JPH05462A - 軽量複合成形物の製造方法 - Google Patents

軽量複合成形物の製造方法

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JPH05462A
JPH05462A JP3254289A JP25428991A JPH05462A JP H05462 A JPH05462 A JP H05462A JP 3254289 A JP3254289 A JP 3254289A JP 25428991 A JP25428991 A JP 25428991A JP H05462 A JPH05462 A JP H05462A
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JP3254289A
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Shiro Yamamoto
至郎 山本
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 重量に比して機械的物性の良好な軽量コアを
含む軽量複合成形物の合理的な製造方法を提供する。 【構成】 成形時の加熱により発泡膨張可能な繊維ウエ
ブ又は紙状物を作り、これをフォーム、シンタクチック
フォーム、バルサ材等の軽量コア材あるいは軽量コア材
形成材料の周囲又は両面に配置し、金型に入れ、樹脂を
含浸させて加熱成形することにより、上記粒子を発泡さ
せつつ成形して軽量複合成形物を製造する。この際上記
ウエブ又は紙状物の外周に補強繊維織物等を積層して樹
脂と共に成形することにより、表皮がFRPのサンドイ
ッチ材が製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軽量コアを含む複合成
形物の製造方法に関する。更に詳しくは、加熱により発
泡膨張する繊維ウエブ又は紙状物と軽量コアとを含む軽
量でかつ機械的性質にすぐれた樹脂成形物を工業的に製
造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】多孔質の樹脂成形物は、軽量材料として
そのままもしくは他の材料と組み合わせて、例えば樹脂
又は繊維補強樹脂からなる表皮材と組み合わせたサンド
イッチ材として、各種構造材料、航空宇宙用材料、スポ
ーツ用品、その他の分野に盛んに用いられている。
【0003】かかる多孔質の樹脂成形物は、従来、工業
的には発泡性樹脂を用いて成形(発泡成形)されてい
る。この方法は、(1)加熱又は減圧すると発泡する樹
脂又はその原料を金型に入れて成形する方法、(2)こ
れらの樹脂の特定のものを粒子状に発泡成形し(一次発
泡体)、これを金型に入れて更に膨張させ(二次発泡)
成形する方法、に大別される。
【0004】これをサンドイッチ材等の軽量構造体にす
る方法としては、上述の方法で得た発泡成形物を、表皮
材料例えば予め成形した繊維補強樹脂成形物(以下、必
要に応じてFRPと略称する)と貼り合わせるか、発泡
成形物をプリプレグ等で覆って成形するか、予め成形し
たFRP製外殻中空体に発泡性樹脂を注入して発泡成形
するのが普通である。
【0005】近年、これらの方法の改良として、発泡膨
張を用いた内圧成形や熱膨張性成形物を多孔質コアの素
材として用いる方法も提案されている(例えば特開平1
―255530号、特開昭63―162207号)。
【0006】これらの方法を更に改良した方法として、
本発明者らは先に加熱により発泡膨張する粒子と液状の
硬化性樹脂を用いたサンドイッチ材の成形方法に関する
提案を行った(特願平1―179830号、特願平1―
255305号、特願平1―229425号、特願平2
―095069号、特願平2―235796号)。この
中には非膨張性のフォームコアと表皮補強用の繊維材料
との間に樹脂と発泡膨張する粒子とこの粒子を通さない
が樹脂を通す膜(分離層)とを位置させて成形する方法
も含まれる。
【0007】このような発泡膨張する粒子を用いる方法
には多くの利点があり、工業的に好ましい方法である
が、成形時に発泡膨張して軽量化した粒子が浮上して、
得られる成形物中に偏在化するなど、全ての場合に好適
とは言い難い問題を残している。また、発泡膨張を行う
