JPH0551217A - 電歪材料 - Google Patents
電歪材料Info
- Publication number
- JPH0551217A JPH0551217A JP3143328A JP14332891A JPH0551217A JP H0551217 A JPH0551217 A JP H0551217A JP 3143328 A JP3143328 A JP 3143328A JP 14332891 A JP14332891 A JP 14332891A JP H0551217 A JPH0551217 A JP H0551217A
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- JP
- Japan
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- electrostrictive
- hysteresis
- amount
- strain
- electrostrictive material
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- Pending
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- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 一般式Pb(Mg1/3Nb2/3)1-XTiXO3で表わされる
磁器組成物において、0.05<X≦0.4であり、さ
らにPbの0.5〜10atm%がCa、SrまたはLaで置換
されている電歪材料。 【効果】 入力電界に対する歪みが大きく、かつヒステ
リシスが小さい電歪材料を得ることができ、電歪アクチ
ュエータ等の材料としてきわめて有用である。
磁器組成物において、0.05<X≦0.4であり、さ
らにPbの0.5〜10atm%がCa、SrまたはLaで置換
されている電歪材料。 【効果】 入力電界に対する歪みが大きく、かつヒステ
リシスが小さい電歪材料を得ることができ、電歪アクチ
ュエータ等の材料としてきわめて有用である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電歪材料、より詳細には
電歪効果を利用した電歪アクチュエータ等の材料として
用いられる電歪材料に関する。
電歪効果を利用した電歪アクチュエータ等の材料として
用いられる電歪材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より電歪材料としてマグネシウムニ
オブ酸鉛(Pb(Mg1/3Nb2/3)O3)が知られている。これは
一般式ABO3 で表わされるペロブスカイト型化合物で
あり、その構造はAが単純格子を形成し、その体心位置
にBが、また面心位置にOが位置する。
オブ酸鉛(Pb(Mg1/3Nb2/3)O3)が知られている。これは
一般式ABO3 で表わされるペロブスカイト型化合物で
あり、その構造はAが単純格子を形成し、その体心位置
にBが、また面心位置にOが位置する。
【0003】また、マグネシウムニオブ酸鉛のBサイ
ト、つまりペロブスカイト型化合物の単純格子の体心位
置の一部をチタンで置換した、Pb(Mg1/3Nb2/3)1-XTiXO3
系の材料も電歪材料として使用されている。たとえば、
Pb(Mg1/3Nb2/3)0.9Ti0.1O3は電界に対する歪み量が1.
0kV/mmの電界で1.2×10-3、ヒステリシスが
5%程度の電歪効果を有している。このようにPb(Mg1/3
Nb2/3)1-XTiXO3系の材料は入力電界に対する歪みが大き
く、かつヒステリシスが小さい材料として電歪型アクチ
ュエータに利用されている。
ト、つまりペロブスカイト型化合物の単純格子の体心位
置の一部をチタンで置換した、Pb(Mg1/3Nb2/3)1-XTiXO3
系の材料も電歪材料として使用されている。たとえば、
Pb(Mg1/3Nb2/3)0.9Ti0.1O3は電界に対する歪み量が1.
