JPH0547985U - 発光表示体の取付構造 - Google Patents

発光表示体の取付構造

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Abstract

(57)【要約】 【目的】発光表示体1の取付角度をスペーサによって調
節して被取付筐体2へ取付構造の提供を目的とする。 【構成】被取付筐体2に穿孔されたねじ孔21に3枚の
スペーサ10の各ケーブル挿通孔10cを対応させて位
置決めし、発光表示体1のケース枠体5を構成する取付
枠6に設けられる止具挿通孔68にそれぞれシリコーン
ゴム等の弾性を有するパッキン93等を介して止具91
を上記対応するねじ孔21に垂直に螺合させ、止具91
を取付枠6の止具挿通孔68の奥広がりのテーパ面68
aの角度の範囲内でこのテーパ面68aに接触させるこ
となくスペーサ10のケーブル挿通孔10cを通って被
取付筐体2のねじ孔21に垂直な状態で螺合して接続さ
れる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、LED発光素子を発光源とし、主に屋外に設置される大型表示装置 を構成するための発光表示体の取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
大型の表示体としては、例えば、図11に示すように、先端が球面状に成形さ れて円形凸レンズの役目を果たす透明樹脂101でLED発光素子100を封止 して電極リードを導出した多数個のLEDランプ103を配線基板102に配線 配設した上で、前面が丸型又は角型状に開口したケース104に収容してLED 集合ランプ体105を構成し、該LED集合ランプ体105を縦横に並べ、例え ば、屋外等の建物の外壁に配置される筐体107にそれぞれ止具106を用いて 取り付けて大画面を構成し、各LED集合ランプ体105を一つの発光ドットと して点灯制御を行い、所望の文字や記号等を表示するものがある。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の大画面の表示体では、多数個のLED集合ランプ体10 5をそれぞれ縦横に並べて筐体107に取り付ける場合、視認性の点から少なく とも縦横列に並べられる各LED集合ランプ体105の光軸を略視野位置に一致 させて取り付ける必要があり、LED集合ランプ体105の取り付け個数が多く なればなるほど横列に並ぶ個々のLED集合ランプ体105の光軸を一致させて 止具106を用いて取り付ける作業が非常に面倒になるといった問題があった。
【0004】 また、このため実用視野位置の視認性を考慮して屋外の壁面等に大画面の表示 体を設置する場合、所望の視野角を得るために各LED集合ランプ体105を取 り付ける筐体107の取付面を垂直方向に対して予め所望の傾斜角度を付けた状 態で加工しておいたり、各LED集合ランプ体105を取り付けたときに所望の 視野角が得られるように別途様々な取付角度を有する成形したケース104を用 いるなどで対応していた。そのため、実用視野位置における所望の視野角が得ら れるように各LED集合ランプ体105を筐体に取り付ける場合には取付筐体1 07の加工が複雑になるなどしてコストアップが避けられないといった問題があ った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本考案の発光表示体の取付構造は、ケース枠体に多 数個のLED発光素子を配設した配線基板を収容して横一列に複数の発光ドット を構成する発光表示体の、被取付筐体に当接される前記ケース枠体裏面側の少な くとも二箇所に上下方向に奥広がり形状の止具挿通孔を設け、このケース枠体と 被取付筐体との間に楔型断面形状のスペーサを介在させて前記ケース枠体を傾斜 状態に配置し、上記止具挿通孔に挿通される止具を被取付筐体に対して垂直に螺 合して発光表示体を被取付筐体に固定してなることを特徴とする。
