JPH08231825A - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物

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JPH08231825A
JPH08231825A JP4007295A JP4007295A JPH08231825A JP H08231825 A JPH08231825 A JP H08231825A JP 4007295 A JP4007295 A JP 4007295A JP 4007295 A JP4007295 A JP 4007295A JP H08231825 A JPH08231825 A JP H08231825A
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ene
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hept
resin composition
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JP4007295A
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Inventor
Tadayuki Inoue
唯之 井上
Kunio Mori
邦夫 森
Koji Miwa
広治 三輪
Katsuhiko Nishitomi
克彦 西富
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】オルソ/パラ比が3以上のノボラック型フェノ
ール樹脂(A)、エチレン性不飽和結合を少なくとも2
個有する化合物(B)及びナジイミド基を少なくとも2
個有する化合物(C)とからなる熱硬化性樹脂組成物に
関する。 【効果】優れた成形性を有し、揮発性成分を発生するこ
となしに硬化できる組成物であって、その硬化物はフェ
ノール樹脂の優れた特性を保持するに加えて、優れた耐
熱性や耐吸水性を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、変性フェノール樹脂に
関し、更に詳しくは加工性,耐熱性に優れ、且つ強度や
耐吸水性の高い硬化物を与える変性フェノール樹脂組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】フェノール樹脂は、主に成形材料,積層
品及び工業用樹脂(接着剤又は結合剤)に用いられてお
り、各種の優れた物性を生かして今後も需要が期待され
ている。 しかし、近年これらの各用途における材料の
使用条件は、益々厳しくなる傾向にあり、特に材料の加
工性や耐熱性は重要な特性になっている。
【0003】本発明者は、フェノール樹脂の成形加工
(=硬化)時に問題となる縮合水や硬化剤に起因する揮
発性成分等が無く、温和な条件下で性能良好な硬化物を
得る技術を見い出し、既に提案している。(特開平5ー
51516号公報,同117337号公報) 上記提案に係る技術は、ノボラック型フェノール樹脂と
エチレン性不飽和二重結合を少なくとも2個有する化合
物からなる合成樹脂組成物であり、強度や耐吸水性の高
い硬化物を与えるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年の厳しい
材料使用条件は、より一層の耐熱性向上を要求してお
り、上記提案技術のみでは充分に対応できない場合も生
じて来た。
【0005】本発明は、従来より耐熱性の優れたフェノ
ール樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上記実状に鑑み鋭意検討した所、オルソ/パラ比が3以
上のノボラック型フェノール樹脂とエチレン性不飽和二
重結合を少なくとも2個有する化合物からなる合成樹脂
組成物に対して、ナジイミド基を少なくとも2個有する
化合物を混合して得られる熱硬化性樹脂組成物が、以前
に提案した組成物の硬化物と比べ格段に優れた耐熱性を
有する硬化物となることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0007】即ち、本発明は、オルソ/パラ比が3以上
のノボラック型フェノール樹脂(A)、エチレン性不飽
和二重結合を少なくとも2個有する化合物(B)および
ナジイミド基を少なくとも2個有する化合物(C)から
