JPH054976Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は積層射出成形装置に関し、特に成形品
の外縁部にも確実にコア層を形成し得るようにし
たものに関する。

〔従来技術〕

一般に、成形品の表面にノンフイラー合成樹脂
材料からなる表面性状に優れたスキン層を、その
内部にガラス繊維等のフイラーに入りFRP材料
からなる強度剛性に優れたコア層を夫々形成し、
凹凸のない綺麗な表面で且つ剛性・強度に優れた
成形品を成形する積層射出成形装置が知られてい
る。

上記積層射出成形装置では、固定型及び可動型
からなる成形型と、成形型の成形キヤビテイ内に
スキン材料及びコア材料を射出する射出装置を備
え、コア材料の射出開始時期をスキン材料の射出
開始時期よりも所定時間遅らせて夫々所定量射出
することにより、コア材料がスキン材料に被われ
た状態で成形キヤビテイ内に充填され、この状態
で硬化させることにより、成形品の表面部及び内
部に夫々スキン層及びコア層が形成される。

通常、上記積層射出成形装置では、第６図に示
すように、射出初期に射出されたスキン材料１０
０が成形キヤビテイの外縁部に達するとそれ以上
流動できなくなつて外縁部に貯溜されるため、そ
の外縁部へはコア材料１０１が流入できず、成形
品の外縁部をコア層で補強することができない。

このため、特開昭62−132623号公報には、第７
図に示すように、成形キヤビテイの外縁部にタブ
成形キヤビテイ部１０３を形成し、射出初期に射
出されるスキン材料１００をタブ成形キヤビテイ
部１０３内へ導入することにより、成形キヤビテ
イの外縁部までコア材料１０１を充填できるよう
にした積層射出成形装置が記載されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記積層射出成形装置は、射出初期に射出され
たスキン材料をタブ成形キヤビテイ部内へ導入す
ることにより、コア材料を成形キヤビテイの外縁
部にも充填できるので、コア層で成形品の外縁部
を強化することが出来るが、タブ成形キヤビテイ
部が一定容積なので、同一成形品を順次成形して
いくときにコア材料及びスキン材料の温度や射出
量の射出時期或いは成形型の温度等の射出形態が
変動すると、射出されるスキン材料やコア材料の
体積が変動する。その結果、成形品の外縁部に低
強度のスキン層のみが形成されたり、スキン材料
の不足によりコア材料がタブ成形キヤビテイ部内
に導入されてコア層が成形品の端面に露出した
り、あるいはまた、タブ成形キヤビテイ部内にス
キン材料が完全に充填されないような場合には、
これら樹脂材料射出後の保圧が成形キヤビテイ内
のスキン材料及びコア材料に充分にかからず、そ
の結果スキン層表面の表面性状が悪化したりする
ので、一定品質の成形品を成形することが困難で
あつた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案に係る積層射出成形装置は、固定型と可
動型との間に形成された成形キヤビテイ内にスキ
ン材料とコア材料を射出して成形品の表面部及び
内部に夫々スキン層及びコア層を形成する積層射
出成形装置において、上記成形キヤビテイの外縁
部にタブ成形キヤビテイ部を形成し、上記固定型
或いは可動型にタブ成形キヤビテイ部内へ進退可
能なスライド部材を配設し、上記スライド部材を
進退駆動させて射出形態に応じてタブ成形キヤビ
テイ部の容積を変えることができるように構成し
たものである。

例えば、スライド部材を進退駆動する駆動手段
と、その駆動手段を制御する制御手段等を設け、
スキン材料及びコア材料の温度、成形型の温度、
スキン材料射出開始からコア材料射出開始までの
時間などのパラメータに基いて上記制御手段によ
り駆動手段を制御し、各成形作動における射出形
態に応じてタブ成形キヤビテイ部の容積を最適に
制御することが望ましい。

〔作用〕

本考案に係る積層射出成形装置においては、射
出形態（成形に供するスキン材料及びコア材料、
これら射出材料の温度、成形型の温度、スキン材
料の射出開始からコア材料の射出開始までの時間
など）に応じてスライド部材を進退駆動させるこ
とにより、成形キヤビテイの外縁部に形成された
タブ成形キヤビテイ部の容積を適当に変えること
が出来るので、スキン材料をタブ成形キヤビテイ
部内に過不足なく充填させることが出来る。

こうして成形された成形品においては、その外
縁近傍部までコア層が形成されるとともに、スキ
ン層でコア層を被つた状態になり、かつそのスキ
ン層の表面性状も良好になる。

