JPH054630Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （従来の技術） 北海道等の寒冷地においては、冬期に水道管内
の水が凍結することが多い。これに対する対策と
して、長時間外出する時や就寝前に、管内の水を
抜いて凍結深度以下の地中に排出する水抜栓が考
案され、寒冷地では大多数の家庭で使用されてい
る現状である。

一般的な集合住宅における配管は、第１図に示
すように、凍結深度以下にある水道管１は、排水
弁２を有する水抜栓３に接続され、水抜栓３は立
上り管４に接続され、立上り管４は１階の量水器
５、水抜バルブ６、蛇口７に接続し給水される。
また２階には立上り管４から１階と同様に量水器
８、水抜バルブ９、蛇口１０を経て給水される。
１１は排水管である。

長時間外出する時や就寝時には、水抜栓３を操
作して立上り管４内の水を凍結深度以下の地中に
排出する。しかし水抜バルブ６から蛇口７に至る
水、水抜バルブ９から蛇口１０に至る水は、水抜
バルブ６，９を操作して排水管１１から凍結深度
以下の地中に排出する。水抜栓３はいわば元栓で
あり、水抜バルブ６，９は支栓である。

水抜バルブのハンドルには丸ハンドル、横ハン
ドル、縦レバー等が用いられており（水抜栓のハ
ンドルも同様である）、丸ハンドル、横ハンドル
は水平方向に廻すようにせられ、縦レバーは縦方
向に動かすようにせられている。水平方向に廻す
丸ハンドル、横ハンドルの公知品は、時計方向に
廻すべきか、反時計方向に廻すべきかについて一
見して明らかでなく、また現在給水状態になつて
いるか、止水状態になつているかについても、一
見して明らかではない。また水抜バルブの設置場
所が壁に近い場合、手やレバーが壁に当たること
を避けるため、居住性からみて便利な位置に設け
ることができないこともあつた。本考案は前記公
知品の欠点を除去した水抜バルブを提供すること
を目的とする。

（問題を解決するための手段） 本考案は上記目的を達成するため下記の構成と
した。以下添附図面に示す一実施例につき更に詳
細に説明する。

図中１２は水抜バルブ本体であり、１３は流入
口、１４は流出口、１５は排出口であり、排出口
１５は排水管１１に接続する。１６はピストンで
あり、１７，１８，１９，２０はピストン１６に
装着したＯリングである。２１はピストン１６を
吊るピストン吊りである。以上の点はいずれも公
知である。

本考案の新規な点は以下のとおりである。２２
はレバーであつて、第８図に示すごとく、Ｌ字状
板体部２３と円筒状把手２４から成り、Ｌ字状板
体部２３には、底辺の基部に小孔２５を、底辺の
先端に近く小孔２６を穿設している。

２７はスピンドルであつて、第９図に示すごと
く上部２８は円筒形であり、これに垂直の長溝２
９を穿設して左右に分割し、かつ逆コ字形の切欠
３０を設けており、頂部３１，３１には小孔３
２，３２を穿設している。下部はくびれ部３３と
円柱部３４となつている。

ピストン吊り２１は第１０図に示すごとく、ス
ピンドル２７のくびれ部３３と円柱部３４に係合
し得る中空部３５を設け、ピストン１８にピン３
６により係合し得るようピン穴３７を設けてい
る。

３８は頭部であつて、第１１図、第１２図に示
すごとく、円筒形の外形に鍔部３９を設けてお
り、また垂直方向の縦溝４０と水平方向の横溝４
１を穿設し、内部は中空であるが、内部上方４２
の内径は内部下方４３の内径よりも小である。支
点ピン４４はレバー２２の小孔２５に挿通するピ
ンであり、ピン４５はレバー２２の小孔２６とス
ピンドル２７の小孔３１，３１を挿通するピンで
ある。４６は頭部３８の下部に縦溝４０と直角方
向に穿設した小孔である。４７は取付ユニオン、
４８は袋ナツトである。

