JPH0550260A - アルミニウム板の直流式抵抗スポツト溶接方法 - Google Patents

アルミニウム板の直流式抵抗スポツト溶接方法

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JPH0550260A
JPH0550260A JP3205301A JP20530191A JPH0550260A JP H0550260 A JPH0550260 A JP H0550260A JP 3205301 A JP3205301 A JP 3205301A JP 20530191 A JP20530191 A JP 20530191A JP H0550260 A JPH0550260 A JP H0550260A
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electrode
welding
negative electrode
spot welding
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Yasuo Takahashi
靖雄 高橋
Toru Saito
亨 斉藤
Shinji Takeno
親二 竹野
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Sky Aluminium Co Ltd
Nippon Steel Corp
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Sky Aluminium Co Ltd
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルミニウム合金を抵抗スポット溶接するに
あたり、電極(特には正極)の寿命を延ばし、連続使用
に優れ溶接作業性を向上せることのできる方法を提供す
る。 【構成】 重ね合わせたアルミニウム製またはアルミニ
ウム合金製の板1,1を正極2および負極3の両電極に
より挟みスポット溶接するアルミニウム板の直流式抵抗
スポット溶接方法において、正極1の板1に対する接触
部面積を負極3の板1に対する接触部面積よりも広く設
定して溶接する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウムまたはア
ルミニウム合金よりなる板体を正極および負極の両電極
により挟み、直流電源を用いた電気抵抗溶接をスポット
溶接で行なうアルミニウム板の直流式抵抗スポット溶接
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の燃費規制等の点より軽量
化の要求が強まりつつあり、これに伴いアルミニウム合
金板は鋼板に代わって自動車用の外板等に使われる例が
増加しつつある。このアルミニウム合金の外板の組立に
は鋼板と同様に電気抵抗スポット溶接により行なわれる
場合が多い。電気抵抗溶接とは、周知のように溶接部に
大電流を直接通電し、これによって生ずるジュール熱を
熱源として接合部を加熱し、同時に大きな加圧力を与え
て金属を接合する方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の如き
抵抗スポット溶接によりアルミニウム(アルミニウム合
金)の溶接を行なうにあたっては下記のような問題が生
ずる。すなわち、アルミニウム合金は鋼に比べ、i) 電
気抵抗が低く、ii) 熱電導率が高く、iii) 板表面に非
電導の硬くて脆い酸化膜が存在する等の物理的性質が異
なる、といった特徴がある。かかる性質のため、通常、
アルミニウム合金板の電気抵抗スポット溶接では、溶接
電流を鋼板に比べ約3倍多く流す必要がある。また、上
記非電導の酸化膜が溶接時に部分的に割れてこの部分を
通じてのみ通電が行なわれるという現象が生じるように
なる。このため、溶接時に電極の発熱が局部的に過大と
なってアルミニウム合金板と電極とが局部的に融着し、
この融着部が板側に移行して電極が劣化しやすい。その
結果、アルミニウム合金に対し電極の保守なしに連続し
てスポット溶接を行なえる回数は鋼板の場合の1/10
〜1/100であり、アルミニウムの抵抗スポット溶接
は連続打点性が著しく低下するといった問題があった。
かかる問題は、従来よりアルミニウム板利用上の問題点
としてあったが、従来スポット溶接を多用する用途がさ
ほどなく、特別に問題視されてこなかった。しかしなが
ら、上記のように大量生産の自動車に使用されるように
なってくるにしたがい、その問題の重要性が高くなって
きた。
【0004】さらに、アルミニウム合金を抵抗溶接によ
り溶接する場合には通常、直流電源を用いることが多
い。これは、交流式抵抗溶接をアルミニウム板に用いる
と、力率が低いことに加え上記のように大電流を必要と
するため変圧器が特大容量となるためである。ところが
一方、アルミニウム板の直流式抵抗溶接においては、正
極に接触する板の発熱が負極に接触する板の発熱より大
きくなる”極性効果”が認められ、連続打点に伴う電極
