JPH0548761B2 - - Google Patents

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JPH0548761B2
JPH0548761B2 JP62268981A JP26898187A JPH0548761B2 JP H0548761 B2 JPH0548761 B2 JP H0548761B2 JP 62268981 A JP62268981 A JP 62268981A JP 26898187 A JP26898187 A JP 26898187A JP H0548761 B2 JPH0548761 B2 JP H0548761B2
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solution
labeled
gallium
radiopharmaceutical
conjugate
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JP62268981A
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Hiroyoshi Takahashi
Nobuo Ueda
Masaaki Hazue
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Nihon Medi Physics Co Ltd
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Nihon Medi Physics Co Ltd
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【発明の詳細な説明】
本発明は放射性医薬品調製用高分子化合物、特
にホルミル基含有ポリサツカライド誘導体に対し
アミノ基含有生理活性物質とアミノ基含有2官能
配位子化合物が結合して成る放射性医薬品調製用
キヤリヤーとして有用な高分子化合物および該高
分子化合物に放射性金属元素を結合せしめて成る
放射性医薬品として有用な標識高分子化合物に関
する。 本発明の高分子化合物は文献未載の新規物質で
あり、特定臓器の描出、特定疾患の検出、生理活
性物質の動態検査、疾病の治療などの核医学的用
途に適した、安定な放射性金属標識つき放射性医
薬品を提供することが出来るものである。 特定臓器の描出、特定疾患の検出、生理活性物
質の動態検査などを目的とした放射性医薬品とし
て、従来、ヨード−131で標識された生理活性物
質が汎用されてきた。たとえば、血液循環系の描
出や動態検査に用いられるヨード−131標識ヒト
血清アルブミン、血栓の検出に用いられるヨード
−131標識フイブリノーゲンなどが挙げられる。
しかしながら、ヨード−131は半減期が約8日と
長い点で放射線治療には有利であるが、核医学診
断に有用なガンマー線の他にベータ線を放出する
ため、被検者に多量の放射線被曝を与える欠点が
指摘されている。 そこで核医学診断により適した物理的特性を有
する放射性金属を、他の方法により生理活性物質
に導入し、有用な放射性診断剤を得ようとする試
みが続けられている。たとえば、生理活性物質に
直接、放射性金属塩を作用させる標識法で得られ
るものとして、テクネチウム−99m標識ヒト血清
アルブミン、インジウム−111標識ブレオマイシ
ンなどが知られている。さらにジエチレントリア
ミン五酢酸(DTPA)、3−オキソブチラールビ
ス(N−メチルチオセミカルバゾン)カルボン
酸、デフエロキサミンなどの2官能配位子化合物
の各種金属に対する強いキレート形成能と、それ
らの化合物末端のアミノ基およびカルボキシル基
の種々の生理活性物質に対する反応性に基づい
て、これら2官能配位子化合物を介して放射性金
属および生理活性物質を結合させる方法も提案さ
れている。 これらの方法で得られた標識化合物は比較的安
定であり、しかも生理活性物質の活性を保持して
いるので、核医学診断目的に非常に興味ある薬剤
である。しかしながら、これらの方法によつて得
られた放射性診断剤は、分子量の大きい生理活性
物質、たとえば血栓診断やガン診断に使用される
それぞれ分子量約34万のフイブリノーゲンや分子
量約16万のIgGを用いた場合、診断に必要な高比
放射能のものが得られない欠点がある。 本発明者らは、この欠点を解決すべく種々研究
を重ねた結果、先にジアルデヒドデンプンにアミ
ノ基含有2官能配位子化合物とアミノ基含有生理
活性物質が結合した高分子化合物を開発すること
に成功した(特開昭59−105002号明細書および特
開昭59−106425号明細書参照)。この高分子化合
物は、1分子当たり多数の配位子を持つものであ
り、このことはもとより直さず1分子当たりに結
合する放射性金属イオンの数が従来の2官能配位
子化合物に比して格段に多いことを意味する。そ
してこの高分子化合物を使用することにより、生
理活性物質の変性および活性低下を来すことなく
高比放射能の放射性診断剤が得られる事実が見出
だされた。 上記の知見に基づいて更に研究を進めた結果、
ジアルデヒドデンプンに代えて他のホルミル基含