〔考案の効果〕

本考案に係る積層射出成形装置によれば、以上
説明したように、スライド部材を介してタブ成形
キヤビテイ部の容積を、射出形態に応じた適正な
容積に変えることにより、タブ成形キヤビテイ部
にスキン材料を過不足なく充填して成形品の外縁
部までコア層を形成し、外縁部の剛性・強度並び
にその外観仕上りのきれいな一定品質の成形品を
成形することが出来る。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

第１図〜第３図に示すように、積層射出成形装
置１は、可動型２及び固定型３からなる成形型４
と、可動型２と固定型３に対して進退駆動させる
移動駆動装置５と、可動型２と固定型３との間に
形成された成形キヤビテイ６内にスキン材料及び
コア材料を射出する射出装置７と、成形キヤビテ
イ６の外縁部に形成されたタブ成形キヤビテイ部
８の容積を可変する容積可変機構９と、成形品Ｓ
を可動型２から離型する離型装置１０とを備え、
次のように構成されている。

上記移動駆動装置５について説明すると、１対
の固定盤１１ａ，１１ｂが前後に所定距離あけて
設置され、両固定盤１１ａ，１１ｂ同士の四隅部
を連結する４本のガイドロツド１２が夫々水平に
配設され、各ガイドロツド１２の前後両端部は両
固定盤１１ａ，１１ｂに夫々固着され、各ガイド
ロツド１２の途中部には可動盤１３がその四隅に
おいて前後方向移動可能に装着され、固定盤１１
ｂの略中央部にはシリンダユニツト１４が前後方
向向きに配設され、シリンダユニツト１４から前
方へ延びる連結ロツド１５の前端部は可動盤１３
の後端面略中央部に連結され、可動盤１３はシリ
ンダユニツト１４によりガイドロツド１２に案内
されて前後方向に駆動されるようになつている。
可動盤１３の前端面略中央部には可動型２が固着
され、固定盤１１ａの後端面略中央部には固定型
３が固着され、可動型２は可動盤１３と一体的に
前後に移動して固定型３に対して接近離隔するよ
うになつている。

上記射出装置７は、スキン材料及びコア材料を
夫々別個に加圧する加圧機構１６と、加圧機構１
６にて加圧されたスキン材料及びコア材料を成形
キヤビテイ６内に射出するノズルユニツト１７と
から次のように構成されている。

上記加圧機構１６について第２図により説明す
ると、固定盤１１ａの前方には第１加圧シリンダ
１８ａ及び第２加圧シリンダ１８ｂが左右に所定
距離あけて前後方向向きに配設され、各加圧シリ
ンダ１８ａ，１８ｂ内には夫々スクリユ軸１９
ａ，１９ｂが前後方向移動可能に且つ回転可能に
装着され、各スクリユ軸１９ａ，１９ｂの外周部
には送羽２０が螺旋状に形成され、送羽２０の外
周端部は加圧シリンダ１８ａ，１８ｂの内壁面に
液密状に当接されている。加圧シリンダ１８ａ，
１８ｂの後端部は支持部材２１の左右両端部に
夫々液密状に連結され、各加圧シリンダ１８ａ，
１８ｂの前端近傍部にはタンク２２が夫々立設さ
れ、一方のタンク２２にはスキン材料がまた他方
のタンク２２にはコア材料が夫々貯留され、各加
圧シリンダ１８ａ，１８ｂの前方には回転駆動装
置２３及び加圧駆動用シリンダ２４が夫々上下に
併設され、スクリユ軸１９ａ，１９ｂの前端部は
加圧駆動用シリンダ２４に夫々連結され、その後
端近傍部は減速機（図示略）を介して回転駆動装
置２３に夫々連結され、スクリユ軸１９ａ，１９
ｂは加圧駆動用シリンダ２４により夫々別個に前
後方向に駆動されるとともに回転駆動機構２３に
より夫々別個に回転駆動されるようになつてい
る。尚、上記加圧駆動用シリンダ２４及び回転駆
動装置２３は図示外の制御装置により制御され、
制御装置からの制御信号に基いて、スクリユ軸１
９ａ，１９ｂを回転駆動して、タンク２２に貯留
されたペレツト状の各樹脂材料を各加圧シリンダ
１８ａ，１８ｂ内へ供給して加熱により溶融状態
にし、各加圧シリンダ１８ａ，１８ｂの後端の加
圧室２５ａ，２５ｂまで充填した状態で、各スク
リユ軸１９ａ，１９ｂを夫々後方へ駆動して、各
加圧室２５ａ，２５ｂに充填された樹脂材料を
夫々所定の圧力で加圧し、ノズルユニツト１７を
介して射出するようになつている。また、上記ス
キン材料は表面性状に優れたノンフイラー樹脂材
料（例えば、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリ
ブチレンテレフタレート等）であり、コア材料は
強度及び剛性に優れたガラス繊維等のフイラー入
り樹脂材料（例えば、ポリプロピレン−ガラス繊
維、ポリアミド−ガラス繊維、ポリブチレンテレ
フタレート−ガラス繊維等）である。