0kV/mmの電界で1.2×10-3、ヒステリシスが
5%程度の電歪効果を有している。このようにPb(Mg1/3
Nb2/3)1-XTiXO3系の材料は入力電界に対する歪みが大き
く、かつヒステリシスが小さい材料として電歪型アクチ
ュエータに利用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、精密機械、光学
機器等の分野で精密な変位素子の必要性が高まり、これ
に電歪効果を利用した変位駆動素子を用いることが試み
られている。このような分野に使用される電歪材料とし
ては低電圧で駆動できるよう電気歪みが大きく、またリ
ニアリティを高めるためにヒステリシスが小さいことが
要求される。しかし、これら高性能化の要求に対して従
来の電歪材料は十分な特性を有しているとはいえない。
つまり、従来の電歪材料の歪み量は十分大きいとはいえ
ず、そのためこれら材料を電歪アクチュエータとして利
用する場合には、変位量が小さく、駆動電圧が大きくな
るという課題があった。
機器等の分野で精密な変位素子の必要性が高まり、これ
に電歪効果を利用した変位駆動素子を用いることが試み
られている。このような分野に使用される電歪材料とし
ては低電圧で駆動できるよう電気歪みが大きく、またリ
ニアリティを高めるためにヒステリシスが小さいことが
要求される。しかし、これら高性能化の要求に対して従
来の電歪材料は十分な特性を有しているとはいえない。
つまり、従来の電歪材料の歪み量は十分大きいとはいえ
ず、そのためこれら材料を電歪アクチュエータとして利
用する場合には、変位量が小さく、駆動電圧が大きくな
るという課題があった。
【0005】また、Pb(Mg1/3Nb2/3)1-XTiXO3において電
気歪み量を大きくするため、圧電成分であるPbTiO3の量
を多くすると歪み量は大きくなるが、ヒステリシスも大
きくなり、リニアリティの面で実用的な材料とはいえ
ず、一方、ヒステリシスを小さくするために電歪成分で
あるPb(Mg1/3Nb2/3)O3の量を多くすると、歪み量が小さ
くなる傾向があるという課題もあった。
気歪み量を大きくするため、圧電成分であるPbTiO3の量
を多くすると歪み量は大きくなるが、ヒステリシスも大
きくなり、リニアリティの面で実用的な材料とはいえ
ず、一方、ヒステリシスを小さくするために電歪成分で
あるPb(Mg1/3Nb2/3)O3の量を多くすると、歪み量が小さ
くなる傾向があるという課題もあった。
【0006】本発明はこのような課題に鑑み発明された
ものであって、入力電界に対する歪みが大きく、かつヒ
ステリシスが小さい電歪材料を提供することを目的とし
ている。
ものであって、入力電界に対する歪みが大きく、かつヒ
ステリシスが小さい電歪材料を提供することを目的とし
ている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る電歪材料は、一般式Pb(Mg1/3Nb2/3)1-XT
iXO3で表わされる磁器組成物において、0.05<X≦
0.4であり、さらにPbの0.5〜10atm%がCa、
SrまたはLaで置換されていることを特徴としている。
に本発明に係る電歪材料は、一般式Pb(Mg1/3Nb2/3)1-XT
iXO3で表わされる磁器組成物において、0.05<X≦
0.4であり、さらにPbの0.5〜10atm%がCa、
SrまたはLaで置換されていることを特徴としている。
【0008】すなわち、本発明者らは従来から良好な特
性が認められているPb(Mg1/3Nb2/3)1-XTiXO3に関し、歪
の向上とヒステリシスの除去とを同時に実現するため
に、Pb位置の一部を各種元素で置換することを検討した
結果、Ca、SrまたはLaで置換することにより、大きな歪
み量を保ちつつ、ヒステリシスを低減できることを見い
出し、本発明に至ったものである。
性が認められているPb(Mg1/3Nb2/3)1-XTiXO3に関し、歪
の向上とヒステリシスの除去とを同時に実現するため
に、Pb位置の一部を各種元素で置換することを検討した
結果、Ca、SrまたはLaで置換することにより、大きな歪
み量を保ちつつ、ヒステリシスを低減できることを見い
出し、本発明に至ったものである。
【0009】
【作用】上記構成においては、一般式Pb(Mg1/3Nb2/3)
1-XTiXO3で表わされる磁器組成物において、0.05<
X≦0.4であり、さらにPbの0.5〜10atm%が
Ca、SrまたはLaで置換されており、入力電界に対する歪
みが大きく、かつヒステリシスが小さい電歪材料が得ら
れる。
1-XTiXO3で表わされる磁器組成物において、0.05<