有ポリサツカライド誘導体を使用しても同様に生
理活性物質の変性や活性低下を起こすことなく高
比放射能の放射性医薬品が得られる事実が見出だ
された。一般に分子量の大きい生理活性物質をヒ
トに投与する場合、その抗原性を考慮するなら
ば、その投与量を可及的少量にすることが望まし
い。従つて、ここに得られた放射性医薬品が高比
放射能であることは、この点で極めて有利であ
る。なお、ジアルデヒドデンプンは分子量分布が
広く、網状構造を有するので、その繰り返し構造
の数ほどには2官能配位子化合物が効果的に結合
しにくい傾向が認められるが、ジアルデヒドアミ
ロースのように分子量分布が狭くかつ直鎖構造を
有するものを使用すれば多数の2官能配位子化合
物を効果的に結合することが出来、従つて高比放
射能の製品が得られやすい。 本発明は以上の知見に基づいて完成されたもの
であつて、その要旨は 分子中に少なくとも3個のホルミル基を有する
ポリサツカライド誘導体(ただし、ジアルデヒド
デンプンを除く。)()に対しアミノ基含有2官
能配位子化合物()とアミノ基含有生理活性物
質()が前記ポリサツカライド誘導体()1
分子当たり前記2官能配位子化合物()少なく
とも2分子と前記生理活性物質()少なくとも
1分子の割合でメチレンイミン結合(−CH=N
−)またはメチレンアミン結合(−CH2NH−)
を介して結合して成る高分子化合物() に存する。 本発明の目的とする上記高分子化合物()は
ポリサツカライド誘導体()に対し2官能配位
子化合物()と生理活性物質()が結合して
構成された、生理活性物質()−ポリサツカラ
イド誘導体()−2官能配位子化合物()結
合体である。 ポリサツカライド誘導体()は分子中に少な
くとも3個のホルミル基を持つことが必要であ
り、ホルミル基の数が多いほど好ましい。それら
のホルミル基のうち少なくとも2個は2官能配位
子化合物()との結合に役立つものであり、他
の少なくとも1個は生理活性物質()との結合
に役立つものである。 ポリサツカライド誘導体()としては、たと
えば適宜に置換されていることもあるポリサツカ
ライドを酸化剤(たとえば過ヨード酸ナトリウ
ム)で処理して得られる。原則としてサツカライ
ド単位毎に1個または2個のホルミル基を有する
ものが使用されうる。ポリサツカライドとして
は、オリゴサツカライドでもよいが、本発明の目
的から理解されるようにペント−サン、ヘキソ−
サン、ポリグルコサミン、ポリウロン酸、グリコ
サミノグリカン、グリコウロノグリカン、ヘテロ
ヘキソ−サンなど高次のポリサツカライドが好ま
しい。具体例としては、アミロース、アミロペク
チン、デキストラン、セルロース、イヌリン、ペ
クチン酸、プルランなどが挙げられ、それらの混
合物や脱水縮合物であつてもよい。一般にサツカ
ライド単位が3000以下、特に1000以下のものが望
ましい。 2官能配位子化合物()としては、放射性金
属元素()に対し強固なキレート結合を形成
し、かつ比較的緩和な条件下でポリサツカライド
誘導体()のホルミル基と反応し得るアミノ基
を有するものが使用される。このような2官能配
位子化合物()の具体例としてはデフエロキサ
ミン(メルク・インデツクス、第9版、374頁
(1976年))、式: (式中、R1およびR2それぞれ水素、C1〜C3
ルキルまたはフエニルを表す。)で表される3−
アミノメチレン−2,4−ペンタンジオン−ビス
(チオセミカルバゾン)誘導体(ヨーロツパ特許
出願第54920号明細書)、式: (式中、R3およびR4はそれぞれ水素またはC1
〜C3アルキル、nは0〜3の整数を表す。)で表
される1−(p−アミノアルキル)フエニルプロ
パン−1,2−ジオン−ビス(チオセミカルバゾ
ン)誘導体(オーストラリア特許第533722号明細
書)などが挙げられる。 そのもの自体はアミノ基を有していなくても容
易にアミノ基またはアミノ基含有構造を形成し得
る基または構造を有している場合は、放射性金属
元素を捕捉する性質を有する限り、このものもま
たアミノ基またはアミノ基含有構造を形成せしめ
たうえで、アミノ基含有2官能配位子化合物とし
て使用し得る。たとえば、カルボキシル基を有す
るものは、これにアルキレンジアミンを反応させ
ることによつて容易にアミノ基を導入することが
出来、本発明において2官能配位子化合物()
の1種として使用することが出来る。その具体例
としては、ジエチレントリアミン五酢酸
(DTPA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、
ジメルカプトアセチルエチレンジアミン
(Fritzbergら:J.Nucl.Med.,23,917(1982))お
よびビスアミノエタンチオール(Fritzbergら:
J.Nucl.Med.,25,916(1984)に代表されるN2S2
リガンド、サイクラン(Keiringら:J.Nucl.
Med.,23,917(1982))に代表されるN4リガン
ド、N,N′−ビス(2−ヒドロキシエチル)エ
チレンジアミン(Wagner Jr.ら:Proceedings
of the International Symposium on
Technetium in Chemistry and Nuclear