なる熱硬化性樹脂組成物を提供するものである。
【0008】又、本発明は、上記樹脂(A)が、数平均
分子量が200〜2000であるノボラック型フェノー
ル樹脂である熱硬化性樹脂組成物を提供するものであ
り、更に上記化合物(B)が、ジビニルベンゼンである
熱硬化性樹脂組成物を提供するものである。更に又、本
発明は、重量比で(A)/(B)が70/30〜40/6
0であることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物を提供す
るものである。
【0009】
【構成】本発明で用いられるオルソ/パラ比が3以上の
ノボラック型フェノール樹脂(A)は、好ましくは数平
均分子量が200〜2000のもので、更に好ましくは
300〜1000のものである。数平均分子量が200
未満のものを用いた場合には、最終硬化物の機械的物性
や熱的物性が低いものとなる。又、逆に2000より大
きいものを用いた場合には、(A)、(B)、(C)か
ら得られる熱硬化性配合物の粘度が高くなり過ぎて取り
扱いが困難になるのみならず、(B)に対する溶解性が
不良となり均一混合物を形成しなくなる。
【0010】そのノボラック型フェノール樹脂の原料も
特に限定するものではない。原料のフェノール系化合物
としては、フェノールを始めとして、ビスフェノール
A、ビスフェノールF、ビフェノールの如きフェノール
2量体、クレゾールやパラtert.ブチルフェノールの如
きアルキルフェノール類、レゾルシン、ハイドロキノン
の如きフェノール性水酸基を2つ以上含む化合物、ナフ
トールやジヒドロキシナフタレンのようなナフトール類
等が全て使用することができる。これらの化合物の2種
以上を混合して使用しても良い。
【0011】以上に示したノボラック型フェノール樹脂
類はそれぞれ変性されたものも使用することが出来、更
に数種類のものの混合も可能である。又、本発明にて定
義するノボラック型フェノール樹脂は一般的に言われて
いるメチレン結合のみにてフェノール系化合物が結合し
ているものに加えて、メチレン結合及びジメチレンエー
テル結合よりなるものも含まれる。
【0012】本発明で用いられるエチレン性不飽和二重
結合を少なくとも2個有する化合物(B)としては、特
に限定されるものではないが、例えばジビニルベンゼン
やアルキルジビニルベンゼン及びそれらのハロゲン置換
物等が挙げられる。これらのうち、反応性や作業性を考
慮するとジビニルベンゼンが好ましい。尚、本発明で用
いられるジビニルベンゼン類は、それらの混合物、更に
は、不純物としてエチレン性不飽和二重結合を1個有す
るエチルベンゼン、スチレン等を含むものも使用するこ
とができる。
【0013】本発明で用いられるナジイミド基を少なく
とも2個有する化合物(C)としては、特に限定するも
のではなく、ナジイミド基に更に置換基があっても良
い。それらの置換基としては、限定するものではない
が、例えば、アルキル基、アルキレン基、シクロアルキ
ル基、シクロアルキレン基、アラルキル基、アリル基等
が挙げられる。
【0014】置換基の無いナジイミド基を少なくとも2
個有する化合物としては、例えばN,N´ーエチレンー
ビス(ビシクロ[2.2.1]ヘプトー5ーエンー2,3
ージカルボキシイミド)、N,N´ーヘキサメチレンー
ビス(ビシクロ[2.2.1]ヘプトー5ーエンー2,3
ージカルボキシイミド)、N,N´ーp又はmーフェニ
レンービス(ビシクロ[2.2.1]ヘプトー5ーエンー
2,3ージカルボキシイミド)、N,N´ーp又はmーキ
シリレンービス(ビシクロ[2.2.1]ヘプトー5ーエ
ンー2,3ージカルボキシイミド)、ビス{4ー(ビシ
クロ[2.2.1]ヘプトー5ーエンー2,3ージカルボ
キシイミド)フェニル}メタン等が挙げられる。
【0015】置換基を有するナジイミド基を少なくとも
2個有する化合物としては、例えばN,N´ーエチレン
ービス(メチルビシクロ[2.2.1]ヘプトー5ーエン
ー2,3ージカルボコシイミド)、N,N´ーエチレンー
ビス(エチルビシクロ[2.2.1]ヘプトー5ーエンー
2,3ージカルボコシイミド)、N,N´ーヘキサメチレ
ンービス(メチルビシクロ[2.2.1]ヘプトー5ーエ
ンー2,3ージカルボキシイミド)、N,N´ーp又はm
ーフェニレンービス(メチルビシクロ[2.2.1]ヘプ
トー5ーエンー2,3ージカルボキシイミド)、N,N´
ーp又はmーキシリレンービス(メチルビシクロ[2.
