JPH0550744B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、静電記録装置等における多色記録装
置に関するものである。

従来の技術 従来、多色プリントができる方法として、種々
の方法が提案されている。

それらのなかで各色に色分解された３又は４色
の画像情報に対応する静電潜像を、感光体と
LED等の電光変換素子の組み合わせで電子写真
的に形成する電子写真カラープリンタ、或いは針
電極を多数ならべたマルチスタイラスで誘電体上
に静電潜像を形成する静電記録カラープリンタ
は、高速で保存性に優れた普通紙カラープリンタ
ができる特長を有している。

しかしながら、かかる従来技術においては、各
色の画像情報に対応する静電潜像を共通の潜像担
持体上に形成することはできない。

すなわち、第一の画像情報に対応する特定極性
の静電潜像を形成した後、トナーによる現像工程
を経た上で、第二、第三、あるいは第四の潜像形
成、現像をくり返すことになるが、その際、
LED入力電子写真法では、第１色目でトナーが
付着しているところには、第２色目以降の光入力
をしてもトナーにより光がしやへいされてしまう
ので、たとえば、混色のための重ね打ちができな
い。マルチスタイラスを用いる静電記録でも帯電
時に、マルチスタイラスを誘電体に近接させなけ
ればならないために、現像後に第２色以降の静電
潜像を形成することは困難である。尚、現像工程
を経ずに静電潜像の極性を色毎に変えて形成する
方法も提案されているが、この方法では２色に限
られる。

以上のことから、従来提案されている方法で
は、各色の静電潜像形成、現像後、各色トナーを
転写してから次色の記録に移るのが通常である。
このような方法では静電潜像担体を１つにして、
各色対応のトナー像を作り、紙を必要回数分、循
環して転写してカラープリントをうるか、各色に
対応する静電潜像形成、現像手段を複数個設けて
おいて、連続的に走行する紙へ、転写させる方法
が知られている。

発明が解決しようとする問題点 各色対応のトナー像を作り、紙を必要回数分、
循環して転写してカラープリントをうる前述の従
来の方法では、プリント速度が低下してしまう
上、転写の際に精密な位置合わせを必要とするた
め、紙送り系統や、タイミングコントロールが複
雑となり、装置の大型化、高価格化を招いてしま
う。また、各色に対応する静電潜像形成、現像手
段を複数個設けておいて連続的に走行する紙へ転
写させる前述の従来の方法では、プリント速度の
低下は改善できるが、転写の際に精密な位置合わ
せを必要とするため、紙送り系統や、タイミング
コントロールが複雑となり、装置の大型化、高価
格化を招くという問題は前者の方法と同様に残さ
れている。

従つて、本発明の目的は、このような従来技術
の問題点を解消し、非常に簡単且つ容易に高精細
で色再現性に優れたカラープリントを与えうるよ
うな多色記録装置を提供することである。

問題点を解決するための手段 本発明による多色記録装置は、帯電しうる誘電
体又は感光体と、該誘電体又は感光体に非接触に
てその移動方向にそつて順番に配置された色情報
の各々のための複数の組のイオン流発生および変
調手段および現像手段と、前記誘電体または感光
体の前記移動方向にそつてさらに続いてその誘電
体又は感光体に近接して配置され前記誘電体又は
感光体に形成されたすべての現像像を１回で記録
体に転写する像転写手段とを備えており、前記各
組のイオン流発生および変調手段は、前記誘電体
又は感光体に面して且つその前記移動方向を横切
る方向に延長するスリツトを有した枠体と、該枠
体内で前記スリツトの前記誘電体又は感光体に面
したスリツト開口とは反対側において前記スリツ
トの延長方向にそつて設けられ、前記スリツトを
通して前記スリツト開口から前記誘電体又は感光
体へと向かうイオン流を発生するイオン流発生手
段と、前記スリツトの対向面のうちの一方の面に
そのスリツトの前記延長方向にそつて延長するよ
うにして設けられた共通電極と、前記スリツトの
対向面のうちの他方の面にそのスリツトの前記延
長方向にそつて所定の間隔をおいて配列された複
数の制御電極と、電気的画像情報に応じて前記共
通電極と前記制御電極の各々との間に選択的に制
御電圧を印加して、前記スリツトを通るイオン流
の流れ方向に対して垂直に加えられてそのイオン
流の該スリツトの通過を制御する制御電場を形成
するようにするスイツチ手段とを備えており、前
記制御電極の形状は、前記イオン流の流れ方向に
そう方向の縦長さが、前記制御電極の配列方向に
そう方向の横巾に比して長くされている。