の劣化は正極側で大きくなる。このため、連続打点性は
正極で律速されるという問題があった。
【0005】上記のこうした問題を解決するため、電
極,アルミニウム合金板,溶接条件および溶接方法等の
面から種々の方法が提案されている。例えば、i) 溶接
すべき板体間に高抵抗の異種材料を挿入する(特公昭5
9−26393号公報),ii) 電極を軸回りに回転させ
る(Welding Journal 1985July P36),iii) 電極を傾
けて回転させる(溶接学会講演概要 1990 第47集p15
6)等である。
【0006】しかしながら、何れも、溶接対象をアルミ
ニウムとした場合に生ずる上記特有の問題を解決するに
は至っていない。例えば上記 ii) の方法は交流による
検討であり、そのため上記電源問題がそのまま未解決で
あり、これを直流に応用すれば極性効果の問題が残る。
【0007】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
で、アルミニウム合金を抵抗スポット溶接するにあた
り、連続打点性に優れ溶接作業性を向上せることのでき
るアルミニウム板の直流式抵抗スポット溶接方法を提供
することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
重ね合わせたアルミニウム製またはアルミニウム合金製
の板体を正極および負極の両電極により挟みスポット溶
接するアルミニウム板の直流式抵抗スポット溶接方法に
おいて、前記正極の前記板体に対する接触部面積を前記
負極の前記板体に対する接触部面積よりも大として溶接
することを特徴とするものである。
【0009】請求項2に係る発明は、請求項1記載のア
ルミニウム板の直流式抵抗スポット溶接方法において、
前記正極の中心軸と前記負極の中心軸とを両電極の前記
板体に対する接触部が対峙する範囲内で互いに平行にず
らし、かつ前記正極を溶接打点数の増加に伴う接触位置
での劣化の進行に応じて自身の軸中心回りに順次回転さ
せることを特徴とするものである。
【0010】請求項3に係る発明は、請求項2記載のア
ルミニウム板の直流式抵抗スポット溶接方法において、
前記負極を前記溶接すべき板体に対する垂直方向から所
定角度傾け、かつ該負極を溶接打点数の増加に伴う接触
位置での劣化の進行に応じて自身の軸中心回りに順次回
転させることを特徴とするものである。
【0011】
【作用】請求項1に係る発明では、正極の板体との接触
面積が大きくなり、その結果正極側の電流密度が低下す
る。これにより正極側の板体における抵抗発熱が分散さ
れて溶融面積も低下し、負極側の溶融量とのバランスが
とれる程度になってくる。その結果正極と板体との界面
の発熱も低下し、正極の発熱も低下して該正極の劣化が
緩和される、と考察される。
【0012】請求項2に係る発明では、正極における一
定の打点位置が劣化したら正極を適宜回転させる。これ
により順次隣の健全部を使用した溶接が可能となり、正
極をその健全部がなくなるまで連続して使用できる。
【0013】請求項3に係る発明では、請求項2の発明
による作用と同じ作用により負極の寿命を延ばすことが
できる。請求項2に係る発明により正極寿命が大きく向
上したこととの相乗作用により正極,負極、両電極の寿
命を飛躍的に向上させる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。図1は請求項1に係る発明の一実施例により
アルミニウム板の抵抗スポット溶接を行なっている状態
を示すものである。この図において、符号1,1はアル
ミニウムまたはアルミニウム合金製の板体である。板体
1,1は互いに重ねられている。これら重ねられた板体
1,1のそれぞれの外面側には、図示しない抵抗溶接機
の電極(正極2,負極3)が板体1,1を挟んで対向配
置されている。
【0015】ここで、本発明においては抵抗溶接を直流
電流により行なうものであり、したがって前記電極は一
方が正極2、他方が負極3となっている。
【0016】前記正極2は、一般にF形(平面形)と称
されるもので、先端部が平坦であり、前記板体1とは円
形の面で接触している。一方、前記負極3は、一般にR
形(ラジアス形)と称されるもので、外径は前記正極2
と同じであるが先端が球面状となっている。このため、
図示の如く、該負極3の前記板体1に対する先端接触部
3aの面積は前記正極2の板体1に対する先端接触部2
aの面積よりも小さいものとなっている。言い換えれ
ば、板体1に対する接触部面積は正極2の方が負極3よ
りも大きいものとなっている。
【0017】上記状態において前記両電極2,3間に溶
接電流を流し、板体1,1のスポット溶接を行なう。以
下に、上記実施例に基づく実験例を示す。
【0018】〔実験例1〕 △供試材(板体1) 材質:アルミニウム合金 JIS A
5182の焼鈍材 寸法:300mm×300mm×1mm △溶接機 三相整流式直流型,容量150KVA △電極 材質:クロム銅 形状:[正極2]F形(平面形),16mmφ [負極3]R形(ラジアス形),16mmφ,先端部半径
