JPH05514Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は舞台装置において後舞台に配備した後
舞台ワゴンを主舞台上に移動する装置に関するも
のである。

［従来の技術］ 演劇、オペラ、ミユージカルや各種のシヨー等
を上演する劇場においては、舞台背景を短時間で
変更できるようにするため、主舞台の後方に後舞
台ワゴンを配備して適宜主舞台上に移動し、使用
後再び後舞台へ戻している。

従来は、後舞台ワゴンにモータ駆動の車輪を設
けて自走により移動しているのが一般的である。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、後舞台ワゴンの車輪だけでは方
向調節が難かしく、後舞台ワゴンを正面に向けて
裾付するのに手間がかかつていた。

このため、後舞台及び主舞台上に軌条を敷設し
て、後舞台ワゴンを案内するようにすることも考
えられるが、レールや溝等の軌条は演技をするう
えで邪魔であり且つ危険でもある。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は上述の問題点を解決し、後舞台ワゴン
の移動を確実且つ容易に方向付けし得るようにす
ることを目的とするもので、後舞台ワゴン用床面
の下側に車輪を設け、該車輪の少なくとも一つに
駆動源を取り付けて自走可能とし、前記床面の少
なくとも一側部に案内板を斜め下方に張り出して
取り付け、後舞台及び主舞台の床面の外側下方の
支持床に前記案内板を案内するガイドローラを複
数設けたことを特徴とする後舞台ワゴン移動装置
にかかるものである。

［作用］ 後舞台ワゴン斜め下方に張り出して取り付けら
れた案内板が、後舞台及び主舞台の外側下方のガ
イドローラによりガイドされるため、方向が定ま
り、移動が容易且つ迅速となる。

［実施例］ 以下、図面に基づいて本考案の実施例を説明す
る。

第１図乃至第５図は本考案の一実施例であり、
後舞台ワゴン１の床面２下側に、車輪３を複数列
に所要の間隔でブラケツト４により回転自在に多
数取り付ける。各車輪３の支持軸５の向きは主舞
台６と後舞台７とを結ぶ線と直交する方向とす
る。該各列の前後端の車輪３に減速機付モータ８
を取り付けて、後舞台ワゴン１を自走可能とす
る。

該後舞台ワゴン１の床面２側後方のビーム９
に、斜め下方に伸びるアーム１０を所要数固着
し、該各アーム１０の先端部に案内板１１を、後
舞台ワゴン１の床面２側部と平行となるように且
つ垂直方向に立てて取り付ける。該案内板１１の
先端及び後端は先細りにする。

後舞台７の外側であつて前記案内板１１を取り
付けた側の下方の固定床１２、及び主舞台６の前
記と同じ側（本実施例では上手側）の舞台間沈下
床１３の下方の固定床１４の夫々に、２つのロー
ラ１５，１６を水平方向に自由回転し得るように
対向せしめてなるガイドローラ１７を、各ガイド
ローラ１７の案内部が一直線上に位置するよう所
要の間隔で複数配設する。該ガイドローラ１７の
位置は、昇降可能な舞台間沈下床１３の床面１８
が主舞台６の床面１９と同じ高さにあるとき、相
互に干渉しないような位置とする。図中、２０は
前舞台傾斜床、２１はオーケストラピツト、２２
は後舞台ワゴン１上の廻り舞台を示す。

以上のように構成したので、後舞台ワゴン１の
移動前において、舞台間沈下床１３の床面は主舞
台６の床面１９と同じ高さにあるが、後舞台ワゴ
ン１移動の際には前記舞台間沈下床１３の床面１
８を後舞台ワゴン１の床面２の高さまで上昇させ
ると、該床面１８の下側に後舞台ワゴン１の案内
板１１及びアーム１０が進入し得るスペースが形
成される。

次いで、後舞台７上にある後舞台ワゴン１の減
速機付モータ８を駆動すると、車輪３が回転され
て後舞台ワゴン１が後舞台７上を主舞台６側へ移
動する。このとき、後舞台ワゴン１側方に設けた
案内板１１がガイドローラ１７によつてガイドさ
れるため、方向が一定し、後舞台ワゴン１が直線
的に主舞台６上へ移動し、場合によつてはオーケ
ストラピツト２１の最前位置まで移動する。

後舞台ワゴン１の後退は減速機付モータ８を逆
回転駆動することにより同様に行われる。

なお、本考案の後舞台ワゴン移動装置は上述の
実施例のみに限定されるものではなく、本考案の
要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え
得ることは勿論である。

［考案の効果］ 以上述べたように本考案の後舞台ワゴン移動装
置によれば、該後舞台ワゴンの側面に張り出して
設けた案内板が下方の固定床に設けたガイドロー
ラにより案内されるので、後舞台ワゴンを直線的
に、方向を誤ることなく確実に且つ容易にしかも
迅速に主舞台等上に移動することができ、主舞台
及び沈下床の床面に溝やレール等を設ける必要が
全くない等種々の優れた効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の装置の一実施例の説明図、第
２図は第１図における後舞台ワゴン詳細図、第３
図は第２図の部詳細図、第４図は第１図に示し
た後舞台ワゴンが主舞台上に位置する場合の説明
図、第５図は第１図に示した後舞台ワゴンがオー
ケストラピツトまで進出した状態を示す説明図で
ある。 １は後舞台ワゴン、３は車輪、６は主舞台、７
は後舞台、８は減速機付モータ、１０はアーム、
１１は案内板、１２，１４は固定床、１３は舞台
間沈下床、１７はガイドローラを示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 後舞台ワゴン用床面の下側に車輪を設け、該車
   輪の少なくとも一つに駆動源を取り付けて自走可
   能とし、前記床面の少なくとも一側部に案内板を
   斜め下方に張り出して取り付け、後舞台及び主舞
   台の床面の外側下方の支持床に前記案内板を案内
   するガイドローラを複数設けたことを特徴とする
   後舞台ワゴン移動装置。