【0006】
【作用】
上記構成の発光表示体の取付構造では、複数個のLED発光素子を配設した配 線基板を収容して横一列の複数の発光ドットを構成する発光表示体のケース枠体 の裏面側の少なくとも二箇所に形成された止具挿通孔が上下方向に奥広がりとな っているため、ケース枠体と被取付筐体との間に楔型断面形状のスペーサを介在 させて発光表示体を前記止具挿通孔の奥広がりの範囲内で傾斜状態で配置し、上 記止具挿通孔に挿通される止具を被取付筐体に対して垂直に螺合して取り付けて 発光表示体を傾かせて被取付筐体に取り付けることができる。
【0007】 この場合、複数の発光表示体を縦横に並べて被取付筐体に取り付けると、多数 の発光ドットを縦横のマトリクス状に配列構成した大画面の表示体が構成され、 それぞれの発光表示体の取付角度をケース枠体と被取付筐体との間に介在させる 断面楔型形状のスペーサによって止具挿通孔の奥広がりの範囲内で調節設定でき 、横一列の各発光ドットの上下角の光軸を一致させると共に、上下の発光ドット の光軸角度を各横列毎に変えて取り付けることが可能となる。従って、大画面の 表示体を構築して所望の文字や記号等を発光表示する場合、実用視野位置での指 向特性及び視認性が最適となるようにな、画面上方と下方に配置される発光表示 体の各発光ドットの光軸角度を所望の視野位置に合わせて容易に調整して取り付 けることができる。
【0008】
【実施例】
以下、図面を参照して本考案の一実施例を説明する。
【0009】 図1は本考案の一実施例に係る発光表示体の取付構造を示す一部破断概略斜視 図、図2は図1のA−A線に沿った概略断面図、図3は図1のB−B線に沿った 概略断面図である。この実施例の取付構造は、屋外の建物の外壁等に取り付けら れる被取付筐体2に対して発光表示体1を縦横に並べて大画面を構成するために 発光表示体1と被取付筐体2との間にスペーサ10を介在させて各発光表示体1 の角度を調整して取り付ける取付構造であり、ドットで構成された所望の文字や 記号等を発光表示するものである。
【0010】 上記発光表示体1は、発光色の異なるLED発光素子が樹脂封止された多数個 のLEDランプ3a,3bが配線配列された配線基板4と、複数の配線基板4を 横一列に並べた状態で収容配置されるケース枠体5よりなり、このケース枠体5 は、被取付筐体2に当接されて固定される取付枠6と、該取付枠6の前方に取り 付けられるフード枠7とで構成されており、本実施例の場合、この取付枠6内に 配線基板4を組み付けてからフード枠7を取り付けて横一列に複数の発光ドット H1 を形成した発光表示体1となっている。
【0011】 上記LEDランプ3a,3bは、既述した従来のものがそのまま利用できるも ので、ここでは、特にLEDランプ3a、3bの構造説明は省略するが、例えば 、赤色LEDランプ3aと緑色LEDランプ3bを配線基板4に適宜配設配線し て一つの発光ドットH1 が構成されている。この場合、一つの発光ドットH1 を 構成するLEDランプ3a,3bの発光色の配置や組み合わせ、配設数などは発 光表示体1のサイズ等によって決定される配線基板4の大きさに合うように適当 に設定すればよいものである。本実施例の場合、配線基板4は取付枠6内に該取 付枠6の裏面(被取付面)側に対して16度の角度(従って、発光の光軸中心角 度も同様)で下向きになるように傾斜して配設されている。