Medicine,Padova I taly,161頁(1982))
に代表されるN2O2リガンド、式: (式中、R5、R6、R7、R8およびR9は水素また
はC1〜C3アルキル)で表される2−プロピオン
アルデヒド−ビス(チオセミカルバゾン)誘導体
(アメリカ特許第4287362号明細書)などが挙げら
れる。 生理活性物質()としては、適当な器官また
は組織あるいは特定の病巣に蓄積するか、特定の
生理状態に対応して特異な挙動を示す物質であつ
て、生体内におけるここのような物質の挙動を追
跡することによつて診断あるいは治療上有用な情
報や効果を得ることが出来るものが使用される。
生理活性物質は一般にそれ自体でアミノ基を有し
ているものが多いが、そのような生理活性物質は
もとより、それ自体ではアミノ基を有していない
ものであつても、これに適宜の方法でアミノ基ま
たはアミノ基含有構造を導入したものを使用する
ことが出来る。 生理活性物質()の具体例としては、血液蛋
白質(たとえばヒト血清アルブミン、フイブリノ
ーゲン)、酵素(たとえばウロキナーゼ、ストレ
プトキナーゼ)、ホルモン(たとえば甲状腺刺激
ホルモン、副甲状腺ホルモン)、免疫抗体(たと
えばIgGおよびその断片のF(ab)2′、Fab′、
Fab)、モノクローナル抗体、抗生物質(たとえ
ばブレオマイシン、カナマイシン)、糖類、脂肪
酸、アミノ酸などが挙げられる。 高分子化合物()を製造するには、たとえば
ポリサツカライド誘導体()と2官能配位子化
合物()を縮合させて前者のホルミル基と後者
のアミノ基の間でメチレンイミン結合を形成せし
め、必要に応じこのメチレンイミン結合を還元し
てメチレンアミン結合に変換した後、得られたポ
リサツカライド誘導体()−2官能配位子化合
物()結合体と生理活性物質()を縮合させ
て前者のポリサツカライド誘導体()部分に存
在するホルミル基と後者のアミノ基の間でメチレ
ンイミン結合を形成せしめ、必要に応じこのメチ
レンイミン結合を還元してメチレンアミン結合に
変換すればよい。また、ポリサツカライド誘導体
()と生理活性物質()を縮合させて前者の
ホルミル基と後者のアミノ基の間でメチレンイミ
ン結合を形成せしめ、必要に応じこのメチレンイ
ミン結合を還元してメチレンアミン結合に変換し
た後、得られたポリサツカライド誘導体()−
生理活性物質()結合体と2官能配位子化合物
()を縮合させて前者のポリサツカライド誘導
体()部分に存在するホルミル基と後者のアミ
ノ基の間でメチレンイミン結合を形成せしめ、必
要に応じこのメチレンイミン結合を還元してメチ
レンアミン結合に変換してもよい。 上記各方法における縮合反応はホルミル基とア
ミノ基を縮合させるために採用される自体常套の
手段で行えばよい。還元反応もまた、メチレンイ
ミン結合をメチレンアミン結合に変換する際に採
用される自体常套の手段、たとえば水素化ホウ素
ナトリウムのような金属水酸化物を使用すること
により行なわれる。上記縮合反応および還元反応
はいずれも比較的緩和な条件下で進行することが
出来るから、生理活性物質()が比較的不安定
な場合でもその生理活性に本質的な影響を与える
ことなく目的とする高分子化合物()、すなわ
ち生理活性物質()−ポリサツカライド誘導体
()−2官能配位子化合物()結合体を製造す
ることが出来る。 反応試剤、反応条件などの相違によりポリサツ
カライド誘導体()1分子に結合する2官能配
位子化合物()や生理活性物質()の分子数
は異なるが、2官能配位子化合物()の分子数
は一般には5またはそれ以上、特に10またはそれ
以上が好ましく、生理活性分子数()の分子数
は一般には10またはそれ以下、特に3またはそれ
以下が好ましい。ポリサツカライド誘導体()
に対し2官能配位子化合物()と生理活性物質
()のいずれを先に結合させてもよいが、後で
結合させるべき生理活性物質()または2官能
配位子化合物()が結合するための適当な数の
遊離のホルミル基が残存するように反応を実施す
べきである。 上記製造法の途中で得られる各種結合体および
最終的に得られた高分子化合物()は、いずれ
も必要に応じて高分子物質に適用されるカラムク
ロマトグラフイー、高速液体クロマトグラフイ
ー、ゲルろ過法、透析法などの常套の精製法を適
用することにより精製されてもよい。 ポリサツカライド誘導体()としてアミロー
ス由来のものを使用する場合を例に挙げ、これを
まず2官能配位子化合物()と縮合させた後還
元を行い、次いでここに得られたポリサツカライ
ド誘導体()−2官能配位子化合物()結合
体を生理活性物質()と縮合させた後還元を行
つて目的とする高分子化合物()、すなわち生
理活性物質()−ポリサツカライド誘導体()
−2官能配位子化合物()結合体を製造する場
合を式で示せば次の通りである: (式中、Xは2官能配位子化合物()からア
ミノ基を除去した残基、Yは生理活性物質()
からアミノ基を除去した残基、Zは−CHOまた
は−CH2OH、pは2〜1000の整数、qおよびs
はそれぞれ1〜1000の整数、rおよびtはそれぞ
れ0〜1000の整数を表す。ただし、q+rおよび
q+s+tはそれぞれ2〜1000の整数である。)。 なお、上式においてジアルデヒドアミロース
(a)はアミロースを原料とし、これを過ヨー
