ
る。
【0020】この場合の他の第三成分としては、例えば
スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、モノブロ
モスチレン等の芳香族モノビニル化合物、(メタ)アク
リル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸ステアリル
エステル、(メタ)アクリル酸、N−メチロール(メ
タ)アクリルアミド、γ−メルカプトプロピルトリメト
キシシラン等の脂肪族モノビニル化合物が挙げられる。
なかでもこれら第三成分も単独のみならず、2種類以上
混合して使用することもできる。
【0021】本発明の合成樹脂組成物を調製するに当た
っての成分(A)と(B)との混合割合は、特に制限さ
れるものではなく、使用するノボラック型フェノール樹
脂とジビニルベンゼン類の種類によって異なるが、通常
樹脂(A)中のフェノール樹脂の骨格、すなわちフェノ
ール性骨格の結合手の数に対して、フェノール樹脂中の
メチレン基とジビニルベンゼン類の不飽和二重結合の反
応結合手の合計を当量以下にする。好ましくは、1当量
〜0.8当量の範囲である。
【0022】樹脂(A)は、重合禁止剤として働くフェ
ノール系の物質であるので、樹脂(A)とジビニルベン
ゼン類(B)との配合は、常温でも加熱下でも実施可能
である。しかしながら、安全性を考慮すれば出来る限り
常温に近い温度下にて混合することが好ましい。
【0023】最終の使用方法で溶剤を含有していても問
題がないものの場合、必要に応じて溶剤を添加すること
もできる。本発明における合成樹脂組成物は、樹脂
(A)を合成した後、直ちに同一反応器中でジビニルベ
ンゼン類(B)を混合してもよいし、合成した樹脂
(A)を反応器より一旦取り出して、新たに別容器中で
樹脂(A)とジビニルベンゼン類(B)とを混合しても
よい。
【0024】なお、ジビニルベンゼン類(B)が、樹脂
(A)の架橋剤として働く際の反応は、二重結合が芳香
核に対して付加する反応である。上記の様にして得られ
た本発明の合成樹脂組成物は、必要に応じてさらに硬化
促進剤を添加して、常温もしくは加熱することにより硬
化させることが出来る。
【0025】硬化促進剤としては、例えば塩化アルミニ
ウム、塩化第一錫のごとき金属塩化物や、硫酸、塩酸、
リン酸等の無機酸、ベンゼンスルフォン酸、パラトルエ
ンスルフォン酸のごとき有機スルフォン酸類、酢酸、し
ゅう酸、マレイン酸のごとき有機カルボン酸は勿論のこ
と、樹脂(A)から誘導されるスルフォン化物、亜リン
モノフェニルのような亜リン酸エステル、硫酸や有機ス
ルフォン酸から誘導されるエステル類、例えばp−トル
エンスルフォン酸メチル、や塩化アンモニウムのごとき
塩等で代表される潜在性触媒、つまり、ある温度下にて
分解して酸性成分を生成させるものも挙げられる。これ
ら硬化促進剤は、単独使用は勿論のこと二種以上を併用
してもよい。
【0026】また上記で示したような硬化促進剤ばかり
でなくそれらのハロゲン化物、例えばブロモフェノール
スルフォン酸、フルオロフェノールスルフォン酸、トリ
フルオロメチルフェノールスルフォン酸等の芳香族スル
ホン酸等の芳香環上の水素原子がハロゲン原子またはハ
ロゲン原子を有する原子団で置換された化合物、トリフ
ルオロメチルカルボン酸、モノブロモ酢酸等のアルキル
基の水素原子がハロゲン原子で置換された化合物を使用
することも可能である。
【0027】硬化促進剤としては、均一なる溶液が容易
に得られ、また硬化速度の調整が容易である点で有機ス
ルフォン酸が好ましい。硬化促進剤の使用量は、制限さ
れるものではないが、硬化剤100重量部当たり0.1
〜5重量部が好ましい。
【0028】上記に示す通常の硬化促進剤と潜在性触媒
を混合して使用することも場合によっては有効である。
本発明の合成樹脂配合物の硬化時間は、用いる樹脂
(A)及びジビニルベンゼン類(B)の種類、混合割
合、硬化促進剤の種類や使用量によって異なるので適宜
混合して、硬化してみて最適な条件を選ぶことが好まし
い。
【0029】また、上記の硬化促進剤としてベンゼンス
ルフォン酸、パラトルエンスルフォン酸のごとき有機ス
ルフォン酸類を用いる際には、有機スルフォン酸類を例
えば樹脂(A)を製造する際に用いる様な上記フェノー
ル類に溶解させて、希釈した状態で使用すると、局部的
にゲルが発生することもなく、均一に組成物を硬化させ
ることができるので好ましい。
【0030】本発明の合成樹脂組成物は、O/P比が3