上記ノズルユニツト１７について説明すると、
支持部材２１の後端面には支持ブロツク２６が固
着され、支持ブロツク２６の略中央部には後方へ
延びる略円筒状のノズル２７が固着され、ノズル
２７はその前端部に形成された鍔部２７ａが支持
部材２１及び支持ブロツク２６に挟持されて支持
されている。固定型３の略中央部には成形キヤビ
テイ６内に開口された射出通路２８が前後方向向
きに形成され、ノズル２７の後端略中央部には射
出通路２８と連通する射出口２７ｂが開口され、
ノズル２７の内部には前後方向向きに略円筒状の
スリーブ部材２９が遊嵌され、スリーブ部材２９
の略中心部にはシヤツトオフピン３０が遊嵌さ
れ、ノズル２７の内周面とスリーブ部材２９の外
周面との間に第１流通路３１が形成され、スリー
ブ部材２９の内周面とシヤツトオフピン３０との
間に第２流通路３２が形成され、支持部材２１と
支持ブロツク２６とノズル２７には加圧室２５ａ
と第１流通路３１とを連通する第１流通路３３ａ
が形成され、支持部材２１と支持ブロツク２６と
ノズル２７とスリーブ部材２９には加圧室２５ｂ
と第２流通路３２を連通する第２流通路３３ｂが
形成されている。

スリーブ部材２９及びシヤツトオフピン３０は
図示外の駆動装置により前後方向に別個に駆動さ
れ、上記スリーブ部材２９とシヤツトオフピン３
０とを後方限界位置に保持すると、射出口２７ｂ
と第１流通路３１とが遮断され、またスリーブ部
材２９に対してシヤツトオフピン３０を後方限界
位置に保持すると射出口２７ｂと第２流通路３２
及び第２流通路３２と第２流通路３３ｂとが夫々
遮断される。

そして、スリーブ部材２９とシヤツトオフピン
３０とを前方へ移動させると、射出口２７ｂと第
１流通路３１とが連通して加圧室２５ａから射出
口２７ｂへスキン材料が供給され、またスリーブ
部材２９に対して相対的にシヤツトオフピン３０
を前方へ移動させると射出口２７ｂと第２流通路
３２及び第２流通路３２と第２流通路３３ｂとが
夫々連通して加圧室２５ｂから射出口２７ｂへコ
ア材料が供給される。尚、上記駆動装置は制御装
置からの制御信号に応じて駆動され、第４図に示
すように、スキン材料の射出開始から射出形態に
応じて予め設定された基準時間t₀の経過後にコア
材料を射出するように制御され、コア材料をスキ
ン材料の内部に包摂した状態で成形キヤビテイ６
内に射出するようになつている。

上記射出装置７は、その下方に配設された前後
方向向きのガイドロツド３４に沿つて移動可能に
支持され、射出装置７を図示外の駆動機構にて後
方へ移動させることにより、ノズル２７の後端部
が固定型３に液密状に当接され、射出口２７ｂと
射出通路２８とが連通するようになつている。

上記容積可変機構９について説明すると、成形
キヤビテイ６の外縁部には全周にわたるタブ成形
キヤビテイ部８が形成され、固定型３はタブ成形
キヤビテイ部８おいて所定間隔あけて配設された
内外１対の内型３５及び外型３６とから２分割構
造に構成され、内外の両型３５，３６はベース盤
３７を介して固定盤１１ａに油密に固着され、内
外の両型３５，３６間にはタブ成形キヤビテイ部
８に沿つた全周にわたるシリンダ３８が前後方向
向きに形成されている。シリンダ３８内には枠状
のスライド切断歯３９と枠状のスライド部材４０
が油密摺動自在に内側と外側とに配設され、スラ
イド切断歯３９の後端部にはタブ成形キヤビテイ
部８の内縁部に臨む切断歯部３９ａが形成され、
スライド部材４０の後端部にはタブ成形キヤビテ
イ部８に臨む壁部４０ａが形成され、スライド切
断歯３９及びスライド部材４０の前部には厚肉の
第１ピストン部３９ｂ及び第２ピストン部４０ｂ
が夫々形成され、ピストン部４０ｂの合せ面側に
は全周にわたる周溝４０ｃが形成され、周溝４０
ｃにはベース盤３７から後方へ延びる枠状の隔離
壁３７ａが油密に挿入され、各ピストン部３９
ｂ，４０ｂの前側及び後側には全周にわたる第１
油圧作動室４１ａ，４１ｂ及び第２油圧作動室４
２ａ，４２ｂが夫々形成され、各油圧作動室４１
ａ，４１ｂ，４２ａ，４２ｂは油圧供給装置４３
に連結され、油圧供給装置４３から第１油圧作動
室４１ａ或いは第２油圧作動室４２ａに圧油が供
給されると、スライド切断歯３９が後退或いは前
進移動し、第１油圧作動室４１ｂ或いは第２油圧
作動室４２ｂに圧油が供給されると、スライド部
材４０の壁部４０ａが後退或いは前進移動してタ
ブ成形キヤビテイ部８の容積が減少したり増加し
たりするようになつている。