ド酸のような酸化剤で部分的あるいは全体的に酸
化することにより得られる鎖状高分子物質であつ
て、それ自体市販されている。そのサツカライド
単位は通常2〜1000であり、特に2〜500が好ま
しい。 本発明の高分子化合物()、すなわち生理活
性物質()−ポリサツカライド誘導体()−2
官能配位子化合物()結合体は、放射性医薬品
調製用キヤリヤーとして有用なものである。すな
わち、該高分子化合物()には2官能配位子化
合物()部分が複数個存在しており、これによ
つて複数個の放射性金属元素()を捕捉するこ
とが可能である。このように複数個の放射性金属
元素()を捕捉せしめた標識高分子化合物はそ
れ自体放射性医薬品として使用される。 ここに放射性金属元素()としては、放射能
を有する金属元素であつて、核医学的診断や治療
に適した物理的または化学的特性を有し、しかも
2官能配位子化合物()の配位子構造により容
易に捕捉されて安定なキレート錯体を形成し得る
ものが使用されてよい。その具体例としては、診
断の目的に供されるものとしてガリウム−67、ガ
リウム−68、タリウム−201、インジウム−111、
テクネチウム−99mなどが挙げられ、治療の目的
に供されるものとして銅−67、イツトリウム−
90、パラジウム−109、レニウム−186などのベー
タ線放出核種、金−198、ビスマス−212などのア
ルフア線核種などが挙げられる。これらは通常、
塩、特に水溶性塩の形で使用され、水性媒体中に
おいて高分子化合物()と接触せしめてその標
識化を行う。ただし、放射性金属元素()が安
定なキレート錯体を形成しうる原子価状態にある
場合には(たとえばガリウム−67、インジウム−
111)、反応系に他の試剤を存在せしめる必要はな
いが、安定なキレート錯体を形成するために原子
価状態を変化せしめる必要がある場合には(たと
えばテクネチウム−99m)、反応系に還元剤また
は酸化剤を存在せしめる必要があろう。還元剤の
例としては、2価のスズ塩(たとえばハロゲン化
スズ、硫酸スズ、硝酸スズ、酢酸スズ、クエン酸
スズ)が挙げられる。 たとえば、放射性金属元素()としてテクネ
チウム−99mを使用する場合、高分子化合物
()を水性媒体中還元剤としての第1スズ塩の
存在下パーテクネテートの形のテクネチウム−
99mと処理することによつてテクネチウム−99m
標識高分子化合物()を調製することができ
る。上記調製に際し、各試剤の混合順序について
格別の制限はないが、通常、水性媒質中で最初に
第1スズ塩とパーテクネテートを混合することは
避けた方が望ましい。第1スズ塩はパーテクネテ
ートを充分に還元出来る量で使用するのが好まし
い。 このようにして得られた標識高分子化合物
()が放射性医薬品、たとえば放射性診断剤や
放射性治療剤として有用であるためには、診断や
治療を可能とするに充分な放射能と放射能濃度を
有することが必要である。たとえば放射性金属元
素()としてテクネチウム−99mを使用する放
射性診断剤の場合、投与時に約0.5〜5.0ml当たり
0.1〜50mCiの放射能濃度を有することが望まし
い。また、このような標識高分子化合物()は
調製後直ちに投与されてもよいが、好ましくは調
製後適当時間保存に耐えうる程度の安定性を有す
ることが望ましい。 本発明高分子化合物()から成る放射性医薬
品調製用キヤリヤーは溶液の形で保存されてもよ
いが、通常は凍結乾燥法、低温減圧蒸発法などに
より粉末状態に変換して保存され、用い臨み無菌
水、生理食塩水、緩衝液などに溶解される。必要
に応じ、溶解補助剤(たとえば有機溶媒)、PH調
節剤(たとえば酸、塩基、緩衝剤)安定剤(たと
えばアスコルビン酸)、保存剤(たとえば安息香
酸ナトリウム)、等張剤(たとえば塩化ナトリウ
ム)などが配合されてもよい。また、前記のよう
に放射性金属元素()の原子価状態を調整する
ため、還元剤や酸化剤が配合されてもよい。放射
性医薬品調製用キヤリヤーとしての用途に鑑み、
これらの添加物はいずれも医薬上許容され得るも
のであることを要する。 放射性医薬品調製用キヤリヤーの量は最終的に
製造される放射性医薬品の標識率が実用上支障の
ない程度に高くなるような量であり、かつ薬剤学
上許容され得る範囲であることが必要である。 前記放射性医薬品調製用キヤリヤーを使用して
放射性医薬品を調製するには、該放射性医薬品調
製用キヤリヤーと必要に応じてこれに前記した添
加物を配合して成る組成物と前記した適宜の形態
の放射性金属元素()を水性媒体中で接触せし
めればよい。通常は両者の内の少なくとも一方を
予め水溶液としたうえ、他方をそれに添加する。
接触させる放射性金属元素()の放射能は任意
であるが、核医学診断を実施する場合には、充分
な情報が得られるような放射能であり、かつ被検
者の放射線被曝を可能な限り低くするような放射
能の範囲であることが望ましい。他方、治療を目
的とする場合には、治療効果が充分得られるよう
な放射能が必要であると共に、他の正常臓器や組
織への放射線被曝を可能な限り低くするような放
射能の範囲であることが望ましい。 本発明の放射性医薬品をヒトに投与するには、
通常、経静脈的に行うが、該放射性医薬品中の生
理活性物質()部分が投与後その活性を発現す
