JPH0241708B2 - - Google Patents

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JPH0241708B2
JPH0241708B2 JP56503178A JP50317881A JPH0241708B2 JP H0241708 B2 JPH0241708 B2 JP H0241708B2 JP 56503178 A JP56503178 A JP 56503178A JP 50317881 A JP50317881 A JP 50317881A JP H0241708 B2 JPH0241708 B2 JP H0241708B2
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/72Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving blood pigments, e.g. haemoglobin, bilirubin or other porphyrins; involving occult blood
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B10/00Other methods or instruments for diagnosis, e.g. instruments for taking a cell sample, for biopsy, for vaccination diagnosis; Sex determination; Ovulation-period determination; Throat striking implements
    • A61B10/0038Devices for taking faeces samples; Faecal examination devices

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Description

請求の範囲 1 糞便または尿のような生物学的物質中のヘモ
グロビン量の定量測定方法であつて、該方法は前
記生物学的物質の試験検体を調製する工程; 前記試験検体を有効量の還元酸および還元塩と
化合させることによつて前記試験検体中のヘモグ
ロビンのヘム部分をポルフイリンに変換させる工
程; 変換されたポルフイリンの蛍光を測定する工程
および 変換されたポルフイリンの蛍光を標準物の蛍光
と比較する工程; からなることを特徴とする方法。
2 試験検体を調製する工程は前記試験検体を秤
取し、そして、前記試験検体を既知容量の塩溶液
中で均質化させることを含む請求の範囲第1項に
記載の方法。
3 既知容量の塩溶液中で均質化される試験検体
の量は約2.5%〜5.0%の濃度の試験検体をもたら
す請求の範囲第2項に記載の方法。
4 前記塩溶液は塩化ナトリウムを約0.85%含有
する水溶液である請求の範囲第3項に記載の方
法。
5 ヘム部分をプロトポルフイリンに変化する工
程は前記試験検体を有効量の蓚酸および蓚酸第1
鉄および硫酸第1鉄からなる群から選択される還
元塩と化合させることを含む請求の範囲第1項に
記載の方法。
6 試験検体を2Mの蓚酸と化合させる請求の範
囲第5項に記載の方法。
7 試験検体を、蓚酸2モルを有する約0.3%〜
3%の溶液を生成するのに十分な量の還元塩と化
合させる請求の範囲第6項に記載の方法。
8 前記蓚酸第1鉄は蓚酸2モルを有する約1%
溶液を生成する請求の範囲第7項に記載の方法。
9 試験検体を熱の存在下で蓚酸および蓚酸第1
鉄と化合させることを含む請求の範囲第8項に記
載の方法。
10 100℃以上の温度にまで加熱することを含
む請求の範囲第9項に記載の方法。
11 試験検体を熱の存在下で蓚酸および蓚酸第
1鉄または硫酸第1鉄と化合させることを含む請
求の範囲第1項に記載の方法。
12 100℃以上の温度にまで加熱することを含
む請求の範囲第11項に記載の方法。
13 変換されたプロトポルフイリンを含有する
混合物を酢酸エチルと氷酢酸の溶液と化合させ、
該混合物を遠心分離し、そして、上澄液の蛍光を
測定することを含む請求の範囲第1項に記載の方
法。
14 酢酸エチル/氷酢酸溶液は約4対1の比率
である請求の範囲第13項に記載の方法。
15 遠心分離に先立つて有効量の酢酸ナトリウ
ムを添加することを含む請求の範囲第14項に記
載の方法。
16 変換されたポルフイリンの蛍光を測定する
工程は、ヘモグロビンのヘム部分がポルフイリン
に変換された試験検体の蛍光を測定すること;ヘ
モグロビンのヘム部分がほとんどポルフイリンに
変換されていない同一物の空試験用検体の蛍光を
測定すること;および前記試験検体の蛍光量から
前記試験検体の蛍光量を減じることを含む請求の
範囲第1項に記載の方法。
17 同一物の空試験用検体を所定量のクエン酸
と化合させる請求の範囲第16項に記載の方法。
18 同一物の空試験用検体を所定量の1.5Mク
エン酸と化合させる請求の範囲第17項に記載の
方法。
19 前記所定量の還元酸および還元塩をキヤリ
ヤーと化合させ室温でゲル様の稠度を有する混合
物を生成する請求の範囲第1項に記載の方法。
20 前記還元酸は蓚酸であり、そして、前記還
元塩は蓚酸第1鉄である請求の範囲第19項に記
載の方法。
21 前記キヤリヤーは高分子量ポリマー類の混
合物からなる請求の範囲第20項に記載の方法。
22 前記キヤリヤーはポリエチレングリコール
類およびポリ(エチレンオキシド)からなる群か
ら選択される高分子量ポリマー類の混合物からな
る請求の範囲第21項に記載の方法。
23 還元酸、還元塩およびキヤリヤーからなる
前記の得られた混合物を液化させるのに十分な温
度にまで加熱して前記試験検体中のヘモグロビン
のヘム部分をポルフイリンに変換することを含む
請求の範囲第20項に記載の方法。
24 試験検体、還元酸、還元塩およびキヤリヤ
ーからなる液化混合物を冷却することを含む請求
の範囲第23項に記載の方法。
25 前記冷却混合物についてその変換ポルフイ
リンの蛍光を測定する請求の範囲第24項に記載
の方法。
26 変換されたポルフイリンの蛍光を測定する
工程は、ヘモグロビンのヘム部分がポルフイリン
に変換された試験検体の蛍光を測定すること;ヘ
モグロビンのヘム部分がほとんどポルフイリンに
変換されていない同一物の空試験用検体の蛍光を
測定すること;および前記試験検体の蛍光量から
前記空試験用検体の蛍光量を減じることを含む請
求の範囲第25項に記載の方法。
27 前記試験検体および空試験用検体の各々の
蛍光強度の蛍光スペクトルを作成することを含む
請求の範囲第26項に記載の方法。
28 前記試験検体および空試験用検体の蛍光ス
ペクトルの二次誘導を比較することを含む請求の
範囲第27項に記載の方法。
29 糞便または尿検体中のヘモグロビン量を定