【0012】 複数個のLEDランプ3a,3bが配設配線される配線基板4は、例えば、ガ ラスエポキシ樹脂や紙フェノール等を基材とするプリント基板であり、上記各L EDランプ3a,3bが配設されて各発光色毎に点灯制御できる回路構成となっ ている。即ち、図8に示すように、各発光ドットH1 の同色に発光するLEDラ ンプ3a,3bをそれぞれ直列に接続すると共に、例えば、そのアノード側(カ ソード側)を共通に配線してコモン端子とし、各発光ドットH1 のそれぞれのL EDランプ3a,3bのカソード側を端子として外部の他の点灯制御用の回路基 板(不図示)等に接続される。このように各LEDランプ3a,3bのアノード 側(カソード側)を全てコモン端子に内部接続すると、外部への配線本数の低減 が図れ、また、アノード側をコモン端子で共通として、所望の発光ドットH1 の 各赤色LEDランプ3a又は緑色LEDランプ3bのカソード側に外部のコント ローラ(不図示)を介して電圧を印加制御することにより所望の発光ドットH1 の発光色を異ならせて選択的に点灯・消灯するといった点灯制御が行えるような る。この場合、点灯駆動方式は外部の点灯制御配線のみで、ダイナミック駆動又 はスタティク駆動何れの方式とすることもできる。
【0013】 上記取付枠6とフード枠7とで構成されるケース枠体5は、何れも、ポリカー ボネート、ノリル等の樹脂成形品である。取付枠6の裏面63の上下には上縁6 1が下縁62より長い状態でそれぞれの角度αが光軸の中心角度に合わせて約1 6°の角度を持って前方下方に延出されており、上縁61の裏面(被取付面)側 に凸段部64が形成されている。前方側は、仕切65によって複数枚の上記配線 基板4を横列に並べた状態で収容するための凹段部66が横に並んで凹設され、 さらに、上記フード枠7の後縁を係合一体とする係合段部67が形成されている 。また、被取付面となる裏面63には配線基板4に配線配列された各LEDラン プ3a,3bを点灯制御する外部の駆動用回路基板に接続されるケーブル(不図 示)を導出するための挿通口63aが開口されており、該挿通孔63aを通って ケーブル(不図示)が被取付筐体2内に導出されている。また、被取付筐体2に 取り付けたときに前記挿通孔63aから水分等が被取付筐体2内部や発光表示体 1の内部に浸入しないようにOリング等の防水パッキン8の挿着溝63bが凹設 されている。
【0014】 各発光ドットH1 を仕切る上記仕切65の少なくとも左右の二箇所は、図2に 示すように、略下半分が開口した仕切65aとなっており、奥端に止具挿通孔6 8が形成されている。該止具挿通孔68は図9に平面図で示すように、開口部分 が上下にやや長い長孔形状を呈しており、裏面63の上下方向には角度βが12 度で奥広がりとなるテーパ面68aが形成されている。このような止具挿通孔6 8が形成されていると、取付枠6が±12度の範囲で傾いても止具挿通孔68に 挿通されるビスなどの止具91の径に対して上下方向にクリアランスが得られる ので、止具9の位置を若干上下に変えて止具挿通孔68に挿通させることができ るようになっている。そして、この仕切65の位置と対応する直上の凸段部64 にも同様の止具挿通孔68が形成されており、止具91を挿入しやすいように、 該凸段部64を含んで上縁61に略半円状の凹みが形成されている。
【0015】 取付枠6の前方に取り付けられる上記フード枠7の後縁には、この取付枠6の 前方開口に形成された係合段部67と係合する係合段部71、配線基板4を横列 に並べた状態で収容するための凹段部66と係合する凸段部72及び上記仕切6 5と対応するフード仕切73が形成され、止具挿通孔68の形成される仕切65 aと対応して下方が開口したフード仕切73aが設けられている。
【0016】 そして、上記取付枠6の上縁61が延長した状態で延びるひさし75が延設さ れている。該ひさし75は上方からの外光を遮蔽して各LEDランプ3a,3b の点灯による各発光ドットH1 の視認性を改善する役目のものであり、傾斜状態 の発光表示体1に対して、ひさし75の長さは、図3に示すように、太陽光の入 射遮断角θが50度〜75度位になるように選定されている。