成形にあっては、発泡膨張する粒子を用いる場合を含め
て、伝熱問題から特に厚物の場合に均一な成形物を得る
ことが難しいという問題がある。このため非膨張性の多
孔質コアと発泡性粒子を併用して成形する方法も提案さ
れているが(特開平3―45315号)、これらの場合
を含めて発泡膨張する粒子とコアを予め金型に収めて樹
脂を注入する場合には樹脂流によって粒子が移動するこ
とが多く、成形物内部の不均一性の問題はさけられな
い。
【0008】また、近年、発泡膨張するフイルムが開発
されている。これを発泡膨張する粒子の代わりに用いる
ことも考えられるが、これらは通常、溶融して表皮材や
コアと溶け合うか接着させる必要がある。しかるに、溶
融すれば発泡により生じた気泡は収縮し、また接着させ
る場合、両者を接着するのに適した接着剤が稀であるた
め接着剤の選択が難しい。さらに、接着するには接着剤
により界面付近の溶解が好ましいが、その付近が溶け合
えば発泡により生じた気泡が収縮し易いのは上記の場合
と同様である(例えば特開平1―95032号参照)。
【0009】また、フォームコア、シンタクチックフォ
ームコアを用いた成形物は、コアの強度や接着が成形物
の物性に影響を与え、成形物の形状次第では問題を残
し、コアを補強する等の対策が必要となる(例えば、特
開平1―110943号、特開平1―110944号、
実開平2―104226号等参照)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明において解決し
ようとする課題は、上述の如き問題を解決し、しかも比
較的安価でかつ容易に均一性及び機械的性質の良好な軽
量複合成形物を製造する方法を提供することである。こ
れは中間素材を経由した簡便な方法であり、発泡膨張す
る粒子の好ましくない偏在化を避け得る等の長所を持つ
ものである。更に具体的には、加熱により発泡膨張可能
な繊維ウエブ又は紙状物と軽量コア又はその原料を併用
してサンドイッチ材を成形するに際して、発泡した軽量
粒子の発泡浮上を抑制すると同時に多孔質(フォーム)
部を部分的に補強された多孔質コアに置き換えた物性の
優れた軽量複合材料を低コストで作業性良く製造する方
法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明はこれらの課題を
解決するもので、発泡膨張可能な繊維ウエブ又は紙状物
を作り、このウエブ及び/又は紙状物と軽量コアとを併
用して、これらと樹脂から軽量複合成形物を製造するこ
とを特徴とする方法であり、特に、加熱により発泡膨張
可能な粒子を含んだ繊維ウエブ及び/又は紙状物と軽量
コア又はその原料を、これら単独又はこれらの外側に補
強繊維材料を存在させて、金型に収め、樹脂の存在下に
加熱し、上記ウエブ又は紙状物中の粒子を発泡膨張させ
つつ内圧成形することを特徴とする軽量複合成形物の製
造方法である。
【0012】本発明方法で使用する加熱により発泡膨張
可能な繊維質ウエブ又は紙状物(以下、単に「ウエブ」
と総称する)は、加熱により発泡膨張する粒子と短繊維
又はフィブリルとから、あるいはそれ自体が加熱により
発泡膨張する短繊維又はフィブリルから、湿式法、乾式
法の何れによっても製造することができる。乾式法によ
るウエブ化の代表的なものは短繊維を用いたカード又は
ランドウエバーによるウエブ化である。本発明の目的か
らはカード又はランドウエバー上りのウエブのままでも
用いられるが、更にニードルパンチングしたものが一層
好ましい。発泡膨張可能な粒子を用いる場合、該粒子は
カードにかける際又は途上で加えるか、ニードルパンチ
ングを行う際に加えることができる。かかるウエブの製
造法自体は、例えば米国特許第3,676,288号明
細書、英国特許第1,427,647号明細書等に記載
されている。
【0013】湿式法の代表的な例はスラリー化法であ
り、短繊維、フィブリルあるいはフィブリッドを水中に
分散させて稀薄なスラリーとした後、濾別や沈殿させて
合成紙状のウエブとする。一般に濾別する方が好まし
く、発泡膨張可能な粒子を加える場合はスラリー化する
際に加えるのが普通である。
【0014】発泡膨張可能な粒子と併用しウエブとなす
べき短繊維、フィブリル又はフィブリッドの素材は、ポ