量測定する方法であつて、該方法は、 前記検体の試験用検体を調製する工程; 前記試験検体をゲル用稠度を有する有効量の還
元酸、還元塩およびビヒクルよりなる混合物と室
温で混合し、これを加熱下、液状で反応させ、ほ
とんど全てのヘムをポルフイリンに変換せしめる
工程;および 変換されたポルフイリンの蛍光を標準値と比較
する工程からなることを特徴とする前記方法。
30 前記反応混合物は還元酸、還元塩および該
反応混合物をゲル様稠度に保つためのビヒクルを
含む請求の範囲第29項に記載の方法。
31 前記ビヒクルは高分子量ポリマー類の混合
物からなる請求の範囲第29項に記載の方法。
32 前記ビヒクルはポリエチレングリコール類
およびポリ(エチレンオキシド)からなる群から
選択される高分子量ポリマー類の混合物からなる
請求の範囲第31項に記載の方法。
33 前記還元酸は蓚酸であり、そして、前記還
元塩は蓚酸第1鉄である請求の範囲第32項に記
載の方法。
34 変換されたポルフイリンの蛍光量を標準値
と比較する工程はヘモグロビンのヘム部分がポル
フイリンに変換された試験検体の蛍光を測定する
こと;ヘモグロビンのヘム部分がポルフイリンに
変換されていない同一物の空試験用検体の蛍光を
測定すること;および前記空試験検体の蛍光量と
前記試験検体の蛍光量との差を測定することを含
む請求の範囲第29項に記載の方法。
35 変換されたポルフイリンの蛍光を量を標準
値とマイクロプロセツサーによつて比較すること
を含む請求の範囲第34項に記載の方法。
36 過剰吸光による蛍光の変動損失が加熱試験
検体を蓚酸溶液中で希釈することによつて克服さ
れている請求の範囲第29項に記載の方法。
37 前記蓚酸溶液は0.5M蓚酸である請求の範
囲第36項に記載の方法。
38 過剰吸光による蛍光の変動損失は使用され
る励起吸光を同時に測定することによつて補正さ
れる請求の範囲第29項に記載の方法。
39 過剰吸光による蛍光の変動損失は590〜600
または550〜560nmの波長の光線で励起すること
によつて最小化される請求の範囲第29項に記載
の方法。
40 生物学的検体中のヘモグロビン量を定量測
定するための装置であつて、該装置は 前記生物学的検体の試験検体を調製するための
装置; 前記試験検体中のヘモグロビンのヘム部分をポ
ルフイリンに変換させるのに有効な反応混合物の
存在下で前記試験検体を加熱するための手段;お
よび 前記試験検体中の変換されたポルフイリンの蛍
光を測定するための手段; からなる装置。
41 前記装置は所定量の試験検体を採集するた
めのサンプラーを有する請求の範囲第40項に記
載の装置。
42 前記装置は前記試験検体および反応混合物
を含有するための複数の反応室を含む請求の範囲
第41項に記載の装置。
43 前記反応室の各々は室温でゲル様稠度を有
する反応混合物を含有する請求の範囲第42項に
記載の装置。
44 前記反応室のうちの最初の室は前記試験検
体中のヘモグロビンのヘム部分をポルフイリンに
変換するのに有効な第1反応混合物を含有する請
求の範囲第43項に記載の装置。
45 前記反応室のうちの次の室は前記検体中の
ヘモグロビンのヘム部分に対して概して非反応性
である第2反応混合物を含有する請求の範囲第4
0項に記載の装置。
46 前記生物学的検体は糞便または尿検体であ
り;前記第1反応混合物は還元酸、還元塩および
該反応混合物をゲル様稠度に保つためのビヒクル
を含有している請求の範囲第41項に記載の装
置。
47 前記第2反応混合物は非還元性で非反応性
の酸および該反応混合物をゲル様稠度に保つため
のビヒクルを含有する請求の範囲第45項に記載
の装置。
48 前記還元酸は蓚酸であり、そして前記還元
塩は蓚酸第1鉄であり、そして、前記非還元酸は
クエン酸である請求の範囲第47項に記載の装
置。
49 前記ビヒクルはポリエチレングリコール類
の組成物からなる請求の範囲第48項に記載の装
置。
50 生物学的検体中のヘモグロビン量を定量測
定するための試験に関して使用される試験検体の
採集および調製キツトであつて、該キツトは 前記生物学的検体の試験検体を採集するための
サンプラー手段; 複数の反応室を有する構造物; 前記反応室のうちの少なくとも1室中の第1反
応混合物;からなり、 前記第1反応混合物は室温でゲル様稠度を有
し、そして、前記試験検体中のヘモグロビンのヘ
ム部分をポルフイリンに変換するのに有効である
前記キツト。
51 前記生物学的検体は糞便検体であり、そし
て前記サンプラー手段は前記試験検体を採集する
ための多数の周辺溝を有する長いサンプラー部分
を含む請求の範囲第50項に記載のキツト。
52 全体的に中空の鞘を含む、前記鞘は前記サ
ンプラー部分が前記鞘中を通過できるように、前
記サンプラー部分の外径に近い内径を有する請求
の範囲第51項に記載のキツト。
53 前記サンプラー部分は破壊点を含む請求の
範囲第52項に記載のキツト。
54 前記サンプラー手段は室温では硬質であ
り、そして、約100℃以上の温度にまで加熱され
たとき液状になる請求の範囲第51項に記載のキ
ツト。
55 前記サンプラー手段はポリエチレングリコ
ール含有組成物からできている請求の範囲第54
項に記載のキツト。
56 前記反応室は各々、透明な窓部分を含む請
求の範囲第50項に記載のキツト。
57 前記反応室は各々、透明である請求の反応
第56項に記載のキツト。
58 前記反応室のうちの少なくとも1室中には
第2反応混合物が含まれており、前記第2反応混
合物は室温でゲル様稠度を有しており、そして、
前記試験検体中のヘモグロビンのヘム部分とは概
して非反応性である請求の範囲第50項に記載の
キツト。
59 前記第1反応混合物は還元酸、還元塩およ
び該反応混合物をゲル様稠度に保つためのビヒク
ルを含有する請求の範囲第54項に記載のキツ
ト。
60 前記第2反応混合物は非還元性で非反応性
の酸および該混合物をゲル様稠度に保つためのビ
ヒクルを含有する請求の範囲第55項に記載のキ
ツト。
61 前記還元酸は蓚酸であり、そして、前記還
元塩は蓚酸第1鉄であり、そして、前記非還元酸
はクエン酸である請求の範囲第60項に記載のキ
ツト。
発明の背景 本発明は一般的にヘモグロビンの特別な定量試
験および該試験を行なうための方法ならびに装置
ならびに該試験用の検体の採集および調製装置に
関する。更に詳細には、本発明はヘモグロビンの
非蛍光性ヘム部分を蛍光性ポルフイリンに変換さ
せ、そしてその蛍光を測定することによつて生物
学的材料中のヘモグロビン量を定量する試験およ
び関連方法ならびに装置に関する。この試験は特
に、糞便および尿のような生物学的材料に応用で
きる。
糞便のような生物学的材料中の多量のヘモグロ
ビンの存在を検出する様々な高速予検試験法が現
在利用されている。これらの試験法は腸性腫瘍の
一次予検試験として医療専門家により使用されて
いる。このような試験法は腸性腫瘍の一次試験の
ためにアメリカ合衆国において毎年100万人以上
の人々について行なわれているものと推定されて
