JPH054768Y2 - - Google Patents

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JPH054768Y2
JPH054768Y2 JP10524788U JP10524788U JPH054768Y2 JP H054768 Y2 JPH054768 Y2 JP H054768Y2 JP 10524788 U JP10524788 U JP 10524788U JP 10524788 U JP10524788 U JP 10524788U JP H054768 Y2 JPH054768 Y2 JP H054768Y2
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stainless steel
reflectance
vapor
mirror
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Description

【考案の詳細な説明】
<産業上の利用分野> この考案は、高い反射率を示すと共に耐衝撃性
や耐久性に優れ、しかも例えば15μm程度と言つ
た薄肉製品の提供も可能なステンレス鋼を基体と
する化粧用金属鏡の製造方法に関するものであ
る。 <従来技術とその課題> 現在、反射率の面で他の追随を許さない“ガラ
ス鏡”が鏡の代名詞となつて一般的に使用されて
いるが、一面で、“ガラス鏡”は衝撃を受けると
割れやすい上、強度面で薄肉化が困難であること
から(ガラス鏡の肉厚は1.5mm程度が普通で、薄
くしても0.7mm程度が限度である)、最近注目を浴
びている「カード式化粧品セツト(化粧品及び化
粧用具が薄肉化されカード状に収められたセツ
ト)」等への適用は不向きであるとの指摘がなさ
れている。 このように、近年、生活様式や嗜好の多様化に
伴つて化粧用鏡にも薄肉軽量製品を要望する声が
高まつてきているが、このような製品に求められ
る鏡の特性として (a) 出来るだけ薄く、かつ十分な強度(硬度)を
有していて変形に対する抵抗性が高いこと、 (b) 耐衝撃性に優れていて、ガラス鏡のように衝
撃によつて割れるような事態が避けられるこ
と、 (c) 一般ガラス鏡と比べて反射率にそれほど遜色
がないこと(少なくとも70%以上で、好ましく
は80%以上の反射率を有していること)、 (d) 反射率が、可視光線の広い波長範囲に亘つて
ほぼ同率であること、 (e) 使用環境において変色や腐食(サビ発生)等
が生じないこと、 等の事項が挙げられる。 中でも、化粧用鏡であるが故に無視できないも
のとして、上記d項で示した「可視光線の広い波
長範囲に亘つて反射率がほぼ同率である」との条
件がある。なぜなら、化粧用鏡では顔色等が出来
る限り有りのままに写ることが必要であるが、可
視光線の波長によつて反射率が異なるような鏡で
は写し出される顔色等が青味がかつたり、或いは
赤味がかつたりして自然の状態を把握しにくくな
るからである。 このようなことから、上記条件を十分に満足す
る“ガラス鏡に代わり得る化粧用鏡”の出現が切
望されていた。 <課題を解決するための手段> 本考案は、上述のような観点に立つて、前記カ
ード式化粧品セツト用の鏡としても十分に満足で
きる化粧用鏡を提供すべく鋭意研究を重ねた本考
案者等によつて案出されたものであり、「化粧用
鏡を、第1図aで示すように表面粗さ
0.1μmRmax以下に調整されたステンレス鋼1の
表面にAl又はAgの蒸着皮膜2を設けて構成する
か、或いは第1図bで示すように前記蒸着皮膜2
の上に更に透明コーテイング3を設けて構成した
点」に特徴を有している。 ここで、適用されるステンレス鋼の種類には格
別な制限はないが、鏡の基体となるステンレス鋼
の表面粗さが0.1μmRmaxを超えると乱反射が顕
著となつて、蒸着皮膜だけで透明コーテイングを
施さないものについては反射率80以上が、また透
明コーテイングをも施したものについては反射率
70%以上が確保できず、化粧用鏡に要求される条
件を満足しなくなることから、ステンレス鋼基体
の蒸着皮膜を設ける面の表面粗さを0.1μmRmax
以下と定めた。なお、ステンレス鋼の所要表面粗
さは電解複合研磨(電解研磨+バフ研磨)等によ
つて容易に調整することができる。 第1表は、「SUS304ステンレス鋼の表面粗さ」
と「この上にAl蒸着皮膜を設けた後の反射率」
との関係を示したものであるが、この第1表から
も、ステンレス鋼の表面粗さが0.1μmRmaxを超
えると反射率80%以上を確保できず、透明コーテ
イングを施した場合には反射率が70%を切る懸念
のあること窺うことができる。
【表】 また、ステンレス鋼表面に設けるAl又はAgの
蒸着皮膜の厚みは200nm(02μm)程度で十分であ
り,所要粗さ調整がなされたステンレス鋼表面を
隈無く覆う程度の厚みであれば格別に制限される
ものではない。 そして、必要により上記蒸着皮膜上に設けられ
る「透明コーテイング」は該蒸着皮膜の剥離防止
を第一の目的としており、MgF2やSiO2等の如き
薬品等に冒されにくい上に或る程度の硬さを有し
た成分の透明率が高い皮膜が採用されるが、透明