100mmR △溶接条件 電流:30,000A 通電時間:4サイクル 加圧力:310Kg 上記条件の下で、連続打点性試験を行なった。連続打点
性の評価は電極チップの清掃または交換無しで連続的に
溶接が行なえる限界で判定して行なった。この限界の判
定は、図3または図5に示す最初のナゲット(溶接金
属)4の径が6.0mmφになるように溶接しておき、連
続打点の進行に伴いナゲット径が次第に低下し、5.0m
mφ未満になった時を限界とした。その結果を表1の実
験例1に示す。なお、表1は以降に述べる他の実験結果
も同時に示してある。比較例として、正極の電極形状を
負極の電極と同じラジアス形にした以外上記同一条件で
行なった実験結果を同表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】上記表1からも解るように、上記溶接方法
によれば、従来方法すなわち溶接電極として双方とも同
一形状のものを用いた場合に比べ連続打点数が2倍以上
となり、電極(正極2)の劣化が大きく抑えられる。つ
まり、電極寿命が2倍以上引き延ばされたこととなる。
【0021】上記効果は下記の作用により生まれると考
察される。すなわち、図2は本発明に係る上記実施例の
方法による場合の溶接電流iの流れを示している。この
図において図1のものと同じ構成要素には同一符号を付
してある。本発明に係る方法では、正極2の板体1との
接触面積が大きくなり、その結果電流密度が低下する。
これにより正極2側の板体1における抵抗発熱が分散さ
れて溶融面積も低下し、図3に示すように負極3側の溶
融量とのバランスがとれる程度になってくる。その結果
正極2と板体1との界面の発熱も低下し、正極2の発熱
も低下して該正極2の劣化が緩和されて連続打点性が向
上する。一方、従来方法すなわち両電極2,3を同一形
状とした場合には、図4に示すように電流密度が高くな
り、これが原因して正極側での抵抗発熱が増し、その結
果図5に示すように正極2側の溶け込みが大きくなる。
そして、さらに正極2が局所的に板体1と融着し、これ
により正極2が劣化する。
【0022】なお、上記実施例においては、正極2と負
極3として同一直径のものを用いたが、正極2の先端接
触部2aの面積が負極3の先端接触部3aの面積よりも
大きければよい。したがって、電極の直径について言え
ば負極3の方が正極2よりも大きくても構わないが、通
常は、両電極2,3の直径が同一か、もしくは正極2の
直径が負極3の直径よりも1〜10mm 程度大きいのが
望ましい。
【0023】次に、図6ないし図8は請求項2に係る発
明の一実施例を示すものである。図中、先に示したもの
と同じ構成要素には同一符号を付してある。この発明で
は、図6に示すとおり負極3の軸中心C2を正極2の軸
中心C1に対して平行にずらしている。ただし、ずれの
範囲は、負極3が正極2の対峙範囲より出ない範囲であ
る。また、本実施例においても、正極2の先端接触部2
aの面積が負極3の先端接触部3aの面積よりも大きい
点は上記実施例と同じである。
【0024】また、前記正極2は図示しない電極回転機
構により、自身の軸中心C1回りに回動できる構成とな
っている。
【0025】上記状態において前記両電極2,3間に電
圧をかけ、板体1,1のスポット溶接を行なう。正極2
は先の実施例と同じ作用によりその劣化が従来方法に比
して大幅に緩和されるが、それでもやはり劣化は生ず
る。そこで、この正極2を、図8に示す如く溶接打点数
の増加に伴う接触位置での劣化の進行に応じて順次軸中
心C1回りに回転させ溶接を行なう。図8において符号
5a,5b,5cは、正極2を所定角度ずつ回転させた
ことにより順次ずれた先端接触部2aの打点位置を示し
ている。ここで、これら打点位置のうち5aおよび5b
は既に劣化し、次に打点位置5cが用いられることを示
している。
【0026】以下に、上記実施例に基づく実験例を示
す。 〔実験例2〕 △供試材(板体1) 材質:アルミニウム合金 JIS A
5182の焼鈍材 寸法:300mm×300mm×1mm △溶接機 三相整流式直流型,容量150KVA △電極 材質:クロム銅 形状:[正極2]F形(平面形),25mmφ [負極3]R形(ラジアス形),16mmφ,先端部半径
100mmR 軸中心C1とC2のずれ量:8mm 正極2の回転:200打点毎に15° △溶接条件 電流:30,000A 通電時間:4サイクル 加圧力:310Kg 上記条件の下で、連続打点性試験を行なった。連続打点
性の評価は先の実験例1の場合と同じである。実験結果
を表1の実験例2に示す。
【0027】上記表1からも解るように、上記溶接方法
によれば連続打点数すなわち電極寿命が、従来方法と比
べた場合には4倍弱、上記実施例のものに比べても2倍
弱と大幅に増加し、電極(正極2)の劣化が極めて少な
くなる。
【0028】上記効果は下記の作用による。すなわち、
上記請求項1に係る発明により正極2の劣化が改善され
打点性が向上するとはいえ、未だ正極2の劣化は負極3
の劣化に比して激しく、連続打点性は正極2の劣化状態