2.1]ヘプトー5ーエンー2,3ージカルボキシイミ
ド)、ビス{4ー(メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト
ー5ーエンー2,3ージカルボキシイミド)フェニル}
メタン、N,N´ーエチレンービス(アリルビシクロ
[2.2.1]ヘプトー5ーエンー2,3ージカルボキシ
イミド)、N,N´ーヘキサメチレンービス(アリルビ
シクロ[2.2.1]ヘプトー5ーエンー2,3ージカル
ボキシイミド)、N,N´ーヘキサメチレンービス(ア
リルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプトー5ーエンー
2,3ージカルボキシイミド)、N,N´ーp又はm−フ
ェニレンービス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプトー
5ーエンー2,3ージカルボキシイミド)、N,N´ーp
又はm−フェニレンービス(アリルメチルビシクロ
[2.2.1]ヘプトー5ーエンー2,3ージカルボキシ
イミド)、N,N´ーp又はm−キシリレンービス(ア
リルビシクロ[2.2.1]ヘプトー5ーエンー2,3ー
ジカルボキシイミド)、N,N´ーp又はmーキシリレ
ンービス(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプトー
5ーエンー2,3ージカルボキシイミド)、ビス{4ー
(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプトー5ーエンー2,
3ージカルボキシイミド)フェニル}メタン、ビス{4
ー(アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプトー5ーエ
ンー2,3ージカルボキシイミド)フェニル}メタン、
ビス{4ー(メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプトー5
ーエンー2,3ージカルボキシイミド)フェニル}メタ
ン、ビス{4ー(メタリルメチルビシクロ[2.2.1]
ヘプトー5ーエンー2,3ージカルボキシイミド)フェ
ニル}メタン等が挙げられる。
【0016】本発明で用いられるナジイミド基を少なく
とも2個有する化合物は、上記のような単量体またはそ
のオリゴマーを意味するものとする。このようなナジイ
ミド基を少なくとも2個有する化合物は、単独で用いて
もよいし、これらの混合物として用いてもよい。
【0017】本発明で用いられるナジイミド基を少なく
とも2個有する化合物(C)の割合は、特に制限されな
いが、余り多くなり過ぎるとフェノール樹脂本来の特性
が損なわれるため、全組成物中、25重量%未満である
ことが好ましい。
【0018】本発明で用いられる熱硬化性樹脂組成物の
混合割合は、使用するオルソ/パラ比が3以上のノボラ
ック型フェノール樹脂(A)及びエチレン性不飽和二重
結合を少なくとも2個有する化合物(B)の種類によっ
て異なるが、通常(A)/(B)比率は70/30〜40
/60(重量比)が適用される。
【0019】(A)/(B)比率が70/30より大きい
場合には、生成組成物の粘度が高くなり過ぎて取り扱い
が難しく、更には溶解性が不十分となり溶液を形成しな
くなる。他方、(A)/(B)比率が40/60より小さ
い場合には、(B)成分のみからなるホモポリマーの生
成が増加して、フェノール樹脂本来の性能発現が困難と
なる。
【0020】エチレン性不飽和二重結合は加熱によって
も重合が進行するものであるが、配合対象物が重合禁止
剤として働くフェノール系の物質である時には、この配
合過程は常温でも加熱下でも実施可能である。しかし、
安全性を考慮すると出来るだけ常温に近い温度下にて混
合すべきものである。
【0021】最終の使用方法で溶剤を含有していても問
題がないものの場合、必要に応じて溶剤を添加すること
もできる。本発明における熱硬化性樹脂組成物は、基本
樹脂を合成した後、直ちに同一反応器中で配合してもよ
いし、基本樹脂を反応器より一旦取り出して、新たに別
容器中で配合してもよい。
