JPH0548295B2 - - Google Patents

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JPH0548295B2
JPH0548295B2 JP63203102A JP20310288A JPH0548295B2 JP H0548295 B2 JPH0548295 B2 JP H0548295B2 JP 63203102 A JP63203102 A JP 63203102A JP 20310288 A JP20310288 A JP 20310288A JP H0548295 B2 JPH0548295 B2 JP H0548295B2
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Japan
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gas
oxidation
metal
furnace
oxidation treatment
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Tadahiro Oomi
Kazuhiko Sugyama
Fumio Nakahara
Satoshi Mizogami
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Osaka Oxygen Industries Ltd
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Publication date
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Priority to EP89909243A priority patent/EP0386257B1/en
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C8/00Solid state diffusion of only non-metal elements into metallic material surfaces; Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive gas, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals
    • C23C8/06Solid state diffusion of only non-metal elements into metallic material surfaces; Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive gas, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using gases
    • C23C8/08Solid state diffusion of only non-metal elements into metallic material surfaces; Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive gas, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using gases only one element being applied
    • C23C8/10Oxidising

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  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は金属酸化処理装置に係り、特に超高清
浄なガス配管系や超高真空の装置に用いられる金
属部品で曲がり部を有する管状の部品の不動態化
処理を行う金属酸化処理装置に関する。
[従来技術] 近年、超高真空を実現する技術や、あるいは真
空チヤンバ内に所定のガスを小流量流し込み超高
清浄な減圧雰囲気をつくり出す技術が非常に重要
となつてきている。これらの技術は、材料特性の
研究、各種薄膜の形成、半導体デバイスの製造等
に広く用いられており、その結果益々高い真空度
が実現されているが、さらに、不純物元素および
不純物分子の混入を極限まで減少させた減圧雰囲
気を実現することが非常に強く望まれている。
例えば、半導体デバイスを例にとれば、集積回
路の集積度を向上させるため、単位素子の寸法は
年々小さくなつており、1μmからサブミクロン、
さらに、0.5μm以下の寸法を持つ半導体デバイス
の実用化のために盛んに研究開発が行われてい
る。
このような半導体デバイスの製造は、薄膜を形
成する工程や、形成された薄膜を所定の回路パタ
ーンにエツチングする工程等をくり返して行われ
る。そしてこのようなプロセスは、通常シリコン
ウエハを真空チヤンバ内に入れ、超高真空状態、
あるいは所定のガスを導入した減圧雰囲気で行わ
れるのが普通である。これらの工程に、もし不純
物が混入すれば、例えば薄膜の膜質が劣化した
り、微細加工の精度が得られなくなるなどの問題
を生じる。これが超高真空、超高清浄な減圧雰囲
