JPH0547464B2

JPH0547464B2 -

Info

Publication number: JPH0547464B2
Application number: JP60002452A
Authority: JP
Inventors: Junichi Itsubo; Yoshiro Mochino
Original assignee: Japan Crown Cork Co Ltd
Current assignee: Nippon Closures Co Ltd
Priority date: 1985-01-10
Filing date: 1985-01-10
Publication date: 1993-07-16
Also published as: JPS61164960A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は容器蓋に関し、さらに詳しくは蓋本
体、およびその天板の内側に形成された、容器口
部の内面をシールするための、開口部の方に向つ
て全体的に拡開した環状突起部を備えるライナー
よりなる容器蓋に関する。

（従来の技術）特開昭52−96184公報等に、びん等の容器口部
の内面をシールするためのプラスチツクよりなる
環状の突起部を、天板の内側に備える容器蓋が提
案されている。このタイプの容器蓋の突起部は、
通常シール性を確保するため、上記公報に開示の
ように半径方向外方に延出する部分、あるいは半
径方向外方に斜め下方（本明細書においては開口
部の方向を下方とよぶ）に延出する部分を有して
いる。

前記の環状突起部の形成は、通常突起部となる
べき部分の半径方向内側に挿入されるセンターポ
ンチ（第４図参照）、上記部分の半径方向外側に
挿入されるブツシング、さらに必要に応じ前記延
出する部分となるべき部分の下面に、その上面が
位置するよう挿入される中間部材を備える成形工
具により、溶融プラスチツクを押圧して成形する
ことによつて行なわれる。

従来の形状の環状突起部の場合、成形後の工具
を抜出すさい、センターポンチとブツシングを同
時に抜出そうとすると、前記の半径方向外方に、
もしくは半径方向外側に向つて斜め下方に延出す
る部分にブツシングが当たるので、同時抜出しは
実質的に不可能又は困難であつた。そのため先づ
センターポンチを抜出し、次いで中間部材がある
場合は中間部材を抜出し、最後にブツシングを抜
出すという工程を必要とし、従つて成形工程が煩
雑になり、かつ成形速度が遅くなるという問題が
あつた。

（発明が解決しようとする課題）本発明は、成形終了後の、成形工具のセンター
ポンチ、ブツシング等の主要部材の同時抜出しが
可能で、かつ高いシール性を確保することが可能
な、容器口部の内面をシールするための環状突起
部を有するライナーを蓋本体の天板内側に形成さ
れた容器蓋を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段）本発明の容器蓋は、蓋本体、および蓋本体の天
板の内側に形成された、容器口部の内面をシール
するための、開口部の方に向かつて、すなわち下
方に向かつて全体的に円錐台形状に拡開した環状
突起部を備えるライナーよりなる容器蓋であつ
て、前記環状突起部は、基部が半径方向外方に断
面直線的に斜め下方に延び、先端部が半径方向内
側に向つて斜め下方に延びる外側面、および全体
として半径方向外方に断面直線的に斜め下方に延
びる内側面を有しており、内側面は基部の外側面
よりも軸方向に対して大きな角度を形成して、半
径方向外方に斜め下方に延びていることを特徴と
する。

（作用）ライナーは、容器口部の内面をシールするため
の、開口部の方に向つて、すなわち下方に向つて
全体的に円錐台形状に拡開した環状突起部を備え
ている。この環状突起部は、容器を封緘したさ
い、円筒状に弾性変形して、その基部外側面９ａ
に接触する容器口部の内面を強い弾性力で半径方
向外方に押圧する。そのため炭酸飲料等の内圧性
飲料を充填した容器の密封にも耐える高いシール
性を確保できる。

環状突起部は、半径方向外方に、断面直線的に
斜め下方に延びる基部外側面９ａ、および内側面
を有している。このような環状突起部を備えるラ
イナーの形状は、第４図に示すように、環状突起
部７の外側面に対応する形状部分を有するブツシ
ング１９、および内側面に対応する形状部分を有
するセンターポンチ１８を備える成形工具によ
り、溶融プラスチツクを押圧成形し、成形後工具
を抜出すことによつて行なわれる。

このように複数の部材からなる工具を同時に抜
出すためには、工具を引上げるさい、環状突起部
７は半径方向内方に屈曲しなければならないが、
内側面は基部外側面９ａよりも軸方向に対して大
きな角度を形成して、半径方向外方に斜め下方に
延びているので、引上げるさいの、内側面とセン
ターポンチ１８間の間隙幅（半径方向の）は、基
部外側面９ａのブツシング１９による移動量（半
径方向の）よりも大きくなる。