【0022】本発明にて得られた熱硬化性樹脂組成物
は、硬化促進剤を添加して常温もしくは加熱することに
より硬化させることが出来る。硬化促進剤としては、塩
化アルミニウム、塩化第一錫のごとき金属塩化物や、塩
酸、硫酸、リン酸等の無機酸、ベンゼンスルホン酸、パ
ラトルエンスルホン酸のごとき有機スルホン酸類、酢
酸、蓚酸、マレイン酸のごとき有機カルボン酸などが使
用できる。これらのうち、均一なる溶液が容易に得ら
れ、硬化速度の調整が容易である点で有機スルホン酸を
使用するのが好ましい。硬化促進剤の使用量は、制限す
るものではないが、0.1〜5.0%が好ましい。これら
促進剤の混合使用も可能である。
【0023】上記のものの他に、触媒として前に示した
ノボラック型芳香族炭化水素ーホルムアルデヒド樹脂か
ら誘導されるスルホン化物も使用することができる。
又、亜リンモノフェニルのような亜リン酸エステル、硫
酸や有機スルホン酸から誘導されるエステル類、例え
ば、pートルエンスルホン酸メチルや塩化アンモニウム
の如き塩等で代表される潜在性触媒、つまり、ある温度
下にて分解して酸性成分を生成させるものも含まれ、そ
れらを混合して使用してもよい。
【0024】上記に示す通常の硬化促進剤と潜在性触媒
を混合して使用することも場合によっては有効である。
熱硬化性樹脂配合物の種類、割合、硬化促進剤の種類や
量によって硬化時間は異なる。又、上記で示したような
硬化促進剤ばかりでなく、それらのハロゲン化物等も使
用することが可能である。
【0025】本発明によって得られた熱硬化性樹脂組成
物は、取り扱いが容易な溶液として取り扱うことができ
る他、通常のフェノール樹脂とは異なり揮発性成分の発
生なしに、しかも常温下においても均一に硬化させるこ
とが可能であり、本発明者が既に提案した組成物(特開
平5ー51516号公報,同117337号公報)より
も優れた耐熱性を有する硬化物が得られる。
【0026】このようにして得られた本発明の熱硬化性
樹脂組成物及びその硬化物は、フェノール樹脂の長所で
ある難燃性、低発煙性、耐熱性、強度等を保持すると共
に、欠点である作業性、硬化性、成形性、収縮性、歪、
色調等を改良するものである。
【0027】本発明によって得られた熱硬化性樹脂組成
物は、樹脂組成物単独で硬化させるだけでなく、強化材
や充填剤と一緒に硬化させて使用することもでき、多岐
の用途に有用なものとなる。
【0028】本発明によって得られた熱硬化性樹脂組成
物は、例えば、各種成形材料、ガラス繊維集束剤、鋳物
砂用結合剤、研磨砥石用結合剤、接着剤、摩擦材用結合
剤、耐火材用結合剤、断熱材用結合剤、フォーム材料、
レジンコンクリート、ゴム補強剤、各種用途向けの塗
料、コーテイング剤等、従来ノボラック型フェノール樹
脂を利用していた分野だけでなく、レゾール型フェノー
ル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等を使用してきた分野
においても使用することができ、性能を向上させること
が期待できるものである。
【0029】本発明によって得られた熱硬化性樹脂組成
物は、樹脂組成物単独もしくは強化材や充填剤との複合
によっても架橋硬化させ、成形することができる。その
成形方法としては、射出成形法、RIM(リアクテイブ
・インジェクション・モールデイング)法、SMC法、
ハンドレイアップ法、引き抜き成形法等の方法を採用す
ることができるが、その成形法に関しては特に限定する
ものではない。
【0030】
【実施例】次に、本発明の実施態様を具体的な実施例で
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。尚、実施例中の部及び%は断りのない限り重量
基準である。
【0031】〔合成例1〕(ノボラック型フェノール樹
脂の合成) 攪拌機、コンデンサー、温度計及び滴下ロートを備えた
4つ口3リットルフラスコに、フェノール940g(1
0モル)及び470gのキシレンと80%のパラホルム
アルデヒド243.8g(6.5モル)を加え攪拌を開始
した。触媒として酢酸亜鉛2水和物を4.7g加え、還
流温度まで昇温した。4時間、キシレンと水を還流さ