気が要求される理由である。
超高真空や、超高清浄な減圧雰囲気の実現をこ
れまで阻んでいた最大の原因の一つとして、チヤ
ンバやガス配管などに広く用いられているステン
レス鋼の表面から放出されるガスがあげられる。
特に、表面に吸着していた水分が真空あるいは減
圧雰囲気中において脱離してくるのが最も大きな
汚染源となつていた。
第9図は、各種装置におけるガス配管系および
反応チヤンバを合わせたシステムのトータルリー
ク量(配管系および反応チヤンバ内表面からの放
出ガス量と外部リークとの和)とガスの汚染の関
係を示したグラフである。なお、もとのガスは全
く不純物を含まないものとしている。図中の複数
の線は、ガスの流量をパラメータとして様々な値
に変化させた場合の結果について示している。当
然のことながら、ガス流量が少なくなる程、内表
面からの放出ガスの影響が顕在化し、相対的に不
純物濃度は高くなる。
半導体プロセスは、ハイアスペクト比の穴開け
及び穴埋め等のより精度の高いプロセスを実現す
るためガスの流量を益々少なくする傾向にあり、
例えば数10c.c./minやそれ以下の流量を用いるの
がサブミクロンULSIのプロセスでは普通となつ
ている。かりに、10c.c./minの流量を用いたとす
ると、現在広く用いられている装置のように10-3
〜10-6Torr・l/sec程度のシステムトータルリ
ークがあるとガスの純度は1%〜10ppmになり、
高清浄プロセスとは程遠いものになつてしまう。
本発明者は、超高清浄ガス供給システムを発明
し、システムの外部からのリーク量を現状の検出
器の検出限界である1×10-11Torr・l/sec以下
に抑えこむことに成功している。しかし、システ
ム内部からのリーク、すなわち、前述のステンレ
ス鋼の表面からの放出ガス成分のため、減圧雰囲
気の不純物濃度を下げることができなかつた。現
在の超高真空技術における表面処理により得られ
ている表面放出ガス量の最小値は、ステンレス鋼
の場合、1×10-11Torr・l/sec・cm2であり、チ
ヤンバの内部に露出している表面積を例えば1m2
と最も小さく見積つたとしても、トータルでは1
×10-7Torr・l/secのリーク量となり、ガス流
量10c.c./minに対し1ppm程度の純度のガスしか
得られない。ガス流量をさらに小さくすると、さ
らに純度が落ちることは言うまでもない。
チヤンバ内表面からの脱ガス成分を、トータル
システムの外部リーク量と同じ1×10-11Torr・
l/secと同程度まで下げるには、ステンレス鋼
の表面からの脱ガスを1×10-15Torr・l/sec・
cm2以下とする必要があり、そのため、ガス放出量
を少なくするステンレス鋼の表面の処理技術が強
く求められていた。
また、半導体製造プロセスでは、比較的安定な
一般ガス(O2、N2、Ar、H2、He)から反応性、
腐食性及び毒性の強い特殊ガスまで、多種多様な
ガスが使用される。通常これらのガスを扱う配管
やチヤンバの材料には、反応性、耐腐食性、高強
度、2次加工性の容易さ、溶接の容易さ、及び内
表面の研磨の施し易さからステンレス鋼が使用さ
れることが多い。
ステンレス鋼は、乾燥ガス雰囲気中では耐食性
に優れている。しかしながら、特殊ガスの中には
雰囲気中に水分が存在すると加水分解して塩酸や
フツ酸を生成し強い腐食性を示す三塩化ホウ素
(BCl3)や三フツ化ホウ素(BF3)等があり、上
述のBCl3やBF3のような塩素系やフツ素系のガス
雰囲気中で水分が存在する場合にはステンレス鋼
は容易に腐食されてしまう。このため、ステンレ
ス鋼の表面研磨後には耐腐食性処理が不可欠とな
る。
耐腐食性処理方法としてはステンレス鋼に耐食
性の強い金属を被覆するNi−W−Pコーテイン
グ(クリーンエスコーテイング法)等があるが、
この方法ではクラツク、ピンホールが生じ易いば
かりでなく、湿式メツキを用いる方法であるため
に内表面の水分の吸着量や溶液残留成分が多くな
る等の問題を有している。他の方法としては金属
表面に薄い酸化物皮膜を作る不動態化処理による
耐腐食性処理が挙げられる。ステンレス鋼は液中
に十分な酸化剤があれば浸漬しただけで不動態化
するので、この方法では通常は常温あるいは若干
温度を上げた状態で硝酸溶液に浸漬し、不動態化
処理を行つている。しかしこの方法も湿式の方法
であるため、配管やチヤンバ内面に水分および処
理溶液の残留分が多く存在する。以上の方法にお
いて、特に内表面に吸着された水分の存在は、塩
素系、フツ素系ガスを流した場合、ステンレス鋼
に痛烈なダメージを与えることになる。
従つて、腐食性ガスに対してもダメージをうけ
ることなく、かつ水分の吸蔵や吸着の少ない、不
動態膜を形成したステンレスによりチヤンバやガ
ス供給系を構成することが、超高真空技術や半導
体プロセスに非常に重要である。
例えば、ステンレス鋼管の不動態化処理につい
ては、水分の含有量が10ppb以下といつた高清浄
な雰囲気で加熱酸化処理を行つた時に、脱ガス特
性に優れた不動態膜が得られている。
第10図は、内面処理状態の異なるステンレス
鋼管を常温でパージした時にパージガス中に含ま
れる水分量の変化を示している。実験は、全長2
mの3/8″のステンレス鋼管にArガスを1.2/
minの流量で流し、出口のArガス中に含まれる
水分量をAPIMS(大気圧イオン化質量分析装置)
で測定した。
テストしたステンレス鋼管の種類は、ステンレ
