JPH0550706A - 画像記録担体に対する熱処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 印刷用インクが盛り上がって画像記録担体１
に付着することにより、インク部２の色むらが出るのを
防止するため、画像記録担体１を均一に押圧して熱伝達
にむらがないように熱処理する。 【構成】 インクで画像を形成した透明フイルム等の画
像記録担体１に、第１駆動ローラ１３、押圧ローラ１４
の対と第２駆動ローラ１５、押圧ローラ１６の対でテン
ションを付与しながら搬送する。ヒータ１８付きのヒー
タプラテン１７を第１駆動ローラ１３と第２駆動ローラ
１５との間に配置する。コイルバネ２５にてヒータプラ
テン１７を、画像記録担体１に、そのインク部のない裏
面側から弾力的に押圧する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、印刷された用紙等の画
像記録担体表面上のインクを平滑にするための熱処理装
置の構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ホットメルトインクジェットプリンタに
おいて、例えばＯＨＰ（オーバーヘッドプロジェクタ
ー）用の透明フイルム１に文字、記号、図形等の画像を
印刷した場合、図３に示すように、透明フイルム１表面
に噴射した液状のインクは略半球状に盛り上がって付着
した後、瞬間的に固化する。従って、ＯＨＰのフイルム
載置面に前記透明フイルム１を載置して、スクリーンへ
の投光用の照射光３をインク部２に通過させると、透過
光４は略半球状のインク部２で乱反射するため、色の発
色が悪くなって、スクリーン上での文字等の画像に色む
らが出ていた。特に、カラーインクの場合、その傾向が
顕著に現れる。このような現象は合成樹脂製のフイルム
ばかりでなく、通常の紙製の用紙でも生じる。

【０００３】そこで、米国特許第４８７３１３４号公報
に開示され、図４に示すように、透明フイルムなどの用
紙（以下画像記録担体という）１上のインク部２の断面
形状をなだらかな凸湾曲状にして透過光４が余り散乱し
ないようにする必要がある。その場合、従来の技術、例
えば、複写機の押圧ローラとヒートローラとの間に前記
印字済の画像記録担体１を挟持して通過させると、一旦
固化したインクが前記ヒートローラの熱により溶けて、
押圧ローラまたはヒートローラの表面に転写されてしま
い、それが再度画像記録担体１の別の箇所の表面に転写
されるという不都合が生じる。なお、前記ヒートローラ
の代わりに熱を加えない押圧ローラにすると、固化した
インクの盛り上がりを平坦化することができない。

【０００４】この解決策として、図５に示すように、印
字後の画像記録担体１を、インク部２の付着表面と反対
側の裏面側から加熱する加熱処理装置が考えられた。こ
の装置は、矢印Ａ方向に搬送される画像記録担体１の表
裏両面を挟持する第１駆動ローラ５０と押圧ローラ５１
の対及びこれと適宜隔てて配置した第２駆動ローラ５２
と押圧ローラ５３の対、並びに前記第１駆動ローラ５０
と第２駆動ローラ５２の間に配設したヒータプラテン５
４とからなり、該ヒータプラテン５４はインク２が塗布
されていない画像記録担体１の裏面側から熱を与えるも
のである。符号５５は前記ヒータプラテン５４と対峙す
るようにして画像記録担体１を第２駆動ローラ５２側に
案内するためのガイド板である。

【０００５】そして、第２駆動ローラ５２と押圧ローラ
５３の対による画像記録担体１の搬送速度を、第１駆動
ローラ５０と押圧ローラ５１の対による搬送速度をより
も若干早くなるように設定し、この両対の間で画像記録
担体１に張力を掛ける。ヒータプラテン５４の下端面は
前記両ローラ対の接線より下向きに若干寸法（Ｈ１）だ
け突出させ、前記張力の分力で、画像記録担体１の裏面
がヒータプラテン５４の下端面に巾広く接触するように
構成している。