せ、流出してくる水の層だけを除去しながら反応させた
後、蒸留を開始して残留水と溶剤であるキシレンを除去
しつつ、130℃にて2時間保持した。水を940g加
え80℃まで冷却して、攪拌を停止した。分離した上層
である水層を抜きとり、更に水を追加して同様な操作に
て触媒である酢酸亜鉛を洗浄分離した。その後、樹脂層
を加熱して残留水分を除去して170℃まで昇温した。
170℃にて、減圧下で遊離フェノールを一部除去した
後、反応容器より取出し、軟化点(環球法)73℃、数
平均分子量767(GPCにより確認)の固形ノボラッ
ク樹脂を得た。13CーNMRにより、オルソ/パラ比が
5.2であることを確認した。
【0032】〔合成例2,3〕(ノボラック型フェノー
ル樹脂の合成) 合成例1において、表1に示した如くに原料フェノール
類縁体、キシレン、80%パラホルムアルデヒドを適用
した以外は全く合成例1と同様にして、各種ノボラック
型フェノール樹脂を合成した。それらの数平均分子量及
びオルソ・パラ比はそれぞれ表1に示した如くであっ
た。
【0033】
【表1】
【0034】〔合成例4〕(ノボラック型フェノール樹
脂の合成) 攪拌機、コンデンサー、温度計及び滴下ロートを備えた
4つ口2リットルフラスコに、フェノール940g(1
0モル)及び41%ホルムアルデヒドを576g(8モ
ル)を加え攪拌を開始した。触媒として酢酸亜鉛2水和
物を2.4g加え、還流温度まで昇温した。5時間還流
下にて反応させた後、蒸留を開始して水を除去しつつ、
130℃まで昇温した。130℃にて2時間保持した
後、蒸留しながら170℃まで昇温した。さらに減圧下
で遊離フェノールを一部除去した後、反応容器より取出
し、融点88℃の数平均分子量882(GPCにより確
認)の固形ノボラック樹脂を得た。13CーNMRによ
り、オルソ・パラ比が3.2であることを確認した。
【0035】〔比較合成例1〕(ノボラック型フェノー
ル樹脂の合成) 攪拌機、コンデンサー、温度計及び滴下ロートを備えた
4つ口2リットルフラスコに、フェノール940g(1
0モル)及び41%ホルムアルデヒド水溶液470g
(6.5モル)を加え攪拌を開始した。触媒として98
%硫酸を1.4g加え、還流温度まで昇温した。3時間
還流下にて反応させた後、脱水回路に切り換えて加熱し
て水分を除去して170℃まで昇温した。170℃に
て、減圧下で遊離フェノールを一部除去した後、反応容
器より取出し、軟化点(環球法)61℃の数平均分子量
736(GPCにより確認)の固形ノボラック樹脂を得
た。
【0036】又、13C−NMRにより、オルソ・パラ比
が1.7であることを確認した。 [配合例1]前記合成例1にて得られたノボラック型フ
ェノール樹脂を40部、ジビニルベンゼン(純度80
%,不純物はエチルスチレン)を50部、N,N´ーヘキ
サメチレンービス(ビシクロ[2.2.1]ヘプトー5ー
エンー2,3ージカルボキシイミド)を10部を50℃
にて溶解させて均一な褐色液を得た。
【0037】
【表2】
【0038】N−1;N,N'−ヘキサメチレン-ヒ゛ス(ヒ゛シクロ
[2.2.1]ヘフ゜ト-5-エン-2,3-シ゛カルホ゛キシイミト゛) N−2;N,N'−m-フェニレン-ヒ゛ス(ヒ゛シクロ[2.2.1]ヘフ゜ト-5
-エン-2,3-シ゛カルホ゛キシイミト゛) N−3;N,N'−ヘキサメチレン-ヒ゛ス(アリルヒ゛シクロ[2.2.1]ヘフ゜
ト-5-エン-2,3-シ゛カルホ゛キシイミト゛) N−4;ヒ゛ス{4-(ヒ゛シクロ[2.2.1]ヘフ゜ト-5-エン-2,3-シ゛カルホ
゛キシイミト゛)フェニル}メタン N−5;ヒ゛ス{4-(アリルヒ゛シクロ[2.2.1]ヘフ゜ト-5-エン-2,3-シ゛
カルホ゛キシイミト゛)フェニル}メタン [配合例2〜8]配合例1において、表2に示した如く
に、各種ノボラック型フェノール樹脂、ジビニルベンゼ
ン(不純物はエチルスチレン)及びナジイミド基を少な
くとも2個有する化合物を使用した以外は、全く配合例
1と同様にして、各種の均一な緑褐色、黄褐色または褐
色液を得た。
【0039】[配合例9〜12]配合例1において、表
2に示した如くに、各種のナジイミド基を少なくとも2
個有する化合物を用いた以外は、全く配合例1と同様に
