JPH0550109U - ロッドレスシリンダ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】積載するワークが大型化しても、シリンダチュ
ーブおよびフォロアーを大型せずに安価に構成できるロ
ッドレスシリンダを提供することを目的とする。 【構成】マグネットタイプのロッドレスシリンダ１０
は、シリンダチューブ１２の図示しないピストンと連動
するフォロアー１４を有する。前記フォロアー１４は接
続部材３０、取付部材２８を介して移動部材２２と一体
的に構成されている。前記移動部材２２は、その内周面
に案内部材１６に当接するローラ２４およびすべり軸受
２６を備える。また、案内部材１６は、脚部１８によっ
て据え付け面に固定されている。ワークは上面２２ｃに
積載されるため、ローラ２４を介して案内部材１６に支
承される。したがって、シリンダチューブ１２およびフ
ォロアー１４を小型のままで、移動部材２２のみを大型
化することができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ロッドレスシリンダに関し、一層詳細には、フォロアー、例えば、 スライドテーブルとシリンダ本体をコンパクトに形成して占有スペースの狭小化 を促進するとともに、比較的大きなワークを移送可能にしたマグネットタイプの ロッドレスシリンダに関する。

【０００２】

【従来の技術】

近年、工場内等でワークの搬送装置としてロッドレスシリンダが種々採用され るに至っている。

【０００３】 ロッドレスシリンダはロッドのあるシリンダに比べ、そのストローク長を短く することができるため、占有面積が小さく、取り扱いに簡便である。しかも、ロ ッドのあるシリンダに比べてシリンダ内に塵埃等の侵入を防ぐことができ、その 結果、高度な位置決め動作等を行うことが可能であるという理由による。

【０００４】 このようなロッドレスシリンダとしては、実開昭５８−７６８０４号公報に開 示されているマグネットタイプのものがある。このタイプのロッドレスシリンダ は、非磁性体からなるシリンダチューブの内部に永久磁石を備えたピストンを配 置し、該シリンダチューブの外部に該ピストンに連動する磁性体からなるフォロ アーを配設する。そして、シリンダ本体内に圧力流体を供給してピストンを移動 させれば、ピストンの永久磁石からの磁力によりフォロアーが変位し、これにス ライドテーブルを係合することにより、該スライドテーブルはワークを移送する 。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

このようなマグネットタイプのロッドレスシリンダにおいて、前記スライドテ ーブルに大型のワークを積載する場合、該スライドテーブルおよびシリンダチュ ーブの大型化が必須とされる。これは、コストの増大を招き、且つ狭小な空間を 効果的に利用することが困難となる。

【０００６】 本考案は、この種の問題を解決するためになされたものであって、ワークが大 型化しても、シリンダチューブおよびフォロアーを大型化せずに安価に製造する ことが可能なロッドレスシリンダを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

前記の目的を達成するために、本考案は、内部に磁石を装着したピストンが変 位する非磁性体からなるシリンダチューブと、 前記シリンダチューブの外周面を前記ピストンに連動して摺動するフォロアー と、 前記フォロアーに連結され、ワークに係合するとともに、軸受部材を有する移 動部材と、 前記軸受部材を支承する案内部材と、 を備えることを特徴とする。

【０００８】

【作用】

ピストンに連動するフォロアーに対して移動部材を設けたため、ワークが大型 化した場合に、移動部材だけを大型化すればよく、シリンダチューブおよびフォ ロアーを大型化する必要がない。また、該移動部材に対して案内部材を設けたた め、該移動部材に大きな負荷がかかっても、その負荷は該案内部材を介してロッ ドレスシリンダの据え付け面に伝達され、シリンダチューブ本体並びにフォロア ーに大きな負荷がかかることはない。

【０００９】

【実施例】

本考案に係るロッドレスシリンダについて、好適な実施例を挙げ、添付の図面 を参照しながら以下詳細に説明する。

【００１０】 本実施例に係るロッドレスシリンダ１０は、マグネットタイプであって、図１ に示すように、シリンダチューブ１２の内部に、磁石を装着し流体圧によって変 位するピストンを有するともに、このシリンダチューブ１２の外部に、前記磁石 に対面し且つその極性と異なる磁極の磁石を配設したフォロアー１４が装着され ている。このような構成は、既に実開昭５８−７６８０４号公報等で公知である ので、流体圧の供給、排出の構成および磁石の構成等の詳細な説明を省略する。