リエステル、ポリアミドことにアラミド、ポリアクリロ
ニトリル、ポリオレフィン、ビニル重合物等全ての重合
体が挙げられ、フィブリッドのいわゆる重合型のもの
(重合時にフィブリッドの得られるもの)ではポリオレ
フィン特にポリエチレン、アラミド特にポリパラフェニ
レンテレフタルアミド等が挙げられる。当然ながらこれ
らの混合物でもよい。
【0015】本発明で用いる短繊維は、通常の短繊維で
あり、ウエブ化するのに適した長さと直径を持つ物であ
る。適当な長さと直径は採用するウエブ化の手法により
異なるが、通常は直径1〜50μm、特に4〜20μm
程度が好ましく、長さは1〜50mm、特に5〜20mmが
好ましい。
【0016】本発明で用いるフィブリルとしては、枝分
かれのある短繊維や叩解細分割した繊維が挙げられる。
これらは例えば特公昭61―42004号や特公昭60
―56801号に記載の方法等によるものが好ましい場
合が多い。また、フィブリッドとしては特公昭35―1
1851号、特公昭37―5732号記載の方法による
合成フィブリッドや天然のパルプも用いられる。フィブ
リル又はフィブリッドを用いる場合には、湿式法により
ウエブ又は紙状物とすることが好ましいのが普通であ
る。これらの叩解度(濾水度)はショッパーリグラー法
基準で80°SR以下、好ましくは50°SR以下のも
のを用いる。濾水度がこれより大きなものは本発明方法
の原料としては扱い難いことがある。湿式法では、短繊
維とフィブリルまたはフィブリッドとを併用することも
できる。
【0017】一方、加熱により発泡膨張可能な粒子(以
下、発泡性粒子と略称することがある)としては、ポリ
塩化ビニリデン、ポリアクリルニトリル、ポリフェニレ
ンオキサイド等又はこれらの共重合体、混合体を主とし
た熱可塑性重合体粒子中に炭化水素やハロゲン化合物等
の気泡発生材料を含んだもの、例えば松本油脂製薬社の
「マイクロスフェア」やエクスパンセル社の「エクスパ
ンセル」、ポリスチレンと発泡剤からなる積水化成品社
の「エスレンビーズ」等が挙げられる。また発泡剤を含
んだ樹脂の粉砕物例えばABS樹脂に発泡剤を加えた共
和化成社の「ポリスレン」の粉末等も用いられる。さら
には無機発泡剤でもよい。
【0018】この発泡性粒子は、成形物の形状と構成に
もよるが、発泡膨張成形の目的も含めて用いるもので、
加熱成形に際して少くとも5%は体積膨張するものであ
ることが好ましく、特に10%以上の体積膨張するもの
であることが好ましい。
【0019】短繊維、フィブリル、フィブリッド等と発
泡性粒子との割合は概ね短繊維(又はフィブリル又はフ
ィブリッド)/発泡性粒子の重量比が5/1ないし1/
5程度とするのが好ましい。
【0020】これらをウエブ化又は紙状物化する場合に
は、発泡性粒子等の他に各種の材料を目的に従って加え
ることもできる。例えば無機粉末、無機粒子等を混合す
ることもできる。
【0021】本発明方法ではそれ自体が加熱により発泡
膨張する短繊維、フィブリル又はフィブリッドを用いて
発泡膨潤可能なウエブを形成してもよい。このような短
繊維、フィブリル又はフィブリッドは、通常、発泡材料
(例えば有機又は無機の発泡剤、発泡性粒子等)を混合
した樹脂から公知の方法により繊維化、フィブリル化等
を行うことにより得られる。樹脂としては、繊維形成性
の熱可塑性樹脂が好ましく、具体的には、発泡剤(アゾ
ジカルボンアミド等)を混入したABS樹脂、ポリオレ
フィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等が好適に用いられ
る。しかし、繊維、フィブリル等の形態になし得る限
り、例えば発泡材料を含む半硬化の熱硬化樹脂を用いる
こともできる。
【0022】これらの繊維、フィブリル又はフィブリッ
ドから発泡膨張可能なウエブを製造するには、上述した
乾式法、湿式法の何れを採用してもよい。また、ウエブ
製造に当り、発泡膨張可能な粒子やその他の無機粉末、
無機粒子等を併用することもできる。
【0023】また、本発明では、不織布を基布とし、そ
の上に湿式法で発泡膨張可能な粒子を抄いたウエブを、
発泡膨張可能な繊維ウエブとして用いることもできる。
【0024】本発明方法において、上記ウエブとともに
使用する非膨張性の軽量コアは、目的に合致するもので