ス鋼管の内面を電解研磨したものA、電解研磨
後、硝酸による不動態化処理を行つたものB、及
び電解研磨後、高清浄でドライな雰囲気で加熱酸
化によつて不動態膜を形成したものCの3種類で
あり、第10図ではそれぞれA,B,Cの線で示
されている。各ステンレス鋼管は相対湿度50%、
温度20℃のクリーンルームに約1週間放置した
後、本実験を行つた。
第10図のA,Bから明らかなように、電解研
磨管A、硝酸による不動態化処理を行つた電解研
磨管Bのいずれも多量の水分が検出されているこ
とが分かる。約1時間通ガスした後もAでは
68ppb、Bでは36ppbもの水分が検出されており、
2時間後も水分量はA,Bそれぞれ41ppb、
27ppbで、なかなか水分量が減少しない。これに
対し、高清浄ドライ雰囲気で不動態膜を形成した
Cでは、通ガス後5分後には7ppbに落ち、15分
以降はバツクグラウンドのレベル3ppb以下にな
つてしまつた。このように、Cは極めて優れた吸
着ガスの脱ガス特性を持つていることが分かつて
いる。
ところが、第10図のCに示したようなステン
レス鋼管をつくるための水分含有量10ppb以下の
超高清浄な酸化雰囲気を実現するためには、高度
な条件制御が必要であり、高コストで生産効率が
悪く、量産に適したものとはいえなかつた。すな
わち、従来一般的に使用されていた金属酸化処理
装置及び金属酸化処理方法では、このような超高
清浄の酸化雰囲気を実現することができなかつ
た。
また、特に1/4″、3/8″及び1/2″といつた内径が
小さいステンレス鋼管や曲がり部を有するステン
レス鋼管等では、ガスが流れにくく滞留しやすい
ため、ステンレス鋼管の内部は大気雰囲気に晒さ
れて汚染されたままの状態で酸化処理が行われて
しまついあた。これでは耐腐食性に優れ、かつ水
分の吸蔵、吸着の少ない良質の不動態膜を形成す
ることはできない。また、ステンレス鋼管の外側
は、超高純度ガスの供給には直接関係ないため、
表面の荒さ、汚さによつて酸化処理後に外表面は
汚くなつてしまう。このステンレス鋼管の外側が
酸化されるということは、見た目が汚なく、クリ
ーンルーム内に配管した場合にパーテイクルが発
生するといつた問題の原因となる。
したがつて、ステンレス鋼管等の被酸化処理金
属の不動態化処理の量産化技術において、その内
表面に耐腐食性に優れ、かつ水分の吸蔵、吸着の
少ない不動態膜を形成するとともに、その外面が
酸化されない技術を確立することが望まれてい
た。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は以上の点に鑑みなされたものであり、
金属酸化処理装置内での曲がり部を有するステン
レス鋼管等の被酸化処理金属表面からの放出ガス
や水分等の不純物による汚染を減少させ、優れた
耐蝕性を有する超高真空、超高清浄な減圧装置及
びガス供給系配管用のステンレス鋼管等を量産で
きる金属酸化処理装置及び金属酸化処理方法並び
に金属装入方法を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明の第1の要旨は、酸化炉と;当該酸化炉
の内部において、曲管を保持し、当該曲管を保持
した状態で、当該曲管の一端を介して当該曲管の
内部に酸化炉の外部からガスを導入し得るように
形成された導入孔を有する第1のホルダーと;当
該曲管を保持した状態で、当該曲管の内部から当
該酸化炉の外部へガスを排出し得るように形成さ
れた排出孔を有する第2のホルダーと;少なくと
も有し、当該酸化炉内の曲管外部に不活性ガスを
導入するための不活性ガス導入口と、当該不活性
ガスを当該酸化炉の外部へ排気するための不活性
ガス排気口とが当該酸化炉の適宜の位置に形成さ
れていることを特徴とする金属酸化処理装置に存
在する。
本発明の第2の要旨は、前記第1の要旨に係る
金属酸化処理装置の酸化炉への曲管の装入は、第
2のホルダーを取り外した状態で、排気孔及び/
又は不活性ガス導入口から常にパージガスを流し
ながら曲管の装入を行うことを特徴とする金属装
入方法に存在する。
本発明の第3の要旨は、酸化炉内において曲管
を酸化する方法において、当該曲管の一端から酸
化性ガスを当該曲管の内部に導入するとともに、
当該曲管の他端からガスを排出し、かつ、当該酸
化炉の内部に、不活性ガスを導入しつつ酸化を行
うことを特徴とする金属酸化処理方法に存在す
る。
[作用] 本発明では、まず酸化炉の閉鎖時に酸化雰囲気
中から水分等の不純物を効率的に排除することに
主眼を置き、被酸化処理金属曲管の内部に常に新
しいガスを導入し、かつ被酸化処理金属曲管の内
部から常にガスを排気することでこれを実現し
た。
すなわち、本発明の最大の特徴は、内径が小さ
く曲がり部を有するステンレス鋼管等のガスの流
れにくい被酸化処理金属曲管の内部の酸化処理を
行う場合に、ガスの導入口と排気口を曲管の両端
に接する形で配置し、一方からガスを導入しつつ
他方で常に排気することにより曲管の内部に酸化
処理雰囲気ガスを強制的に流し、酸化炉内で被酸
化処理金属曲管表面から脱離した水分等の不純物
を酸化炉外に排気し、被酸化処理金属曲管をドラ
イな酸化処理雰囲気中で加熱酸化せしめることに
ある。
これにより、酸化処理雰囲気中から水分を効率
的に排除でき、よつて細いエルボー等、内部にガ
スの流れにくい曲がり部を有する管状の被酸化処
理金属を、水分等の不純物の極めて少ない、超高