【００１１】 本実施例のロッドレスシリンダ１０の要部である案内部材１６は、図１に示す ように、内部に空間部を有し、一側面が開口した略コの字状に形成される。該案 内部材１６には、その長手方向端部に壁部等に保持されるべく固定用の脚部１８ を有するとともに、ショックアブソーバー２０が装着されている。前記脚部１８ を据え付け面に固定することにより、該案内部材１６は支承される。前記案内部 材１６の外周面を囲むようにコの字状の移動部材２２が配設されている。図２お よび図３に示すように、該移動部材２２の側面２２ａ、２２ｂの内面側隅角部に は、計８個のローラ２４が設けられ、その一組のローラ２４、２４間にすべり軸 受２６が備えられている。該ローラ２４およびすべり軸受２６は案内部材１６の 外周面に当接し、移動部材２２の開口部分には、取付部材２８が装着されている 。前記取付部材２８には、フォロアー１４が接続部材３０とともにねじ等により 一体的に装着される。したがって、シリンダチューブ１２およびフォロアー１４ は、実質的に案内部材１６の内部に格納される構成となる。

【００１２】 このように構成されるロッドレスシリンダ１０は、次のように作動する。

【００１３】 すなわち、図示しない流体圧供給源から流体圧が供給され、シリンダチューブ １２の内部にあるピストンを変位させる。該ピストンの変位に伴い、磁力により フォロアー１４も連動して変位する。該フォロアー１４の変位に従って接続部材 ３０、取付部材２８を介して移動部材２２が一体的に変位する。この場合、ロー ラ２４およびすべり軸受２６は案内部材１６に当接しているために、移動部材２ ２に予期しない力が作用しても、案内部材１６はこれを支承し、安定させて移動 させることが可能である。また、ロッドレスシリンダ１０の端部には、ショック アブソーバー２０が設けられているために、移動部材２２はさほどの衝撃を受け ることなく停止することができる。

【００１４】 前記移動部材２２は、その上面２２ｃにワークを積載することができる。した がって、ワーク、移動部材２２等の負荷は、ローラ２４を介して案内部材１６に よって支承され、フォロアー１４およびシリンダチューブ１２に作用することは ない。

【００１５】 本実施例のロッドレスシリンダ１０によれば、ワークを移動部材２２の上面２ ２ｃに積載しているが、ワークによる負荷は、ローラ２４を介して案内部材１６ によって支承され、フォロアー１４に直接作用することはない。したがって、シ リンダチューブ１２およびフォロアー１４を小型のまま、しかも外部に移動部材 ２２および案内部材１６を取着する簡単な構成で、大型のワークに対応すること ができる。また、ワークが大型化してもシリンダチューブ１２およびフォロアー １４は小型のままで良いので、ワークに対して使用する流体の流量も相対的に少 なくて済む。さらに、案内部材１６に市販のアルミニウム、プラスチック製の角 形材を使用し、樹脂製のローラ２４を使用すれば、軽量で低コストのガイド機構 が構成できる。

【００１６】

【考案の効果】

本考案に係るロッドレスシリンダによれば、以下の効果が得られる。

【００１７】 すなわち、移動部材に積載されるワークの負荷はローラを介して案内部材によ って支承されている。このため、移動部材に連結されたフォロアーは、ワークの 負荷に影響されることなく移動できる。また、シリンダチューブおよびフォロア ーは小型のままで、移動部材を大型化するのみで種々のワークに対応できる。こ のため、圧力流体の使用量も相対的に少なくて済む。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る一実施例のロッドレスシリンダの
構成を説明する斜視図である。

【図２】本考案に係る一実施例のロッドレスシリンダの
縦断説明図である。

【図３】本考案に係る一実施例のロッドレスシリンダの
正面図である。

【符号の説明】

１０…ロッドレスシリンダ １２…シリンダチューブ １４…フォロアー １６…案内部材 ２０…ショックアブソーバー ２２…移動部材 ２４…ローラ ２６…すべり軸受 ２８…取付部材 ３０…接続部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】内部に磁石を装着したピストンが変位する
   非磁性体からなるシリンダチューブと、 前記シリンダチューブの外周面を前記ピストンに連動し
   て摺動するフォロアーと、 前記フォロアーに連結され、ワークに係合するととも
   に、軸受部材を有する移動部材と、 前記軸受部材を支承する案内部材と、 を備えることを特徴とするロッドレスシリンダ。