るのに適していたり、有利である限り、特にこれ
に限定されるものではなく、その他の適宜の方法
が採用されてよい。 上記したところから明らかなように、本発明に
かかる放射性医薬品調製用キヤリヤーは、放射性
金属イオンを含有する水溶液と接触させるという
極めて簡単な方法により、高比放射能の放射性医
薬品を提供することが出来る。しかも得られた放
射性医薬品はそれを構成する生理活性物質()
部分に由来する生理活性をそのまま実質的に保有
する特徴を有する。 現在、放射性医薬品としては核医学診断を目的
とするものだけでなく、治療を目的とするものも
知られている。治療用放射性医薬品の基礎原理
は、放射線による疾患部の細胞や組織の破壊作用
に基づくものであつて、その実用例としては甲状
腺腫に用いるヨードー131標識ヨー化ナトリウム、
腹部、胸部などの体腔の内表面の悪性腫瘍に用い
る金−198コロイドなどがあり、半減期の比較的
短いベータ線放出核種が使われている。最近、モ
ノクロナール抗体を始めとして、種々の癌病巣に
特異的集積が期待出来る生理活性物質が開発され
るに従い、これらをベータ線やアルフア線放出核
種、あるいは電子捕種、核異性体転移を行う核種
で標識した放射性医薬品による癌治療の可能性が
示唆されている。本発明の高分子化合物()
は、このような治療目的に合致したものであり、
特に1分子当たりに多数の放射性金属元素()
を結合することができるので、高放射能および高
比放射能による効果的な治療を施し得る利点があ
る。 以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に
説明する。 実施例 1 ヒト血清アルブミン−ジアルデヒドアミロース
−デフエロキサミン結合体の製造(1):− デフエロキサミン(以下、DFOと略す。)(15
mg)をPH7.0の0.03Mリン酸緩衝液(1ml)に溶
解させ、これにトリエチルアミン(99%溶液)
(3.2μ)を加え、約5分間室温で撹拌した。こ
の溶液に、水に溶解したジアルデヒドアミロース
(以下、DAAと略す。)25mg/ml溶液(1ml)を
加え、30分間室温にて撹拌した。この溶液をA液
とする。別にヒト血清アルブミン(100mg)を
0.03Mリン酸緩衝液(1ml)に溶解し、この溶液
をB液とする。室温でA液(2ml)をB液に加
え、同じ温度で約6時間撹拌して反応させた。反
応終了後、1M塩化ナトリウム溶液に対して室温
で24時間透析したのち、0.03Mリン酸緩衝液を溶
出剤としてセフアクリルS200(カラム:直径2.2
cm、高さ50cm)によるカラムクロマトグラフイー
を行つた。この溶出液を凍結乾燥することによ
り、放射性医薬品調製用キヤリヤーとしてのヒト
血清アルブミン−DAA−DFO結合体を得た。 実施例 2 ヒト血清アルブミン−ジアルデヒドアミロース
−デフエロキサミン結合体の製造(2):− DFO(15mg)を0.03Mリン酸緩衝液(1ml)に
溶解させ、これにトリエチルアミン(99%溶液)
(3.2μ)を加え、約5分間室温で撹拌した。こ
の溶液に、水に溶解したDAA25mg/ml溶液(1
ml)を加え、30分間室温にて撹拌した。この溶液
をA液とする。別にヒト血清アルブミン(100mg)
を0.03Mリン酸緩衝液(1ml)に溶解し、これを
B液とする。室温でA液(2ml)をB液に加え、
同じ温度で約6時間撹拌して反応させた。この反
応液に、水素化ホウ素ナトリウム(1.5mg)を加
え、約1時間室温で撹拌しながら還元した。反応
終了後、1M塩化ナトリウム溶液に対して室温で
24時間透析したのち、0.03Mリン酸緩衝液を溶出
剤としてセフアクリルS200(カラム:直径2.2cm、
高さ50cm)によるカラムクロマトグラフイーを行
つた。この溶出液を凍結乾燥することにより、放
射性医薬品調製用キヤリヤーとしてのヒト血清ア
ルブミン−DAA−DFO結合体を得た。 上記結合体中のDFOおよびヒト血清アルブミ
ンをろ紙電気泳動法により定量した。すなわち、
前記還元反応終了後の反応液(精製工程前の溶
液)にクエン酸ガリウムとしてガリウム−67
lmCiを含む溶液を加えて標識した。このガリウ
ム−67標識溶液を、展開液としてベロナール緩衝
液(PH8.6)、泳動膜としてセルロースアセテート
を用いて電気泳動(3mA/cm,30分)を行なつ
た後、ラジオクロマトスキヤナーで走査した。放
射能のピークは、原線から正側1cm,負側1.5cm
および負側3.5cmに認められ、それぞれガリウム
−67標識ヒト血清アルブミン−DAA−DFO結合
体、ガリウム−67標識DAA−DFO結合体および
ガリウム−67標識DFOと同定された。それぞれ
のピークの放射能値の比較から、本例で得られた
前記結合体中においてヒト血清アルブミン1分子
当りのDFO分子数は11.5個、DAAの分子数は0.9
と算出された。 実施例 3 ヒト血清アルブミン−ジアルデヒドアミロース
−3−オキソブチラールビス(N−メチルチオセ
ミカルバゾン)カルボン酸:ヘキサンジアミン縮
合体結合体の製造:− 3−オキソブチラールビス(N−メチルチオセ
ミカルバゾン)カルボン酸(以下、KTSと略
す。)(132mg)を無水ジオキサン(5ml)に溶解
し、10℃付近に冷却したのち、トリ−n−ブチル