いる。これらの試験方法は定量的データをもたら
さないという事実、および試験結果の誤りは人的
にもまた財政的にも極めて金がかかりすぎるとい
う事実、更に、現在利用されている試験方法は著
しく高い不正な陽性結果と不正な陰性結果をもた
らすという事実にもかかわらず、代りの試験方法
がないので、この試験方法は今でも使用されつづ
けている。
現在利用されている、糞便中のヘモグロビンの
予検試験法はヘモグロビンのヘム部分をポルフイ
リンに変換し、そして、その蛍光を測定するので
はない。むしろ、現在利用されている試験方法は
ヘモグロビンのペルオキシダーゼ様(プソイドペ
ルオキシダーゼ)活性に基づく間接試験方法であ
る。これらの試験法では、無色の白血球色素がヘ
モグロビンの存在下で、適当なペルオキシダーゼ
の添加につれて着色してくる。しかし、この試験
方法にはいくつかの限界がある。まず、第1に、
非特異性といつたような様々な要因のため、なら
びに、一般的に反応性が鉄、アスコルビン酸、ま
たはヘモグロビン分子中の変質箇所のような材料
によつて阻害または悪影響を受けるという事実の
ために、著しく高い誤つた陽性結果および誤つた
陰性結果が得られる。第2に、商業的に利用され
ている試験方法の判定は、その結果が単に“陽
性”あるいは“陰性”としてしか報告されないの
で、しばしば混乱する。異なつた試験の固有の感
度差に加えて、試験検体中に含まれる糞便量は20
以上の要因によつて簡単に変化する。これらの要
因ならびに前記の非特異性および着色性の判定に
おける個人差などは全て、これらの試験法の有用
性を制限する。これらの制限があるために、潜血
検定は、現在定量分析が不可能な数少い臨床およ
び診断薬による非定量試験の一つとなつている。
ヘムをプロトポルフイリンに変換することから
なる糞便または尿中のヘモグロビンの定量試験法
は従来技術では現在利用されていない。しかし、
この変換に関する様々な研究は以前から行なわれ
てきた。例えば、Fluorometric
Microdetermination of Heme Pro―tein,
(Ara1.Chem.,37:1124―1126,1965)という標
題の論文中のG.R.Morrisonによる研究では、蓚
酸を使用することによつてヘムをポルフイリンに
変換し、つづいて蛍光を測定することからなる動
物組織中のヘム蛋白質の測定方法が開示されてい
る。しかし、この方法では、特定濃度以上ではヘ
モグロビン量の定量はできなかつた。Morrison
によつて開示された条件下では、多量のヘモグロ
ビンを含有する糞便は数千倍に希釈しなければな
らなかつた。このような過大な希釈は大量の予検
試験には適さない。
従つて、当分野では誤つた正量および誤つた負
量の発生率がゼロかあるいは著しく低く、しか
も、大量の予検目的に容易に使用できるような、
糞便または尿のような生物学的材料中のヘモグロ
ビン量を測定するための定量試験法および該試験
を実施するための方法ならびに装置および試験検
体を採集ならびに調製する装置が求められてい
る。
発明の概要 従来技術に比べて、本発明の方法および装置は
誤つた正量ならびに誤つた負量結果を示さず、ま
た、大量の予検用途に特に適する。本発明の基礎
となる根本的原理は実験室工程ならびに自動化さ
れた商業的工程で使用するために開発された。同
様に、実験室あるいは自動化工程のいずれかに使
用される適当な糞便試験検体の採集および調製用
の装置も開発された。
本発明に関連する試験法は(1)生物学的験体の全
プロトヘム含量も含めてヘモグロビンのようなヘ
ム化合物について特異的である;(2)験体中に存在
する他の物質特に、糞便、胃液または尿中に存在
する他の物質の干渉妨害を全くうけない;(3)感度
が極めて高い;(4)試験溶液1mlあたり0.02マイク
ログラム未満の濃度から試験溶液1mlあたり1500
マイクログラムより高い濃度の75000倍より高い
ヘモグロビン濃度範囲にわたつて定量分析でき
る;および(5)白皿球染色試験に悪影響を及ぼすこ
とが知らろている鉄、アスコルビン酸、塩酸、ア
スピリンまたはアルコールような化合物によつて
悪影響をうけない。
本発明の特定的な方法によれば、非蛍光性ヘモ
グロビンは、試験される全てのヘモグロビン濃度
において蛍光性ポリフイリンに定量的に変換され
る。この変換は、蓚酸のような還元酸および蓚酸
第1鉄のような還元塩からなる、適当な濃度の変
換反応混合物の存在下で検体中のヘム化合物を加
熱した場合におこる。この方法では、生成される
ポルフイリンの濃度は蛍光量を測定することによ
つて決定される。このような蛍光量測定は固相系
中の反応生成物について行なうか、あるいは、反
応生成物を適当に抽出または希釈した後に液相系
中で行なう。
糞便および尿検体のようなほとんどの生物学的
検体はヘム化合物反応に関連しない蛍光を有する
ので、このような“非特異的”蛍光(正常に排泄
されたポルフイリン類の蛍光を含む)の量は、蓚
酸/蓚酸第1鉄系のかわりにクエン酸または同様
な好適な非反応性組成物を使用して別の検体中で
測定する。クエン酸は蓚酸/蓚酸第1鉄系のよう
にヘムをポルフイリンにほとんど変換することは
ないが、ヘム含量に関連しない蛍光部分の分析に
必要な同様な酸条件を形成する。クエン酸“空試
験”で得られた蛍光量を蓚酸/蓚酸第1鉄検体で
得られた蛍光量から引けば蓚酸/蓚酸第1鉄検体
中のヘムから生成されたプロトポルフイリンに特
異的に由来する蛍光量が得られる。この蛍光量の
差から、既知のヘモグロビン量(または、プロト
ポルフイリン量)の標準値と比較すれば、試験す
べき糞便、尿、またはその他の生物学的物質検体
中のヘム化合物またはヘモグロビンの濃度は算出
できる。
同様な原理にもとづく自動化高速一次予検試験
法もまた固相系中で蛍光の定量分析ができる。こ
の簡略化された試験法は、高濃度のヘモグロビン
およびその他の色素類からもたらされる近紫外線
(ポルフイリンが最も強い蛍光を発するときの波
長)の過剰吸収による蛍光の損失(“消尽”)を克
服するための特別な構成を有する。また、この自
動化方法は室温でゲルまたはペースト状稠度を有
するが加熱したとき液化する反応混合物を使用す
る。
本発明は更に、試験すべき生物学的物質の既知
量の試験用検体を採集および調製する改良された
装置を提供する。このような装置は糞便検体を採
集および調製し、そして、該検体中のヘモグロビ
ン量を測定するのに特に有用である。一般的に、
この装置は検体採集装置および複数の反応室を含
む。この反応室は各々適当量の反応混合物または
非反応性組成物のいずれかを含有する。サンプラ
ー装置は、室温では固体であるが、変換反応が行
なわれる温度にさらされたとき液化し、そして、
各種の反応室中の検体と混合されるようになる材
料からなる。好ましい実施態様では、サンプラー
装置の組成は蓚酸/蓚酸第1鉄およびクエン酸サ
ンプラル用のビヒクルとして使用される材料の組
成と類似している。
従つて、本発明の目的は生物学的物質中のヘモ