【０００６】この構成によれば、画像記録担体１の表面
で一旦固化したインク部２は、ヒータプラテン５４の箇
所で速やかに溶け、インク部２箇所の断面形状がなだら
かになるように広がる。そして、その溶けたインク部２
の箇所がヒータプラテン５４の箇所から離れると、直ち
に前記のなだらかな断面状態で再度固化するので第２駆
動ローラ５２と押圧ローラ５３との挟持箇所では押圧ロ
ーラ５３表面にインクが転写しないのである。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前述のヒー
タプラテン５４の下端面が前記両ローラ対の接線より下
向きに突出させる寸法（Ｈ１）が少な過ぎると、画像記
録担体１への熱の伝達が悪くなる。また、ヒータプラテ
ン５４が、その長手方向（画像記録担体１の搬送方向と
直角の巾方向）での前記突出寸法に大小が生じるように
傾いて固定されたときや、前記第１駆動ローラ対および
第２駆動ローラ対での挟持力が不足していると、画像記
録担体１へのヒータプラテン５４の接触力が不足し、加
熱作用にばらつきが生じる等の問題があった。

【０００８】本発明は、前記の技術的課題を解決し、印
刷後の画像記録担体への加熱処理にむらのない加熱処理
装置を提供することを目的とするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明は、インクで画像を形成した用紙等の画像記録担
体にテンションを付与しながら搬送する搬送手段と、該
搬送中の画像記録担体を加熱するための加熱手段とから
なり、該加熱手段を画像記録担体におけるインクが塗布
されていない裏面側に弾力的に押圧するための弾力押圧
手段を備えたものである。

【００１０】

【実施例】次に本発明を具体化した実施例について説明
する。図１はホットメルトインクジェットプリンタにお
ける熱処理装置の斜視図であり、ガイド軸１０に沿って
左右往復移動するインクジェットヘッド１１のノズル
（図示せず）から液状のインク粒子を画像記録担体１の
表面に向かって噴射し、液状で噴射されたインク粒子は
画像記録担体１の表面で直ちに固化して、断面半球状の
インク部２となって（図３参照）、所定の文字、記号等
の画像１２が印刷される。

【００１１】画像記録担体１は、ポリエステルフイル
ム、トリアセテートフイルム等の合成樹脂製フイルム
や、通常の紙の用紙等種々ある。前記インクジェットヘ
ッド１１の上方には、前記印刷された画像記録担体１を
矢印Ａ方向に搬送するための第１駆動ローラ１３と押圧
ローラ１４との対及び第２駆動ローラ１５と押圧ローラ
１６との対を適宜隔てて配設する。第２駆動ローラ１５
と押圧ローラ１６との周速度は、第１駆動ローラ１３と
押圧ローラ１４との周速度よりも僅かに速くなるように
設定し、この両駆動ローラ対で挟持された画像記録担体
１はその印刷面が下向きとなるようにして搬送され、且
つテンションが付与される 前記第１駆動ローラ１３と第２駆動ローラ１５との間に
配置したアルミ等の熱良導体からなるヒータプラテン１
７は、その下端面が断面下向き凸湾曲（略半楕円状等）
となるように形成し、該ヒータプラテン１７の上面また
は内部にはヒータ（加熱体）１８を設ける。

【００１２】符号１９は前記ヒータプラテン１７の下端
面と所定の間隔で隙間ができるように湾曲成形したガイ
ド板であり、画像記録担体１を第２駆動ローラ１４に向
けて案内するものである。ヒータプラテン１７は断面下
向きコ字型のハウジング２０内に上下動自在に嵌挿され
ており、ヒータプラテン１７の長手方向に沿う前後面に
突出するガイドピン２１，２１は前記ハウジング２０内
側面の案内溝２２，２２に沿って上下移動可能に係合さ
れており、ハウジング２０下端の係止部２３，２３にて
落下不能に支持される。

【００１３】符号２４，２４は前記ヒータプラテン１７
を下向きに弾力的に押圧するための弾力押圧手段であ
り、実施例では左右一対のコイルバネ２５，２５と、各
コイルバネ２５の上端を支持するようにハウジング２０
上面に取付く筒ケース２６とからなり、各コイルバネ２
５はハウジング２０に穿設した孔２７を介してヒータプ
ラテン１７を下向きに押圧する。

