JPH0546876Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、可撓性回路基板の所要個所に穴を打
抜く為の金型装置に関するもので、更に詳細にい
えば、金型加工性の向上化と重量低減化とを図る
ことにより、種々の穴打抜き態様に好適に対応で
きるように構成した可撓性回路基板の為の穴打抜
き用金型に関する。

「従来の技術」 可撓性回路基板の所要個所に穴を打抜く為のこ
の種の穴打抜き用金型装置は、下型を構成するダ
イスホルダー上のダイスに穴を打抜くべき可撓性
回路基板を配置し、一方、パンチホルダーに装着
されて所要数のパンチを配装したパンチプレート
を有すると共に該パンチプレートの下方部位に於
いて上記各パンチを嵌挿支持するストリツパーを
備えた上型の下降動作により該ストリツパーと上
記ダイスとで可撓性回路基板を挟持した状態で前
記パンチの作用により可撓性回路基板の所要位置
に穴を穿設すべく構成されている。斯かる穴打抜
き用金型装置に於いて、加工精度若しくは機械的
強度を差程要求されないような上型のパンチホル
ダー又は下型のダイスホルダー若しくはその双方
を一般的なアルミニウム合金部材で構成すること
は実施されている。

「考案が解決しようとする課題」 可撓性回路基板の為のこの種の穴打抜き用金型
装置に於いて、加工精度及び機械的強度を要求さ
れる下型のダイス並びに上型のパンチプレート及
びストリツパー等は、S55C等の鋼材を使用して
構成するのが一般である。しかし、斯かる構成部
材は、穴を打抜くべき可撓性回路基板の種類に応
じて交換する必要があるが、その為には製品毎に
打抜くべき穴の位置、穴径及び穴数等に対応させ
て金型を個別に製作する必要がある。

このような場合、従来の金型材料を使用してこ
れら金型の構成部材に対して穴あけ加工やワイヤ
ーカツト加工を施す為には長時間を要し、また、
それら金型重量もかなりのものであつて作業性を
阻害し、これらはコスト高の要因となる。

「課題を解決するための手段」 本考案は、上記の如き可撓性回路基板の為の穴
打抜き用金型装置に於いて、金型重量の軽減化と
金型加工時間の短縮化とを図ることにより従来の
諸問題を好適に解消するようにした可撓性回路基
板の穴打抜き用金型を提供するものである。

この目的を達成する為に本考案では、ダイスホ
ルダーに交換自在に装着したダイスを備えた下型
と、パンチホルダーに装着され且つ可撓性回路基
板の所要個所に穴を穿設する為の所要数のパンチ
を配装したパンチプレートを有すると共に該パン
チプレートの下方部位で上記各パンチを嵌挿支持
するストリツパーを備えた上型とを具備し、該上
型の上昇状態で上記ダイスと該ストリツパーとの
間に可撓性回路基板を配置して上型の下降動作に
応じて上記パンチにより可撓性回路基板の所要個
所に穴を穿設するようにした可撓性回路基板の打
抜き用金型に於いて、上記パンチを除く上記上型
及び下型の上記ダイスホルダー、ダイス、パンチ
ホルダー、パンチプレート及びストリツパーを高
強度のアルミニウム合金部材で構成したものであ
る。斯かるアルミニウム合金部材の採用によつて
良好な作業性を確保しながら所要金型加工時間を
従来の略三分の一に短縮することが可能である。

「実施例」 以下、第１図及び第２図に示す実施例を参照し
ながら本考案を更に詳述すると、４及び５は下型
を構成するダイス及びダイスホルダーであつて、
ダイス４は適数本のボルト１２によりダイスホル
ダー５に適宜交換可能に取付けられている。上型
は、最上部のパンチホルダー１の下面にボルトで
取外し自在に装着したパンチプレート２を有し、
該パンチプレート２には、可撓性回路基板に打抜
くべき穴の位置、穴径及び穴数に対応した個所に
所要数のパンチ６を植設してあり、また、パンチ
プレート２の下方部位にはそれらパンチ６を嵌挿
支持すると共にストリツパーガイド７で案内規制
されるストリツパー３を配装し、このストリツパ
ー３はパンチプレート２との間に適数個所配設し
た弾圧バネ１１によりダイス４方向への付勢力を
受けており、斯して上型の主要構造が構成されて
いる。なお、８は穴を打抜き形成すべき可撓性回
路基板に対するガイドピンであつて、ストリツパ
ー３とダイス４との間に配装されており、また、
９は上型全体を下型に対して昇降動可能に配装す
る為に、パンチホルダー１の両端に固設され且つ
ダイスホルダー５に対して進退動自在に装着した
パイロツトを示し、上型は該パイロツト９に装着
した復帰用スプリング１６の弾圧力によつて常時
上方に復帰する付勢力を与えられている。