従つて上記屈曲が用意に行なわれ、成形終了後
の工具の同時抜出しを容易に行なうことができる
（第５図参照）。

環状突起部の先端部の外側面１０ａは、半径方
向内側に向つて斜め下方に延びているので、封緘
初期に、環状突起部の容器口部内への嵌入をスム
ースに行なうことができる。

（実施例）以下実施例である図面を参照しながら本発明に
ついて説明する。

第１図においてプラスチツクキヤツプ１は、ね
じ部３が形成され、天板４を有するプラスチツク
キヤツプ本体２と、天板４の内側に形成されたラ
イナー５を有している。ライナー５は、実質的に
平坦な周縁環状部６、周縁環状部６の内側に位置
する環状突起部７、および平坦な中央部８を備え
ており、例えばポリエチレンのような熱可塑性プ
ラスチツクよりなつている。

周縁環状部６は、封緘されるべき容器口部１５
（第３図参照）の端部１５ａの幅にほぼ等しい幅
を有している。環状突起部７は、キヤツプ本体２
の開口部２ａの方に向つて、つまり下方に向つて
全体的に拡開した、断面台形状、すなわち円錐台
形状になつている。

すなわち第２図に詳細に示されるように、環状
突起部７は、基部９と先端部１０よりなつてお
り、基部９の外側面９ａおよび内側面９ｂは、半
径方向外側に向つて斜め下方に延びている。

一方外側面９ａに湾曲部１１を介して接続する
先端部１０の外側面１０ａは、半径方向内側に向
つて斜下方に延びている。先端部１０の内側面１
０ｂは、大部分が基部の内側面９ｂと同一面上に
延びているが、その下端１０b₁は軸方向に延びて
いる。先端部１０の比較的幅の狭い、半径方向に
延びる下面１０ｃは、湾曲部１２を介して外側面
１０ａに接続している。

基部９の外側面９ａの上端部９a₁近傍の外径
D₁は、端面シールが可能のように、すなわち周
縁環状部６と容器口部１５の端面１５ｂが加圧下
に接触することが可能となるように、対応する端
部１５ａの内径と等しいか、それより僅かに小さ
く定められている。

一方湾曲部１１の最大外径D₂は、容器口部１
５の端部１５ａの対応する部分の内径、すなわち
その内面１５ｃの対応する部分の直径よりも若干
大きく（例えば0.5〜4.0mm大きく）定められてい
て、封緘後環状突起部７により、容器口部１５の
内面のシールが確保されるようになつている。さ
らに先端部１０の外側面１０ａの下面１０a₁の外
径は、容器口部の端面１５ｂ近傍の内径よりも小
さく定められている。

従つてねじ込みによる封緘のさいは、容器口部
の端面１５ｂの内側コーナ１５b₁（通常湾曲部と
なつている）が、環状突起部７の先端部の外側面
１０ａに先づ接触し、キヤツプ１の下降と共に、
外側面１０ａはコーナ１５b₁に沿つて滑りなが
ら、環状突起部７は弾性的に半径方向内方に曲げ
られ、封緘後は第３図に示すように、基部の外側
面９ａは軸方向に延びて、容器口部の端部の内面
１５ｃと加圧下に接触し、つまり環状突起部７は
容器口部１５に緊嵌されて、内面シールが確保さ
れる。外側面１０ａおよび湾曲部１１は、封緘初
期に、環状突起部７が容器口部１５内に、スムー
スに嵌入されるのを助ける作用を有する。

環状突起部７の基部の内側面９ｂの軸方向とな
る角θ₁（第２図）は、外側面９ａの軸方向となす
θ₂よりも大きく定められている。角θ₁は５〜45
度、より好ましくは10〜30度が好ましく、角θ₂は
３〜40度、より好ましくは８〜25度が好ましい。

かつθ₁−θ₂は、２〜40度、より好ましくは２〜
22度が好ましい。このため以下に述べるように、
成形工具により溶融プラスチツクを押圧して、環
状突起部７を成形した後の、成形工具の各部材の
同時抜出しが可能となる。

第４図は、ライナー５の成形が終了した直後の
状態を示したものであつて、成形工具１７は円筒
状のセンターポンチ１８、その外側のブツシング
１９、およびブツシング１９の外側の位置決め用
スリーブ２０を備えている。センターポンチ１８
は、円筒部１８ａと、外面１８b₁が形成されるべ
き環状突起部７の内側面９ｂおよび１０ｂ（但し
内側面１０ｂの下端１０b₁を除く）、および中央
部８の内面と対応する形状を有する、断面逆台形
状の成形部１８ｂを有している。