清浄でドライな酸化処理雰囲気で加熱酸化でき、
前記被酸化処理金属の表面に水分等のガス放出の
少ない良好な不動態膜を容易かつ効率良く形成す
ることが可能となる。
例えば、ガスの通過するラインを外部リークの
ない状態にし、水分放出が少ない材料によりホル
ダー、ラインを構成し、水分濃度が10ppb以下の
酸化処理用ガスを供給すれば、酸化処理雰囲気中
の水分濃度を目的とする値以下(例えばステンレ
ス鋼の場合10ppb以下)まで下げることもでき、
被酸化処理金属曲管の表面に良好な不動態膜を形
成することを可能とするものである。
また、曲管の外面の酸化を防止するために、酸
化炉内の曲管の外部に不活性ガスを流して酸化処
理を行い、よつて、曲管の外面を酸化せずに曲管
の内面にのみ不動態膜を形成することができる。
この作用をより確実に得るためには、曲管外部
の不活性ガスの圧力を曲管内部に酸化雰囲気ガス
の圧力よりも高くし、これにより曲管内部から曲
管外部へのガスの流れを抑制し、曲管外部に酸化
雰囲気ガスが漏れにくくすればよい。
次に本発明では、酸化炉の閉鎖前の汚染に着目
し、酸化炉の開放時に酸化内に水分等の不純物が
混入することを防止しようと考えた。酸化炉を開
放して酸化炉内に曲管を配置又は固定する際に、
酸化炉内部及び曲管が不純物を含む大気に晒され
ることを極力防止するためには、開放部を酸化炉
の不活性ガス排気口側に設け、導入孔あるいは不
活性ガス導入口からは常にパージ用ガスを導入し
ておき、酸化炉内から開放部へ向かうガスの流れ
をつくることが非常に有効である。これにより、
大気が開放中の酸化炉内部に入りにくくすること
ができ、先に述べた通ガスで酸化処理雰囲気中の
水分濃度を目的値以下(例えば10ppb以下)まで
下げることに要する時間を短縮することができ
る。
また、以上の作用をより効果的なものとするた
めには、導入されるガスの供給系を高純度なガス
を常に供給できるものとすることも重要である。
特に、パージ用ガスのラインと酸化雰囲気ガスの
ラインのような2つのガスラインが導入口に接続
されている場合に、パージ用ガスから酸化雰囲気
ガスへ、又は酸化雰囲気ガスからパージ用ガスへ
のガス切り替えを行うと、水分を中心とする不純
物が系内の汚染を生じていた。これは、供給する
ガス(例えば酸化雰囲気ガスであるO2)が停止
状態となつていた間に、配管内壁からの水分を中
心とする放出ガスによつて汚染されてしまうこと
が大きな原因となつていた。
金属を酸化処理雰囲気中で加熱酸化する場合に
は、酸化炉内に曲管を配置又は固定したのち、ま
ず酸化炉及び曲管のベーキング及びパージを行
う。ベーキングは、酸化処理温度と同じ温度で、
排気されるガス中の水分量が充分に低く(例えば
10ppb以下)なるまで行う。このパージ用ガスに
よるベーキング及びパージが終了した後、曲管内
部に供給するガスを酸化処理雰囲気ガス(例えば
O2)に切り替えて酸化処理(不動態化処理)を
開始するが、このガスの切り替えの際に水分を中
心とする汚染物質が系内に混入すると、結局水分
を含む雰囲気中で加熱酸化を行うことになる。そ
こで、酸化炉内の温度を一度室温まで低下させ、
ガスをパージ用ガスから酸化処理雰囲気ガス(例
えばO2)に切り替えて、酸化炉内で酸化反応が
進まない状態で酸化処理雰囲気ガスを十分パージ
し、汚染物質を完全に除去した後、酸化炉の温度
を上げ酸化処理を行うようにしなければならな
い。ところが、この降温処理には12〜24時間とい
つた長時間を要するので、酸化処理時間を短縮す
る上でも、このガス切り替え時の系内の汚染を極
力抑え込むことのできるシステムとすることが望
ましい。
そこで、不活性ガスの供給系と酸化雰囲気ガス
の供給系とを4つのバルブを一体化したデツドス
ペースの極めて少ないモノブロツクバルプで切り
替え、かつ、不活性ガスの供給系と酸化雰囲気ガ
スの供給系のうち酸化炉にガスを供給していない
法の供給系は常に排気されるシステムとし、これ
によりガスの滞留を防止し、超高純度なガスの供
給を実現した。本システムとすることにより、供
給されるガスの超高純度を安定して良好に保ち、
ガスの切り替えも極めて容易に行え、切り替え時
に酸化炉が高温であつても、切り替え時の不純物
の混入やその影響を心配する必要がない。すなわ
ち、酸化炉内の雰囲気の水分濃度を一旦目的値以
下(例えば10ppb以下)とすれば確実にこれを維
持でき、酸化炉の温度を下げたり酸化炉内を切り
替え後のガスで長時間パージする等の手順をふま
ずに切り替えができる。
さらに、ガスの供給系にもヒーターを設けるこ
とによつて、導入されるガスの温度を酸化炉内の
酸化処理雰囲気温度の温度まで加熱し、よつて酸
化処理雰囲気温度を均一に保ち、酸化炉内の温度
制御を確実に行え、酸化処理効率を向上させるこ
とができる。
以上に述べた作用により、曲管の内表面にのみ
均一な不動態膜を設けることができ、表面からの
放出ガスによる不純物を減少させ、反応性、腐食
性を有するガスに対しても優れた耐食性を有する
超高真空、超高清浄な減圧装置及びガス供給配管
系用の部品を提供できる金属酸化処理装置を実現
することができる。
[実施例] 以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明す
る。
第1図は本発明において、エルボーを酸化処理
する場合の一実施例を示す装置の概略図である。
第1図において、101は曲がり部を有する被