以上のノボラック型フェノール樹脂(A)を用いるのが
必須であるが、必要に応じて樹脂(A)以外のノボラッ
ク型フェノール樹脂や、レゾール型フェノール樹脂、エ
ポキシビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等
の硬化性樹脂と併用してもよい。硬化剤としてはジビニ
ルベンゼン類(B)にヘキサメチレンテトラミンを併用
してもよい。
【0031】本発明の合成樹脂組成物は、樹脂(A)と
ジビニルベンゼン類(B)との混合溶解性に優れている
ので、分散液に比べれば安定な溶液として取り扱うこと
ができる他、ガスの発生無しに、しかも常温下において
も均一に硬化させることが可能である。前記の如く、通
常のノボラック型フェノール樹脂ではジビニルベンゼン
類(B)への相溶性が悪いために不安定な分散液となっ
てしまい、硬化促進剤を加えて加熱により硬化させたと
しても、不均一な硬化物しか得られず実際に工業的に使
用出来るものではなかった。また従来から工業的に多く
利用されているノボラック樹脂/ヘキサメチレンテトラ
ミン硬化系では固形状物であり、また硬化温度がヘキサ
メチレンテトラミンの分解温度つまり、約120℃以上
が必要である他、硬化時には有害且つ悪臭であるアンモ
ニアやホルムアルデヒドの発生という大きな問題があっ
た。
【0032】このように本発明の合成樹脂組成物は、混
合安定性に優れ、しかも均一に硬化することができるの
で、フェノール樹脂の長所である難燃性、低発煙性、耐
熱性、強度などを保つと同時に欠点である作業性、硬化
性、成形性、収縮性、歪、色調、等をも解決するもので
ある。
【0033】本発明の合成樹脂組成物は、合成樹脂組成
物を単独で硬化させるだけでなく、公知慣用の強化材や
充填剤と一緒に硬化させて使用することもでき、多岐の
用途に有用なものとなる。
【0034】本発明によって得られた樹脂組成物は、例
えば、各種成形材料、ガラス繊維集束剤、鋳物砂用結合
剤、研削砥石用結合剤、接着剤、摩擦材用結合剤、耐火
材用結合剤、断熱材用結合剤、半導体封止材料、電気絶
縁積層板、フォーム材料、レジンコンクリート、ゴム補
強剤、各種用途向けの塗料、コーティング剤等、従来ノ
ボラック樹脂を利用していた分野だけでなく、レゾール
型フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等を使用し
てきた分野においても使用することが出来、性能を向上
させることが期待出来るものである。
【0035】本発明の合成樹脂樹脂組成物は、それ単独
で硬化させてもよいが、強化材や充填剤との複合によっ
ても架橋硬化させ、成形することができる。その成形方
法は特に限定されないが、例えば射出成形法、RIM法
(リアクティブ・インジェクション・モールディン
グ)、SMC法、ハンドレイアップ法、引き抜き成形法
等の方法を採用することができる。
【0036】
【実施例】以下に、合成例、実施例をあげて本発明をよ
り詳細に説明する。なお例中の部および%はすべて重量
基準とする。 合成例1〔樹脂(A)の合成〕 攪拌機、コンデンサー、温度計及び滴下ロートを備えた
4つ口3リットルフラスコに、フェノール940g(1
0モル)及び470gのキシレンと80%のパラホルム
アルデヒド281.3g(7.5モル)を加え攪拌を開
始した。触媒として酢酸亜鉛酸2水和物を4.7g加
え、還流温度まで昇温した。4時間、キシレンと水を還
留させ、流出してくる水の層だけを除去しながら反応さ
せた後、蒸留を開始して残留水と溶剤であるキシレンを
除去しつつ、130℃まで昇温し、130℃にて2時間
保持した。水を940g加え80℃まで冷却して、攪拌
を停止した。分離した上層である水層を抜き取り、さら
に、水を追加して同様な操作にて触媒である酢酸亜鉛を
洗浄分離した。その後、樹脂層を加熱して残留水分を除
去して170℃まで昇温した。170℃にて、減圧下で
遊離フェノールを一部除去した後、反応容器より取り出
し、固形ノボラック型フェノール樹脂を得た。
【0037】この樹脂を10回繰り返して水洗したとこ
ろ、酢酸亜鉛の含有率は0.003ppmとなった。こ
れを再度加熱して残留水分を除去して固形ノボラック型
フェノール樹脂(A−1)を得た。この樹脂(A−1)
は、軟化点(環球法)85℃、数平均分子量852(G
PCにより確認)で、13C−NMRにより、オルソ・パ
ラ比が4.3であることが確認された。 合成例2〔同上〕 80%のパラホルムアルデヒドの使用量を206.3g