【0017】 上記した取付枠6の仕切65及びフード枠7のフード仕切73は、取付枠6に 凹設された各凹段部66に収容配置される配線基板4に配線配設された多数のL EDランプ3a,3bで構成される発光ドットH1 を横一列に区分し、かつ、各 発光ドットH1 が点灯したときの発光の隣接発光ドットH1 への漏れを防止し、 また、ケース枠体5自体の剛性を確保するものとなっている。そして、実施例で は、発光表示体1と被取付筐体2との取り付け用の止具挿通孔68の形成位置と して下方の開口した仕切65a、73aを形成している。
【0018】 そして、取付枠6とフード枠7とは取付枠6の係合段部67とフード枠7の係 合段部71とを接着剤等で接合一体としたり、図示していない止具等にによって 一体に連結固定されてケース枠体5が構成され、少なくとも、上記取付枠6及び フード枠7の少なくとも発光ドットH1 以外の部分は、黒色系又は灰色系の光無 反射面として発光ドットH1 の点灯・消灯時のコントラストが得られ易くしてお くことが望ましい。
【0019】 上記被取付筐体2は、複数枚の発光表示体1を上下に並べて配設固定して内部 に各発光ドットH1 の点灯・消灯の電圧を印加を制御する駆動回路及びコントロ ーラ(不図示)を配置して屋外のビル壁面等に取り付けられるもので、図2に示 すように、それぞれの発光表示体1の取付枠6の裏面63が当接される取付面2 0に上記各止具挿通孔68に対応してタッピング等によって形成されるねじ孔2 1が設けられており、各発光表示体1毎のねじ孔21間のピッチpは一定して形 成されている。また、ねじ孔21間のケーブル挿通口63aと対応したケーブル の挿通口22が開口されている。
【0020】 上記発光表示体1と上記被取付筐体2との間に介在されるスペーサ10は、シ リコーンゴム等のゴム弾性体成形品であり、上記取付枠6の止具挿通孔68の設 けられる位置に配置されるもので、図4乃至図7に示すように、上縁10aの巾 h1 に対して下縁10bの巾h2 が狭く、上縁に向かって角度γが約3度で厚み が増大する縦断面略楔型形状を呈したものである。略中央部分には、図4及び図 7に示すように、取付枠6の裏面63のケーブル挿通口63aと対応して該挿通 孔63aより若干径小となったケーブル挿通孔10cが穿孔されており、該ケー ブル挿通孔10cの上下に上記止具挿通孔68と対応して上下に延びた長孔10 dが穿孔されている。
【0021】 また、表面四隅付近にはそれぞれ円形で突出する位置決め用の突起10eが上 下対象に突設され、また、裏面四隅付近には前記各突起10eが嵌まり込む円形 状凹部10fが凹設されている。そして、裏面周縁及びケーブル挿通孔10cの 周囲には、断面略半円状で突出するリブ10g,10hがそれぞれ突設されてい る。このようなスペーサ10を図2に示すように、3枚用いて各スペーサ10の 表面側の各突起10eと裏面側の各凹部10fとを嵌め合わせると、下縁10b から上縁10aに向かって9度の角度をもった楔型形状のスペーサとなる。この ように各スペーサ10を重ね合わせると、それぞれのリブ10g,10hが防水 パッキンの役目を果たし、ケーブル挿通孔10cを通って水が浸入して発光表示 体1の配線基板4における配線パターン等に悪影響を及ぼす心配がない。
【0022】 尚、上記スペーサ10としては、シリコーンゴム等のゴム弾性体に限らず、樹 脂成形品等としてもよいが、各発光表示体1とスペーサ10間、各スペーサ10 間、スペーサ10と被取付筐体2との防水性を考慮すると、シリコーンゴム等の ゴム弾性体が好ましい。