一方、第２図に於いて、１０はストリツパー３
とダイス４との位置決め用ガイド、１３はパンチ
プレート２をパンチホルダー１に交換可能に取付
ける為のボルトを示し、また、１４及び１５は、
ストリツパー３の弾圧用バネである。

上記構成に於いて、各パンチ６、ストリツパー
ガイド７、パイロツト９並びに位置決め用ガイド
１０は従前同様にS55Cからなる部材で構成する
が、上型を構成するパンチホルダー１、パンチプ
レート２及びストリツパー３に加えて、下型とな
るダイス４及びダイスホルダー５に関してはこれ
らを高強度アルミニウム合金部材で形成し、以つ
て装置全体の大幅な軽量化を図り、同時にこれら
パンチプレート２、ストリツパー３、ダイス４及
びダイスホルダー５に対する所要の穴あけ加工や
ワイヤーカツト加工と等を短時間で処理可能に
し、また、製品の種別に応じたそれら部品の交換
処理も可及的に軽減化出来るように構成したもの
である。

装置部品の軽量化及びその加工容易性を図る為
の高強度アルミニウム合金部材は、高い機械的強
度、高切削性による加工容易性並びに低残留応力
に基づく精密加工上の高寸法安定度等の諸特性を
備えたAl−Zn−Mg−Cuを含有する7000系のア
ルミニウム合金の採用が好適である。このような
高強度アルミニウム合金部材の標準的な機械的諸
元は引張強度58Kg／mm²、0.2％の耐力51Kg／mm²、
1.6mm板厚の伸び11％、ブリネル硬度150Kg／mm²、
剪断強度34Kg／mm²、疲れ強さ16Kg／mm²並びに縦弾
性係数730を備えるものである。

「考案の効果」 本考案に係る可撓性回路基板の穴打抜き用金型
の装置は、以上のとおり、下型のダイスホルダー
及びダイス並びに上型のパンチホルダー、パンチ
プレート及びストリツパーを高強度アルミニウム
合金部材で構成したので、少なくとも次の効果を
具備する。

可撓性回路基板に所要の穴を打抜くための交換
自在な上記金型部品を従来と同程度の打抜き回数
を確保させ且つ所定の精度と機械的強度を具備さ
せながら軽量化でき、従つて金型装置全体の大幅
な重量軽減化を図れる。

これら金型部品の穴あけ加工及びワイヤーカツ
ト加工に要する処理時間を従前の略三分の一程度
に短縮できる。

従つて、種々の可撓性回路基板の穴あけ仕様に
迅速に対応可能である。

金型部品の軽量化により、製品仕様に応じたそ
れら部品の交換処理も格段に安全・容易化できる
ので、その波及効果は顕著である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る可撓性回路基板の打抜き
用金型装置の概念的な断面構成図、そして、第２
図はその要部の概念的な断面構成図を示すもので
ある。 １……パンチホルダー、２……パンチプレー
ト、３……ストリツパー、４……ダイス、５……
ダイスホルダー、６……パンチ、７……ストリツ
パーガイド、８……製品ガイドピン、９……パイ
ロツト、１０……位置決め用のガイド、１１……
弾圧バネ、１６……上型復帰スプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ダイスホルダーに交換自在に装着したダイスを
   備えた下型と、パンチホルダーに装着され且つ可
   撓性回路基板の所要個所に穴を穿設する為の所要
   数のパンチを配装したパンチプレートを有すると
   共に該パンチプレートの下方部位に於いて上記各
   パンチを嵌挿支持するストリツパーを備えた上型
   とを具備し、該上型の上昇状態で上記ダイスと該
   ストリツパーとの間に可撓性回路基板を配置して
   上型の下降動作に応じて上記パンチにより可撓性
   回路基板の所要個所に穴を穿設するようにした可
   撓性回路基板の打抜き用金型に於いて、上記パン
   チを除く上記上型及び下型の上記ダイスホルダ
   ー、ダイス、パンチホルダー、パンチプレート及
   びストリツパーを高強度のアルミニウム合金部材
   で構成したことを特徴とする可撓性回路基板の打
   抜き用金型。