グロビン量を特異的に、かつ定量的に測定する改
良された試験法を提供することである。
本発明の別の目的はヘモグロビンのヘム部分を
ポルフイリンに変換し、そして、その蛍光を測定
することによつて試験検体中のヘモグロビン量を
特異的に、かつ、定量的に測定するための改良さ
れた方法および装置を提供することである。
本発明の他の目的は生物学的試験検体中のヘモ
グロビン量を特異的に、かつ、定量的に測定する
ための、大量の一次予検試験に特に適した、改良
された方法および装置を提供することである。
本発明の更に別の目的は糞便または尿のような
生物学的材料の試験検体中のヘモグロビン量を、
該検体中に存在しえる可能性のある全てのヘモグ
ロビン濃度を十分にカバーするヘモグロビン濃度
範囲にわたつて、特異的に、かつ、定量的に測定
するための改良された方法および装置を提供する
ことである。
本発明の更に他の目的は、蛍光測定中の過剰な
“消尽”問題を克服した、生物学的試験検体中の
ヘモグロビン量を定量的に測定するための自動化
方法を提供することである。
本発明の別の目的は本発明の試験法で使用する
ための既知量の生物学的試験検体を採集および調
製するための改良された方法および装置を提供す
ることである。
本発明の前記のおよびその他の目的は図面、好
ましい方法および装置の記載ならびに添付の請求
範囲を参照することによつて明らかとなろう。
図面の記載 第1図は糞便検体を採集するためのサンプラー
の横断面図である。第2図は被覆が上部に配置さ
れてある、糞便の採集用サンプラーの横断面図で
ある。第3図は糞便の採集用サンプラーの平面図
である。第4図は第3図の線4―4に沿つてみた
糞便検体の採集用サンプラーの断面図である。第
5図は第3図の線5―5に沿つてみた糞便検体の
採集用サンプラーの断面図である。第6図は溝中
に埋封された採集検体をみせる検体採集装置の下
端の平面図である。第7図は試験反応が行なわれ
る装置または反応キツトの絵画図である。第8図
は反応混合物および該反応混合物中に配置された
試験検体を有する1つの反応室の内側を示す図面
である。第9図は試験検体反応キツトおよび該キ
ツトが郵送される封筒を示す絵画図である。第1
0図は本発明の自動処理装置を示す略図である。
第11図は添加ヘモグロビンを有する、および有
しないゲル反応混合物(蓚酸/蓚酸第1鉄)の蛍
光スペクトルを示すグラフである。第12図は第
11図に示された蛍光スペクトルの二次誘導を示
すグラフである。第13図は蓚酸/蓚酸第1鉄溶
液中のヘモグロビンの蛍光スペクトルをクエン酸
空試験溶液中のヘモグロビンの蛍光スペクトルを
比較したグラフである。蛍光量は縦軸にプロツト
され、そして、発光波長は横軸にプロツトされて
いる。第14図は蓚酸/蓚酸第1鉄溶液中の糞便
試験検体の蛍光スペクトルをクエン酸空試験溶液
中の同じ糞便検体の蛍光スペクトルと比較したグ
ラフである。蛍光量は縦軸にプロツトされ、そし
て、発光波長は横軸にプロツトされている。第1
5図は硫酸第1鉄として添加された鉄を有する蓚
酸/蓚酸第1鉄溶液中のヘモグロビンと蛍光との
間の直線性を示すグラフである。ヘモグロビンの
濃度は横軸にプロツトされ、そして、蛍光量は縦
軸にプロツトされている。
好ましい方法および装置の記載 本発明の定量試験法は基本的な三方法工程を含
む。第1工程はヘモグロビン量が定量試験される
生物学的物質の試験検体を調製することを含む。
第2工程は試験検体中のヘモグロビンの非蛍光性
ヘム部分を蛍光性ポルフイリンに定量的に変換す
ることを含む。第3工程はポルフイリンの蛍光お
よび空試験検体の蛍光を測定し、そして、蛍光量
の差を既知のヘモグロビン濃度の対照用標準の蛍
光量と比較することを含む。本発明の開発中に、
液相系の蛍光測定を用いる実験室方法および固相
系の蛍光測定を用いる自動化方法の両方が開発さ
れた。実験室試験法および自動化試験法は方法上
多くの細部で異なることはあつても基本原理は同
じである。自動化方法において試験検体を採集お
よび調製するための改良された装置またはキツト
も同様に開発された。実験室方法または自動化方
法のいずれにも用いられるこのキツトの糞便サン
プラーで既知量の糞便を得ることができる。本発
明の前記各特徴を以下詳細に説明する。
実験室方法では、試験サンプルの調製は、ヘモ
グロビン量を測定すべき生物学的物質の試験検体
を採集し混合し、そして、重量または容量を測定
する第1工程を含む。本発明の方法は様々な種類
の生物学的物質に応用できるように企図されてい
るが、この方法は糞便および尿検体について特に
応用可能である。従つて、好ましい方法および装
置の説明は糞便検体について行なう。試験量の糞
便検体を最初に採集し、そして秤量する(即ち、
0.5g)。次いで、この試験検体を、約0.85%の塩
化ナトリウムを含有する塩溶液約20〜40容量に添
加し、そして、均質化させ、糞便の均質分散液を
得る。試験検体を塩溶液と混合する目的はヘモグ
ロビンおよびその他の色素類を含む糞便を希釈し
そして、安定的を高めるためである。低濃度のヘ
モグロビンは水中よりも塩溶液中の方がより安定
なことは公知である。約2.5%〜5%の濃度の試
験検体を有する糞便均質体は好ましいことが判明
したが、絶対要件ではない。前記の方法で調製さ
れた試験検体は使用に供されるまで−15℃〜−30
℃の凍結状態で貯蔵できる。
試験の準備がととのつたら、調製された試験検
体を所定量の還元酸および還元塩と混合する。加
熱するとヘモグロビンのヘム部分はポルフイリン
に変換される。その他の還元酸類および塩類も使
用されると思われるが、好ましい還元酸は蓚酸で
あり、また、好ましい還元酸は蓚酸第1鉄または
硫酸第1鉄である。前記の変換反応中に、鉄は非
蛍光性ヘム分子から除去され、鉄不含有蛍光性プ
ロトポルフイリンが得られる。これは約408ナノ
メーター(nm)の波長の近紫外線に暴露すると
赤い蛍光を発する。約558nmの波長の緑色の光線
または約600nmの波長の黄色の光線に暴露される
と強度は弱いが、同様に蛍光を発する。同様にそ
の他の同様な蛍光性ポルフイリン類が痕跡量生成
される。
好ましい系では、蓚酸2モルおよび十分な量の
蓚酸第1鉄または硫酸第1鉄と混合して1%溶液
を得る。どちらかの第1鉄塩を使用すると、最高
試験濃度(即ち、反応溶液1mlあたりヘモグロビ
ン1620マイクログラム、約ヘム50マイクログラ
ム/ml)以下のヘモグロビン濃度を検出可能蛍光
との間の直線的関係を生じる。しかし、硫酸第1
鉄を使用すると活性が高められる。なぜなら、こ
れを蓚酸に添加すると蓚酸第1鉄の他に硫酸も生
成するからである。更に、硫酸第1鉄は20%水溶
液として添加される。これは使用する数時間前に
用事調製しなければならない。なぜなら、硫酸第
1鉄は第2鉄塩に酸化をうけるからである。蓚酸
第1鉄を使用すると、これがほとんど純粋(99
%)であれば、また良好な直線性を生じる。蓚酸
第1鉄中の不純物はヘモグロビンの低濃度で反応