アミン(0.12ml)、更にイソブチルクロロホルメ
イト(64μ)を加え、同温度で約50分間撹拌し
て、混合酸無水物溶液を得た。別にN−tert−ブ
チルオキシカルボニル−1,6−ヘキサンジアミ
ン(104mg)を無水ジオキサン(2ml)に溶解し
た溶液を調製し、この溶液を上記混合酸無水物溶
液に加え、10℃付近で約15時間撹拌し、KTS:
N−tert−ブチルオキシカルボニル−1,6−ヘ
キサンジアミン縮合体を得た。この縮合体溶液に
濃塩酸(1〜2滴)を加えてPH2とすることによ
りN−tert−ブチルオキシカルボニル基を離脱せ
しめ、KTS:ヘキサンジアミン縮合体を得た。 DAA(83mg)をジメチルスルホキシド(5ml)
に溶解し、この溶液に上記KTS:ヘキサンジア
ミン縮合体の溶液を加え、室温で約3時間反応さ
せ、DAA−KTS:ヘキサンジアミン縮合体結合
体溶液を得た。この溶液(5ml)をヒト血清アル
ブミン(50mg)の0.03Mリン酸緩衝液(PH7.0)
(50ml)溶液に加え、室温で約3時間撹拌して反
応させた。この反応液に、水素化ホウ素ナトリウ
ム(12.9mg)を加え、約1時間撹拌を続けた。反
応終了後、反応液を通常の透析チユーブに入れ、
0.03Mリン酸緩衝液に対して一夜透析を行なつ
た。透析後、0.03Mリン酸緩衝液を溶出剤として
セフアクリルS200(カラム:直径2.2cm、50.0cm)
によるカラムクロマトグラフイーを行つた。この
溶液を凍結乾燥することにより、放射性医薬品調
製用キヤリヤーとしてのヒト血清アルブミン−
DAA−KTS:ヘキサンジアミン縮合体結合体を
得た。 実施例 4 アンチミオシン抗体断片Fab−ジアルデヒドア
ミロース−デフエロキサミン結合体の製造:− アンチミオシン抗体断片Fabの0.9%塩化ナト
リウム水溶液(8.1mg/ml)(1ml)に、DAAの
0.03Mリン酸緩衝液溶液(9.5mg/ml)(0.2ml)を
加え、30分間室温にて撹拌した。この溶液をA液
とする。別にDFO(30mg)を水(1ml)に溶解
し、これにトリエチルアミン(約99%溶液)
(12μ)を加え、約5分間室温で撹拌した。こ
の溶液をB液とする。室温でA液にB液(0.3ml)
を加え、同じ温度で約4時間撹拌して反応させ
た。この反応液に、水素化ホウ素ナトリウム
(2.5mg)を加え、約1時間室温で撹拌しながら還
元した。反応終了後、1M塩化ナトリウム−0.5%
グルコース溶液に対して室温で24時間透析した
後、0.03Mリン酸緩衝液を溶出剤として
TSK3000SW(カラム:直径0.75cm、高さ60cm)
による高速液体クロマトグラフイーを行い、放射
性医薬品調製用キヤリヤーとしてのアンチミオシ
ン抗体断片Fab−DAA−DFO結合体を含む溶液
を得た。 実施例 5 ヒトフイブリノーゲン−ジアルデヒドアミロー
ス−デフエロキサミン結合体の製造:− ヒトフイブリノーゲン(20mg)を0.03Mリン酸
緩衝液(2ml)に溶解させ、これに濃度10mg/ml
のDAA溶液(60μ)を加え、約30分間室温で撹
拌した。この溶液をA液とする。別にDFO(68
mg)を水(1ml)に溶解し、トリエチルアミン
(99%溶液)(17.5μ)を加え、室温で5分間反
応させた。この溶液をB液とする。A液にB液
(88μ)を加え、室温で5時間撹拌して反応さ
せた。この反応液に水素化ホウ素ナトリウム(1
mg)を加え、約1時間室温で撹拌しながら還元し
た。反応終了後、1M塩化ナトリウム−0.5%グル
コース溶液に対して24時間透析したのち、0.03M
リン酸緩衝液を溶出剤としてTSK4000SW(カラ
ム:直径0.75cm、高さ60cm)による高速液体クロ
マトグラフイーを行い、放射性医薬品調製用キヤ
リヤー(ヒトフイブリノーゲン−DAA−DFO結
合体)を得た。 実施例 6 ヒトフイブリノーゲン−ジアルデヒドデキスト
ラン−デフエロキサミン結合体の製造:− ジアルデヒドデキストラン(以下、DADと略
す。)(127mg)を0.01Mリン酸緩衝液−0.15M塩
化ナトリウム水溶液(5ml)に溶かし、これに
DFO(370mg)を溶解させた。トリエチルアミン
(78.9μ)を加えた後、10〜15℃で20分間撹拌し
た。ヒトフイブリノーゲン(400mg)を0.01Mリ
ン酸緩衝液−0.15M塩化ナトリウム水溶液(40
ml)に溶解させ、これに上記溶液を加え、10〜15
℃で2時間撹拌した。この反応混合物に水素化ホ
ウ素ナトリウム(12.3mg)を加え、10〜15℃に1
時間撹拌した。その反応混合物を0〜4℃で
0.01Mグルコース−0.35Mクエン酸ナトリウム水
溶液に対し3日間にわたり透析を行い、次いで同
溶液を溶出剤としてセフアロースCL6B(カラ
ム:直径4.4cm、高さ100cm)によるカラムクロマ
トグラフイーを行つた。溶出液を0.01Mグルコー
ス−0.35Mクエン酸ナトリウム水溶液で希釈して
ヒトフイブリノーゲン濃度1mg/mlとし、アスコ
ルビン酸ナトリウムを加えて30mMに調節した。
得られた溶液3mlをバイアルに入れ、凍結乾燥を
行うことにより、放射性医薬品調製用キヤリヤー
としてのヒトフイブリノーゲン−DAD−DFO結
合体を得た。 参考例 1 ガリウム−67標識つき放射性医薬品(ガリウム
