JPH054786Y2

JPH054786Y2 -

Info

Publication number: JPH054786Y2
Application number: JP1988018091U
Authority: JP
Priority date: 1988-02-16
Filing date: 1988-02-16
Publication date: 1993-02-05
Anticipated expiration: 2003-02-05
Also published as: JPH01124188U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、タイルが敷設された床側から浴槽の
底部に湯水が侵入するのを阻止するための防水構
造に関する。

（従来の技術）従来、ユニツトタイプの浴槽は、第２図に示す
ようにＦ・Ｒ・Ｐ（繊維強化プラスチツク）のパ
ネル２で形成された浴槽本体１をコンクリート基
礎３の凹所４内に設置し、浴槽本体１内の湯水は
底部の排水管５を通じて外部に排出できるように
なつている。また、洗い場の床６には多数のタイ
ル７が敷設され、タイル７とコンクリート基礎３
との間にはモルタル８が充填されている。更に各
タイル７の隙間は、湯水が内部に浸透しないよう
に通常白セメント９で埋められている。

（考案が解決しようとする課題）しかし、従来の防水構造にあつては、タイル７
間に詰められている白セメント９にクラツク等が
生ずると、矢印で示すように湯水がこの隙間から
モルタル８内に浸透して浴槽本体１の下面に溜ま
り、長時間通過するとこれらの水が腐食して悪臭
を放つ原因となる。

本考案は、かかる事情に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、タイルの隙間から湯水が浸透
した場合でも途中で確実に遮断し得る浴槽底部の
防水構造を提供することにある。

（課題を解決するための手段）上記目的を達成するため、本考案における浴槽
底部の防水構造では、浴槽本体のパネル端部を洗
い場のタイル側に延長し、このパネル延長部を支
持板を介してタイル下面の基礎に固定すると共に
パネル延長部の上面を防水シートで覆つている。

好ましくは、パネル延長部と基礎との間に接着
剤やゴムシールを介装させる。

（作用）これらの構成により、タイル間の白セメントに
万が一クラツクや剥離が生じて湯水がモルタル内
に浸透しても、この浸透水は防水シートによつて
浴槽本体側への移動を阻止される。

また、パネル延長部は、接着剤によつて基礎上
に強固に固着されると共にゴムシールによつて二
重にシールされる。

（実施例）第１図及び第３図には、各々本考案の防水構造
が適用された浴槽の断面図及び拡大断面図が示さ
れており、第２図と同じ部分には同一番号を付し
てある。

浴槽本体１を構成しているＦ・Ｒ・Ｐパネル２
の図中左側は、一旦下方へ凹んで排水用の長溝１
０を形成し、再び立上がつてタイル７の下面にパ
ネル延長部２ａとして入り込んでいる。長溝１０
の底部と浴槽本体１の底部には、各々排水口１
１，１２が設けられ、各排水口１１，１２に１本
の排水管１３が接続されている。長溝１０は、浴
槽本体１の一側部または周囲に設けられ、洗い場
の床６に溢れた湯水の受容通路となつている。ま
た、長溝１０の上面は、多数の細溝や孔を有する
蓋１４で閉塞され、髪やゴミ類がこの蓋１４で遮
断される。

パネル延長部２ａには、第３図に拡大して示す
ようにねじ１５でステンレスの支持板１６が連結
され、支持板１６の他端はコンクリート釘１７で
コンクリート基礎３上に固定されている。また、
パネル延長部２ａとコンクリート基礎３との間に
は密封用のゴムシール１８が介装され、ゴムシー
ル１８の図中左側にはエポキシ接着剤１９が充填
されてパネル延長部２ａが強固に固着されてい
る。

パネル延長部２ａ及び支持板１６の上面には、
防水シート２０が覆せられ、防水シート２０の上
端は、タイル７とパネル２間に充填されたコーキ
ング材２１で固定されている。防水シート２０の
上面には、従来と同様にモルタル８が充填され、
モルタル８の上方にはタイル７が敷き詰められ
る。

従つて、まずタイル７上に溢れた湯水の大部分
は、浴槽本体１の周囲に形成された長溝１０に流
入し、排水口１１（第１図）及び排水管１３を通
じて外部に流出する。次にタイル７間の白セメン
ト９にクラツクや剥離が生ずると、湯水の一部が
これらの隙間からモルタル８へと浸透する。しか
し、これらの浸透水は、防水シート２０によつて
遮断されるので、浴槽本体１の底部まで移動する
ことはない。また、万が一防水シート２０の下を
くぐつた水があつても、これらはエポキシ接着剤
１９やゴムシール１８によつて完全に遮断され
る。モルタル８内の浸透水は、浴槽本体１底部側
に溜まつた水と異なり、悪臭を放つことはない。

第４図には、本考案の他の実施例が示されてお
り、この防水構造では、パネル延長部２ａの下面
に屈曲したステンレス製の支持板１６を連結して
いる。パネル延長部２ａ、防水シート２０及び支
持板１６で囲まれた空間には、エポキシ接着剤１
９が充填され、前実施例のゴムシール１８は省略
されている。この構成によつても前実施例と同様
の防水効果を期待でき、前実施例よりも施工が若
干容易となる。

（考案の効果）以上詳述したように請求項１の防水構造によれ
ば、タイル間の隙間から湯水が浸透した場合で
も、浸透水が浴槽底部に移動するのを防水シート
で確実に遮断することができる。

また、請求項２の構成によつてパネル延長部を
より強固に固定でき、さらに請求項３の構成によ
つて二重の防水構造が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の防水構造が適用された浴槽の
断面図、第２図は従来構造の同断面図、第３図は
防水構造の拡大断面図、第４図は他の防水構造を
示す拡大断面図である。１……浴槽本体、２ａ……パネル延長部、３…
…コンクリート基礎、４……凹所、６……洗い場
の床、７……タイル、９……白セメント、１６…
…支持板、１８……ゴムシール、１９……エポキ
シ接着剤、２０……防水シート。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】 (1) 浴槽本体のパネル端部を洗い場のタイル側に
延長し、このパネル延長部を支持板を介してタ
イル下面の基礎に固定すると共にパネル延長部
の上面を防水シートで覆つたことを特徴とする
浴槽底部の防水構造。 (2) パネル延長部と基礎との間に接着剤が充填さ
れている請求項１に記載の浴槽底部の防水構
造。 (3) パネル延長部と基礎との間にゴムシールが介
装されている請求項２に記載の浴槽底部の防水
構造。