の直線性に悪影響を与えやすい。硫酸第1鉄およ
び蓚酸第1鉄の両方とも、ならびにその他の第1
鉄塩も使用できるが、蓚酸第1鉄が好ましい。
蓚酸第1鉄の1%溶液を調製するには、蓚酸第
1鉄1gを2Mの蓚酸99mlに添加する。次いで、
試験検体均質体を一定量のこの溶液に添加し、そ
して、120℃で90分間加熱する。反応の速度およ
び完結性(ヘムのポルフイリンの変換)は温度に
よつて変化する。例えば、60〜100℃の範囲内の
温度でこの反応混合物中のヘムはポルフイリンに
変換されるが、反応は極めて緩慢におこる。一般
的に、オートクレーブ中の温度および保圧時間は
全てのヘムがポルフイリンに変換されるのに十分
なものでなければならない。好ましい方法は試験
検体均質体20マイクロリツターを蓚酸/蓚酸第1
鉄溶液1000マイクロリツターと混合することから
なるが、5マイクロリツター〜100マイクロリツ
ターの間の量のようなその他の様々な量の試験検
体均質体も使用できることが判明した。蓚酸/蓚
酸第1鉄溶液はあらかじめ調製し、そして、−30
℃で貯蔵しておくことができる。
還元塩(好ましい方法では、蓚酸第1鉄)の機
能は重要である。なぜなら、これが存在すると検
出可能ヘモグロビンの直線範囲内で顕著な増加が
もたらされるからである。従つて、本発明によれ
ば、広い濃度範囲にわたつて螢光性ポルフイリン
を定量的に回収することが可能である。ヘモグロ
ビンから鉄を除去するためおよび、即ち、ヘム分
子をプロトポルフイリンに変換するためには、次
の三つの要素が必要である:(1)還元状態;(2)強酸
性環境および(3)加熱。還元酸、特に蓚酸は還元状
態と酸性環境をもたらす。蓚酸はそれ自体でヘモ
グロビンの蛋白部分からヘムを除去する。そして
ヘムから鉄を除去してそれをポルフイリンに変換
する。しかし、ヘモグロビンが、蓚酸溶液1mlあ
たり15マイクログラム以下のような比較的に低濃
度のときにかぎつて蓚酸だけでもこの変換反応に
効果的であることが判明した。多くの生物学的験
体、特に糞便検体中のヘモグロビン量は前記のヘ
モグロビン量の何十倍もの値であるから、蓚酸ま
たはその他の還元酸は単独では一般的に効果的で
なく、そして、ヘモグロビンを数百倍または数千
倍に希釈しなければ、このような高濃度のヘモグ
ロビンは全く使用できない。一層高い濃度のヘモ
グロビンを定量測定する場合、蓚酸第1鉄または
硫酸第1鉄は追加の還元剤として作用し、還元状
態を高める。即ち、変換率を高め、そして、試験
検体中のヘモグロビン中の全てのヘムをポルフイ
リンに確実に変換する。これによつて、本書に述
べた条件下で、生物学的験体中のあらゆる可能性
のあるヘモグロビン量について十分な濃度範囲に
わたつて第15図に例証されるような直線状の螢
光カーブが得られる。
第15図では、オートクレーブしたヘモグロビ
ンの濃度を添加硫酸第1鉄濃度0.0%、0.1%、1.0
%および3.0%についての螢光強度に対してプロ
ツトしてある。図示されるように、硫酸第1鉄を
使用せずに得られたカーブ39はヘモグロビンの
濃度が高くなるにつれて直線的でなくなる。しか
し、0.1%、1.0%および3%の濃度の硫酸第1鉄
によつて得られたカーブ38は直線状である。こ
の直線性によつて、螢光強度の測定および標準試
料の螢光強度との比較によりヘモグロビン濃度の
測定が可能となる。第15図において励起波長は
410nmであるが、発光波長は660nmである。これ
らのオートクレーブ処理した検体は螢光量測定に
先立つて無色になるまで希釈した。
好ましい実験室方法では、蓚酸第1鉄を約0.1
%〜5.0%含有する蓚酸溶液は、本試験法の使用
が企図される生物学的試験検体中にみいだされる
ヘモグロビン濃度の範囲にわたつて全てのヘムを
プロトポルフイリンに変換することが判明した。
1.0%の濃度の蓚酸第1鉄が好ましい。
ヘムをプロトポルフイリンに変換した後、蓚酸
と試験検体混合物を放冷する。その後、その螢光
を測定する。この測定用混合物を調製するには、
二つの方法が利用できる。第1の方法は、該混合
物を遠心分離し、上澄液を回収し、0.5M蓚酸で
希釈し、そして、その螢光を測定する。この方法
では、沈殿物は蓚酸鉄と不溶性糞便残屑からな
る。一方、上澄液はヘムから生成された全てのポ
ルフイリン、少量の糞便色素類、天然ポルフイリ
ン類および少量の蓚酸鉄を含有している。
螢光測定用の蓚酸と試験検体との混合物を調製
するための好ましい2番目の方法では、該混合物
約100μg、酢酸エチル/氷酢酸溶液(4:1)
約1200μおよび3M酢酸ナトリウム約400μを
一緒に振とうし、次いで遠心分離する。その後、
上澄液の螢光を測定する。酢酸エチル/氷酢酸溶
液および酢酸ナトリウムの添加を含むこの方法を
使用することが好ましい。なぜなら、この方法に
よれば精製され、そして、おおむね無色の溶液が
得られ、これによつて、一層特異的で、しかも、
正確な螢光量測定が可能となるからである。この
方法では、酢酸ナトリウムは蓚酸を部分的に中和
するように作用する。即ち、蓚酸の一部を蓚酸ナ
トリウムに変換する。蓚酸ナトリウムおよび蓚酸
鉄は遠心分離後、後に残つた沈殿物と共にとどま
る。螢光は常用の、かつ、適当な感度の螢光計ま
たは分光螢光光度計によつて測定できる。この好
ましい方法では、結果はAminco Bowmanまた
はPerkin Elmerによつて製造された分光螢光光
度計によつて得られた。二次誘導、同期走査等の
ような特別なタイプのスペクトルはPerkin
ElmerモデルMPF―44Bで記録された。
全ての生物学的試験検体中には天然プロトポル
フイリンおよびその他のポルフイリン類のような
天然螢光性物質が少量存在するので、この天螢光
の存在量も計測しなければならない。こうするた
めには、全く同じ試験検体の空試験対照物を調製
し、そして、同様に螢光を測定する。しかし、こ
の空試験対照物では、蓚酸および蓚酸第1鉄のか
わりに1.5Mのクエン酸を使用する。それ以外は
同じ方法を使用する。クエン酸はほとんど(0.2
%未満)ヘムをポルフイリンに変換しないことが
発見された。従つて、この空試験対照物溶液を調
製して螢光を測定した場合、その螢光強度は試験
検体中に天然に存在するポルフイリン類およびそ
の他の物質の螢光をほぼ完全に反映する。試験検
体中の正確なヘモグロビン量は反応検体と空試験
対照物との螢光強度の差を既知濃度のヘモグロビ
ンにより調製された対照標準と比較することによ
つて決定される。
螢光を測定する場合、試験検体を励起光源に暴
露しそして、試験検体から発せられた螢光を測定
する。好ましい方法(酢酸エチルに抽出する)で
は、約401nmで励起したとき、螢光は最も敏感で
ある。約500〜580nmの間に3個の弱い励起ピー
クがみとめられる。特別な条件下では若干の利点
を有する。これらの螢光ピークの各々について、
糞便検体からの螢光性ポルフイリンは約630nmの
ところに鋭い螢光ピークを示す。螢光測定中に、