あればその材質は問わない。例えばバルサ材等の軽量天
然材料、ポリウレタン等のフォームコア、発泡性粒子や
非膨張性の中空粒子を用いたシンタクチックフォームコ
ア、その他中空繊維を樹脂で固めたもの等が挙げられ
る。柔軟なフォームコアに未硬化の樹脂を含浸させて搾
ったものを用いれば軽量コアの形状の自由度が増大す
る。かかる軽量コアの形状の大きさは、目的とする成形
物の形状に概略一致させやや小さ目に調整するのが好ま
しい。
【0025】本発明方法は、上記の如きウエブと軽量コ
アとを用い、これに樹脂を併用して軽量複合成形物を製
造するものであるが、上記ウエブに樹脂を含浸させたも
のを中間素材として用い、軽量コアの表面の少くとも一
部、好ましくは全面又は両側を、この中間素材で覆って
成形するのが好ましい。例えば、棒状の成形物を製造す
る場合には、軽量コアの素材を棒状に予備成形し、その
周囲に上記中間素材を巻きつけて、成形に供するのが好
ましく、また平板状の成形物を製造する場合には、軽量
コアの素材を板状に予備成形し、その両側(表面及び裏
面)に上記中間素材を積層してサンドイッチ状となし成
形に供するのが好ましい。
【0026】本発明では、このような成形において、上
記のウエブ(中間素材)の外側に更に補強繊維のシート
を積層することもできる。このようにすれば、表層部が
繊維強化樹脂(FRP)からなり、その内側に発泡しか
つ樹脂が含浸・硬化しているウエブの層(補強されたシ
ンタクチックフォーム層)が存在し、中心部にフォー
ム、シンタクチックフォームあるいはバルサ材等の軽量
コアが存在する多層構造の複合成形物とすることができ
る。この際、上記のウエブと補強繊維のシートとの間
に、樹脂は通すが発泡性粒子等は通さない分離層(例え
ば目開きの小さい不織布)を配してもよい。
【0027】成形に際して上記のウエブと併用すること
のできる補強繊維材料としては、ポリエステル特にポリ
アリレート繊維、ポリアミドことにアラミド繊維、ポリ
アクリロニトリル繊維、ポリオレフィン特に高重合度ポ
リエチレンと呼ばれる繊維等の合成繊維、綿、麻等の天
然繊維、ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、炭化珪
素繊維等の無機繊維及びこれらの混合物が挙げられ、こ
れらは織物、編み物、ウエブ、不織布、UDシート等と
して用いられる。補強繊維は当然のことながら特に弾性
率と強度に優れたものであることが好ましい。
【0028】成形に使用する樹脂は、熱硬化性樹脂、熱
可塑性樹脂の何れであることもできるが、多くの場合、
未硬化の熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。このよ
うな樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、硬化性シ
クロオレフィン樹脂(「メトン」の商標で知られるも
の)などが挙げられる。しかし、ポリアミド、フェノキ
シ樹脂等の比較的低融点の熱可塑性樹脂も用いられる。
【0029】これらの樹脂は、その前駆体又はモノマー
であってもよい。一般に、成形時において発泡性粒子が
発泡膨張する温度で流動性を示し、成形時に硬化又は固
化するものが適当である。これらの樹脂には必要に応じ
着色剤、安定剤、難燃剤等を添加してもよい。
【0030】本発明方法では、上記の発泡膨張性ウエブ
はそれ自体、もしくはこれに樹脂を含浸して、軽量コア
と重ねるか軽量コアを覆い、そのままもしくは更に上記
の補強繊維シートや樹脂と積層して(つまりプリプレグ
や樹脂を含浸した補強材料、FRP等と積層して)、金
型に入れて発泡開始温度以上で加熱成形するのが便利で
ある。金型は密閉型が好ましいが非密閉型でも用いられ
る。
【0031】発泡膨張性ウエブに樹脂を含浸して中間素
材となし、この中間素材で軽量コアを包み更に補強繊維
シートをその上に積層して金型に収め、加熱して上記粒
子を発泡させながら中間素材中の樹脂を補強繊維シート
に浸透させる方法等も採用することができる。しかし、
補強繊維シートと積層する場合には、該補強繊維シート
の方に樹脂を含浸させて用いてもよい。いずれの場合
も、軽量コアが成形時にほぼ中心部(中間層)に位置す
るように積層するのが好ましい。
【0032】例えば、樹脂特に柔らかな熱硬化性樹脂