により律速されていた。このため、図8に示したように
正極2における一定の打点位置が劣化したら正極2を適
宜回転させることにより順次隣の健全部を使用した溶接
が可能となる。これにより正極2はその健全部がなくな
るまで連続して使用でき、正極2全体として寿命が延長
する。
【0029】なお、この実施例において、正極2と負極
3とのずらし量については、それぞれの電極の径によっ
ても異なるが、第8図に示すように両電極の先端接触部
2a,3aが共に充分に対峙する範囲で、打点位置5
a,5b,…をなるべく多く取れるような位置がよい。
通常1〜10mm程度となろう。また、正極2を打点位置
の劣化に伴い順次回転させる程度は、溶接条件,電極劣
化状態,電極径等の条件によって異なるが、通常、20
〜200打点毎に10°〜72°回転させるのが望まし
い。
【0030】次に、図9ないし図11は請求項3に係る
発明の一実施例を示すものである。図中、先に示したも
のと同じ構成要素には同一符号を付してある。この発明
は、図6等に示した先の発明においてさらに、負極3を
板体1に対する垂直方向から所定の角度θだけ傾け、か
つこの負極3を正極2と同じように、溶接打点数の増加
に伴う接触位置での電極劣化の進行に応じて自身の軸中
心C2回りに順次回転させるものである。ただし、正極
2の先端接触部2aの面積が負極3の先端接触部3aの
面積よりも大きい点、および、負極3のずれの範囲が正
極2と対峙する範囲を出ない点については上記実施例と
同じである。
【0031】また、ここでは、負極3も正極2と同様に
図示しない電極回転機構により、自身の軸中心C2回り
に回動できる構成となっている。
【0032】上記状態において前記両電極2,3間に溶
接電流を流し、板体1,1のスポット溶接を行なう。正
極2は先の請求項2に係る発明の作用により、その劣化
が従来方法に比して大幅に緩和される。ただし、負極3
についても劣化しないわけではない。その結果、今度は
負極3の劣化状況により連続打点性が律速されるように
なる。そこでこの負極3を、図11に示す如く溶接打点
数の増加に伴う接触位置での劣化の進行に応じて順次軸
中心C2回りに回転させ溶接を行なう。
【0033】以下に、上記実施例に基づく実験例を示
す。 〔実験例3〕 △供試材(板体1) 材質:アルミニウム合金 JIS A
5182の焼鈍材 寸法:300mm×300mm×1mm △溶接機 三相整流式直流型,容量150KVA △電極 材質:クロム銅 形状:[正極2]F形(平面形),25mmφ [負極3]R形(ラジアス形),16mmφ,先端部半径
100mmR 負極3の垂直軸からの傾きθ:10° 両電極の接触中心点のずれ量:8mm 正極2の回転:200打点毎に15° 負極3の回転:800打点毎に60° △溶接条件 電流:30,000A 通電時間:4サイクル 加圧力:310Kg 上記条件の下で、連続打点性試験を行なった。連続打点
性の評価は先の実験例1および実験例2の場合と同じで
ある。実験結果を表1の実験例3に示す。
【0034】上記表1からも解るように、上記溶接方法
によれば連続打点数すなわち電極寿命が、従来方法と比
べた場合には12倍以上、上記実施例2のものに比べて
もさらに3倍以上と飛躍的に向上したことが解る。
【0035】上記の実施例において、負極3の前記傾斜
角度θは、負極3の種類によっても異なるが、だいたい
3°〜45°程度が好ましい。またこの場合、負極3お
よび正極2の板体1,1との接触位置は、それぞれ先端
部外周縁より2〜5mm内側の位置が望ましい。また、負
極3を打点位置の劣化に伴い順次回転させる程度は、正
極2の回転と同様、溶接条件,電極劣化状態,電極径等
の条件によって異なるが、通常、200〜1000打点
毎に10°〜72°回転させるのが望ましい。
【0036】なお、本発明において、上記実施例では負
極3としてはR形(ラジアス形)を用いるものとして説
明したが、負極3としては上記R形のもののほか、一般
に提供されているD形(ドーム形),DR形(ドームラ
ジアス形),CF形(円錐台形),CR形(円錐台ラジ
アス形),P形(ポイント形)等の電極を用いることも
当然可能である。また、要は正極2の先端接触部2aの
面積を負極3の先端接触部3aの面積より大きくすれば
よいから、この負極3にF形(平面形)を使用しても構
わない。さらに、負極3を回転させなければ、EF形
(偏心形),ER形(偏心ラジアス形)のものも使用不
可能ではない。
【0037】また、本発明に対応して、前記正極2ない
し負極3を常時連続的に回転させることも考えられ。し
かし、溶接そのものがスポット溶接で連続的でなく、ま
た、溶接時に電極が回転しているとアルミニウム製(ア
ルミニウム合金製)の板体1表面を擦る懸念も生ずるこ
とから、電極の回転は断続的の方が望ましい。
【0038】
【発明の効果】以上説明したとおり、請求項1に係る発
明によれば、アルミニウム板の直流式抵抗スポット溶接
を行なうにあたり、極性効果に起因する正極の劣化を緩
和して正極の寿命を延ばすことが可能となる。したがっ
て、電極の保守・交換の頻度が下がり連続打点性が向上