X≦0.4であり、さらにPbの0.5〜10atm%が
Ca、SrまたはLaで置換されており、入力電界に対する歪
みが大きく、かつヒステリシスが小さい電歪材料が得ら
れる。
【0010】なお、一般式Pb(Mg1/3Nb2/3)1-XTiXO3で表
わされる磁器組成物において、Xの値を0.05<X≦
0.4に限定したのは、Xの値が0.05未満では、電
気歪み量が小さく実用の範囲外となり、一方、Xの値が
0.4を越えるとヒステリシスが大きくなるためであ
る。
わされる磁器組成物において、Xの値を0.05<X≦
0.4に限定したのは、Xの値が0.05未満では、電
気歪み量が小さく実用の範囲外となり、一方、Xの値が
0.4を越えるとヒステリシスが大きくなるためであ
る。
【0011】また、PbのCa、SrまたはLaによる置換を
0.5〜10atm%に限定したのは、Ca、SrまたはLa
による置換量が0.5atm%未満ではヒステリシスが
低減せず、一方、10atm%を越えると電気歪み量が
著しく低下するためである。
0.5〜10atm%に限定したのは、Ca、SrまたはLa
による置換量が0.5atm%未満ではヒステリシスが
低減せず、一方、10atm%を越えると電気歪み量が
著しく低下するためである。
【0012】
【実施例】以下、本発明に係る電歪材料の実施例を説明
する。原料としてPbO 、MgO 、Nb2O5 、TiO2、CaCO3 、
SrCO3 、La2O3 の各種酸化物を用いた。なお、原料はこ
れらに限らず、最終的に上記の酸化物になるものであれ
ば他の化合物を使用することができる。これら酸化物を
表1に示した組成になるように配合し、ポットミルで十
分に混合した。混合した原料を乾燥した後900〜11
00℃の温度範囲で約2時間仮焼した。この仮焼物を再
びボールミルで十分に粉砕、混合した後、適量の有機バ
インダを加えて混合し、造粒した。このようにして得ら
れた粉体を約1t/cm2の圧力で直径20mm、厚さ約2mm
の円板形状に成形し、これを1050〜1250℃の温
度範囲で約2時間焼成した。その焼結体の厚さを1mmに
研磨した後、表裏面に電極を銀蒸着により作製し、分極
処理を施した。次に±1kV/mm、0.1HZ の三角
波を印加し、差動トランスを用いて歪み量を測定した。
なお、最大歪み量及びヒステリシスはそれぞれ最大歪み
量=Xmax 、ヒステリシスH=ΔX/Xmax として、図
1に示した測定値より求めた。その結果を表1に示し
た。
する。原料としてPbO 、MgO 、Nb2O5 、TiO2、CaCO3 、
SrCO3 、La2O3 の各種酸化物を用いた。なお、原料はこ
れらに限らず、最終的に上記の酸化物になるものであれ
ば他の化合物を使用することができる。これら酸化物を
表1に示した組成になるように配合し、ポットミルで十
分に混合した。混合した原料を乾燥した後900〜11
00℃の温度範囲で約2時間仮焼した。この仮焼物を再
びボールミルで十分に粉砕、混合した後、適量の有機バ
インダを加えて混合し、造粒した。このようにして得ら
れた粉体を約1t/cm2の圧力で直径20mm、厚さ約2mm
の円板形状に成形し、これを1050〜1250℃の温
度範囲で約2時間焼成した。その焼結体の厚さを1mmに
研磨した後、表裏面に電極を銀蒸着により作製し、分極
処理を施した。次に±1kV/mm、0.1HZ の三角
波を印加し、差動トランスを用いて歪み量を測定した。
なお、最大歪み量及びヒステリシスはそれぞれ最大歪み
量=Xmax 、ヒステリシスH=ΔX/Xmax として、図
1に示した測定値より求めた。その結果を表1に示し
た。
【0013】
【表1】
【0014】
【表1の2】
【0015】表1中*印のものは本発明の範囲外のも
の、それ以外は本発明の範囲内のものを示している。表
1より明らかなように、本発明の範囲内のものでは、最
大歪み量が大きく、かつヒステリシスが小さいという点
において十分満足のいく結果が得られた。比較例におい
て、試料番号1、30はTiの分率が0.05未満であ
り、しかもCa、SrまたはLaで全く置換されていないため
に、最大歪み量が小さく、ヒステリシスの改善も見られ
ていない。試料番号2、18、31はTiの分率が0.0
5未満であるため最大歪み量が小さくなった。また、試
料番号3、6、12、32、35、41はCa、Srまたは
Laで全く置換されていないためヒステリシスが大きくな
り、一方試料番号5、11、15、20、25、28、
34、40、44ではCa、SrまたはLaでの置換量が大き
いために電気歪み量が低下している。さらに、試料番号
16、45はTiの分率が0.40を越えており、しかも
Ca、SrまたはLaで全く置換されていないために、ヒステ