ヘムが螢光性ポルフイリンに変換された試験検体
およびクエン酸双方の酢酸エチル抽出物について
この波長における螢光量を比較する。次いで、こ
の螢光量の差を標準値と比較し、そして、ヘモグ
ロビン濃度を決定する。オートクレーブ処理した
溶液を蓚酸で希釈する場合、励起波長は410nmに
セツトし、そして、螢光は660nmで測定する。酸
水溶液中の螢光も約610nmで測定できるが、この
波長の場合、特異性は低下する。
第13図および第14図は、クエン酸混合物と
蓚酸/蓚酸第1鉄混合物の両方の螢光スペクトル
を示す。第13図は蓚酸/蓚酸第1鉄系に添加さ
れたヘモグロビンの螢光スペクトル34とクエン
酸系に添加されたヘモグロビンの螢光スペクトル
35を示す。従つて、スペクトル34はポルフイ
リンに変換されたヘモグロビンを反映する。スペ
クトル35は、クエン酸系がヘモグロビンを全く
ポルフイリンに変換しないことを裏付けている。
第14図は摂取ヘモグロビンを有する糞便検体
の蓚酸/蓚酸第1鉄系中における螢光スペクトル
36および摂取ヘモグロビンを有する同じ糞便検
体のクエン酸空試験系中における螢光スペクトル
37を示す。スペクトル36は蓚酸/蓚酸第1鉄
によつてヘムから誘導されたポルフイリンおよび
天然ポルフイリンの螢光を反映する。スペクトル
37は天然ポルフイリンと少量の非ポルフイリン
性螢光物質の螢光のみを反映する。従つて、特定
の波長に関するスペクトル36および37の螢光
量の差は変換されたポルフイリンを反映する。即
ち、本発明によれば、これは検体中のヘムまたは
ヘモグロビンに直線的に関連する。ヘモグロビン
の正確な存在量はこの螢光量を標準値と比較する
ことによつて決定できる。
前記の実験室方法の実施例は次のとうりであ
る:最初に、食塩溶液中で2.5%糞便均質体を調
製する。次に、蓚酸25.2g、硫酸第1鉄粉末また
は蓚酸第1鉄粉末1.0gおよび水73.8mlをあわせ
て反応混合物100gを調製する。これらの成分を
沸騰水浴中で加熱して溶解させ、そして、混合す
る。ほとんどの蓚酸第1鉄は溶解しないまま残
る。次いで、この反応混合物を数本のチユーブま
たはバイアルにわける。これらのチユーブまたは
バイアルは密封され、そして、使用直前まで−30
℃で保存される。クエン酸28.8gおよび水71.2ml
をあわせて対照空試験混合物100gを同様に調製
する。次に、2.5%糞便均質体50μを測定が行な
われる各チユーブに添加する。加温された蓚酸/
蓚酸第1鉄混合物または空試験混合物のいずれか
1mlを各チユーブに添加する。その後、これらの
チユーブをボルテツクス上で十分に混合し、頂部
にパンチされた穴を有するサランラツプで覆つ
た。その後このチユーブをオートクレーブ中で
120℃で90分間加熱し、そして、室温にまで放冷
させる。冷却水浴中におくことによつて冷却を促
進させてもよい。次いで、前記のように、酢酸エ
チルによる抽出、遠心分離および0.5M蓚酸によ
る希釈を行なう。
プロトポルフイリンはヘモグロビン分子量の約
3.37%からなるので、ポルフイリン値に100/
3.37または29.67をかけることによつて対応する
ヘモグロビン量が求められる。糞便値1gあたり
のヘモグロビン量(mg)は適当な希釈係数をかけ
ることによつて決定される。
本発明の方法を使用する自動化方法は前記と同
じ一般的原理を用いる。しかし、この方法を大規
模な一次予検試験に応用しやすくするため、特定
の細部は変更されている。実験室方法と同様に、
自動化方法でも試験すべき生物学的物質の試験検
体を採集しなければならない。実験室方法につい
て説明したように、自動化方法も生物学的物質と
して糞便について以下説明する。好ましい方法で
は、試験検体は第1図〜第5図に示されたような
サンプラー装置で採集する。これらの図面を参照
すれば、符号10で一般的に示されるこの装置は
長い全体的に円筒状のサンプラーロツド12とロ
ツド12よりも大きな直径を有する全体的に円筒
状の上方部分11とを有することが理解される。
ロツド部分12はシヨルダー13のところで部分
11と一体に成形されている。サンプラーロツド
部分12は破壊点15を含む。ここは、試験検体
を採集後、ロツド12を2つの片に破壊するため
のものである。ロツド12の下方端にはロツド1
2の周囲付近にのびた試験検体採集用の多数の溝
16がある。
装置10はまたおおむね円筒状の管状部材また
は鞘14を含む。この鞘14はロツド部分12の
外径に近い内径を有する。従つて、鞘14はロツ
ド12との間にわずかにすき間を有するロツド1
2上を滑動できる。この特別なサンプラーロツド
12は所定量の糞便検体を採集するのに適してい
る。サンプラー装置10を操作するには、第2図
に示されるように、鞘14の上方端が肩部分13
に接するように鞘14をあげる。次いで、ロツド
12の下方端を、鞘14の下方位置の真下の点ま
で糞便中を降下させる。このロツド12の挿入中
に、ロツドを1〜2回ほど回転させ、十分な量の
糞便材料検体が溝16中に確実にとりこまれるよ
うにする。その後、このロツド12を糞便から抜
きとり、そして、鞘14を全ロツド部分12を通
して下降させる。ロツド12の外径と鞘14の内
径との間の差は極くわずかなので、溝16中に残
留するものを除いて、ほとんど全ての糞便がロツ
ド12からとりのぞかれる。
鞘14をとりのぞいた後、鞘は廃棄し、そし
て、ロツド12は破壊点15のところで破壊す
る。第6図に示されるような、ロツド12の下方
端を、次いで、第7図および第8図に示されるよ
うな構造の反応室中に配置する。図示されるよう
に、第7図は多数の反応室19a,19b,20
aおよび20bを有する構造体18を示す。これ
らの反応室には蓋または覆い21が配設されてい
る。これらの覆い21は本体にちようつがいでと
められている。各反応室にはまた、透明な窓22
が配設されている。この窓は約350〜700nmの波
長の光線を通過させるのに十分なほど透明であ
る。この窓によつて、反応室中の検体の螢光を窓
22を通して直接に測定できる。下記に詳細に説
明するように、反応室19a,19b,20aお
よび20bの各々は蓚酸/蓚酸第1鉄反応混合物
のような還元酸と還元塩の反応混合物またはクエ
ン酸対照物のような空試験混合物で部分的に満た
されている。好ましい実施態様では、反応室19
aおよび20aには蓚酸と蓚酸第1鉄組成物のよ
うな反応混合物を入れ、一方、反応室19bおよ
び20bにはクエン酸組成物のような対照混合物
を入れる。反応室中の混合物は試験検体と化合さ
れる。反応室を有する装置18は様々な材料で製
造することができる。しかし、好ましくは、次の
ような特性を有する数種類の市販のプラスチツク
のいずれかから製造するべきである。(1)反応室ま
たは少なくとも窓22は螢光測定を容易にするた
め、約350nm〜700nmの光線が通過するのに十分
なほど透明でなければならない;(2)材料は反応室
内容物と反応したり、あるいは、いかなる形にせ