【００１４】ヒータプラテン１７の下面と画像記録担体
１との接触面は、第１駆動ローラ１３と押圧ローラ１４
との対及び第２駆動ローラ１５と押圧ローラ１６との対
にて搬送される画像記録担体１の接線よりも下方に位置
する。次にこの構成による動作について説明する。イン
クジェットヘッド１１によって下面に印刷された画像記
録担体１は、第１駆動ローラ１３と押圧ローラ１４とに
よりヒータプラテン１７の下面とガイド板１９との隙間
を通って第２駆動ローラ１５と押圧ローラ１６との間に
搬送される。第２駆動ローラ１５と押圧ローラ１６との
周速度は第１駆動ローラ１３と押圧ローラ１４との周速
度より若干速いため、両駆動ローラ１３，１４の対間で
画像記録担体１はテンションを付与される。このため、
画像記録担体１がヒータプラテン１７をコイルバネ２
５，２５の弾力に抗して上に押し上げる。前記テンショ
ンとコイルバネ２５，２５の下向き押圧力とにより、ヒ
ータプラテン１７にて画像記録担体１にその巾方向に略
均一の接触圧が作用する。その状態でヒータ１８からの
熱がヒータプラテン１７を介して画像記録担体１の裏面
に伝達される。この熱により画像記録担体１表面側の盛
り上がったインク部２は速やかに溶けて、透過光に対し
て乱反射しないような偏平な形状に広がる。そのインク
部２がヒータプラテン１７表面との接触面から離れる
と、速やかに固化するという熱処理作用を受ける。

【００１５】従って、画像記録担体１が第２駆動ローラ
１５と押圧ローラ１６との箇所に搬送された位置では、
前記インク部２はもはや押圧ローラ１６の表面に転写す
ることがなく、熱処理を終了して排出されることにな
る。このように、ヒータプラテン１７の前後位置の挟持
搬送ローラ１３，１４，１５，１６にてニップされた画
像記録担体１の部分は、コイルバネ２５，２５の弾力に
より、均一な押圧力と熱伝達とを受け、むらのない良好
な熱処理をすることができる。

【００１６】なお、本発明は、上記の実施例に限定され
るものでなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々
の変更が可能である。例えば、ハンジング２０を、コイ
ルバネ２５の支持部と、ヒータプラテン１７の上下案内
部とを別体に形成しても良い。また、ヒータプラテン１
７へのヒータ（加熱体）１８を、サーマルヘッドと同様
に、ヒータプラテン１７の下端表面に画像記録担体１の
巾方向に沿って長手帯状に発熱抵抗体を厚膜成形等によ
り形成し、この電気発熱抵抗体に通電して加熱部として
も良い。弾力押圧手段としてのコイルバネに代えて板バ
ネ等を利用しも良いのである。

【００１７】前記実施例では、ＯＨＰ用の透明フイルム
を画像記録担体としたが、通常の紙製の用紙であっても
良い。また、インクジェットプリンタの機構の一部とし
ての熱処理装置でなく、印刷装置と独立して、印刷後の
画像記録担体を熱処理する装置としても良いのである。

【００１８】

【発明の作用及び効果】本発明では、弾力押圧手段にて
加熱手段を介して印刷後の画像記録担体の裏面側を弾力
的に押圧するので、所定の押圧力にて常に加熱手段と画
像記録担体とが均一な接触面積で接触できる。従って、
加熱手段により画像記録担体に対して均一なむらのない
熱処理を施すことができる効果を奏するのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の熱処理装置の斜視図である。

【図２】要部の断面図である。

【図３】熱処理前のインクと透過光との関係を示す説明
図である。

【図４】熱処理後のインクと透過光との関係を示す説明
図である。

【図５】従来技術の熱処理装置の断面図である。

【符号の説明】

１ 画像記録担体 ２ インク部 ３ 照射光 ４ 透過光 １０ ガイド軸 １１ インクジェットヘッド １２ 画像 １３，５０ 第１駆動ローラ １４，５１ 押圧ローラ １５，５２ 第２駆動ローラ １６，５３ 押圧ローラ １７，５４ ヒータプラテン １８ ヒータ １９，５５ ガイド板 ２０ ハウジング ２１ ガイドピン ２２ 案内溝 ２３ 係止部 ２４ 弾力押圧手段 ２５ コイルバネ ２６ 筒ケース ２７ 孔

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 インクで画像を形成した用紙等の画像記
   録担体にテンションを付与しながら搬送する搬送手段
   と、該搬送中の画像記録担体を加熱するための加熱手段
   とからなり、該加熱手段を画像記録担体におけるインク
   が塗布されていない裏面側に弾力的に押圧するための弾
   力押圧手段を備えたことを特徴とする画像記録担体に対
   する熱処理装置。