実施例 次に、添付図面に基づいて本発明の実施例につ
いて本発明をより詳細に説明する。

第１図は、本発明の多色記録装置の構成例を概
略的に示している。この多色記録装置は、移動す
る誘電体ベルト１１の周囲に近接して、第１色の
（例えば、イエロー）画像情報に対応して静電潜
像を、誘電体ベルト１１に形成する第１のイオン
流発生および変調装置７Ａと、該装置７Ａによつ
て形成された静電潜像をイエローのトナーで現像
する第１の現像器７Ｂと、第２色の（例えば、マ
ゼンタ）画像情報に対応して静電潜像を形成する
第２のイオン流発生および変調装置８Ａと、該装
置８Ａによつて形成された静電潜像をマゼンタの
トナーで現像する第２の現像器８Ｂと、第３色の
（例えば、シアン）画像情報に対応して静電潜像
を形成する第３のイオン流発生および変調装置９
Ａと、該装置９Ａによつて形成された静電潜像を
シアンのトナーで現像する第３の現像器９Ｂと、
第４色の（例えば、黒）画像情報に対応して静電
潜像を形成する第４のイオン流発生および変調装
置１０Ａと、該装置１０Ａによつて形成された静
電潜像を黒のトナーで現像する第４の現像器１０
Ｂとを備えている。このようにして順次形成され
た各色に対応する現像像、すなわち、トナー像
は、記録用紙１２に対して転写用帯電器１３、剥
離用除電器１４等で構成される転写装置によつて
１度に転写される。第１図において、参照番号１
５は、清掃器を示している。

次に、本発明の多色記録装置において各色の電
気的画像情報に従つてイオン流を発生し空間的に
変調するために使用するイオン流発生および変調
装置７Ａ，８Ａ，９Ａ，及び１０Ａの具体的構成
例について説明する。

第２図は、このイオン流発生および変調装置の
一具体例を部分的に略示している。この例の装置
は、第１図に示すように誘電体ベルト１１に面し
て且つその誘電体ベルト１１の移動方向を横切る
方向に延長するスリツトを有した枠体３０１と、
枠体３０１のコロナイオン発生閉空間に線状に張
設されコロナイオン発生用高電圧が印加されるコ
ロナワイヤー３０２と、誘電体ベルト１１に面す
るスリツト開口とは反対側においてコロナイオン
発生閉空間に空気等の気体を送り込む気体送込み
手段３０３と枠体３０１のスリツト空間を隔て
て、対向する共通電極３０４と、個別に信号電圧
が印加できる制御電極３０５ａ，３０５ｂ，３０
５ｃ，３０５ｄ，３０５ｅ，…３０５ｉ…と、そ
れぞれの制御電極への印加電圧、すなわち、制御
電圧を、個別に電気的画像情報に応じて切り換え
るスイツチ３０６ａ，３０６ｂ，３０６ｃ，３０
６ｄ，…３０６ｉ…とからなつている。この具体
例では、コロナワイヤー３０２と気体送込み手段
３０３とが、イオン流発生手段を構成している。

このイオン流発生源のコロナワイヤー３０２に
より均一に発生したコロナイオンが電気的画像情
報に対して制御電極３０５ｉと共通電極３０４間
で形成される電界下をスリツト開口側へ進行す
る。このとき、制御電極３０５ｉと共通電極３０
４間に電場が形成されている場合、コロナイオン
は、その電場で偏向され、スリツト通過中に、制
御電極３０５ｉ、共通電極３０４のいずれかに捕
捉されてスリツトからぬけ出すことが出来ない。
制御電極３０５ｉと共通電極３０４間に電位差が
ない場合には、コロナイオンがスリツトをぬけ出
てくる。従つて、制御電極に印加する信号に応じ
たイオン正極性、負極性、いずれの場合でも、こ
のような制御が可能である。

この第２図のイオン流発生および変調装置を使
用する場合には、第２図によく示されているよう
に、イオン流変調を行なう制御電極３０５ａ，３
０５ｂ，３０５ｃ，…の形状は、イオン流が流れ
る方向にそう方向の縦長さが、それら制御電極の
配列方向にそう方向の横巾に比べて長いので、イ
オン流の量の変調が効率的に行えるため高速化が
可能である。

以上のように、本発明の多色記録装置に用いら
れるイオン流発生およひ変調装置は、コロナイオ
ン発生源から生じるイオンを、電気的画像情報に
対応してイオンを偏向する、しない及び／又は加
速する、しない及び減速する、しないように位置
的に変化する電場へ向けて移動させる手段で構成
されている。このようなイオン流変調の効率向
上、すなわち、高速化は、コロナ発生源を枠体で
囲い、枠体に空気等の気体を送り込むことで達成
できる。

このようなイオン流発生およひ変調装置の場
合、マルチスタイラスによる静電潜像形成手段に
較べて、非接触で動作させることができるので、
すでに現像されたトナー像を乱すことなく別色の
静電潜像が形成でき、また、LEDアレイ等の光
像照射と異なり、すでに現像されたトナーに妨害
されることなく、次色の静電潜像形成が行える。