【0023】 上記した発光表示体1を3枚のスペーサ10を重ね合わせて傾斜状態で被取付 筐体2に取り付ける本考案の取付構造としては、図2に示されるように、被取付 筐体2に穿孔されたねじ孔21に3枚のスペーサ10の各ケーブル挿通孔10c を対応させて位置決めし、発光表示体1のケース枠体5を構成する取付枠6に設 けられる止具挿通孔68にそれぞれシリコーンゴム等の弾性を有するパッキン9 3等を介して止具91を上記対応するねじ孔21に垂直に螺合させたもので、発 光表示体1を被取付筐体2に対して約25度、即ち、発光表示体1の取付枠6自 体の角度αが16度であり、3枚の楔型形状スペーサ10によって形成される角 度9度を合わせた角度で傾斜して被取付筐体2に取り付けられている。このとき 、止具91の挿通される取付枠6の止具挿通孔68が約12度の奥広がりのテー パ面68aを有しているので、止具91が止具挿通孔68のテーパ面68aに接 触することなくスペーサ10のケーブル挿通孔10cを通って被取付筐体2のね じ孔21に垂直な状態で螺合された構造となる。この場合、発光表示体1と被取 付筐体2との間に介在させるスペーサ10を1枚とすれば発光表示体1は被取付 筐体2に対して19度の角度をもって取り付けられ、また、スペーサ10を2枚 とすれば発光表示体1は22度の角度をもって被取付筐体2に取り付けられ、4 枚までのスペーサ10を介在させることができる。何れの場合でも、上記取付枠 6の止具挿通孔68のテーパ面68aの角度の範囲内で発光表示体1と被取付筐 体2との間にスペーサ10を介在させて発光表示体1を本来の傾斜角度に加えて 更に傾斜角度を楔型形状のスペーサ10によって角度を調整して被取付筐体2に 取り付けることができ、被取付筐体2に形成されるねじ孔21間のピッチpも変 更することなく、直接又はスペーサ10を介在させて発光表示体1の取付角度だ けを変えても止具91は垂直に螺合されて取り付けられる。
【0024】 そして、上記スペーサ10を上下を逆にして、巾広となった上縁10aを下向 きとして同様に配置すると、該一枚のスペーサ10による角度は3度だけ上向き となり、3枚のスペーサ10によると9度の角度だけ発光表示体1が被取付筐体 2に対して上向きとなり、実際には被取付筐体2に対して7度の傾きをもって取 り付けられるようになる。この場合でも、取付枠6の止具挿通孔68に挿通して 被取付筐体2のねじ孔21に螺合される止具91は、止具挿通孔68のテーパ面 68aに接触することなく垂直な状態で被取付筐体2のねじ孔21にねじ込まれ て発光表示体1が本来の傾斜角度αより小さい傾斜角度で被取付筐体2に取り付 けられる。
【0025】 このように、発光ドットH1 を構成するLEDランプ3a,3bを配線配設し た配線基板4をケース枠体5の取付枠6とフード枠7の仕切65,フード仕切7 3とで仕切って横一列の発光ドットH1 を構成した発光表示体1を楔型形状のス ペーサ10を介在させて被取付筐体2との間に傾斜を持たせて取り付ける構造を 採用すれば、複数枚の発光表示体1を被取付筐体2の取付面20に縦横に並べ、 各発光表示体1の多数の発光ドットH1 をマトリクス状の縦横に一定間隔で配置 した大型の表示体が簡単に構成できる。
【0026】 この場合、止具挿通孔68を上下方向にクリアランスをもった長門穴開口とし て、かつ、穴内の上下方向に±12度のテーパ面68aを形成したことにより、 スペーサ10を介在させない状態で取り付ける発光表示体1と複数枚のスペーサ 10を介在させて取り付ける発光表示体1の各止具挿通孔68が上下方向にクリ アランスをとった長孔によって対応する被取付筐体2のねじ孔21のピッチpを 同じとすることができる。そのため、発光表示体1の取り付け角度が変わっても 発光表示体1の止具挿通孔68に上下方向にクリアランスをとった長孔の上下方 向のテーパ面68aにより、この上下方向のクリアランスとテーパ角度の範囲内 であれば、止具91を被取付筐体2のねじ孔21のピッチpを変えることなく被 取付筐体2の取付面20に対して垂直に螺合することができ、横列に並ぶ発光表 示体1の取付角度、即ち、横一列に並ぶ複数の発光ドットH1 の光軸の傾きを全 て一致させた状態で極めて簡単に被取付筐体2に取り付けることができる。この とき、取付ビスをM4、取付角度範囲を±12度以内としたときの具体的な止具 挿通孔68の設計寸法としては、図2及び図9に示すように、上下方向に長円開 口t1 ×t2 が4.5×7.0mm、内面の上下方向のテーパ角βは既述のよう に12度となる。