樹脂皮膜であつても良い。なお、該透明コーテイ
ングの膜厚も格別に制限されるものではなく、
Al又はAgの蒸着皮膜表面を隈無く覆う程度の厚
みであれば十分である。 続いて、本考案に係る金属鏡を、その作用と共
により詳細に説明する。 <作用> さて、本考案に係る鏡は基体をステンレス鋼と
したものであるが、これによつて十分な耐衝撃性
が付与されるので例え落とすようなことがあつて
も割れることが無くなる。しかも、ステンレス鋼
は15〜20μmを下回る程度にまで薄肉化すること
が可能である上、強度(硬度)が比較的高く、こ
れを基体とすることによつて変形抵抗の高い箔状
の鏡を提供することも可能となる。 加えて、ステンレス鋼は耐銹性、耐食性に優れ
ているので、これを基体とした鏡は汗や化粧品等
が付着しやすい環境等においても変色したりサビ
を発生したりすることがなく、長期に亘つて美麗
さを失うことがない。 更に特筆すべきは、“特定表面粗さのステンレ
ス鋼を基体とし、これにAl又はAgの蒸着皮膜を
組み合わせた金属鏡”は、後述する第2図からも
明らかなように、光の反射率が可視光線の広い波
長範囲において殆んど差を生じないと言うことで
ある。先にも述べたように、このことは鏡の明る
さ(自然色の再現性)が優れていることを意味
し、肌の状態や健康度を把握する上で極めて好ま
しい結果を得ることにつながるものである。 一方、Al又は蒸着皮膜は金属鏡の反射率を向
上させるために欠かせないもので、同じく後述の
第2図から明らかなように、ステンレス鋼のみで
はその表面を0.1μmRmax以下に鏡面研磨したと
しても80%以上の反射率を得ることができない
(ステンレス鋼の鏡面研磨面は、鋼種間の差はあ
るものの反射率60%程度が限度である)。 以上の如く、“特定表面粗さのステンレス鋼基
体上にAl又はAgの蒸着皮膜を設けた金属鏡”は
化粧用鏡として好適なものであるが、蒸着皮膜面
に引つ掻き疵が生じたり汚れが付いたりするのを
一層確実に防止するためには、該蒸着皮膜面を更
に透明コーテイングによつて覆うのが良い。な
お、該透明コーテイング自体は金属蒸着皮膜表面
の保護を目的として一般的に施されているもので
あつて、格別に特殊なものではない。 続いて、実施例によつて本考案を説明する。 <実施例> まず、JISに規格されたSUS304ステンレス鋼
圧延箔(肉厚:20μm)の表面を電解複合研磨
(通常の電解研磨及びバフ研磨)によつて鏡面
(表面粗さ0.1μmRmax以下)に仕上げた後、該
面を脱脂してからAlの真空蒸着処理を施し、ス
テンレス鋼基体上に200nm厚のAl蒸着皮膜が設
けられた第1図aに示す如き金属鏡を得た。 また、複数の試料の一部については、更に上記
Al蒸着皮膜上に常法に従いMgF2を成分とする透
明コーテイング(膜厚:200nm)を施し、第1図
bに示す如き金属鏡を得た。 次に、これらの金属鏡について可視光線範囲内
の各波長を有する光の反射率を調査したが、その
結果を他の比較材のそれと比較して第2図に示し
た。 第2図に示される結果からも明らかなように、
本考案に係る金属鏡は何れも反射率が70%以上で
あり(透明コーテイングを施さないものでは反射
率が80%以上となる)、しかも可視光線の広い波
長範囲において反射率の差が殆んどないことが分
かる。 <効果の総括> 上述のように、この考案によると、可視光線の
波長の広い範囲で均一な高い反射率を示すと共
に、強度、耐衝撃性、耐銹性並びに耐食性の優れ
た極薄化粧用鏡を提供することができるなど、産
業上極めて優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案に係る化粧用金属鏡の構成を
説明した概略図であり、第1図a及び第1図bは
それぞれ別の例である。第2図は、各種材料の反
射率を比較したグラフである。 図面において、1……ステンレス鋼、2……
Al又はAgの蒸着皮膜、3……透明コーテイン
グ。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 表面粗さ0.1μmRmax以下に調整されたステ
    ンレス鋼面にAl又はAgの蒸着皮膜を設けて成
    ることを特徴とする化粧用金属鏡。 (2) 表面粗さ0.1μmRmax以下に調整されたステ
    ンレス鋼面にAl又はAgの蒸着皮膜を設け、更
    にその上に透明コーテイングを設けて成ること
    を特徴とする化粧用金属鏡。
JP10524788U 1988-08-09 1988-08-09 Expired - Lifetime JPH054768Y2 (ja)

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JPH0226564U JPH0226564U (ja) 1990-02-21
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JP2501512B2 (ja) * 1992-06-09 1996-05-29 伸一 橘 チャック装置
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