JPH05491Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、仕上材として好適な長尺床材を敷設
した階段等の段部床の構造に関する。

（従来の技術） 例えば、階段の表面仕上げに合成樹脂製シート
が敷設されているが、踏面から蹴上げ面への折曲
部である入隅部においては、シートを角折れさせ
て下地面に極力密着させようとしても、直角の入
隅に完全に沿うことができず、入隅のシート裏側
に若干の空間部が生じてしまつていた。

しかし、該部に空間部が残されていると、靴の
爪先や傘の石突き端等によつて穴が開いてしまう
おそれがあり、この対策として、下地の入隅に細
長い三角状（斜辺が凹曲面）の筒乃至棒状体を当
てた上で、シートを貼着することにより、空間部
を埋めるようにしたり、厚地のシート乃至積層シ
ートの入隅部裏面に複数条のスリツトを形成して
おいて極力該部を直角に近く折曲させる工夫がな
されていた。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、前者の方法では施行手数が負担
となり、入隅が浅い分だけ踏面を浅くしてしまう
ために歩行の安心感と安定感に若干のマイナス効
果が生じることがあり、後者の方法では、スリツ
ト加工によりシートの折曲部を下地面に近づける
ことはできるが、空間部が残つた時にスリツト形
成のためにこの折曲部が弱くなつてしまう逆効果
が生じてしまう点等に問題が残されていた。

本考案は、上記に鑑み、合成樹脂シートの折曲
部、特に入隅部を簡便に補強でき、かつ段部に沿
わせやすい段部用長尺床材を敷設した階段等の段
部床の構造を提供せんとするものである。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記課題を達成するために、合成樹脂
製シート（本考案においては合成ゴムその他の材
質からなるシート状体を含む）の裏面に所定間隔
ごとに破断強度を有した可撓性補強材を貼着して
段部用長尺床材となし、この段部用長尺床材を上
記補強材貼着状態のまま、この貼着部が少なくと
も床段部の入隅部に合致するように敷設して階段
等の段部床を構成せしめたことを特徴とするもの
である。

（作用） 補強されたシート部分を段部例えば入隅部に合
致させて床材が敷設される。

（実施例） 以下、一実施例として示した図面によつて本考
案を説明する。

第１図は本考案の段部床を構成する長尺床材の
第１の実施例を示している。この長尺床材１は、
その裏面に長尺方向に対して所定間隔、例えば第
４図の蹴上げ面ａの幅と踏面ｂの幅との合計長さ
分の間隔を置いて、ステンレススチール箔、ガラ
ス繊維シート、ケプラ（米国デユポン社の商品
名）等の破断強度が大で可撓性のある補強材２が
適幅例えば10cm前後の幅を有して貼着されてい
る。アルミ箔等の破断強度の弱い材質は不可であ
る。

長尺床材１は、合成樹脂シート（材質は前記の
とおりゴムその他の適宜材質を含む）の単層体で
も重合体でもよい。また、該補強材２は、ロール
巻きされる長尺床材１に予め貼着されていてもよ
いが、補強材２の裏面に感圧接着剤が塗着され、
離型紙が重合されたテープ状として別途準備さ
れ、長尺床材１の敷設時に該床材裏面の所定位置
に貼着されるのが好ましく、この際長尺床材１の
裏面には予め長尺方向に直交する適宜間隔の寸法
線が付されていると一層便利である。

第２，３図は長尺床材１の第２の実施例を示し
ている。この長尺床材１は、塩化ビニル樹脂等の
表面化粧シート１ａと繊維シート等の裏打ちシー
ト１ｂとの重合体からなつており、上記例と同様
に所定間隔を置いて、裏打ちシート１ｂの裏面側
に長尺方向に直交するＶ状等の切込み１ｃが連続
的に適幅例えば３〜６cm程度の幅を以て形成され
ており、この切込み１ｃ部上に、上記テープ状に
準備された補強材２が貼着されている。上記切込
み１ｃは長尺床材１の入隅における角折れをより
容易にする。

上記テープ状に準備された補強材２の貼着は、
長尺床材１を直角折れさせつつ貼着するのが好ま
しい。

なお、上記実施例においては、補強材を入隅部
の長尺床材の裏面に貼着する構成を述べたが、出
隅部の長尺床材の裏面に貼着することもできる。

以上のように、本考案の階段等の段部床は、上
記長尺床材１がその裏面に貼着した補強材２を段
部の角部特に入隅部に合致させて、床面に補強材
２付長尺床材１を敷設した構成としてなるもので
ある。

（考案の効果） このようにして本考案によれば、段部床を構成
する段部用長尺床材の裏面に所定間隔を以て破断
強度を有した可撓性補強材が貼着されてなり、こ
の補強材が貼着した状態のまま少なくとも入隅部
に合致してなるので、特に入隅部の破断強度が高
まり、入隅部において折曲部裏面側に若干の空間
部が残されたとしても、爪先や棒体の先端等によ
つて長尺床材が破られ或いは穴を開けられるおそ
れを従来に比して著しく減少させることができる
と共に、入隅部の角から張り出ないように床材を
敷設でき、かつ施行作業性を簡便効率化すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を構成する長尺床材の一例を示
す裏面斜視図、第２図は長尺床材の別の一例を示
す裏面図、第３図はその−線拡大断面図、第
４図は長尺床材を敷設してなる階段としての段部
床の部分断面図である。 １……長尺床材、２……補強材、１ｃ……切込
み。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂製シートの裏面に所定間隔ごとに破断
   強度を有した可撓性補強材を貼着して段部用長尺
   床材となし、この段部用長尺床材を上記補強材貼
   着状態のまま、この貼着部が少なくとも床段部の
   入隅部に合致するように敷設してなる階段等の段
   部床。