して、各種の褐色液を得た。
【0040】[配合例13]配合例1において、ノボラ
ック型フェノール樹脂として比較合成例1で得られたノ
ボラック型フェノール樹脂を用いた以外は、全く配合例
1と同様にして、溶液を作成しようとしても、更に90
℃まで昇温して溶解させても溶解せずに2層分離した。
【0041】[実施例1〜11]前記組成物の配合例1
〜11にて得られた樹脂組成物に、硬化促進剤としてキ
シレンスルホン酸を対組成物で0.5%加え、100〜
120℃で1時間硬化させた後、更に250℃で5時間
熱処理させることにより硬化物を得た。それらの条件と
性能評価結果は表3に示した如くであった。
【0042】
【表3】
【0043】*沸騰水中、2時間放置後の重量増加割合
(%) 註:硬化促進剤;キシレンスルホン酸 0.5%(対組
成物) [比較例1及び比較例2]前記組成物の配合例13にて
得られた樹脂組成物に、硬化促進剤としてキシレンスル
ホン酸を対組成物で0.5%加え、100℃で1時間硬
化させた後、更に250℃で5時間熱処理させることに
より硬化物を得た。その条件と性能評価結果は表3に示
した如くであった。又、前記配合例13で得られた樹脂
組成物は、2層分離している為に実用性が無く、硬化処
理は行わなかった。
【0044】表3から本発明の熱硬化性樹脂組成物は、
本発明者が既に提案した合成樹脂組成物(特開平5ー5
1516号公報,同117337号公報)よりも優れた
耐熱性を有しており、更に、曲げ強度、曲げ弾性率、ロ
ックウエル硬度も良好になり、耐吸湿性も殆ど変わらな
いことがわかる。
【0045】
【発明の効果】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、均一な
溶液として取り扱うことができ、更に揮発性成分の発生
なしに硬化させることが可能であり、特に耐熱性の優れ
た、強度や耐吸水性の高い硬化物を得ることができる。
【0046】得られた樹脂硬化物は、フェノール樹脂の
長所である難燃性、低発煙性、耐熱性、強度等を保持す
ると同時に、短所である作業性、硬化性、成形性、収縮
性、歪、色調等を解決するものである。
【0047】本発明の熱硬化性組成物は、通常のフェノ
ール樹脂が適用される用途に適用可能であるが、特に厳
しい耐熱性を要求される各種成形材料、積層品及び工業
用樹脂(接着剤又は結合剤)用途に最適である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オルソ/パラ比が3以上のノボラック型フ
    ェノール樹脂(A)、エチレン性不飽和二重結合を少な
    くとも2個有する化合物(B)およびナジイミド基を少
    なくとも2個有する化合物(C)からなる熱硬化性樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】フェノール樹脂(A)の数平均分子量が2
    00〜2000であることを特徴とする請求項1記載の
    組成物。
  3. 【請求項3】エチレン性不飽和二重結合を少なくとも2
    個有する化合物(B)が、ジビニルベンゼンである請求
    項1又は2記載の組成物。
  4. 【請求項4】ノボラック型フェノール樹脂(A)とエチ
    レン性不飽和二重結合を少なくとも2個有する化合物
    (B)の割合が、重量比で(A)/(B)=70/30〜
    40/60であることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れか1項記載の組成物。
JP4007295A 1995-02-28 1995-02-28 熱硬化性樹脂組成物 Pending JPH08231825A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008184488A (ja) * 2007-01-26 2008-08-14 Matsushita Electric Works Ltd フェノール樹脂成形材料及び成形品

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