JPH055003Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、樹脂含浸繊維シート成形品（以下
「SMC成形品」という）、特に表面は無発泡乃至
低発泡層で、中間はより高発泡の層から構成され
た軽量で機械的強度を向上したSMC成形品に関
するものである。

（従来技術とその課題） 従来、合成樹脂発泡体の表面を無発泡のスキン
層で覆つて発泡体の物性を向上させることは通常
行われている。また熱硬化性のポリウレタン樹脂
を発泡させた中間層を挟んでその両面に樹脂含浸
繊維シート（以下「SMC」という）を積層形成
したSMC成形品も知られている。

しかしながら、上記中間層にウレタン発泡体を
配し、外層にSMCを積層成形したSMC成形品
は、プレス成形に際し、予め異質の素材であるウ
レタン発泡シート状物を成形しておき、これを
SMCと共に金型内へ仕込み成形するので生産効
率が低く、かつ成形品の中間層は発泡体であるの
でその肉厚に比し機械的強度が弱いという問題が
ある。

（課題を解決するための手段） 本考案は、上記課題を解決するものであり、そ
の要旨は、中間に配する樹脂含浸繊維シート層
は、表面に積層する樹脂含浸繊維シートよりなる
スキン層よりも発泡倍率を高くしたことを特徴と
する樹脂含浸繊維シート成形品である。

以下本考案を図面により具体的に説明する。第
１図は本考案の一実施例を拡大断面図で示し、第
２図は本考案の他の実施例を拡大断面図で示す。

第１図に示す本考案のSMC成形品は、表面に
無発泡のスキン層１を設け、中間に高発泡した中
間層２を配した構成のものである。

また第２図に示すSMC成形品は、表面に低発
泡のスキン層３を設け、中間に上記スキン層３よ
りも高発泡の中間層４を配した構成のものであ
る。

第１図及び第２図に示す如く本考案のSMC成
形品は、その各層の基材は不飽和ポリエステル樹
脂をガラス繊維に含浸させ、半硬化させたシート
状物を用いるが、表面のスキン層１又は３を構成
するSMCには、速硬化性配合或いは発泡剤を添
加しないか僅かに配合したSMCを用い、一方中
間層２又は４を構成するSMCには、遅硬化性配
合或いは発泡剤をスキン層よりも多く添加して発
泡倍率を高めたものである。

即ち、スキン層１又は３は無発泡乃至低発泡体
よりなり、中間層２又は４はスキン層よりも相対
的に発泡倍率を高めた構成とし、発泡密度はスキ
ン層で略０〜10倍、中間層で略２〜30倍である。

本考案で用いる発泡剤、硬化剤その他の配合利
は通常のSMC成形に用いられるものであり、成
形条件は通常の加熱（130〜150℃）、加圧（30〜
70Kg／cm²）の条件で、時間はスキン層１又は３が
硬化する時間（３〜10分程度）でよく、発泡硬化
の際、発泡倍率に応じキヤビテイ間〓度合は適宜
設定すればよい。

（考案の効果） 本考案は上記構成であるので、下記効果を奏す
る。

即ち、本考案は中間層が表面のスキン層よりも
相対的に発泡倍率が高いSMCを積層し成形した
ものであるので、従来の繊維を含まないウレタン
樹脂発泡層を中間層とし両面にSMCを積層した
成形品に比較し、中間層が繊維で補強されており
機械的強度が強い。

また従来の異質のウレタン発泡シート状物を予
め成形しておき、これを用いて成形する方法に比
較し、本考案品はSMC同士の積層成形で済むの
で簡単に効率よく成形できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を拡大断面図で示
し、第２図は本考案の他の実施例を拡大断面図で
示す。 １，３……スキン層、２，４……中間層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中間に配する樹脂含浸繊維シート層は、表面に
   積層する樹脂含浸繊維シートよりなるスキン層よ
   りも発泡倍率を高くしたことを特徴とする樹脂含
   浸繊維シート成形品。