(例えば未硬化の不飽和ポリエステル樹脂)を含浸した
ガラスクロスを金型の内面に貼付け、これに樹脂を含浸
した又は含浸していない上記中間素材を重ねて貼合わ
せ、次いで軽量コアを重ね、更に上記中間素材と樹脂を
含浸したガラスクロスとを重ねて貼り、場合によっては
これをくりかえし、金型を閉じ加熱して、上記中間素材
を発泡させて樹脂を硬化させることにより内圧成形を行
い、所定の複合成形物とする。
【0033】本発明方法を実施するに当り、上記の発泡
膨張性ウエブ、軽量コア、補強繊維シートを積層して、
金型に収めた後、金型内へ樹脂を注入して加熱成形して
もよい。すなわち、本発明方法では、樹脂の含浸は積層
の前又は後のいずれでもよく、また金型に収めた後に行
ってもよい。要は、少くとも成形時に各層に樹脂が含浸
され良好な成形が行えればよい。
【0034】以上の如き加熱成形により、上記ウエブが
発泡膨張し、その圧力で樹脂が金型内の隅々まで行きわ
たり、軽量コアを含む各層を緊密に接着するとともに硬
化して、良好な成形品を形成する。特に、外周に補強繊
維シートを配しその内側に目開き小さい不織布(分離
層)を配し、該分離層と軽量コアとの間に上記ウエブ又
は紙状物を配置して成形する場合には、樹脂のみが外周
の補強繊維シート内部に十分に行きわたり、成形物の表
層部に表面性の良好な繊維補強樹脂層(FRP層)が形
成される。
【0035】本発明方法では、軽量コアの代りに、成形
時に軽量コアを形成する非膨張性の材料(原料)を用い
ることもできる。このような材料としては、例えば、成
形時にシンタクチックフォームを形成し得る非膨張性の
中空粒子と樹脂との混合物が挙げられる。
【0036】この実施態様において使用する非膨張性の
中空粒子としては、中空ガラスビーズ、シリカビーズ等
の無機中空粒子、ポリ塩化ビニリデン等を主としたポリ
マー粒子に炭化水素やハロゲン化合物を含んだ粒子を予
め発泡させた膨脹済粒子(例えばエクスパンセル社の
「エクスパンセルDE」等や、微細な気泡を含む粒子
(例えばシラスバルーン)やウレタン、ポリオレフィン
等のフォーム状の微粒子等が挙げられる。また、中空粒
子として、粉末バルサ材、その他の多孔質微粒子を用い
てもよい。中空粒子と混合する樹脂は上述した成形用の
樹脂と同じものが好ましい。
【0037】非膨張性中空粒子を用いる場合は、加熱に
より発泡膨張可能なウエブと上記中空粒子とを併用し
て、これらと樹脂から軽量複合成形物を成形する方法
は、特に上記ウエブ単独で又はこのウエブの外側に補強
繊維材料を存在させて、樹脂を含浸させるか又はそのま
ま、金型に収め、更に上記ウエブの内側に中空粒子を混
合した樹脂を存在させて加熱し発泡膨張成形する。
【0038】特に発泡膨張可能な繊維類か発泡膨張可能
な粒子を含むウエブに樹脂を含浸させるか又は含浸させ
ることなく、それを又はこのウエブの外側に織物等の補
強繊維材料を存在させたものを金型に収め、更に中心部
(中間層)に中空粒子を含んだ樹脂を存在させて加熱成
形する。すなわち、発泡膨張する繊維類あるいは粒子
は、成形時に温度調節の容易な表層直下に位置させ、単
に固化してシンタクチックフォームになる実質的に非膨
張性の中空粒子と樹脂を中心部に配して、芯部の軽量コ
アを成形する。加熱により発泡膨張可能なウエブを単独
又はこのウエブの外側に補強繊維材料を存在させると共
に、中心部に非膨張性の中空粒子を含んだ樹脂を存在さ
せて加熱成形すると、ウエブの発泡膨張に伴い、中空粒
子を含んだ樹脂の一部はウエブに進入し、更に外部の補
強繊維層にまで至る。したがってウエブ及び補強繊維に
は予め樹脂を含浸させておくことは必須ではないが、良
好な成形物を得るためには、少くとも一部の樹脂を予め
発泡膨張可能なウエブ及びこのウエブの外側におく補強
繊維材料に樹脂を含浸させることが好ましい。
【0039】この実施態様において、中心部に中空粒子
を含む樹脂を存在させる手段としては、2層のウエブの
間に中空粒子と樹脂との混合物を注入するなどして層状
に挟み込む方法が簡便である。
【0040】このような方法によれば、成形時に、シン
タクチックフォームからなる軽量コアが形成されるの
で、予め軽量コアを製造する必要はない。
【0041】
【発明の効果】本発明方法によれば、軽量コア材の周り