【0027】 本考案の発光表示体1は、被取付筐体2に複数個を配置配列して大画面を構成 し、この被取付筐体2を屋外のビル等の高い壁面に設置して使用される場合が多 く、例えば、図10に示すように、発光表示体1を縦横に並べて上下高さHが5 m程度の大画面の表示体11を構成し、ビル等の垂直壁面の高さl1 が6mの位 置に設置し、実用視野位置をこの表示体11を取り付けた位置から距離Lが20 m離れた場所の高さl2 が約1.5mの目の高さで見上げるとすれば、設置され る大型表示体11の上縁(上段)位置、中央(中断)位置、下縁(下段)位置を それぞれ実用視野位置から見上げたときの視野角度は、それぞれ約25度、16 度、13度となる。従って、この場合、大型表示体11の上縁付近に配置される 横列の各発光表示体1は、スペーサ10を3枚介在させて被取付筐体2に取り付 けて約25の傾きを持たせて被取付筐体2に取り付け、中央部分の発光表示体1 はスペーサ10を介在させることなくそのままで取り付け、下縁部分の発光表示 体1はスペーサ10を逆向きにして一枚介在させて取り付ければ、所望の視野角 度でそれぞれ発光表示体1が傾斜した大型表示体11を構成できる。即ち、発光 表示体1の設置場所や高さと、視認位置や距離などの実用視野位置における大型 表示体11の各発光ドットH1 の光軸をほぼ所望の視野位置に合わせて各発光表 示体1を被取付筐体2に対して傾斜状態で取り付けることができる。
【0028】 実用視野位置で大型表示体11の横列の各発光表示体1の傾きをスペーサ10 の介在によって調整して横列毎に並ぶ各発光ドットH1 の光軸を実用視野位置に 合わせることが容易であると、外部のコントローラ(不図示)によって点灯制御 されて発光する各発光ドットH1 によって表示されるドット構成の文字や記号等 を発光表示したときの指向特性や視認性が高められ、また、隣接する各発光ドッ トH1 間の光の漏れがケース枠体5の取付枠6とフード枠7の仕切65,フード 仕切73とによって防止されるので、点灯・消灯時のコントラストも良好となり 、汎用性の高い大型の表示体を簡単に構築できる。
【0029】 尚、本実施例の発光表示体1は、取付枠6とフード枠7とを別部材としてケー ス枠体5を構成したものを示したが、例えば、取付枠6とフード枠7とを一体成 形して裏面側を開口させ、後方より配線基板4を装着して裏蓋を組み付けてた構 成(図示せず)等としてもよいことは云うまでもない。
【0030】 また、前記した発光表示体1の配線基板4にはLEDランプ3a,3bを配線 配設したものを例示したが、LED発光素子を配線基板に直接配設配線して樹脂 封止し、その前面に凸レンズ成形体を載置した構造などのものであっても良く、 LEDランプ3a,3bの配設パターンも適宜設計により変更可能である。実用 的には、一つの発光ドットH1 のLED発光体3a,3bの配設数は5〜100 個程度で、発光表示体1の横一列の形成される発光ドットH1 の数としては4〜 16ドット程度とし、各発光ドットH1 のドットピッチは15mm以上から15 0mm程度の大型ドットとするのが好適である。
【0031】 更に、取付枠6の止具挿通孔68のテーパ面68aの傾斜角度や楔型形状のス ペーサ10の角度γも実施例に限定されるものでなく、両者の角度を適宜変更す ると、発光表示体1の取付角度の調節範囲は当然広げられることはいうまでもな い。実用上は、±12度程度以内の調整範囲があれば充分である。そして、止具 挿通孔68は実施例のように、奥広がりのテーパ面68aに限らず、止具91を 垂直状態で被取付筐体2にねじ込んで発光表示体1が取り付けられるように、上 下面を階段状に傾斜して奥に広がる形状でもよく、その止具挿通孔の奥に広がる 内面形状は特に限定されるものでない。