よ、螢光測定をいささかも妨害したりしないもの
でなければならない;(3)材料はオートクレーブま
たはオーブン中で120℃で加熱されたとき光学的
かつ化学的安定性を保持しなければならない。
本発明の方法の次の工程は試験検体中のヘモグ
ロビンのヘム部分を金属非含有ポルフイリンに変
換することである。実験室方法について前記に説
明したようにこの変換はサンプラー装置の、また
は試験される所定容量の均質化希釈済検体の適当
な混合物に添加することによつて行なわれた。好
ましい自動化方法では、調製された試験検体を還
元酸および還元塩、即ち、蓚酸および蓚酸第1鉄
と反応室19aおよび20a中で混合する。これ
らの反応室19aおよび20aは各々、適当なビ
ヒクル材料と共に蓚酸2モルおよび蓚酸第1鉄
1/18(0.05)モルの組合わせを含有する。約
0.01〜0.2モルの濃度の蓚酸第1鉄は申し分のな
い結果をもたらす。ビヒクルは好ましくは異なつ
た分子量のポリエチレングリコール類の混合物か
らなる。ビヒクルは様々な稠度または特性のも
の、即ち、ガラス繊維、セルロース粉末および蓚
酸またはクエン酸に含浸された金属塩類のような
固体または粉末、液体類などであつてもかまわな
いが、ビヒクルは室温でゲル、糊状または非流動
性稠度を有することが好ましい。これは、ビヒク
ルがキツト18中の反応室からこぼれ出す、また
は、もれ出すあるいは流れ出すことを防ぐためで
ある。好ましくは、ビヒクルは約100℃より高い
温度で液化する。反応室19aおよび20aの
各々に供給される反応材料の量は前記のサンプラ
ー装置で採集された量の糞便検体と反応するのに
十分な量である。
第7図に示された装置または反応キツト18に
おける反応室19bおよび20bには同様なビヒ
クル材料が入れられている。ただし、蓚酸/蓚酸
第1鉄混合物のかわりに非還元酸が配合されてい
る。好ましい方法では、この非還元酸は1.5モル
のクエン酸である。従つて、反応室19bおよび
20bは試験検体中の天然螢光のみを測定するの
に使用される対照空試験用反応室である。
好ましい実施態様では、反応室19a,19
b,20aおよび20bの各々は容量の約50〜60
%まで、蓚酸/蓚酸第1鉄系またはクエン酸系の
いずれかでみたされている。サンプラーロツド
(第6図)を採集試験検体と共に添加した場合、
反応室は第8図に図示されるように容量の約65〜
75%までみたされる。
各装置における反応室の総数は変化させること
ができる。しかし、各装置は一双の検体の採集の
ために対応する組合せ数の反応室を有することが
好ましい。検体のうちの1つはヘムがポルフイリ
ンに変換される反応室中で使用すべきものであ
り、もう一方の残りの検体は対照室試験用反応室
で使用すべきものである。従つて、全部で4個の
反応室を有する第7図に図示された装置では、単
一の糞便の4個の検体または二種の糞便の各々か
ら2個の検体が可能である。これらの検体は第1
図〜第6図に示された装置を使用して患者が採集
できるようになつている。また、採集された検体
を次いで第9図に示されるように、適当な封筒2
4に入れて処理および測定するための中央検査室
に郵送できるようになつている。
還元酸および還元塩の反応混合物ならびに不活
性酸の空試験用混合物を含有するビヒクルは様々
な組成物を含有できるようになつている。本発明
の方法は液体固体または様々なその他のタイプの
系中で実施できるが、室温でゲル、糊状または非
流動性稠度を有し、そして、約100℃以上の温度
で液化するようなビヒクルが好ましい。また、ビ
ヒクル組成物は試験の螢光測定に対する妨害をさ
けるために低螢光性または非螢光性であり、か
つ、あらゆる反応条件下で安定でなければならな
い。比較的に不慣な患者によつて使用される場
合、および、郵送しようとするような場合、半固
体ゲル状ビヒクルの使用は特別な利点を有する。
これらの制限的事項がなければ、糞便サンプラー
を蓚酸/蓚酸第1鉄水溶液およびクエン酸水溶液
に直接添加する方が好都合である。なぜなら、こ
れらの水溶液はゲル生成剤を含有する水溶液より
も低い非特異性(空試験)螢光を示すからであ
る。好ましい実施態様では、ビヒクルはポリエチ
レングリコールと、ポリ(エチレンオキシド)の
ような、ポリエチレングリコールと同様な高分子
量化合物との混合物からなる。
使用できることが判明した反応混合物はポリエ
チレングリコール73.8g、蓚酸25.2gおよび蓚酸
第1鉄粉末1.0gからなる混合物である。硫酸第
1鉄を使用する場合、蓚酸第1鉄のかわりに硫酸
第1鉄を1.0g使用する。使用できることが判明
した対照空試験用混合物はポリエチレングリコー
ル71.2gおよびクエン酸28.8gからなる混合物で
ある。前記の混合物はそれぞれ蓚酸2モルおよび
クエン酸1.5モルの最終濃度をもたらす。
自動化方法における次の工程は反応室中に配置
された試験検体および反応材料または非反応材料
と共に反応室を加熱することである。好ましい温
度102℃まで加熱すると、糞便検体を含有するサ
ンプラーロツド12は液化する。斯くして、採集
糞便は反応混合物中に放出される。120℃の温度
まで加熱すると反応混合物、即ち、好ましいポリ
エチレングリコールビヒクル、および蓚酸/蓚酸
第1鉄反応体またはクエン酸材料のどちらかも液
化または可溶化する。反応式19aおよび20a
において、蓚酸および蓚酸第1鉄は糞便検体中の
ヘモグロビンと反応してヘム部分を螢光ポルフイ
リンに変換する。反応室19bおよび20bにお
いては、量的に著しい反応はおこらない。加熱は
様々な温度で、かつ、様々な時間にわたつて行な
うことができると思われるが、好ましい自動化方
法は適当なオートクレーブまたはオーブン中で
120℃の温度で90分間加熱することからなる。温
度は反応混合物を液化させ、かつ、採集ロツド1
2の製造用材料が液化されるように十分に高い温
度でなければならない。加熱工程中、反応混合物
は糞便検体と共に、液化サンプラーロツドおよび
ビヒクルと均質に混合する。加熱工程につづい
て、この均質混合物を冷却し、そして、再固化さ
せる。
サンプラーロツド12を液化し、そして、反応
材料と均質に混合するという前記の方法の観点か
ら、該ロツドは特定の特性および特徴を有しなけ
ればならない。例えば、該ロツドは少なくとも50
℃以下の温度で固体であり、かつ、硬質でなけれ
ばならず、一方、100℃以上の温度で液化しなけ
ればならない。更に、該ロツドは冷却されたとき
反応材料と完全に混合されたままでなければなら
ない。また、通常の室温下で加熱または長期間貯
蔵されてもその化学的および物理的特性に何ら変
化を生じないほど安定なものでなければならな
い。サンプラーロツド12はまたゆつくりと水中
に溶解し、そして、加熱期間中に液化したとき反
応室中の化学反応混合物と相溶性である材料から
構成されていなければならない。また、サンプラ
ーロツド12は好ましくは、反応混合物中の化合
物と同様な化合物、例えば、ポリエチレングリコ
