JPH0548299Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は磁気デイスク装置のヘツドキヤリツジ
駆動用ステツピングモータに係り、特にリードス
クリユを用いたステツピングモータに関する。

この種のモータにおいては、アライメント調
整がし易い構造であること、及びモータ軸の軸
方向の変位が制限される構造であることが必要で
ある。

従来の技術 第３図は従来のヘツドキヤリツジ駆動用のステ
ツピングモータ１を示す。

２はモータ本体、３はステータコイル、４はロ
ータである円筒の磁石、５はモータ軸、６はモー
タ軸５に形成されたリードスクリユ、７は予圧用
のばね板、８はキヤツプ板である。

モータ１はモータ本体２のフランジ９を、ねじ
１０によりねじ止めされたクランプ板１１により
クランプされて、磁気デイスク装置のフレーム１
２に固定されている。

モータ軸５は、リードスクリユ６の先端をフレ
ーム１２に立設された支持柱部１３の上部のボー
ルが組み込まれている軸受１４に嵌合して、且つ
ロータ磁石４の端５ａをばね板７により矢印Ａ方
向に弾性的に付勢されて予圧を作用された状態で
支持されている。

１５はヘツドキヤリツジであり、磁気ヘツド１
６を有し、ガイドロツド１７に沿つて移動可能に
設けてある。ニードル状の突部１８がリードスク
リユ６に嵌合している。

１９は磁気デイスクである。

モータ１により駆動されるリードスクリユ６の
回転により、ニードル状突部１８が送られて、ヘ
ツドキヤリツジ１５は矢印Ａ，Ｂ方向に移動され
る。

矢印Ａで示すデイスク中心方向には、ストツパ
（図示せず）に当接する位置まで移動し、それ以
上の移動は制限される。

移動が制限されたとき、リードスクリユ６、モ
ータ軸５には矢印Ｂ方向の反力が作用し、同方向
に変位しようとする。

しかし、リードスクリユ６、モータ軸５が矢印
Ｂ方向に変位すると、リードスクリユ６の先端が
軸受１４より抜け出して脱落してしまう。キヤツ
プ板８はモータ軸５の矢印Ｂ方向の変位を制限す
るために設けてある。

アライメント調整は、ステータコイル３に通電
してモータ軸５を磁気的にロツクした状態で、モ
ータ本体２を適宜回動させて行なつている。

モータ本体２は円筒であり挟持しにくく、アラ
イメント調整はしにくい。

そこで、本出願人は、本願と同日付で、第４図
に示すように、キヤツプ板８の代わりにボルト頭
部に対応した形状の突部２０を設けたキヤツプ板
２１を取り付けてなるステツピングモータ１Ａを
提案した。

この場合には、治具を突部２０に嵌合させてモ
ータ本体を回動させる作業を行なえばよく、アラ
イメント調整は簡単にしかも精度良く行なうこと
ができる。

考案が解決しようとする課題 しかし、突部２０を形成したことにより、モー
タ軸５の矢印Ｂ方向の変位制限が出来なくなり、
リードスクリユ６の先端が軸受１４から抜け出し
て脱落する虞れがある。

ここで、この対策としてばね板７とキヤツプ板
２１との間に板部材を配することも考えられる
が、部品点数が増えることになり、得策でない。

本考案は上記課題を解決したヘツドキヤリツジ
駆動用ステツピングモータを提供することを目的
とする。

課題を解決するための手段 本考案は、モータ軸にヘツドキヤリツジ移動用
のリードスクリユを有し、モータ本体の背面のキ
ヤツプ板に、アライメント調整のために上記モー
タ本体を回動させるときに治具が嵌合する多角形
状の突部を設けてなるヘツドキヤリツジ駆動用ス
テツピングモータであつて、 該多角形状突部の中央部に、上記モータ本体と
上記キヤツプ板の間に配され上記モータ軸の端を
受けるばね板に近接対向する位置まで凹まされた
凹部を設けてなる構成としたものである。