(5.5モル)に、触媒を酢酸鉛3.9gに代えた以外
は合成例1と同様な操作を行い、水洗、水分除去も同様
に行い、固形ノボラック型フェノール樹脂(A−2)を
得た。この樹脂(A−2)は酢酸鉛の含有率が0.00
3ppmで、軟化点(環球法)65℃、数平均分子量6
10(GPCにより確認)、13C−NMRにより、オル
ソ・パラ比が5.3であることを確認された。 合成例3〔同上〕 攪拌機、コンデンサー、温度計及び滴下ロートを備えた
4つ口3リットルフラスコに、メタクレゾール1080
g(10モル)及び540gのキシレンと80%のパラ
ホルムアルデヒド243.8g(6.5モル)を加え攪
拌を開始した。触媒として酢酸亜鉛2水和物を3.9g
加え、還流温度まで昇温した。3時間、キシレンと水を
還留させ、流出してくる水の層だけを除去しながら反応
させた後、蒸留を開始して残留水と溶剤であるキシレン
を除去しつつ、130℃まで昇温し、130℃にて2時
間保持した。水を940g加え80℃まで冷却して、攪
拌を停止した。分離した上層である水層を抜き取り、さ
らに、水を追加して同様な操作にて触媒である酢酸亜鉛
を洗浄分離した。その後、樹脂層を加熱して残留水分を
除去して170℃まで昇温した。170℃にて、減圧下
で遊離フェノールを一部除去した後、反応容器より取り
出し、固形ノボラック型フェノール樹脂を得た。この樹
脂を10回繰り返して水洗したところ、酢酸鉛の含有率
が0.003ppmとなった。この樹脂(A−3)は、
軟化点(環球法)79℃、数平均分子量782(GPC
により確認)で、13C−NMRにより、オルソ・パラ比
が5.5であることが確認された。 合成例4〔同上〕 攪拌機、コンデンサー、温度計及び滴下ロートを備えた
4つ口2リットルフラスコに、フェノール940g(1
0モル)及び41%ホルムアルデヒドを576g(8モ
ル)を加え攪拌を開始した。触媒として酢酸亜鉛2水和
物を2.4g加え、還流温度まで昇温した。5時間還流
下にて反応させた後、蒸留を開始して水を除去しつつ、
130℃まで昇温した。130℃にて2時間保持した
後、蒸留しながら170℃まで昇温した。さらに減圧下
で遊離フェノールを一部除去した後、反応容器より取り
出し、固形ノボラック型フェノール樹脂を得た。この樹
脂を10回繰り返して水洗したところ、酢酸亜鉛の含有
率は0.004ppmとなった。これを再度加熱して残
留水分を除去して固形ノボラック型フェノール樹脂(A
−4)を得た。この樹脂(A−4)は、融点88℃、数
平均分子量882(GPCにより確認)で、13C−NM
Rにより、オルソ・パラ比が3.2であることが確認さ
れた。 比較合成例1 攪拌機、コンデンサー、温度計及び滴下ロートを備えた
4つ口2リットルフラスコに、フェノール940g(1
0モル)及び41%ホルムアルデヒド水溶液542g
(7.5モル)を加え攪拌を開始した。触媒として98
%硫酸を1.4g加え、還流温度まで昇温した。3時間
還流下にて反応させた後、脱水回路に切り替えて加熱し
て水分を除去して170℃まで昇温した。170℃に
て、減圧下で遊離フェノールを一部除去した後、反応容
器より取り出し、軟化点(環球法)88℃の数平均分子
量892(GPCにより確認)の固形ノボラック型フェ
ノール樹脂(A−5)を得た。この樹脂(A−5)は、
13C−NMRにより、オルソ・パラ比が1.8であるこ
とを確認した。 実施例1 上記合成例4にて得られた樹脂(A−4)100部に対
して、架橋剤であるジビニルベンゼン64部、エチルス
チレン16部を50℃にて溶解させて、粘度770cp
s(25℃)の均一な黄褐色溶液を得た。この組成物に
キシレンスルホン酸0.82部を加え、100℃で1時
間加熱架橋させて、硬化物を得た。
【0038】この硬化物について、曲げ強度、曲げ弾性
率、硬度、熱変形温度、吸湿性、硬化物の色調、難燃性
を測定した。この測定結果を表−1に示した。尚、表−
1中の*1)は、沸騰水中2時間放置後の重量増加率
を、*2)は沸騰水中4時間放置後の重量増加率を示す
ものとする。 比較例1 樹脂(A−4)に代えて、上記比較合成例1にて得られ
た樹脂(A−5)を同量用いる以外は実施例1と同様に
して組成物を調製しようとした。しかしながら、これら
は直ちに分離してしまい溶液はおろか均一な分散液さえ
も得られなかった。
【0039】混合温度を90℃にして同様な操作を行っ
たがこれらは分散も溶解もせず、2層に分離してしまっ
た。 実施例2 樹脂(A−4)に代えて、上記合成例3にて得られた樹