ールのような化合から調製する。しかし、これは
絶対要件ではない。サンプラーロツド12はまた
ヘム成分のポルフイリンへの変換を妨害せず、ま
た、事後の螢光測定分析を妨害するような材料か
ら構成されていてはならない。これらの要件につ
いて、基本的に、分子量約20000のポリエチレン
グリコールからなり、この材料の硬度を好みにあ
わせて変化させるための分子量約100000のポリエ
チレンオキサイドあるいはその他のポリエチレン
グリコールのいずれかと組合わせられたサンプラ
ーロツド12が使用できることが判明した。前記
のように、最後には廃棄される鞘14もサンプラ
ーロツド12と同じ材料から製造できる。しか
し、これらまたは同様な化合物であつて他の分子
量を有する様々なその他の混合物もサンプラーロ
ツド12の製造用組成物として好適であると思わ
れる。
反応室19a,19b,20aおよび20b中
の糞便検体および各種の反応混合物を加熱し、そ
して、ひきつづいて、冷却し、そして、再固化さ
せた後、各反応室についてその螢光を測定する。
全般的方法は実験室方法と同様である。ただし、
液体の場合、励起光源は測定される螢光と共に検
体中を直角に透過し、一方固体の場合、その正面
について螢光を測定する。測定する場合、各対照
空試験用検体、即ち、反応室19bおよび20b
の螢光を、その各反応検体、即ち、反応室19a
および20aから減ずる。これら螢光量間の得ら
れた差を標準となる既知のヘモグロビン濃度の螢
光強度と比較する。そして、試験検体中のヘモグ
ロビンの濃度を算出する。前記の工前は手作業に
よつても実施できるが、螢光測定と共に、反応検
体の螢光強度から空試験対照検体の螢光強度を減
じること、この差を標準値と比較することおよび
試験検体中のヘモグロビンの存在量を算出するこ
とは適当なマイクロプロセツサーによつて自動的
に行なうことができる。
従つて、冷却後、試験検体が郵送され、そし
て、加熱された封筒24(第9図)から装置18
をとりだし可動プラツトフオームまたはコンベヤ
ー26あるいは螢光測定を行なうためのステーシ
ヨン28へ搬送するためのその他の適当な手段の
上にのせる。各反応室19a,19b,20aお
よび20bの中の検体の螢光は、該検体を適当な
光源(フイルターまたはモノクロメーター)系お
よび螢光検出系に暴露させることによつて測定す
る。各反応室について測定された螢光強度は次い
で直接にマイクロプロセツサー29におくられ、
試験検体中の単位容量あたりのヘモグロビン存在
量を分析し、そして、算出する。
前記の方法において、反応室内容物の直接螢光
測定に関してある種の特別な予防措置が必要であ
る。これらの予防措置は本来必要なものである。
なぜならポルフイリン螢光の励起に一般的に使用
される入射近紫外線(約410nm)の過剰吸収によ
る螢光強度の変動損失(“消尽”)が存在するから
である。この吸光は著しく多量のポルフイリン、
胆汁色素類、食物粒子等によるものであろう。従
つて、これらの特別な予防措置をとらなければ、
過剰な消尽がおき、その結果、螢光強度の低下お
よびそれに基づく、糞便中に実際に存在する量よ
りも少ない量のヘモグロビン量が算出されるよう
なこととなる。
適当な器具が利用できない場合、とり得る予防
措置の1つは反応室内容物および空試験内容物を
加熱して液化させることである。次いで、測定用
アリコートを回収し、そして、前記の実験室方法
で述べたように希釈および/または抽出した後、
螢光光度計で測定する。液体系の場合、“消尽”
は螢光が測定される溶液を単に更に希釈すること
によつて簡単に解決できる問題にしかすぎない。
これは自動化されたシステムで行なうことが好ま
しいが、手作業ででもできる。自動化されたシス
テムでは、好ましくは、約10〜30μの液化溶液
を0.5M蓚酸100〜300μに添加する。次いで、こ
れを混合し、そして、螢光光度分析用のせまいマ
イクロセルを通過させる。約555nmまたは590〜
600nmのポルフイリン励起極大波長における可視
光線による螢光の励起が推奨される。なぜなら、
これらの波長(特に590〜600nm)は非特異的吸
光が比較的少なく、その結果、前記のような希釈
検体中における螢光“消尽”は無視できるからで
ある。また、これらの波長は糞便、尿および半固
体ゲルの調製に使用されるビヒクルの成物による
非特異的螢光の励起は通常推奨される近紫外線に
よる励起よりも少い。
その他の数種類の代替方法も自動化の目的に適
合する。これらのうち主たるものは吸光による螢
光“消尽”用の自動補正をともなう、オートクレ
ーブ処理したサンプルを直接螢光測定する方法で
ある。このコンピユーターによる補正は反射(ま
たは透過)光および吸光測定用の別の光電管を使
用し吸光と螢光を同時に測定することに基づく。
“二次誘導”螢光スペクトルの使用または反応室
中に存在する他のいかなる量の物質の吸光度より
もはるかに高い吸光度を有する非反応性かつ非螢
光性色素の添加も考慮された。後記の方法では変
動量(この段階では比較的に無視可能である)の
糞便色素が存在していたとしても、おおむね一定
の螢光“消尽”が観察される。
二次誘導螢光スペクトルの使用は顕著な利点を
有する。典型的なヘモグロビン反応検体の螢光ス
ペクトル30は第11図に図示されている。第1
1図にはヘモグロビンが添加されている同様な固
体反応混合物の螢光スペクトル31も一緒に図示
されている。この螢光スペクトルでは、螢光強度
は408nmで励起され550nm〜700nmまでプロツト
されている。第11図から明らかなように、反応
検体30に関する604nmの波長における螢光強度
は約8200である。これに対して、同じ波長で空試
験検体の螢光強度は4500である。従つて、反応検
体の螢光強度は空試験検体の螢光強度の2倍未満
である。しかし、特定のコンピユーター装置につ
いては、事実上、非特異的空試験螢光を除去す
る、この螢光スペクトルの二次誘導をプロツトで
きる。第12図は第11図の螢光スペクトルの二
次誘導を示す。特に、曲線32はスペクトル30
の二次誘導を示し、そして、曲線33はスペクト
ル31の二次誘導を示す。この螢光スペクトルの
二次誘導においては、螢光強度は各曲線32およ
び33の連続的な最小および最大波長における読
値の差として計測される。ヘモグロビン検体曲線
32の場合、この差は例えば、587nmにおける+
の読値と604nmにおける−の読値との間のレベル
の差、約4900である。空試験(ビヒクル)検体の
場合、この差はおおむね0である。この有意性は
本試験法の正確性と感度を改善する。
好ましい実施態様の記載は極めて特別なもので
あるが、その精神からはずれることなく本発明の
方法および装置に対して様々な変更および修正が
なしえるものと思われる。従つて、本発明の範囲
は好ましい実施態様によるよりはむしろ、添付の
請求の範囲によつてかきとられる。
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