上記離型装置１０について説明すると、可動型
２の内部略中央部には作動空間２ａが形成され、
作動空間２ａ内にはエジエクトプレート４４が前
後方向移動自在に配設され、エジエクトプレート
４４の上下方向略中央部には成形キヤビテイ６内
に延びる左右１対のエジエクトプレート４５が固
着され、エジエクトプレート４５には圧縮コイル
バネ４６が外嵌され、エジエクトプレート４４は
バネ４６により常に後方へ付勢されている。可動
盤１３には離型用シリンダ（図示略）が前方向き
に内装され、上記エジエクトプレート４４を前方
へ駆動してエジエクトピン４５をエジエクト作動
させるピン部材４７は離型用シリンダのピストン
ロツドに連結されている。

次に上記積層射出成形装置１の作動について説
明する。

先ず、成形品Ｓの成形開始前に、油圧供給装置
４３を操作してスライド部材４０を前後方向に駆
動し、タブ成形キヤビテイ部８の容積を調節しな
がら予め試験的に成形を繰返して、第３図に示す
ように成形品Ｓの外縁近傍部までコア層S_cが形成
される射出条件を設定し、その射出条件にて成形
品Ｓの成形を行う。

上記射出条件のうちスキン材料の射出開始から
コア材料の射出開始までの基準時間t₀が重要なパ
ラメータであり、この時間が大小変動すると所期
の品質の成形品Ｓが得られない。

次に、可動型２と固定型３とを型締めするとと
もに射出口２７ｂと射出通路２８とを連通させ、
加圧シリンダ１８ａ内にスキン材料をまた加圧シ
リンダ１８ｂ内にコア材料を夫々充填して所定圧
に加圧し、スキン材料を成形キヤビテイ６内に射
出開始し、その射出開始から基準時間t₀（第４図
参照）経過後には、コア材料の射出を開始し、キ
ヤビテイ６内に射出する。そして、スキン材料の
射出開始後所定時間t₁経過後にはスキン材料の射
出を終了し、またコア材料の射出開始から所定時
間t₂経過後にはコア材料の射出を終了する。上記
成形時、第３図に示すように、スキン材料の射出
開始からコア材料の射出開始まで射出されたスキ
ン材料は、成形キヤビテイ６の外周部へ流れると
ともに成形キヤビテイ６の表層部へ流れ、そのス
キン材料がタブ成形キヤビテイ部８内に過不足な
く充填される。その後射出されるコア材料はスキ
ン材料に包摂された状態で成形キヤビテイ６内へ
射出され、スキン材料はタブ成形キヤビテイ部８
を除く成形キヤビテイ６の表層部へ供給される。
そして、スキン材料の射出終了後に供給されるコ
ア材料は上記成形キヤビテイ６の表層部へ流れず
にスキン材料の内側へ流入していく。従つて、コ
ア材料はタブ成形キヤビテイ部８内に流入せず、
タブ成形キヤビテイ部８の近傍まで充填される。

射出完了後スキン材料及びコア材料が硬化して
から、油圧駆動装置４３を操作してスライド切断
歯３９を後方へ駆動させ、切断歯部３９ａで成形
品Ｓとタブ部Ｔを切断する。

