JPH0551282U - 電装品の防水構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 操作パネル下方に配設したタイムスイッチ等
の電装品に、電装品の摘みの取付部から流入した水がか
かって電装品が故障することを防ぐ。 【構成】 タイムスイッチ等の電装品１５の摘み７，８
の複数個を補助パネル５に形成したそれぞれの取付凹部
５ａから上方に突出し、電装品１５の本体部１５ｂを前
記補助パネル５の下方に配設した操作パネル４の下面に
取付け、補助パネル５に形成した複数の取付凹部５ａに
それぞれ排水孔１６を穿設した洗濯機等の家電機器にお
いて、前記各排水孔１６の下方に位置させて操作パネル
４に水受板１８を形成し、これらの水受板１８を排水路
１８ｃでつなぎ１個所に形成した縦樋状の集水路１８ｄ
に開口させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、洗濯機等の家電機器におけるタイムスイッチなどの電装品の防水構 造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

家電機器のうちの洗濯機で、例えば二槽式のものは、周知のごとく洗濯槽と脱 水槽とを内部に併設した外箱の上面後部に操作パネルを配設し、ここに洗濯時間 や脱水時間を設定するためのタイムスイッチなどの電装品を配設している。

【０００３】 このタイムスイッチなどの電装品を操作パネルに取付ける構造として、従来、 例えば図６に示すように外箱の上面に取付けたパネルベース６とその上方に組合 わさる操作パネル４とでパネルボックスを形成し、操作パネル４のさらに上面に 補助パネル５を取付け、該補助パネル５に電装品１５を操作するための摘み２０ の外径よりも１回り大きい内径の取付凹部５ａを形成し、この取付凹部５ａのさ らに中央に電装品１５の取付軸１５ａが挿入する取付孔５ｂをリブ立てにより形 成し、取付け凹部５ａの側部、例えば前面側に排水孔１６を穿設する。

【０００４】 操作パネル４には電装品１５の本体部１５ｂが取付く取付孔４ａを形成し、こ の取付孔４ａには下向きのフランジ４ｂを穿設し、この操作パネル４の下方に組 合わさるパネルベース６にはその前寄りの個所に排水孔１７を穿設した。

【０００５】 以上のようにして操作パネル４に形成した取付孔４ａのフランジ４ｂの下端に 当接させ操作パネル４に取付けて電装品１５の本体部１５ｂをパネルボックス内 に収納し、操作パネル４の上面に補助パネル５をかぶせ、取付孔５ｂから取付軸 １５ａを突出させる。そして、この取付軸１５ａに摘み２０を嵌合して、該摘み ２０の下部を取付凹部５ａ内に収める。この状態で摘み２０の周囲には取付凹部 ５ａにより隙間Ａが生じる。

【０００６】 また、摘み２０を操作しやすいよう、操作パネル４、補助パネル５及び摘み２ ０はパネルベース６に対して前方に向かって傾斜するよう取付けられる。

【０００７】 次に作用について説明する。洗濯を行うには、タイムスイッチなどの電装品１ ５の摘み２０を指先で回して洗濯時間や脱水時間の設定を行うが、この時、指先 は洗濯水や水道水がぬれている場合が多く、指先から落ちる水が摘み２０にかか り隙間Ａから取付凹部５ａ内に浸入したり、あるいは洗濯槽からの飛散水や、洗 濯槽から脱水槽へ移す洗濯物から落ちる洗濯水が補助パネル５や摘み２０に落ち て隙間Ａから取付凹部５ａに流入したり、さらに、洗濯機を屋外に設置した場合 は雨水が同様にして取付凹部５ａ内に流入する。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

隙間Ａから取付凹部５ａ内に流入した水は、排水孔１６から下方に落ちるが、 排水孔１６の下方には電装品１５の本体部１５ｂが配設されているため、本体部 １５ｂに水が直接かかり、絶縁性が損われたり、さらには本体部１５ｂ内に水が 浸入して内部の機構に錆が発生しこれが原因でスイッチ故障が生じることもある 。

【０００９】 本考案の目的は前記従来例の不都合を解消し、電装品が取付く操作パネルの形 状を一部変更するだけの簡単な構成で、摘みの周りの隙間からパネル下方に流入 する水が電装品の本体部にかかることを確実に防止できる電装品の防水構造を提 供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

