JPH0546555Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） この考案は、長距離走行ができるようにした、
スクータ型車両の補助燃料タンク装置に関する。

（従来の技術） スクータに代表されるスクータ型車両は、シー
ト前方を深く湾曲させたレイアウトを持ち、エン
ジンその他の機器は主に車体後部に配置される。
従つてスペース的に窮屈で、特にヘルメツトを収
納できるような大きな収納ボツクスを備えたもの
では、燃料タンクを大きくすることがむづかし
く、無給油で遠距離を走行できるのに充分な容量
を確保できない、という問題がある。

（考案が解決しようとする問題点） このようにスクータ型車両は、燃料タンクの容
量が小さく遠距離走行には不向きである、という
問題に鑑み、この考案は、必要に応じて補助燃料
タンクを搭載して無給油で遠距離走行ができるよ
うにしたスクータ型車両の補助燃料タンク装置を
提供することを目的とする。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） 上記の目的を達成するため、この考案のスクー
タ型車両の補助燃料タンク装置はシート下に収納
ボツクスを備えたスクータ型車両において、収納
ボツクス底面に補助燃料供給パイプを接続したソ
ケツト孔を開設して備えると共に、このソケツト
孔に接続される流出ノズルを持つ補助燃料タンク
を収納ボツクス内に着脱自在に収納し、上記流出
ノズルとソケツト孔を接続したときに形成される
補助燃料供給通路の適所に、この補助燃料供給通
路を開通、遮断する開閉バルブ装置を設けた構成
にする。

（作用） このように構成したので、普段収納ボツクス
は、ソケツト孔をプラグあるいはキヤツプで塞い
で置き、ヘルメツトその他の収納携行に用いる。
遠距離走行の場合には、収納ボツクス内に補助タ
ンクをセツトし、ソケツト孔に流出ノズルを接続
することによつて補助燃料供給通路が準備され
る。主燃料タンクの燃料を消費したところで開閉
バルブ装置を操作して補助燃料を供給し、走行を
継続できる。

（実施例） 以下この考案の実施例を示す図に就いて詳しく
説明する。

第１図はスクータの側面図で、ハンドル３で操
舵される前輪１とエンジン４で駆動される後輪２
を前後に配し、後上部のシート５とハンドル３と
の間を深く湾曲させてステツプボート６を配し、
シート５下方をボデイカバー７で被覆した形状を
持つ。

エンジン４は後輪２と一体にユニツトスイング
型式になり、リヤスイングユニツト８を介して緩
衝懸架される。９はキヤブレタを示す。

前記ボデイカバー７内にはヘルメツト１１など
を収納できる収納ボツクス１０が配置され、さら
に燃料タンク１２などが配置される。シート５は
開閉自在で、収納ボツクス１０や燃料タンク１２
注入口１３部を閉じる蓋代わりになつている。燃
料タンク１２底からは燃料供給パイプ１４が導出
されてキヤブレタ９のフロート室に接続される。

次に、収納ボツクス１０の底面１０ａには、第
２図、第３図にも示すように、ソケツト孔１５が
開口して備えられる。ソケツト孔１５下端からは
補助燃料供給パイプ１６が導出されて上記燃料パ
イプ１４に接続している。このソケツト孔１５は
常時はキヤツプ２８で閉塞される。

一方、収納ボツクス１０内に嵌合する形状の補
助燃料タンク１７が備えられ、補助燃料タンク１
７は収納ボツクス１０内にがたつくことなく安定
的に着脱自在に収納される。補助燃料タンク１７
底面には、第３図に示すように、流出ノズル１８
が突設されていて、補助燃料タンク１７を、収納
ボツクス１０内にセツトすると同時に、流出ノズ
ル１８とソケツト孔１５が接続して補助燃料供給
通路に形成されるようになつている。

流出ノズル１８の上端部には、上向きの弁口１
９があり、その上にスプリング２１によつて浮上
つたボールバルブ２０が配置される。ボールバル
ブ２０の上面には補助燃料タンク１７を貫通した
プツシユロツド２２の下端が接する。プツシユロ
ツド２２の圧下によりボールバルブ２０は弁口１
９を閉じ、圧下を弛めるとスプリング２１の作用
で弁口１９を開く（第３図の状態）。

弁口１９の上方は通孔２３，２４によつてタン
ク内に通じ、弁口１９が開くと、流出ノズル１８
から補助燃料が流出する。

プツシユロツド２２の圧下、浮上はねじ機構、
カム機構などによつて行われる。２５はその操作
部材を示し、タンク上面に突設される。２６は注
入口、２７は把手を示す。

遠距離走行のときは、キヤツプ２８を外し、補
助燃料タンク１７を収納ボツクス１０内に積み込
んで、ソケツト孔１５に流出ノズル１８を接続す
る。このとき弁口１９は閉じたままで置く。この
まま相当距離を走行した後、燃料タンク１２の燃
料がなくなつたときを見計つて、弁口１９を開い
て補助燃料に切替える。無給油で走行距離が大巾
に延長される。

なお流出ノズル１８をソケツト孔１５に接続す
ることによつて弁口が開くようにすることもでき
る。この場合は燃料供給パイプ１４と補助燃料供
給パイプ１６の接続部に切換コツク２９を設け
る。

こうして、収納ボツクスに補助燃料タンクをセ
ツトするだけで長距離走行に備えることができ、
常態では補助燃料タンクを外して軽量な装備で、
かつ収納ボツクスを用いて便利に走行できる。

〔考案の効果〕

以上の通り、この考案に係るスクータ型車両の
補助燃料タンク装置は、収納ボツクス底面にソケ
ツト孔を開設し、このソケツトに接続する流出ノ
ズルを設けた補助燃料タンクを収納ボツクスに出
し入れ自在に備えたもので、必要時に補助燃料タ
ンクを収納ボツクスに収納して長距離走行を可能
にし、通常時は補助燃料タンクを外して収納ボツ
クスを本来の用途に戻して身軽に走行でき、車両
としての使途範囲を拡大する効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を示すスクータの側
面図、第２図は同収納ボツクス部の拡大した断面
図、第３図は同第２図Ａ部詳細を示す断面図であ
る。 ５……シート、７……ボデイカバー、４……エ
ンジン、９……キヤブレタ、１０……収納ボツク
ス、１２……燃料タンク、１４……燃料供給パイ
プ、１５……ソケツト孔、１６……補助燃料供給
パイプ、１７……補助燃料タンク、１８……流出
ノズル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シート下に収納ボツクスを備えたスクータ型車
   両において、収納ホツクス底面に補助燃料供給パ
   イプを接続したソケツト孔を開設して備えると共
   に、このソケツト孔に接続される流出ノズルを持
   つ補助燃料タンクを収納ボツクス内に着脱自在に
   収納し、上記流出ノズルとソケツト孔を接続した
   ときに形成される補助燃料供給通路の適所に、こ
   の補助燃料供給通路を開通、遮断する開閉バルブ
   装置を設けたことを特徴とするスクータ型車両の
   補助燃料タンク装置。