リシスが増大した。また試料番号17、29、46はTi
の分率が0.40を越えているために、ヒステリシスが
増大した。
の、それ以外は本発明の範囲内のものを示している。表
1より明らかなように、本発明の範囲内のものでは、最
大歪み量が大きく、かつヒステリシスが小さいという点
において十分満足のいく結果が得られた。比較例におい
て、試料番号1、30はTiの分率が0.05未満であ
り、しかもCa、SrまたはLaで全く置換されていないため
に、最大歪み量が小さく、ヒステリシスの改善も見られ
ていない。試料番号2、18、31はTiの分率が0.0
5未満であるため最大歪み量が小さくなった。また、試
料番号3、6、12、32、35、41はCa、Srまたは
Laで全く置換されていないためヒステリシスが大きくな
り、一方試料番号5、11、15、20、25、28、
34、40、44ではCa、SrまたはLaでの置換量が大き
いために電気歪み量が低下している。さらに、試料番号
16、45はTiの分率が0.40を越えており、しかも
Ca、SrまたはLaで全く置換されていないために、ヒステ
リシスが増大した。また試料番号17、29、46はTi
の分率が0.40を越えているために、ヒステリシスが
増大した。
【0016】このように上記実施例に係る電歪材料にお
いては、入力電界に対する歪みが大きく、かつヒステリ
シスが小さい電歪材料を得ることができ、電歪アクチュ
エータ等の材料としてきわめて有用である。
いては、入力電界に対する歪みが大きく、かつヒステリ
シスが小さい電歪材料を得ることができ、電歪アクチュ
エータ等の材料としてきわめて有用である。
【0017】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る電歪材
料は、一般式Pb(Mg1/3Nb2/3)1-XTiXO3で表わされる磁器
組成物において、0.05<X≦0.4であり、さらに
Pbの0.5〜10atm%がCa、SrまたはLaで置換され
ているので、入力電界に対する歪みが大きく、かつヒス
テリシスが小さい電歪材料を得ることができ、電歪アク
チュエータ等の材料としてきわめて有用である。
料は、一般式Pb(Mg1/3Nb2/3)1-XTiXO3で表わされる磁器
組成物において、0.05<X≦0.4であり、さらに
Pbの0.5〜10atm%がCa、SrまたはLaで置換され
ているので、入力電界に対する歪みが大きく、かつヒス
テリシスが小さい電歪材料を得ることができ、電歪アク
チュエータ等の材料としてきわめて有用である。
【図1】最大歪み量及びヒステリシスを測定するための
入力電界に対する歪み量を示したグラフである。
入力電界に対する歪み量を示したグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】 一般式Pb(Mg1/3Nb2/3)1-XTiXO3で表わさ
れる磁器組成物において、0.05<X≦0.4であ
り、さらにPbの0.5〜10atm%がCa、SrまたはLa
で置換されていることを特徴とする電歪材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3143328A JPH0551217A (ja) | 1991-03-07 | 1991-06-14 | 電歪材料 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3-41867 | 1991-03-07 | ||
JP4186791 | 1991-03-07 | ||
JP3143328A JPH0551217A (ja) | 1991-03-07 | 1991-06-14 | 電歪材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0551217A true JPH0551217A (ja) | 1993-03-02 |
Family
ID=26381526
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3143328A Pending JPH0551217A (ja) | 1991-03-07 | 1991-06-14 | 電歪材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0551217A (ja) |
-
1991
- 1991-06-14 JP JP3143328A patent/JPH0551217A/ja active Pending
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