本考案は前記目的を達成するため、タイムスイッチ等の電装品の摘みの複数個 を補助パネルに形成したそれぞれの取付凹部から上方に突出し、電装品の本体部 を前記補助パネルの下方に配設した操作パネルの下面に取付け、補助パネルに形 成した複数の取付凹部にそれぞれ排水孔を穿設した洗濯機等の家電機器において 、前記各排水孔の下方に位置させて操作パネルに水受部を形成し、これらの水受 部を１個所に形成した縦樋状の集水路に開口させることを要旨とするものである 。

【００１１】

【作用】

本考案によれば、摘みの周りの取付凹部による隙間から取付凹部内に流入した 水は、取付凹部に形成した排水孔から下方の操作パネルに形成した水受部上に落 ちる。他の摘みの取付凹部内に流入した水も同様にして水受部上に落ち、これら の水受部上に落ちた水はこの上を流れて１個所に形成した縦樋状の集水路に合流 し、該集水路内を流れて下方に排水される。よって、取付凹部の排水孔から流出 する水がその下方の電装品の本体部にかかることはない。

【００１２】

【実施例】

以下、図面について本考案の実施例を詳細に説明する。図１は本考案の電装品 の防水構造の実施例を示す縦断側面図、図２は同上平面図、図３は同上一部切欠 いた正面図で、まず本考案の防水構造が実施される家電機器の一例として洗濯機 の全体構成を図５について説明する。

【００１３】 図は、二槽式洗濯機を示し、洗濯槽２と脱水槽３とを併設した外箱１の後部上 面に操作パネル４を配設し、該操作パネル４上に補助パネル５を介して洗濯時間 や脱水時間を設定するタイムスイッチなどの電装品１５の摘み７，８を取付ける 。また、操作パネル４の前面側には前記摘み７，８から一段下げて洗濯槽２の上 面開口近くに排水弁を開閉するための排水切換用の摘み１０と、洗濯槽２側と脱 水槽３側とに給水を切換えるための給水切換用の摘み９とを設けた。図中１１は 洗濯蓋、１２は脱水蓋、１３は給水ケース、１４はパルセータを示す。

【００１４】 かかる構成の二槽式洗濯機において、本考案も従来と同様、外箱１の後部上面 に直接取付くパネルベース６とこの上に組合わさる操作パネル４とにより形成さ れるパネルボックス内にタイムスイッチ等の電装品１５の本体部１５ｂを収納し 、操作パネル４の上面に補助パネル５を取付けるものであり、補助パネル５には 摘み７，８の外径よりも１回り大きい内径の取付凹部５ａを各摘み７，８毎に形 成し、この取付凹部５ａの中心には電装品１５の取付軸１５ａが挿入する取付孔 ５ｂをリブ立てにより形成し、各取付凹部５ａの前面側にそれぞれ排水孔１６を 穿設した。

【００１５】 本考案は、この補助パネル５の下方に配設される操作パネル４の構成として、 電装品１５の本体部１５ｂが取付く取付孔４ａを形成し、この取付孔４ａの内側 前部に前記排水孔１６の下方に位置させて水受部となる水受板１８を一体的に形 成した。

【００１６】 この水受板１８は周囲に防水壁１８ａを立設したもので、水受板１８の形成個 所で各取付孔４ａの周縁を一部切欠いて開口１８ｂを形成し、各開口１８ｂを排 水路１８ｃで連成して、各取付孔４ａ毎に設けた水受板１８をこの排水路１８ｃ でつなぐ。さらに、排水路１８ｃの一部に１個所だけ縦樋状の集水路１８ｄを連 設し、この集水路１８ｄの下端の吐出口を電装品１５から離れた位置に開口する 。

【００１７】 以上のようにして構成される操作パネルをパネルベース６上に組合わせてパネ ルボックスを形成し、該パネルボックス内で操作パネル４の取付孔４ａの下面に 電装品１５の本体部１５ｂを取付け、操作パネル４上に補助パネル５をかぶせる 。そして、取付孔５ｂから電装品１５の取付軸１５ａを突出し、取付凹部５ａに 摘み７，８を装着して摘み７，８を電装品１５の取付軸１５ａに固定する。この 状態で摘み７，８の周りには取付凹部５ａによる隙間Ａが形成される。