上記のように成形された成形品Ｓではコア層S_c
がスキン層S_sに被われた状態でその外縁近傍部ま
で形成され、タブ部Ｔはスキン層のみで形成され
る。

以上のように、スライド部材４０を前後に移動
させることにより、タブ成形キヤビテイ部８の容
積を増減できるので、スキン材料及びコア材料の
射出形態を変更した場合でも、タブ成形キヤビテ
イ部８の容積を調節することにより、タブ成形キ
ヤビテイ部８内に過不足なくスキン材料が充填さ
れ、コア層が成形品Ｓの外周端面に露出したり、
成形品Ｓの外縁部までコア層が形成されずその部
分の強度及び剛性が低下したりすることもなく、
またこれら材料の射出後における保圧が成形キヤ
ビテイ６内のスキン材料及びコア材料に充分にか
かり、表面が綺麗でしかも強度及び剛性の高い成
形品Ｓを成形することが可能となる。

また、スキン材料及びコア材料の硬化後に、ス
ライド切断歯３９を後方へ駆動させることによ
り、成形品Ｓとタブ部Ｔとを分断することが出来
るので、成形品Ｓからタブ部Ｔを取り除くための
新たな加工工程を必要としない。

尚、本実施例では、手動にて油圧供給装置４３
を操作してスライド部材４０を前後に移動させ、
タブ成形キヤビテイ部８の容積を増減させるよう
にしたので、成形品Ｓの成形毎に変動する射出形
態に応じてタブ成形キヤビテイ部８の容積を増減
させることが出来ないが、次のように構成し、成
形毎に変動する射出形態に応じてタブ成形キヤビ
テイ部８の容積を自動的に調節するようにしても
よい。但し、上記成形毎に変動する射出形態に影
響するパラメータとしては、スキン材料及びコア
材料の種類、スキン材料とコア材料の射出温度、
可動型２及び固定型３の温度などが考えられる。

即ち、制御装置からの制御信号に基いて油圧供
給装置４３を駆動させるようにし、第４図に示す
ように、スキン材料或いはコア材料の射出時期が
変動してスキン材料の射出開始からコア材料の射
出開始までの経過時間ｔが、前記基準時間t₀より
も長い場合には、スライド部材４０を前方へ移動
させてスキン材料の射出量の増加分だけタブ成形
キヤビテイ部８の容積を増加させ、基準時間t₀よ
りも短い場合には、スライド部４０を後方へ移動
させてスキン材料の射出量の減少分だけタブ成形
キヤビテイ部８の容積を減少させるようにし、各
成形品の成形毎にタブ成形キヤビテイ部８の容積
を可変に制御し、スキン材料が過不足なく充填さ
れるようにしてもよい。或いはまた、第５図に示
すように射出装置７で制御パラメータとして検出
して判つているスクリユ軸１９ａ，１９ｂのスク
リユ位置を用い、油圧供給装置４３を介してタブ
成形キヤビテイ部８の容積を成形毎に制御するよ
うにしてもよい。即ちコア材料射出開始時のスク
リユ軸１９ａのスクリユ位置ｌが基準スクリユ位
置l₀（但し、こえは試験的成形にて得られる）よ
りも小さいときには上記容積を増加させまたその
反対に大きいときには上記容積を減少させるよう
に制御する。尚、本実施例では、シリンダ３８、
スライド切断歯３９、スライド部材４０を枠状に
構成したが、直線状に構成して固定型３内の上部
及び下部或いは左部及び右部に配設するようにし
てもよい。

【図面の簡単な説明】

図面のうち第１図〜第５図は本考案の実施例を
示すもので、第１図は積層射出成形装置の側面
図、第２図は成形型近傍の要部横断平面図、第３
図は成形キヤビテイ外縁部近傍の要部縦断側面
図、第４図は積層射出特性の線図、第５図は加圧
シリンダの後端位置からのスクリユ軸の移動距離
（スクリユ位置）の線図、第６図・第７図は夫々
従来技術に係る積層射出成形品の部分断面図であ
る。 １……積層射出成形装置、２……可動型、３…
…固定型、６……成形キヤビテイ、７……射出装
置、８……タブ成形キヤビテイ部、３９……スラ
イド切断歯、４０……スライド部材、４３……油
圧供給装置、Ｓ……成形品、S_s……スキン層、S_c
……コア層、Ｔ……タブ部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 固定型と可動型との間に形成された成形キヤビ
   テイ内にスキン材料とコア材料を射出して成形品
   の表面部及び内部に夫々スキン層及びコア層を形
   成する積層射出成形装置において、 上記成形キヤビテイの外縁部にタブ成形キヤビ
   テイ部を形成し、 上記固定型或いは可動型にタブ成形キヤビテイ
   部内へ進退可能なスライド部材を配設し、 上記スライド部材を進退駆動させて射出形態に
   応じてタブ成形キヤビテイ部の容積を変えること
   ができるように構成したことを特徴とする積層射
   出成形装置。