JPH0547189B2

JPH0547189B2 -

Info

Publication number: JPH0547189B2
Application number: JP59077181A
Authority: JP
Inventors: Koichi Takizawa; Mitsuo Kamata
Original assignee: Ajinomoto Co Inc
Current assignee: Ajinomoto Co Inc
Priority date: 1984-04-17
Filing date: 1984-04-17
Publication date: 1993-07-16
Also published as: JPS60221056A

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、アスパルテーム及びグリコシルステ
ビオシド類を配合した酸性低カロリー飲料に関
し、更に詳しくは、甘味の質及び強度において長
期間のシエルフライフを有する保存安定性の高い
酸性低カロリー飲料に関する。炭酸飲料に代表される酸性低カロリー飲料は、
近年のダイエツト、ヘルシーフード志向に対応し
て、砂糖に代え、アスパルテームやステビア等の
低カロリー甘味料を使用した製品としても急速に
普及する傾向がみられる。ところで、これらの酸性低カロリー飲料へのア
スパルテームやステビアの配合については、大別
して安定性及び呈味質に関する課題が存在する。
即ち、アスパルテームの場合、呈味質は十分満足
できるが、PHに依存して、特にPH４以下における
安定性が低い。また、ステビアについては、安定
性はPHの如何によらず高いが、呈味質において不
満足な結果しか得られない。アスパルテームの安定代への試みについては、
(1)PH調整（アスパルテームの安定PH領域は４〜
５）、(2)Ca又はMgイオン放出物質の添加（特開
昭50−77569）、(3)カプセル化（特開昭57−
202268、特公昭57−53063、特開昭59−14765）、
(4)カラメル溶液化（特開昭58−40067）、(5)金属複
合体化（特開昭58−162262、特開昭58−220668）、
(6)サイクロデキストリンの併用（特開昭59−
2671）等が既に知られており、更に(7)シヨ糖脂肪
酸エステルの併用（特願昭58−23459）、(8)レシチ
ンの併用（特願昭58−157508、特願昭58−
157509）等、種々の安定化への取り組みが行われ
ており、製品の官能特性に悪影響を与えることな
く、また、安全かつ簡便な手段によりアスパルテ
ームを安定化する方法の開発は、アスパルテーム
における最大の技術的課題として、その解決が希
求されている。また、ステビオサイドについては、その呈味質
改善への試みとして、(1)呈味改善物質の併用（特
公昭54−13498、特開昭52−122676、特開昭52−
125671、特開昭54−2381、特開昭55−26819、特
開昭55−88675、特開昭55−114271、特開昭56−
55174、特開昭55−127972、特開昭56−11772、特
開昭57−54575、特開昭57−138357、特開昭57−
150358、特開昭57−186459、特開昭58−40064、
特開昭58−216663等）、(2)グリコシル化（特開昭
54−5070、特開昭54−117077、特開昭56−99498、
特開昭57−43659、特開昭57−86266、特開昭58−
78562、特開昭58−94367、特開昭58−149697等）、
(3)グリコシル化物とパラチノース、還元麦芽糖水
あめの併用（特開昭58−31961、特開昭58−
141759）等が行われている。就中、グリコシルス
テビオシドは、その食品中への利用が注目されい
る。本発明者らは、低カロリー飲料に使用する低カ
ロリー甘味料の選定を行う中で、アスパルテーム
とグリコシルステビオシドの併用に着目し、酸性
飲料の実用系での利用性を実験・評価する中で、
２〜３の新たな課題に到達した。即ち、グリコシ
ルステビオシドは、単独配合は勿論、アスパルテ
ームとの併用系においても、呈味上満足な結果は
得られ難い場合が多い。更に、炭酸飲料系におい
ては、保存日数の経過に伴い、グリコシルステビ
オシド単独添加並びにアスパルテーム併用系のい
ずれにおいても、呈味性の低下がみられた。即
ち、従来、比較的安定とみられていた酸性溶液系
におけるグリコシルステビオシドの水解の由来す
るものと考えられる苦味、後甘味等が明確に感知
され、嗜好性が低下するとの全く新たな知見を得
た。従つて、アスパルテームとグリコシルステビオ
シドを低カロリー飲料へ配合する場合には、アス
パルテームの安定性、グリコシルステビオシドの
呈味質及び安定性という、３つの課題について、
総合的に解決することが、通常の流通経路によ
り、一定のシエルフライフを保証する上で必須の
要件となる。本発明者らは、これらの課題の総合
的解決について、検討を重ねる中で、別の全く新
たな知見であるPH依存によるアスパルテームの安