ブツシング１９の内面の下端部１９ａは、形成
されるべき環状突起部７の外側面９ａおよび１０
ａに対応する形状を有し、底面１９ｂは周縁環状
部６の内面に対応する形状を有している。スリー
ブ２０は、ブツシング１９に沿い摺動可能になつ
ており、その下端２０ａは天板４の内面に接触し
て、周縁環状部６の周端面を画定するようになつ
ている。

ブツシング１９の内面下端部１９ａのうち、基
部の外側面９ａに対応する部分１９a₁には、外側
面９ａが覆いかぶさつているが、環状突起部７に
おいて、θ₁＞θ₂であるので、外側面９ａに妨げら
れることなく、センターポンチ１８、ブツシング
１９およびスリーブ２０の（第４図の場合はスリ
ーブ２０を引上げることによる）同時抜出しが可
能である。

その理由は次のように考えられる。第５図にお
いて、センターポンチ１８およびブツシング１９
を同時に、何れも高さｈだけ軸方向に引上げたと
したときの、センターポンチ１８の成形部１８ｂ
の外面１８b₁、およびブツシング１９の内面下端
１９ａを１点鎖線で示す。この場合、環状突起部
７の基部の外側面９ａ上の任意の点ｐは、軸方向
にほぼ直角に移動する、つまり天板４にほぼ平行
な点ｐを通る直線ｓが１点鎖線で示されるブツシ
ングの内面下端１９ａと交叉する点p′まで移動し
ようとする。

同様にして基部の内側面９ｂ上の、点ｐと点板
よりほぼ同じ高さにある点ｑは、天板４にほぼ平
行な点ｑを通る直線ｔが１点鎖線で示されるセン
ターポンチ１８の成形部外面１８b₁と交叉する点
q′まで移動しようとする。

ところで基部の内側面９ｂと軸方向のなす角θ₁
は、外側面９ａの軸方向のなす角θ₂よりも大き
い。従つて線ｔの点ｑ，q′間の長さは、線ｓの点
ｐ，p′間の長さよりも大きくなる。すなわち内側
面９ｂとセンターポンチ１８間の間隙幅（半径方
向の）は、外側面９ａのブツシング１９による移
動量（半径方向の）よりも大きくなる。この関係
は工具抜出しの初期から成り立つので、抜出し中
基部９は容易に半径方向内方に屈曲することがで
きる。

従つて外側面９ａに妨げられることなく、セン
ターポンチ１８およびブツシング１９を同時に、
スムースに抜出すことが可能になるものと考えら
れる。

まお上記抜出しがスムースに行なわれるために
は、環状突起部の先端部の内側面１０ｂには、半
径方向内方に斜下方に延びる部分がないことが望
ましい。

本発明は、以上の実施例によつて制約されるも
のでなく、例えばキヤツプ本体は金属よりなつて
いてもよい。

（発明の効果）本発明の容器蓋は、炭酸飲料等の内圧性飲料を
充填した容器の密封にも耐える、高いシール性を
確保でき、また封緘初期に、環状突起部の容器口
部への嵌入をスムースに行なうことができ、かつ
成形終了後の成形工具の同時抜出しが容易である
という効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例である容器蓋の縦断面
図、第２図は第１図のＡ部の拡大図面、第３図は
第１図の容器蓋を容器口部に封緘した状態を示す
縦断面図、第４図は第１図の容器蓋の環状突起部
の成形終了直後の状態を示す縦断面図、第５図は
第４図の成形終了直後の状態から成形工具を抜出
す過程を説明するための要部縦断面図である。１……プラスチツクキヤツプ（容器蓋）、２…
…キヤツプ本体（蓋本体）、２ａ……開口部、４
……天板、５……ライナー、７……環状突起部、
９……基部、９ａ……外側面、９ｂ……内側面、
１０……先端部、１０ａ……外側面、１０ｂ……
内側面。

Claims

【特許請求の範囲】

１蓋本体、および蓋本体の天板の内側に形成さ
れた、容器口部の内面をシールするための、開口
部の方に向かつて、すなわち下方に向かつて全体
的に円錐台形状に拡開した環状突起部を備えるラ
イナーよりなる容器蓋であつて、前記環状突起部
は、基部が半径方向外方に断面直線的に斜め下方
に延び、先端部が半径方向内側に向つて斜め下方
に延びる外側面、および全体として半径方向外方
に断面直線的に斜め下方に延びる内側面を有して
おり、内側面は基部の外側面よりも軸方向に対し
て大きな角度を形成して、半径方向外方に斜め下
方に延びていることを特徴とする容器蓋。