−67標識ヒト血清アルブミン−ジアルデヒドアミ
ロース−デフエロキサミン結合体)の製造:− 実施例2の方法によつて製造された放射性医薬
品調製用キヤリヤー(ヒト血清アルブミン−
DAA−DFO結合体)にクエン酸ガリウムとし
て、ガリウム−67 lmCiを含む溶液(1ml)を加
えて、ガリウム−67標識つき放射性医薬品(ガリ
ウム−67標識ヒト血清アルブミン−DAA−DFO
結合体)を得た。本例で得られたガリウム67標識
つき放射性医薬品は、ごく薄い淡黄色の澄明な溶
液であり、PHは約7.0である。 このガリウム−67標識つき放射性医薬品につい
て、実施例2で説明した電気泳動を行なつた。放
射能は原線から正側に1cmの場所に単一ピークと
して検出され、かつ、この放射能ピークの位置は
ボンソ−3Rによるヒト血清アルブミンの発色バ
ンドと一致した。この結果から、上記ガリカム−
67標識つき放射性医薬品の標識率は、ほぼ100%
であり、かつその電荷状態についてもヒト血清ア
ルブミンと差異を認めなかつた。 また、上記ガリウム−67標識つき放射性医薬品
(0.2ml)をとり、複数のS.D.系雌ラツトに静脈内
投与し、血中濃度の経時変化および体内分布挙動
を調べた。投与直後からの各測定時間における取
り込み率を第1表に示す。 体内分布の様相は、従来のヨードー131標識ヒ
ト血清アルブミンのそれとほぼ同様であつた。た
だし、血中濃度の減衰速度は、ヨードー131標識
ヒト血清アルブミンの方が本例のガリウム−67標
識つき放射性医薬品よりかなり大きいことが示さ
れた。 参考例 2 テクネチウム−99m標識つき放射性医薬品(テ
クネチウム−99m標識ヒト血清アルブミン−ジア
ルデヒドアミロース−3−オキソブチラールビス
(N−メチルチオセミカルバゾン)カルボン酸:
ヘキサンジアミン縮合体結合体)の製造:− 実施例3の方法によつて製造された放射性医薬
品調製用キヤリヤー(ヒト血清アルブミン−
DAA−KTS:ヘキサンジアミン縮合体結合体)
(100mg)を、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を除
去した水(160ml)に溶解し、1mM塩化第一スズ
溶液(10ml)、さらにアスコルビン酸ナトリウム
(0.6g)を加え、完全に溶解させた。この溶液
(1.5ml)に過テクネチウム酸ナトリウムとしてテ
クネチウムr99m3.3mCiを含む生理食塩水(1.5
ml)を加えて、テクネチウム−99m標識つき放射
性医薬品(テクネチウム−99m標識ヒト血清アル
ブミン−DAA−KTS:ヘキサンジアミン縮合体
結合体)を得た。本例で得られたテクネチウム−
99m標識つき放射性医薬品は、ごく薄い淡黄色の
澄明な液体である。 参考例 3 ガリウム−67標識つき放射性医薬品(ガリウム
−67標識アンチミオシン抗体断片Fab−ジアルデ
ヒドアミロース−デフエロキサミン結合体)の製
造:− 実施例4の方法によつて製造された放射性医薬
品調製用キヤリヤー(アンチミオシン抗体断片
Fab−DAA−DFO結合体)の溶液(約1mg/ml)
(1ml)にクエン酸ガリウムとしてガリウム−
67lmCiを含む溶液(1ml)を加えて、ガリウム
−67標識つき放射性医薬品(ガリウム−67標識ア
ンチミオシン抗体断片Fab−DAA−DFO結合体)
を得た。 このガリウム−67標識つき放射性医薬品につい
て、実施例2で説明した電気泳動を行つた。放射
能は原線から負側に1.5cmの場所に単一ピークと
して検出され、かつ、この放射能ピークの位置は
ボンソ−3Rによるアンチミオシン抗体断片Fab
の発色バンドと一致した。 また、上記ガリウム−67標識つき放射性医薬品
に0.03Mリン酸緩衝液を加えて稀釈し、アンチミ
オシン抗体断片Fab濃度が0.05μg/mlになるよ
うに調製した。次にこの希釈溶液(1ml)に濃度
50μg/mlのミオシン溶液(抗原)(0.15ml)を加
えて、室温で1.5時間反応させた。その後この反
応溶液(0.3ml)に濃度7.5mg/mlのヒトフイブリ
ノーゲン溶液(0.1ml)を加え、穏やかに振とう
したのち、放射能を測定した。更にこの溶液に18
%ポリエチレングリコール溶液(0.3ml)を加え、
10秒間撹拌したのち、4℃で毎分4000回転の遠心
分離操作を20分間行つた。沈渣を3回洗浄したの
ち、放射能を測定した。両者の放射能の比から結
合定数:Ka=2.5×108M-1を得た。インジウム−
111をアンチミオシン抗体断片Fabにジエチレン
トリアミン五酢酸を介して直接標識したときの結
合定数は2×108M-1であるから、本品は十分な
生理活性を保持していることが確認された。 参考例 4 ガリウム−67標識つき放射性医薬品(ガリウム
−67標識ヒトフイブリノーゲン−ジアルデヒドア
ミロース−デフエロキサミン結合体)の製造:− 実施例5の方法によつて製造された放射性医薬
品調製用キヤリヤー(ヒトフイブリノーゲン−
DAA−DFO結合体)(1ml)にクエン酸ガリウ
ムとしてガリウム−67 1mCiを含む溶液(1ml)
を加えて、ガリウム−67標識つき放射性医薬品
(ガリウム−67標識ヒトフイブリノーゲン−DAA
−DFO結合体)を得た。 このガリウム−67標識つき放射性医薬品につい