定性変化とは別に、炭酸ガスがアスパルテームの
安定化に寄与する点を加味しつつ、更に鋭意研究
を重ねた結果、アスパルテーム及びステビアのグ
リコシル化合物を特定の比率で配合する場合に、
長期間、甘味質、甘味強度共に満足できる酸性低
カロリー飲料を取得でき、就中、炭酸共存下にお
いて、極めて満足な結果が得られるとの知見に致
り、本発明を完成したものである。即ち、本発明は、アスパルテーム及びグリコシ
ルステビオシド類を甘味度比で１：１〜10：１の
割合で含有し、PHが２〜４であることを特徴とす
る低カロリー炭酸飲料である。本発明で、グリコシルステビオシドとは、前記
公開特許に記載された製法によるものをはじめと
して、製法の如何を問わず、ステビオシド、リバ
ウデオシド、ステビア抽出物等をグリコシル化し
たものであれば、夾雑物の有無等を問わずすべて
含まれる。アスパルテームとグリコシルステビオシド類と
の添加比率は、甘味度比で１：１〜10：１であ
る。甘味度は、PH、共存成分の種類、濃度等の要
因により変化するため、最終製品の規格に応じ
て、上記甘味度比の範囲に含まれるように設定す
る必要があるが、一般的には、重量比で、アスパ
ルテーム：グリコシルステビオシド類が約５：１
〜１：２であれば、甘味度比で上記範囲に含まれ
る場合が多い。アスパルテームに対するグリコシルステビオシ
ド類の比率が甘味度で１を越える場合、製造直後
の呈味質が苦味、好ましくない後味の発現により
損われる。また、この傾向は、保存により一層強
まり、通常のシエルフライフである。例えば３〜
６ケ月間保存の後には、嗜好的には全く好まれな
いものとなる。逆に、アスパルテームに対するグリコシルステ
ビオシド類の比率が１／10より少ない場合、アス
パルテームの保存による分解の進行に伴う甘味度
低下による嗜好性の低下、並びに、グリコシルス
テビオシド類の甘味度に占める比率の上昇、更
に、保存によるグリコシルステビオシド類自体の
甘味質の劣化が加わり、アスパルテーム100％の
製品等と比較しても、著しい嗜好性の低下がみら
れる。従つて、例えば６ケ月間等のシエルフライフの
全期間を通じて甘味度、甘味質ともに常に受容可
能とするためのアスパルテームとグリコシルステ
ビオシド類との甘味度比は、添加時において、
１：１〜10：１であり、好ましくは、７：３〜
９：１、更に好ましい至適範囲は7.5：2.5〜8.5〜
1.5である。本発明の対象となる飲料の具体例としては、炭
酸入りジユース、コーラ、サイダー、ジンジヤー
エール、ルートビア、炭酸入り乳酸飲料、炭酸入
り乳酸菌飲料、炭酸入りリキユール、炭酸入りワ
イン、その他の炭酸入り飲料類（缶入り、瓶入
り、パツク詰等その形態を問わない）が挙げられ
る。炭酸飲料のPHは２〜４であり、アスパルテーム
の安定化領域であるPH４〜５に含まれないPH２〜
４の範囲において、本発明の有効性が最も高い。本発明の炭酸飲料における炭酸以外の併用酸性
成分乃至はPH調整剤としては、クエン酸、リンゴ
酸、酒石酸、フマール酸、酢酸、乳酸等の各種有
機酸の他、リン酸等の無機酸も使用可能である。
前記した如く、炭酸の使用が、アスパルテームを
安定化し製品の甘味質、甘味度の安定保持に有効
である。この他の成分については、特に限定はない。即
ち、目的とする飲料の種類に応じて、PH２〜４並
びに上記アスパルテーム及びグリコシルステビオ
シド類の添加比率を保持可能な範囲内で、適宜選
択でき、例えば、アスパルテーム、グリコシルス
テビオシド類以外の甘味成分の含有も、本発明の
目的、効果を逸脱しない限り可能である。アスパルテーム及びグリコシルステビオシド類
の飲料への添加方法についても特に限定はない
が、例えば、予めアスパルテーム（及びグリコシ
ルステビオシド類）を可溶可する（例えば、プレ
ミツクスの調整、賦型剤と混合乃至は造粒する
等）、加熱履歴の可及的に少ない製法による（例
えば、加熱工程終了後又は途中で添加する）等を
組合せることにより、作業性、安定性の向上を図
ることが可能となる。次に実施例により本発明を更に説明する。実施例１砂糖使用サイダー（砂糖10ｇ、クエン酸0.125
ｇ、クエン酸ナトリウム0.025ｇ、サイダーエツ
センス0.1mlを水に溶解し100mlとする）及びその
砂糖部分をアスパルテームとグリコシルステビオ
シド（「α−Ｇスイート」）の甘味度比を評価結果
表のように振らせたサイダーをカーボネートを用
いて調整した。調整したサイダーは甘味の強さが
砂糖10ｇ／dlとすべて同等でPH3.1である。つぎに調整したサイダーを常温で長期間保存
し、砂糖使用サイダーをコントロール（対照品）
として「甘味の好ましさ」、「甘味の強さ」及び
「嗜好」をパネル20名で評点法により評価した。

【表】

〔クエン酸、ｄ−酒石酸、dl−リンゴ酸、フマール酸の混合品〕

天然果汁粉末 1g／dl オレンジジユース 0.1 〃着色料 0.01 〃（PH 2.8）

【表】

Claims

【特許請求の範囲】

１アスパルテーム及びグリコシルステビオシド
類を甘味度比で１：１〜10：１の割合で含有し、
PHが２〜４であることを特徴とする低カロリー炭
酸飲料。