【0032】 尚、本考案の実施例では、発光表示体1を被取付筐体2に取り付けるための止 具91の止具挿通孔68を左右の各発光ドットH1 間の仕切65a,73a及び その上方の凸段部64の四箇所に設ける取付構造例を示したが、前記仕切65a ,73a部分の少なくとも左右二箇所の略中央部分にだけ止具挿通孔を設けた発 光表示体1として被取付筐体2に取り付ける構造(図示せず)としてもよく、こ の場合、止具挿通孔は上下方向の長孔とすることなく上下面にテーパ面を形成し ただけでもよい。従って、各発光ドットH1 の点灯等による視認性を阻害しない のであれば、止具挿通孔の形成位置は限定されるものでない。
【0033】 そして、実施例では、発光表示体1の四箇所に形成された止具挿通孔68にそ れぞれ止具91を挿通して発光表示体1を被取付筐体2に取り付けるだけで横一 列に多数の発光ドットH1 が形成されるので、従来のように、各LEDランプ体 を個々に被取付筐体に止具を用いて取り付けて多数の発光ドットを形成する手間 と比べると遥かに効率的となる。
【0034】
【考案の効果】
以上の説明から明らかなように、本考案の発光表示体の取付構造では、複数の LED発光素子によって横一列に複数の発光ドットが形成された発光表示体が、 ケース枠体の裏面側の止具挿通孔が上下方向に奥広がりのテーパ面のテーパ角度 の範囲内で傾斜させた状態で、止具を被取付筐体に対して垂直に螺合して取り付 けることができ、多数個のLED発光素子が配設配線された横列に並ぶ発光ドッ トが同じ傾斜角度で被取付筐体に取り付けられて光軸を一致させることができ、 かつ、、発光表示体を上下に並べて被取付筐体に取り付けて大画面の表示体を構 成する場合の上下各段毎の画面上方と下方に配置される横列毎の発光表示体の各 発光ドットの光軸角度を調整設定して所望する実用視野位置での視認性を最適な 状態で取り付けることができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例に係る発光表示体の取付構造
を一部破断して示す概略斜視図。
【図2】同実施例の図1のA−A線に沿った概略断面
図。
【図3】同実施例の図1のB−B線に沿った概略断面
図。
【図4】同実施例に使用されるスペーサの表面側の概略
斜視図。
【図5】同実施例に使用されるスペーサの裏面側の概略
斜視図。
【図6】同実施例に使用されるスペーサの図4のC−C
線に沿った概略断面図。
【図7】同実施例に使用されるスペーサの図4のD−D
線に沿った概略断面図。
【図8】同実施例の各発光ドットの回路構成例図。
【図9】図2のC−C線に沿う止具挿通孔の要部拡大
図。
【図10】同実施例の発光表示体の取付構造を採用した
表示体の設置例を示す説明図。
【図11】従来の発光表示体の取付構造例を一部拡大し
て示す概略縦断面図。
【符号の説明】
1 発光表示体 2 被取付筐体 3a,3b LEDランプ 4 配線基板 5 ケース枠体 68 止具挿通孔 68a テーパ面 10 スペーサ

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケース枠体に多数個のLED発光素子を配
    設した配線基板を収容して横一列に複数の発光ドットを
    構成する発光表示体の、被取付筐体に当接される前記ケ
    ース枠体裏面側の少なくとも二箇所に上下方向に奥広が
    り形状の止具挿通孔を設け、このケース枠体と被取付筐
    体との間に楔型断面形状のスペーサを介在させて前記ケ
    ース枠体を傾斜状態で配置し、上記止具挿通孔に挿通さ
    れる止具を被取付筐体に対して垂直に螺合して発光表示
    体を被取付筐体に固定してなることを特徴とする発光表
    示体の取付構造。
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