【００１８】 また、摘み７，８の操作が行いやすいよう、パネルベース６に対して操作パネ ル４及び補助パネル５は前方に向かって傾斜するよう取付けられ、これにより水 受板１８、排水路１８ｃも全体として前方に傾斜する。なお、排水路１８ｃから 集水路１８ｄへの水の流れを確実にするには、集水路１８ｄに向かって下方に傾 斜するよう排水路１８ｃを形成しておくとよい。

【００１９】 次に作用について説明する。摘み７や摘み８の周りの隙間Ａから取付凹部５ａ 内に流入した水は、取付凹部５ａの上面を傾斜にそって手前に流れ、排水孔１６ から流出し、下方の操作パネル４の水受板１８上に落ちる。そして、この水受板 １８上を傾斜にそって手前へ流れ開口１８ｂから排水路１８ｃへ流入する。この 際、水受板１８は開口１８ｂ以外の周囲は防水壁１８ａで囲んであるので、水受 板１８上の水が周縁から下方に落下することはなく、全て開口１８ｂを介して排 出路１８ｃへと流入する。

【００２０】 それぞれの開口１８ｂから排水路１８ｃへと流入した水は、排水路１８ｃを集 水路１８ｄへと向かって流れ、全ての水はこの集水路１８ｄに合流してここから 下方へ排出される。そして、集水路１８ｄの吐出口は電装品１５から離れた位置 に開口しているから、集水路１８ｄから吐出する水が電装品１５にかかることは ない。以上のようにして各摘み７，８の周りの取付凹部５ａに流入した水は、集 水路１８ｄに全て合流して排出される。

【００２１】

【考案の効果】

以上述べたように本考案の電装品の防水構造は、水がかかりやすい操作パネル の下面に取付けたタイムスイッチなどの電装品に水がかかることを確実に防止で き、電装品の本体部の絶縁性が損なわれることがなく、また本体部内に入り込む 水が原因で錆が発生してスイッチの故障となることも防止できる。また、防水の ための構造も電装品が取付く操作パネルの形状を一部変更するだけの簡単なもの で足りるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の電装品の防水構造の実施例を示す縦断
側面図である。

【図２】本考案の電装品の防水構造の実施例を示す平面
図である。

【図３】本考案の電装品の防水構造の実施例を示す一部
切欠いた正面図である。

【図４】本考案の電装品の防水構造の実施例を示す分解
斜視図である。

【図５】本考案の電装品の防水構造が実施される洗濯機
の斜視図である。

【図６】電装品の防水構造の従来例を示す縦断側面図で
ある。

【符号の説明】

１…外箱 ２…洗濯槽 ３…脱水槽 ４…操作パネル ４ａ…取付孔 ４ｂ…フランジ ５…補助パネル ５ａ…取付凹部 ５ｂ…取付孔 ６…パネルベース ７…タイマーつまみ ８…タイマーつまみ ９…給水切換用のつまみ １０…排水切換用のつまみ １１…洗濯蓋 １２…脱水蓋 １３…給水ケース １４…パルセータ １５…電装品 １５ａ…取付軸 １５ｂ…本体部 １６…排水孔 １７…排水孔 １８…水受板 １８ａ…防水壁 １８ｂ…開口 １８ｃ…排水路 １８ｄ…集水路 ２０…摘み

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 杉野 武嗣 千葉県船橋市山手１丁目１番１号 日本建 鐵株式会社船橋製作所内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 タイムスイッチ等の電装品の摘みの複数
   個を補助パネルに形成したそれぞれの取付凹部から上方
   に突出し、電装品の本体部を前記補助パネルの下方に配
   設した操作パネルの下面に取付け、補助パネルに形成し
   た複数の取付凹部にそれぞれ排水孔を穿設した洗濯機等
   の家電機器において、前記各排水孔の下方に位置させて
   操作パネルに水受部を形成し、これらの水受部を１個所
   に形成した縦樋状の集水路に開口させることを特徴とし
   た電装品の防水構造。