酸化処理金属管(曲管)であるエルボーであり、
通常ステンレス鋼管の内面に電解研磨を施した
SUS316L材で、直径1/4″、3/8″、及び1/2″程度
の規格品が、20〜100本収納されている。上記以
外の直径であつてもよいことはいうまでもない。
102は酸化炉であり、石英管でもよいが、加熱
酸化処理を行つたとき、エルボー101の熱膨張
及びガスの気密性等を考慮すると、ステンレス鋼
の内面電解研磨、不動態化処理を施したステンレ
ス鋼で作ることが好ましい。103,104は、
エルボー101に気密性を持たせてガスを流すた
めの一種のガスケツトを兼ねたホルダーであり、
エルボーを挿入して加熱した時に気密性を持たせ
るためには、熱膨張率がステンレス鋼よりも小さ
く、内面処理が施し易く、放出ガス等の影響ので
きる限り少ない材質(例えばニツケル合金等)が
望ましい。また、第1のホルダー103はエルボ
ーを上向きに固定するためのガイドを備えてい
る。第1のホルダー103には、不活性ガス導入
口の一部を構成する口130が形成されている。
第7図a,bに第1のホルダー103の概略図
を示す。第7図aは第1のホルダー103を上面
から見た図であり、本例では34本のエルボーを装
填できるホルダーが示されている。701はエル
ボーを固定するための溝状のガイド、702はエ
ルボー差し込み部である。第7図bは第1のホル
ダー103を側面から見た図であり、左半分は側
面透視図、右半分は中心線に沿つての断面図で描
かれている。エルボー差し込み部702はエルボ
ーの一端が差し込まれるようになつており、さら
に、エルボーの一端に接するようにガスの導入孔
703が設けられている。
一方、第2のホルダー104には、排出孔14
1が形成されており、この排出孔141は排気ラ
イン114に通じている。さらに第2のホルダー
104には、不活性ガス排気口の一部を構成する
口140が形成されている。
以下、第1図によつて説明を続ける。105,
106はフランジであり、ガスの流れが各エルボ
ーに対し均一になるような形状にしてある。10
7は各エルボーの内部にパージ用ガス(例えば
Ar)及び酸化処理雰囲気ガス(例えばO2)を供
給するためのガス導入管、108はエルボーの外
面を不活性雰囲気にしエルボーの外面が酸化され
ることによつて汚れることを防止するための不活
性ガス(例えばAr)を供給するためのバージ用
ガス導入管、114,115はそれぞれエルボー
の内部及び外部に流れるガスの排気ラインであ
り、以上のガス導入管107,108、排気ライ
ン114,115は3/8″、1/2″等の配管径の
内面電解研磨SUS316L管で構成されている。ガ
ス導入管108から口103を通つて酸化炉10
2の内部に至る開口部が不活性ガス導入口を構成
する。排気ライン115からつて口140を通つ
て酸化炉102の内部に至る開口部が不活性ガス
排気口を構成する。118は浮き子式流量計、1
09,110はマスフローコントローラーであ
り、酸化炉102内を流れるそれぞれのガスの流
量を調整し、109,110と118からエルボ
ー101に流れるガス量を算出する。もちろん、
118にマスフローコントローラー、109,1
10にニードルバルブ付き浮き子式流量計を用い
ても構わないが、酸化炉102内の雰囲気を高清
浄に保つという立場から、109,110はマス
フローコントローラーを用いることが望ましい。
また、流量計118は排気ライン115側に設置
されているが、もちろん排気ライン114側に設
置してもよいし、排気ライン114,115の両
方に設置してもかまわない。116,117は
MCG(メタルCリングタイプ)継ぎ手であり、フ
ランジ106を取り外す場合に排気ライン11
4,115を切り離すための継ぎ手であり、外部
リークフリー、パーテイクルフリーの立場から、
MCG継ぎ手を用いることが好ましい。119は
加熱用のヒータであり、操作性、酸化処理温度の
均一化等を考慮すると、2つ割型の電気炉で、配
線を縦方向にしたものが好ましい。120,12
1は断熱材であり、電気炉の縦方向への放熱を防
止し、酸化炉102内の温度をできるだけ均一に
するための保温材である。111,112,11
3は酸化炉102内に導入するガスを酸化処理温
度まで加熱するためのヒーターである。122は
エルボー101の位置を固定し、エルボー101
のエンドが容易に第2のホルダー104に入るよ
うにするためのガイドである。123,124,
125,126,127は酸化炉102とフラン
ジ105及び106とをシールするパツキングで
あり、加熱酸化処理温度を考慮すると500℃を越
えても弾性を有する材質(例えばニツケル合金)
にすることが望ましい。
次に、この装置の機能、操作手順を図面を用い
て説明する。
第2図は、酸化炉102を開放したときの状態
図であり、エルボーを収納する前の準備状態であ
る。不動態化処理技術において、その処理雰囲気
の清浄度は、形成される不動態膜の膜圧、膜質に
大きな影響を与えるため、できるだけクリーンな
雰囲気で開放することが必要である。このため、
第2図の状態はできるだけ短時間にし、大気成分
が酸化炉102内を汚染することを極力防止する
ようにする。
本実施例では、フランジ106側を開放する側
としている。開放する側はフランジ105の側で
あつてもよいが、上記の大気による汚染を考慮す
ると、本実施例に示すように、開放するフランジ