て、実施例2で説明した電気泳動を行つた。放射
能は原線から負側に0.5cmの場所に単一ピークと
して検出され、かつ、この放射能ピークの位置は
ボンソー3Rによるヒトフイブリノーゲンの発色
バンドと一致した。 また、上記ガリウム−67標識つき放射性医薬品
に0.05%塩化カルシウムを含む0.1Mジエチルバ
ルビツール酸ナトリウム−塩酸緩衝液(PH7.3)
を加え、ヒトフイブリノーゲン濃度として1mg/
mlになるように調製した。さらにこの溶液に
100unit/mlのトロンビン(0.1ml)を加え、氷浴
中で30分間放置した。生成したフイブリン凝固を
完全に除去後、フイブリン凝塊とフイブリン凝固
を除去した液中の放射能を計数することにより本
例のガリウム−67標識つき放射性医薬品の凝固能
を測定した結果、出発物質であるヒトフイブリノ
ーゲンに対して80%の凝固能を示した。これはデ
フエロキサミンを結合したジアルデヒドデンプン
を高分子化合物として用いたときのヒトフイブリ
ノーゲン(特開昭第59−106425号明細書)と同等
か、あるいはそれ以上の生理活性度を有すること
を意味する。 参考例 5 ガリウム−67標識つき放射性医薬品(ガリウム
−67標識ヒト血清アルブミン−ジアルデヒドアミ
ロース−デフエロキサミン結合体)の製造:− 実施例2で製造された放射性医薬品調製用キヤ
リヤー(ヒト血清アルブミン−DAA−DFO結合
体)を注射用蒸留水に溶解させ、クエン酸ガリウ
ムとしてガリウム−67 lmCiを含む溶液(1ml)
を加え、室温にて1時間放置してガリウム−67標
識つき放射性医薬品(試料1)を得た。また、従
来法によりヒト血清アルブミンとDFOを直接結
合させ、ここに得られた放射性医薬品調製用キヤ
リヤーにガリウム−67を結合させてガリウム−67
標識つき放射性医薬品(試料2)を得た。これら
試料1および試料2について参考例1に記載した
方法に従つて標識率を測定した。結果を第2表に
示す。 第2表の結果から、本発明のキヤリヤー(試料
1)は、ヒト血清アルブミン(0.52mg)を使用し
た場合、実用的な標識時間である1時間において
1mCiのガリウム−67を100%標識し得るのに対し
て、従来法によるキヤリヤーは同様の条件下では
15%しか標識し得ず、100%の標識率を得るには
ヒト血清アルブミン(3.5mg)を必要とすること
が理解出来る。 なお、前記のごとく製造されたガリウム−67標
識つき放射性医薬品を、放射能を適度に減衰させ
た後、G.D.系雌雄ラツト各5匹の各群に対し体
重100g当たり0.1ml(予定人体投与量の60倍に相
当)静脈内投与し、各動物の観察を行つたが、解
剖後の各臓器の検査結果を含め何等の異常も認め
なかつた。 参考例 6 ガリウム−67標識つき放射性医薬品(ガリウム
−67標識ヒトフイブリノーゲン−ジアルデヒドデ
キストラン−デフエロキサミン結合体)の製造:
− 実施例6の方法によつて製造された放射性医薬
品調製用キヤリヤー(ヒトフイブリノーゲン−
DAA−DFO結合体)にクエン酸ガリウムとして
ガリウム−67 2mCiを含む溶液(2ml)を加え
て、ガリウム−67標識つき放射性医薬品(ガリウ
ム−67標識ヒトフイブリノーゲン−DAD−DFO
結合体)を得た。この溶液は端黄色透明であつ
て、PH7.8を示した。 このガリウム−67標識つき放射性医薬品につい
て、実施例2で説明した電気泳動を行つた。放射
能は原線から負側に0.5cmの場所に単一ピークと
して検出され、かつ、この放射能ピークの位置は
ボンソ−3Rによるヒトフイブリノーゲンの発色
バンドと一致した。この結果から、上記ガリウム
−67標識つき放射性医薬品の標識率は、ほぼ100
%であり、かつその電荷状態についてもヒトフイ
ブリノーゲンと差異を認めなかつた。 上記ガリウム−67標識つき放射性医薬品に塩化
カルシウム0.05%を含む0.1Mジエチルバルビツ
ール酸ナトリウム塩酸塩緩衝液(PH7.3)を加え
てフイブリノーゲン濃度を1mg/mlとした。トロ
ンビン(100unit/ml)(0.1ml)を加え、氷浴中
に30分間放置した。生成したフイブリン凝固を完
全に除去後、フイブリン凝塊とフイブリン凝固を
除去した液中の放射能を計数することにより本例
のガリウム−67標識つき放射性医薬品の凝固能を
測定した結果、出発物質であるヒトフイブリノー
ゲンに対して84%の凝固能を示した。
【表】
【表】
【表】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 分子中に少なくとも3個のホルミル基を有す
    るポリサツカライド誘導体(ただし、ジアルデヒ
    ドデンプンを除く。)に対しアミノ基含有2官能
    配位子化合物とアミノ基含有生理活性物質が前記
    ポリサツカライド誘導体1分子当たり前記2官能
    配位子化合物少なくとも2分子と前記生理活性物
    質少なくとも1分子の割合でメチレンイミン結合
    (−CH=N−)またはメチレンアミン結合(−
    CH2NH−)を介して結合して成る高分子化合
    物。
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