作 用 凹部はばね板を受け止めてこの変形を制限す
る。これにより、モータ軸の変位が制限され、モ
ータ軸の軸受からの離脱が防止される。

実施例 第１図及び第２図は夫々本考案の一実施例にな
るヘツドキヤリツジ駆動用ステツピングモータ３
０を、磁気デイスク装置に組み付けられている状
態で示す。

各図中、第３図、第４図に示す構成部分と対応
する部分には同一符号を付し、その説明は省略す
る。

３１はキヤツプ板であり、モータ本体４の背面
に固定してある。

３２は六角形状の突部であり、プレス加工によ
りキヤツプ板３１自体に形成してある。

第２図に示す治具３３を上記突部３２に嵌合さ
せて使用することにより、モータ本体４を容易に
回動させることが出来、アライメント調整は簡単
で且つ精度良く行なわれる。

３４は凹部であり、六角形状突部３２の中央部
に略半球状に形成してある。

この凹部３４は、第１図に示すように、ばね板
７に近傍対向する位置まで凹まされて形成してあ
り、ばね板７を受けてばね板７の矢印Ｂ方向への
変形を制限する。

即ち、ヘツドキヤリツジ１５が矢印Ａ方向にス
トツパ（図示せず）に係止される位置まで移動さ
れると、モータ軸５（リードスクリユ６）には矢
印Ｂ方向の反力が作用し、モータ軸５はばね板７
を撓ませて同方向に変位しようとする。

しかし、ばね板７は直ぐに凹部３４に当接して
それ以上撓むことが制限され、モータ軸５の矢印
Ｂ方向の変位も直ぐに制限され、リードスクリユ
６が軸受１４より外れる事故は起きず、リードス
クリユ６は軸受１４に嵌合された状態を維持す
る。

また、凹部３４は半球状であり、凹部３４を形
成したことにより、突部３２の機械的強度は凹部
を設けない場合に比べて増す。

考案の効果 以上説明した様に、本考案によれば、キヤツプ
板に多角形状の突部を形成したことにより、アラ
イメント調整を簡単に且つ精度良く行なうことが
出来ることは勿論、突部に形成された凹部によ
り、別部材を使用せずに、モータ軸の軸受から抜
け出る方向への変位を制限することが出来、モー
タ軸の軸受からの脱落を防止することが出来、更
には突部の機械的強度の向上を図ることが出来る
という特長を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例のヘツドキヤリツジ
駆動用ステツピングモータの磁気デイスク装置へ
取り付けた状態の横断平面図、第２図は第１図に
示す構成部分の一部分解斜視図、第３図は従来の
ヘツドキヤリツジ駆動用ステツピングモータの一
例を示す図、第４図は本出願人が先に提案したヘ
ツドキヤリツジ駆動用ステツピングモータを示す
図である。 ２……モータ本体、３……ステータコイル、４
……磁石、５……モータ軸、６……リードスクリ
ユ、７……ばね板、１２……フレーム、１３……
支持柱部、１４……軸受、１５……ヘツドキヤリ
ツジ、１６……磁気ヘツド、１７……ガイドロツ
ド、１８……ニードル状突部、３０……ヘツドキ
ヤリツジ駆動用ステツピングモータ、３１……キ
ヤツプ板、３２……六角形状突部、３３……治
具、３４……凹部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 モータ軸にヘツドキヤリツジ移動用のリードス
   クリユを有し、モータ本体の背面のキヤツプ板
   に、アライメント調整のために上記モータ本体を
   回動させるときに治具が嵌合する多角形状の突部
   を設けてなるヘツドキヤリツジ駆動用ステツピン
   グモータであつて、 該多角形状突部の中央部に、上記モータ本体と
   上記キヤツプ板の間に配され上記モータ軸の端を
   受けるばね板に近接対向する位置まで凹まされた
   凹部を設けてなる構成のヘツドキヤリツジ駆動用
   ステツピングモータ。