を106側にし、105側からはパージ用ガス
(例えばAr)を流し続けていき、大気成分が酸化
炉102内に混入することを防止する方法を取る
ことが最も好ましい。
第3図は、第2図の状態とした後、酸化炉10
2内にエルボー101を収納した状態を示す図で
ある。エルボー101は、第1のホルダー103
のガイド(第7図aに示すガイド701)に沿つ
て挿入し、第1のホルダー103のエルボー差し
込み部(第7図a,bに示すエルボー差し込み部
702)にはめ込む。この時も前述の第2図と同
様に、大気成分の混入を極力防止する。また、パ
ーテイクルの発生を防止するためにガス導入管1
07,108からガスを流しておく。さらにガイ
ド122を中心部に入れて固定する。
第4図は、第3図の状態の後、エルボー101
をセツトした酸化炉102に第2のホルダー10
4及びフランジ106を取り付けた状態を示す図
である。
第5図は、第4図の状態の後、継ぎ手116,
117で排気ライン114,115を接続した状
態を示す図である。この状態で、エルボー101
の内部及び酸化炉102内にパージ用ガス(例え
ばAr)を流し、大気に晒されて汚染された酸化
炉102内の雰囲気を不活性ガス雰囲気に置換す
る。パージ用ガスの流量は一度に処理できるエル
ボーの本数、酸化炉102の大きさによつてもち
ろん異なるが、例えば、流速2〜10m/secとい
つた大量のガスで2〜4時間程度パージを行い、
酸化炉102内の水分を中心とした汚染物を除去
する。
第6図は、第5図の状態にヒーター119、保
温材121をセツトした状態である。この状態
で、まず、酸化炉102及びエルボー101のベ
ーキング及びパージを行う。ベーキングは、酸化
処理温度(例えば400℃〜550℃)と同じ温度で、
出口からのガス中の水分量が、5ppb程度以下に
なるまで行う。このときガス導入配管のヒーター
111,112,113も同時に加熱し、酸化炉
102内に導入するガスの温度が酸化処理温度
(例えば400℃〜550℃)になるように温度設定を
行い、ガス導入による酸化炉102内の温度低下
を防止する。パージ用ガスによるベーキング、パ
ージが終了した後、エルボー101内部に供給す
るガスを酸化雰囲気ガス(例えばO2)に切り替
えて、酸化処理(不動態化処理)を開始する。
このガスの切り替えの際には、水分を中心とす
る汚染物質が必ず系内に混入する。このため、酸
化炉102内の温度を一度室温まで低下させ、ガ
スをパージ用ガスから酸化処理雰囲気ガス(例え
ばO2)に切り替えて、酸化炉102内で酸化反
応が進まない状態で酸化処理雰囲気ガスを十分パ
ージし、汚染物質を完全に除去した後、酸化炉1
02の温度を上げ酸化処理を行う必要がある。
ところが、この降温処理には12〜24時間といつ
た長時間を要する。そこで酸化処理時間を短縮す
る上では、ガス切り替え時の系内の水分を中心と
する汚染を極力抑えた配管システムにし、降温処
理を無くし、酸化炉102が高温のままの状態で
ガスの切り替えを行えるようにし、酸化処理時間
を短縮することが望ましい。
パージ用ガスから酸化雰囲気ガスへ、又は酸化
雰囲気ガスからパージ用ガスへのガス切り替え時
の水分を中心とする系内の汚染は、供給するガス
(例えばO2)が停止状態になつていたために配管
内壁からの水分を中心とする放出ガスによつて汚
染されていたことが大きな原因となつていた。し
たがつて、酸化処理雰囲気ガス及びパージ用ガス
を常時パージできるシステムとし、このガス切り
替え時の系内の汚染を極力抑え込むことが望まし
い。
第8図は、このガス切り替え時の系内の汚染を
防止する配管システムの例である。107及び1
09はそれぞれ第1図に示したガス導入管及びマ
スフローコントローラーに相当する。801は酸
化処理雰囲気ガス(例えばO2)の供給ライン、
802はパージ用ガス(例えばAr)の供給ライ
ンであり、もちろん酸化処理を行うステンレス鋼
管の本数、酸化炉102の大きさによつても異な
るが、3/8″又は1/2″程度の内面電解研磨
SUS316L管で構成される。803,804,8
05,806はストツプバルブであり、4個のバ
ルブを一体化し、デツドスペースを極力小さくし
たモノブロツクバルブである。807,808は
排気口からの大気成分の逆拡散による混入を防止
するためのスパイラル管、809,810はニー
ドルバルブ付き浮き子式流量計である。もちろん
809,810はニードルバルブと浮き子式流量
計とを分離したもの、又はマスフローコントロー
ラーのいずれを用いても構わない。811,81
2は排気ラインであり、それぞれのガスを適切な
排気処理を行つて放出するラインである。813
は雰囲気ガス供給ラインであり、第1図に示す酸
化炉102へガスを供給するラインである。
次に、第8図の配管システムの操作について説
明する。
まず、酸化炉内のパージを行う時には、バルブ
803,806を閉じ、804を開け、パージ用
ガスを802からガス導入管107、マスフロー
コントローラー109を経由してガス供給ライン
813に供給する。この時、バルブ805を開
け、酸化処理雰囲気ガスをガス供給ライン801
からスパイラル管807、ニードルバルブ付き浮
き子式流量計809を経由して排気ライン811
へパージしておく。酸化炉内のパージが終了した
ら、次にバルブ804,805を閉、803を開
にし、酸化処理雰囲気ガスを雰囲気ガス供給ライ