前述した例では、静電潜像担持体として誘電体
を使用した場合について説明したが、本発明の多
色記録装置では、誘電体のかわりに電子写真用感
光体を用いてもよい。この場合、静電潜像の除電
時に一様露光の補助手段を用いることができるの
で除電が容易となる。また、誘電体又は電子写真
感光体は、各色の帯電、現像前に所定極性で一様
帯電されてもよく、この場合には、反転現像を行
なう。

発明の効果 本発明の多色記録装置によれば、各色に分解さ
れ各色で顕像化する際の位置合わせがイオン流発
生および変調装置への画像信号入力タイミング、
あるいは、イオン流発生および変調装置の取り付
け位置決めで容易になされるので、記録紙への多
重回転写する従来方式での位置合わせ、すなわ
ち、寸法精度や紙送り時の記録紙の伸縮等への対
策を必要とする方法に較べて容易である。また、
本発明の装置によれば、静電潜像担持体と非接触
で帯電ができるので、すでに現像されたトナーが
存在する位置でも再帯電でき、混色のための重ね
現像が可能であり、高精細で色再現性に優れたカ
ラープリンタを提供できる。

すなわち、本発明の多色記録装置は、現像剤担
持体上にイオン流変調手段により静電潜像を形
成、現像する工程を繰り返した後、現像像の全て
を記録体に１回で転写して多色記録を行なうもの
であり、各色情報に対応する潜像を形成するため
のイオン流発生および変調装置のイオン流変調電
極は、イオン流を通すスリツトの対向面にそつて
配置された制御電極と共通電極とからなり、その
制御電極の形状は、イオン流の流れ方向にそう方
向の縦長さが、制御電極の配列方向にそう方向の
横巾に比して長くされているので、イオン流変調
の効率が高く低電圧駆動が可能で高解像度とする
ことができ、したがつて、複数個のイオン流変調
手段と現像器の組で順次トナー像を担持体上に形
成してもヘツドで画像が乱れることがなく高速化
が可能である。

【図面の簡単な説明】

添付図面の第１図は、本発明の多色記録装置の
構成例を示す概略図、第２図は、本発明の多色記
録装置において使用するイオン流発生および変調
装置の一具体例を示す部分概略図である。 ７Ａ，８Ａ，９Ａ，１０Ａ……イオン流発生お
よび変調装置、７Ｂ，８Ｂ，９Ｂ，１０Ｂ……現
像器、１１……誘電体ベルト、１２……記録用
紙、１３……転写用帯電器、１４……剥離用除電
器、１５……清掃器、３０１……枠体、３０２…
…コロナワイヤー、３０３……気体送込み手段、
３０４……共通電極、３０５ａ，３０５ｂ，３０
５ｃ，３０５ｄ，３０５ｅ……制御電極、３０６
ａ，３０６ｂ，３０６ｃ，３０６ｄ……スイツ
チ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 帯電しうる誘電体又は感光体と、該誘電体又
   は感光体に非接触にてその移動方向にそつて順番
   に配置された色情報の各々のための複数の組のイ
   オン流発生および変調手段および現像手段と、前
   記誘電体または感光体の前記移動方向にそつてさ
   らに続いてその誘電体又は感光体に近接して配置
   され前記誘電体又は感光体に形成されたすべての
   現像像を１回で記録体に転写する像転写手段とを
   備えており、前記各組のイオン流発生および変調
   手段は、前記誘電体又は感光体に面して且つその
   前記移動方向を横切る方向に延長するスリツトを
   有した枠体と、該枠体内で前記スリツトの前記誘
   電体又は感光体に面したスリツト開口とは反対側
   において前記スリツトの延長方向にそつて設けら
   れ、前記スリツトを通して前記スリツト開口から
   前記誘電体又は感光体へと向かうイオン流を発生
   するイオン流発生手段と、前記スリツトの対向面
   のうちの一方の面にそのスリツトの前記延長方向
   にそつて延長するようにして設けられた共通電極
   と、前記スリツトの対向面のうちの他方の面にそ
   のスリツトの前記延長方向にそつて所定の間隔を
   おいて配列された複数の制御電極と、電気的画像
   情報に応じて前記共通電極と前記制御電極の各々
   との間に選択的に制御電圧を印加して、前記スリ
   ツトを通るイオン流の流れ方向に対して垂直に加
   えられてそのイオン流の該スリツトの通過を制御
   する制御電場を形成するようにするスイツチ手段
   とを備えており、前記制御電極の形状は、前記イ
   オン流の流れ方向にそう方向の縦長さが、前記制
   御電極の配列方向にそう方向の横巾に比して長く
   されていることを特徴とする多色記録装置。