脂(A−3)を同量用いる以外は実施例1と同様にして
組成物を調製し、粘度700cps(25℃)の均一な
黄褐色溶液を得た。この組成物にキシレンスルホン酸
0.82部を加え、80℃で1時間加熱架橋させて、硬
化物を得た。
【0040】この硬化物について、上記と同様な物性を
測定した。この測定結果を表−1にに示した。
【0041】
【表1】
【0042】実施例3 樹脂(A−1)100部に対して、架橋剤であるジビニ
ルベンゼン55部、エチルスチレン45部を50℃にて
溶解させて、粘度510cps(25℃)の均一な黄褐
色溶液を得た。この組成物にパラトルエンスルホン酸3
0%フェノール溶液1.55部を加え、120℃で30
分加熱架橋させて、硬化物を得た。
【0043】この硬化物について、上記と同様な物性を
測定した。この測定結果を表−2に示した。尚、表−2
中の*1)及び*2)は前記と同義である。 比較例2 樹脂(A−5)100部に対して、架橋剤であるジビニ
ルベンゼン55部、エチルスチレン45部を室温にて配
合して分散液を調製した(この組成物は米国特許第42
00706号明細書記載の組成物に準じたもの。)。こ
の組成物を実施例3と同様な条件で硬化させようとした
が、硬化時に分離してしまい、硬化が不均一で強度等の
測定に供せられる硬化物は得られなかった。 実施例4 樹脂(A−1)100部に対して、架橋剤であるジビニ
ルベンゼン64部、エチルスチレン16部を50℃にて
溶解させて、粘度750cps(25℃)の均一な黄褐
色溶液を得た。この組成物にパラトルエンスルホン酸3
0%フェノール溶液1.55部を加え、80℃で1時間
加熱架橋させて、硬化物を得た。
【0044】この硬化物について、上記と同様な物性を
測定した。この測定結果を表−2に示した。 実施例5 樹脂(A−2)100部に対して、架橋剤であるジビニ
ルベンゼン(純度80%、不純物はエチルスチレン)8
0部を50℃にて溶解させて、粘度540cps(25
℃)の均一な黄褐色溶液を得た。この組成物にパラトル
エンスルホン酸30%フェノール溶液1.55部を加
え、80℃で1時間加熱架橋させて、硬化物を得た。こ
の硬化物について、上記と同様な物性を測定した。この
測定結果を表−2に示した。
【0045】
【表2】
【0046】本発明の組成物の硬化物は、従来の熱硬化
性ノボラック型フェノール樹脂組成物の欠点である作業
性、硬化性を解決するものであり、しかも長所である難
燃性、低発煙性、耐熱性、強度なども同時に有している
ので、例えば、各種成形材料、ガラス繊維集束剤、鋳物
砂用結合剤、研削砥石用結合剤、接着剤、摩擦材用結合
剤、耐火材用結合剤、断熱材用結合剤、フォーム材料、
各種用途向けの塗料、コーティング剤等、従来ノボラッ
ク樹脂を利用していた分野だけでなく、レゾール型フェ
ノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等を使用してきた
分野においても使用することが出来、性能を向上させる
ことが期待出来るものである。
【0047】
【発明の効果】本発明では、ノボラック型フェノール樹
脂として、芳香環を架橋するメチレン結合のオルソ−パ
ラ比が3以上のノボラック型フェノール樹脂を用いるの
で、ジビニルベンゼン類との相溶性が良好で、貯蔵安定
性に優れた均一な溶液として取り扱うことができるとい
う格別顕著な効果を奏する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノボラック型フェノール樹脂(A)と、
    ジビニルベンゼン類(B)を必須成分としてなる合成樹
    脂組成物において、前記ノボラック型フェノール樹脂
    (A)として、芳香環を架橋するメチレン結合のオルソ
    −パラ比が3以上のノボラック型フェノール樹脂を用い
    ることを特徴とする合成樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 樹脂(A)が、オルソ−パラ比が3以上
    で、且つ数平均分子量が300〜2000のノボラック
    型フェノール樹脂である請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 樹脂(A)が、水洗されたノボラック型
    フェノール樹脂である請求項1または2記載の組成物。
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