ン813へ供給する。この時、バルブ806を開
にし、パージ用ガスを排気ライン812へパージ
しておく、パージ用ガスから酸化雰囲気ガスへ、
または酸化雰囲気ガスからパージ用ガスへの切り
替え時の水分を中心とする系内の汚染は、供給す
るガス(例えばO2)が停止状態になつていたた
めに配管内壁からの水分を中心とする放出ガスに
よつて汚染されていたことが大きな原因となつて
いた。したがつて、上記のような酸化処理雰囲気
ガス及びパージ用ガスを常時パージできるシステ
ムとし、このガス切り替え時の系内に極力抑え込
むことが望ましい。
また、第6図において酸化炉102内に酸化処
理雰囲気ガスを供給する時に、エルボー101の
外部を流れる不活性ガス(ガス導入管108から
導入されるAr)よりも内部を流れる酸化処理雰
囲気ガス(ガス導入管107から導入されるO2
の供給圧力を0.1〜0.3Kg/cm2程度低くして、ホル
ダー103,104から外部へ酸化処理雰囲気ガ
スが流出しないようにし、エルボー101の外側
が酸化されることを防止し、エルボーの外部が酸
化されて汚くならないようにすることが望まし
い。
本実施例で、排気口から排気されるガス中の水
分量を測定したところ、酸化処理中は安定して
10ppb以下の値を達成していた。特に、第7図の
構成とした場合には10ppb以下に達するまでの時
間を短縮でき、また、第8図の配管システムを用
いた場合にはガスの切り替え時にも10ppb以下の
値を保ち続けることができた。
さらに、本実施例を用いて得られた全長2mの
3/8″のステンレス鋼管について相対湿度50%、温
度20℃のクリーンルームに約1週間放置した後、
Arガスを1.2/minの流量で流し、出口のArガ
ス中に含まれる水分量をAPIMS(大気圧イオン化
質量分析装置)で測定したところ、第10図のグ
ラフのCに示されるように、通ガス後5分後には
7ppbに落ち、15分以降はバツクグラウンドのレ
ベル3ppb以下となつた。すなわち、本実施例を
用いて得られたエルボーは極めて優れた吸着ガス
の脱ガス特性を持つており、この結果も、水分の
含有量が10ppb以下の超高清浄な雰囲気で加熱酸
化処理が行われたことを示している。
以上に述べたように、本実施例によつて、従来
一般的に使用されていた金属酸化処理装置及び金
属酸化処理方法では実現することができなかつた
水分含有量10ppb以下の超高清浄な酸化雰囲気
を、低コストで生産効率も良く実現することがで
きた。
なお、以上の実施例では直角の曲がり部を有す
るステンレス鋼管のエルボーの不動態化処理を行
う第1図の装置について説明をしたが、これはエ
ルボーの不動態化処理だけでなく、その他の材
質・形状の金属、例えばNi、Al等の曲がり部を
有するパイプや配管部品、高清浄な減圧装置部品
等の不動態化処理にも適用できることは明らかで
ある。曲がり部の位置・数・角度もどのようなも
のでもよく、対象とする被酸化処理金属管の形状
に対応して、ガスの導入口及び排気口を適切な位
置に設ければよい。また、本実施例の装置は、酸
化処理を施すエルボーの位置決めが容易になるよ
うに、縦型の酸化炉102で示したが、横型であ
つてもよい。
[発明の効果] 本発明によれば、以下のような効果を得ること
ができた。
(請求項1、請求項6) 酸化処理雰囲気中から水分を効率的に排除で
き、よつて細いエルボー等、内部にガスの流れ
にくい曲がり部を有する管状の被酸化処理金属
を、水分等の不純物の極めて少ない、超高清浄
でドライな酸化処理雰囲気で加熱酸化でき、前
記被酸化処理金属の表面に水分等のガス放出の
少ない良好な不動態膜を容易か効率良く形成す
ることが可能となつる。
上記効果に加え、エルボー等、曲がり部を有
する管状の被酸化処理金属の内面のみに不動態
膜を形成し、かつ外側が酸化されることを防止
することが可能となつた。これにより、酸化処
理後の外表面が荒くなつたり汚なくなることが
なく、クリーンルーム内に配管した場合にもパ
ーテイクルが発生するといつた問題を防止でき
る。
(請求項2) 上記の効果に加え、パージ用ガスから酸化
雰囲気ガスへ、又は酸化雰囲気ガスからパージ
用ガスへのガス切り替え時の水分を中心とする
系内の汚染を確実に防止でき、超高清浄な雰囲
気を常に、特にガス切り替え時にも、安定して
保つことが可能となつた。よつて不動態膜をよ
り良好に形成できるのみでなく、操作も簡単化
でき、さらにガス切り替え時の酸化炉の降温処
理を不要とすることが可能となり、これによ
り、工程に要する時間を短縮でき、かつ、酸化
炉の再加熱を必要としないためエネルギーを節
約でき、大幅な低コスト化が可能となつた。
(請求項3) 上記及びの効果に加え、ガスの温度を酸
化処理雰囲気の温度まで加熱して供給すること
で、酸化処理温度を均一に保て、よつて、処理
条件の制御が確実に安定して行え、酸化処理効
率が向上した。
(請求項4) 従来、曲管の内面のみの酸化処理は困難であ
つたが、本発明により安定して酸化炉内に曲管
を保持して容易に酸化処理を行うことができる
ようになつた。
(請求項5) 曲がり部を有する管状の被酸化処理金属の酸
化炉内への配置又は固定の際の大気からの水分
等による汚染を効果的に防止でき、超高清浄で
ドライな酸化処理雰囲気に達するまでの時間を
短縮でき、より効率よく良好な不動態膜を形成
することが可能となつた。
(請求項7) 曲管の外面の酸化をより一層防止することが
可能となる。