するため、溶接作業性の向上を実現する。そして、これ
によりアルミニウムの抵抗スポット溶接の全自動化,無
人化,省力化を促進することができる。
【0039】また、請求項2に係る発明によれば、同じ
く正極の寿命を上記請求項1に係る発明よりもさらに大
幅に延ばすことができ、上記効果が一層強化されたもの
となる。
【0040】そして、請求項3に係る発明によれば、請
求項2に係る発明の効果に加え、さらに負極の寿命をも
延ばすことができるものとなる。これにより、アルミニ
ウム板の直流式抵抗スポット溶接において電極寿命を従
来方法に比して10倍程度あるいはそれ以上延ばすこと
ができる、といった優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に係る発明の一実施例を示すもので、
溶接中の板体および電極を示す側面図である。
【図2】請求項1に係る発明の作用を説明するもので、
溶接部における電流の流れを電極等と共に示す側面図で
ある。
【図3】請求項1に係る発明の効果を説明するもので、
溶接部を示す側面図である。
【図4】図2に関連して本発明に係る従来の溶接方法の
作用を説明するもので、溶接部における電流の流れを電
極等と共に示す側面図である。
【図5】図4に示す従来の溶接方法による溶接部を示す
側面図である。
【図6】請求項2に係る発明の一実施例を示すもので、
溶接中の板体および電極を示す側面図である。
【図7】図6の平面図である。
【図8】請求項2に係る発明の作用を示すもので、正極
および負極を示す斜視図である。
【図9】請求項3に係る発明の一実施例を示すもので、
溶接中の板体および電極を示す側面図である。
【図10】図9の平面図である。
【図11】請求項3に係る発明の作用を示すもので、正
極および負極を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 板体 2 正極(電極) 2a 先端接触部 3 負極(電極) 3a 先端接触部 C1,C2 軸中心
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹野 親二 東京都中央区日本橋室町4丁目3番18号 スカイアルミニウム株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重ね合わせたアルミニウム製またはアル
    ミニウム合金製の板体を正極および負極の両電極により
    挟みスポット溶接するアルミニウム板の直流式抵抗スポ
    ット溶接方法において、 前記正極の前記板体に対する接触部面積を前記負極の前
    記板体に対する接触部面積よりも大として溶接すること
    を特徴とするアルミニウム板の直流式抵抗スポット溶接
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のアルミニウム板の直流式
    抵抗スポット溶接方法において、前記正極の中心軸と前
    記負極の中心軸とを両電極の前記板体に対する接触部が
    対峙する範囲内で互いに平行にずらし、かつ前記正極を
    溶接打点数の増加に伴う接触位置での劣化の進行に応じ
    て自身の軸中心回りに順次回転させることを特徴とする
    アルミニウム板の直流式抵抗スポット溶接方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のアルミニウム板の直流式
    抵抗スポット溶接方法において、前記負極を前記溶接す
    べき板体に対する垂直方向から所定角度傾け、かつ該負
    極を溶接打点数の増加に伴う接触位置での劣化の進行に
    応じて自身の軸中心回りに順次回転させることを特徴と
    するアルミニウム板の直流式抵抗スポット溶接方法。
JP3205301A 1991-08-15 1991-08-15 アルミニウム板の直流式抵抗スポツト溶接方法 Withdrawn JPH0550260A (ja)

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FR2998820A1 (fr) * 2012-12-03 2014-06-06 Peugeot Citroen Automobiles Sa Contre-electrode pour dispositif de soudage par points
JP5853113B1 (ja) * 2015-03-31 2016-02-09 株式会社川村金属製作所 溶接装置及び溶接方法

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FR2998820A1 (fr) * 2012-12-03 2014-06-06 Peugeot Citroen Automobiles Sa Contre-electrode pour dispositif de soudage par points
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