本考案品を組立てる際には、ピストン１６にピ
ストン吊り２１をピン３６で係合し、これを水抜
バルブ本体に収容し、取付ユニオン４７を取付け
る。次にレバー２２の小孔２５に支点ピン４４を
装着し、頭部３６の横溝３９から支点ピン４４を
挿入して、レバー２２を内部に収容する。次にレ
バー２２を第２図の位置に倒す。このとき頭部３
８の小孔４６と、レバー２２の小孔２６とは一直
線となり、さらにスピンドル２７を係合させて、
その小孔３１，３１を一直線とし、外側からピン
４５を挿入して、レバー２２とスピンドル２７を
係合させる。ピン４５の長さは頭部３６の内部上
方４２の内径よりも小にしているので、頭部３８
には係止されない。かくてスピンドル２７のくび
れ部３３、円柱部３４を、ピストン吊り２１の中
空部３４に係合させ、袋ナツト４６を取付けて組
立を終る。

（作用） 本考案品の作動態様は次のとおりである。第２
図は止水時の状態であるが、給水を開始しようと
するときはレバー２２を矢印方向に廻動する。レ
バー２２は縦溝４０によつて運動を制限されてお
り垂直方向に180度回転するに止まる。かくて第
３図の状態を経て第４図の状態となる。この間支
点ピン４４は横溝４１に沿い同一平面を第５図、
第６図、第７図のように移動する。従つて支点ピ
ン４４の高さは変らない。しかしピン４５の位置
は、第２図から第３図、第４図と次第に高くな
る。この高くなつただけ、ピストン１８は上に移
動する。かくて第４図の状態となつたときは、水
はＯリング２０に阻止されて排水口１５へは導か
れず、もつぱら流出口１４に導かれて給水され
る。

長時間外出する時や就寝時にはレバー２２を逆
方向に廻動すると第２図の状態となる。流入口１
３側の水はＯリング１７，１９に阻止され、流出
口１４には導かれない。一方流出口１４から蛇口
までの水は排出口１５から排出し、凍結深度以下
の地中に排出される。

（効果） 本考案品は上記の構成を有し、上記の作動をす
るので、給水、止水の作動を確実に果たすだけで
なく、その作動はレバー２２を垂直方向に☆180
度回転させるものであるから、頭部３８の表面に
矢印と「給水」「止水」の文字を書き込んでおけ
ば、現在が給水状態なのか止水状態なのか一見し
て明らかにすることができ、またレバー２２の動
きが小さいので、どの様な場所にも設置できるの
で、公知品の欠点を全部排除する効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般的な集合住宅における配管を示す
略図。第２図は本考案品の正断面図であつて、止
水時の状態を示す。第３図は本考案品の正断面図
であつて、レバー操作の中間の状態を示す。第４
図は本考案品の正断面図であつて、給水時の状態
を示す。第５図は第２図の場合の支点ピンの位置
を示す断面図。第６図は第３図の場合の支点ピン
の位置を示す断面図。第７図は第４図の場合の支
点ピンの位置を示す断面図。第８図はレバーの斜
面図。第９図はスピンドルの斜面図。第１０図は
ピストン吊りの斜面図。第１１図は頭部の斜面図
であつてＡ，Ｂは異なる角度から見たもの。第１
２図は頭部を縦溝に沿い切断して示す斜面図。 ２２……レバー、２３……Ｌ字状板体、２４…
…把手、２５……小孔、２６……小孔、２７……
スピンドル、２９……長溝、３０……逆コ字状切
欠、３２……小孔、３８……頭部、４０……垂直
方向の縦溝、４１……水平方向の横溝、４４……
ピン、４５……ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 流入口、流出口、排水口を有する本体に四個の
   Ｏリングを環装したピストンを収容し、該ピスト
   ンをピストン吊りに接続したものにおいて、ピス
   トン吊りに外形円筒形であつて垂直の長溝２９を
   穿設し、逆コ字状の切欠３０を設け、頂部に小孔
   ３２，３２を設けたスピンドル２７と接続せし
   め、底辺基部に小孔２５，２６を有するＬ字状板
   体２３と把手２４から成るレバー２２とスピンド
   ル２７とをピン４５により連結し、円筒形の外形
   で内部は中空とし、垂直方向の縦溝４０と水平方
   向の横溝４１を有する頭部３８を冠装し、小孔２
   ５にピン４４を取付けて該ピンを横溝４１に沿い
   水平移動をなさしめるようにして成る水抜バル
   ブ。