(請求項8) 酸化性ガス中の水分濃度を10ppb以下とする
ことにより、管内面からのガス放出が極めて少
ない不動態膜を形成することができ、プロセス
装置に極めて高純度のプロセスガスの供給が可
能となる。
以上、乃至に示したように、本発明によ
り、耐腐食性に優れ、かつガス放出の極めて少な
い不動態膜を有するステンレス鋼のエルボー等の
金属部品の量産が実現でき、これにより得られた
エルボー等によりプロセス装置等に超高純度ガス
を短時間で供給することのできるシステムを容易
かつ低コストに提供することが可能となつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す酸化処理装置
の概略図であり、第2図乃至第6図は本発明の酸
化処理装置の操作手順を説明する図であり、第7
図a,bは本発明の酸化処理装置のホルダーを示
す図であり、第8図は第6図に示す操作方法を改
善する場合の配管例を示す図である。第9図は従
来のガス供給配管系のリーク量と不純物濃度との
関係を示すグラフであり、第10図は各種エルボ
ーで脱ガス特性を調べた実験結果を示すグラフで
ある。 101……エルボー(曲管)、102……酸化
炉、103……第1のホルダー、104……第2
のホルダー、105,106……フランジ、10
7……ガス導入管、108……パージ用ガス導入
管、109,110……マスフローコントローラ
ー、111,112,113……ヒーター、11
4,115……排気ライン、116,117……
MCG継ぎ手、118……浮き子式流量計、11
9……ヒーター、120,121……断熱材、1
22……ガイド、123,124,125,12
6……パツキング、701……ガイド、702…
…エルボー差し込み部、703……導入孔、80
1……酸化処理雰囲気ガス供給ライン、802…
…パージ用ガス供給ライン、803,804,8
05,806……ストツプバルブ、803乃至8
06……モノブロツクバルブ、807,808…
…スパイラル管、809,810……ニードルバ
ルブ付き浮き子式流量計、811,812……排
気ライン、813……雰囲気ガス供給ライン。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 酸化炉と;当該酸化炉の内部において、曲が
    り部を有する管状の被酸化処理金属管(以下曲管
    という)を保持し、当該曲管を保持した状態で、
    当該曲管の一端を介して当該曲管の内部に酸化炉
    の外部からガスを導入し得るように形成された導
    入孔を有する第1のホルダーと;当該曲管を保持
    した状態で、当該曲管の内部から当該酸化炉の外
    部へガスを排出し得るように形成された排出孔を
    有する第2のホルダーと;を少なくとも有し、 当該酸化炉内の曲管外部に不活性ガスを導入す
    るための不活性ガス導入口と、当該不活性ガスを
    当該酸化炉の外部へ排気するための不活性ガス排
    気口とが当該酸化炉の適宜の位置に形成されてい
    ることを特徴とする金属酸化処理装置。 2 ガス供給ラインが前記導入孔に接続され、当
    該ガス供給ラインにはガス切り替え手段を介して
    パージガスラインと酸化処理ガスラインが接続さ
    れ、かつ、当該パージガスラインと当該酸化処理
    ガスラインのうちガス供給ラインにガスを供給し
    ない方のラインを常時排気し得るように構成され
    ていることを特徴とする請求項1記載の金属酸化
    処理装置。 3 前記パージガスライン及び/又は酸化処理ガ
    スラインを加熱するための手段が設けられている
    ことを特徴とする請求項2記載の金属酸化処理装
    置。 4 前記第1のホルダーの酸化炉内部側の面に
    は、曲管の径とほぼ同じ幅を有する溝状ガイドが
    放射状に1以上形成されており、当該溝状ガイド
    の先端には前記導入孔と連通する差し込み部が形
    成されており、曲管を保持し得るようにされてい
    ることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか
    1項に記載の金属酸化処理装置。 5 請求項1に係る金属酸化処理装置の酸化炉へ
    の曲管の装入は、第2のホルダーを取り外した状
    態で、排気孔及び/又は不活性ガス導入口から常
    にパージガスを流しながら曲管の装入を行うこと
    を特徴とする金属装入方法。 6 酸化炉内において曲管を酸化する方法におい
    て、当該曲管の一端から酸化性ガスを当該曲管の
    内部に導入するとともに、当該曲管の他端からガ
    スを排出し、かつ、当該酸化炉の内部に、不活性
    ガスを導入しつつ酸化を行うことを特徴とする金
    属酸化処理方法。 7 当該不活性ガスの圧力を、当該酸化性ガスの
    圧力よりも高くして酸化処理を行うことを特徴と
    する請求項6記載の金属酸化処理方法。 8 被処理金属曲管の内部に不活性ガスを流しつ
    つ、当該被処理金属曲管をベーキングし、当該不
    活性ガス中の水分濃度が10ppb以下となつた時点
    で酸化処理を行うことを特徴とする請求項6又は
    7記載の金属酸化処理方法。
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