に短繊維、フィブリルあるいはフィブリッドで補強され
たシンタクチックフォーム部を持つ軽量構造材料が比較
的容易、かつ安価に得ることができる。金型成形を行う
場合には一種の内圧成形ができ、また、発泡膨張性ウエ
ブに樹脂を含浸させ中間素材化すれば、これに補強繊維
材料を併用して成形する場合、上記ウエブに含浸した樹
脂を補強繊維材料に浸透させて一気に成形を行うことが
できる。
【0042】なお、発泡膨張するフイルム等を用いた成
形物も知られているが(特開平1―95032号等)、
本発明によればウエブ等そのものにも樹脂が浸透される
ので物性より優れた成形物が得られる。
【0043】かくして得られる軽量複合成形物は、軽量
でかつ均一性及び機械的特性に優れているため各種構造
材料のほか、スポーツ用品、航空機や車輌の部材、電気
電子製品の筐体等各種の分野に広く使用することができ
る。
【0044】
【実施例】次に実施例をあげて本発明を詳細に説明す
る。これらは本発明の説明を行うものであり、本発明を
限定するものではない。なお、以下の実施例中におい
て、単に「部」とあるは特に断らない限り重量部であ
る。
【0045】
【実施例1】ポリメタフェニレンイソフタルアミドのフ
ィブリッドを特公昭59―47695号に示される装置
を用いて試作した。このフィブリッドは特公昭35―1
1851号、特公昭37―5732号の方法に基づくも
のである。得られたフィブリッドの叩解度は51°SR
であった。
【0046】このフィブリッド50部と松本油脂製薬
(株)製の熱膨張性微粒子「マイクロスフェアF―30
D」50部とを混合して水中に分散させスラリーとな
し、タッピースタンダードマシンで抄紙し、発泡性粒子
を含む合成紙を得た。これを中間素材Aと呼ぶ。
【0047】一方、油化シェル製のエポキシ樹脂「エピ
コート807」100部と「エポメートYLH006」
31部を混合して、混合樹脂Aを調製した。他方、市販
の軟質ウレタンフォーム(東洋ゴム製)を入手した。こ
れは連続気孔フォームであり、厚さ2mmに削いで使用し
た。これに上記混合樹脂Aを含浸して搾り、形状及び大
きさは元に戻した。
【0048】2枚のアルミニウム板と「テフロン」で金
型を作った。2枚のアルミニウム板の間に「テフロン」
のスペーサーを挟んで構成し、大きさはほぼ180mm×
200mm、厚さ3mm(スペーサー厚さによる)とした。
この金型の一方にノズルを設けた。
【0049】この金型よりやや小さ目に上記中間素材A
2枚と上記の混合樹脂Aを含浸したウレタンフォーム1
枚を切取った。中間素材Aも混合樹脂Aに浸漬し、混合
樹脂Aを充分に含浸させた。
【0050】2枚の樹脂を含浸した中間素材Aの間に上
記の樹脂を含浸したウレタンフォームを挟んで積層して
金型に収めた。
【0051】金型を閉じて85℃の油浴に入れ、約1時
間後に油浴から取り出した。この際、過剰の樹脂は金型
のノズルから排出した。但し、途中からノズルは閉じ
た。
【0052】冷却後、金型を開いて成形物を取り出し
た。得られた成形物は、樹脂で硬化した軽量なウレタン
フォームを芯としその両側に樹脂が含浸硬化した気泡含
有合成紙が存在する複合成形物であって、良好な外見
と、相応の均一性及び物性をもつものであった。該成形
物の比重は約0.57、曲げ強度は4.2kg/mm2 、弾
性率は408kg/mm2 であった。
【0053】
【実施例2】実施例1と同様の方法で試作した叩解度4
5°SRのフィブリッド50部と松本油脂製薬(株)製
の「マイクロスフェアF―30D」50部とを混合して
スラリー化し、タッピースタンダードマシンで抄紙し、
目付70g/m2 の合成紙を得た。これを中間素材Bと
呼ぶ。
【0054】一方、ガラスクロス(旭ファイバーグラス
製MS253―1040―2NT―10FS)を入手し
た。このクロスの目付は約500g/m2である。ま
た、市販のバルサ材(厚さ2mm)を入手した。実測した
結果、その比重は0.1477であった。
【0055】実施例1と同様に2枚のアルミニウム板と
「テフロン」で金型を作った。2枚のアルミニウム板の
間に「テフロン」のスペーサーを挟んだもので、大きさ
はほぼ180mm×200mm、厚さ3mm(スペーサー厚さ
による)である。この金型の一方にノズルを設けた。
【0056】この金型よりやや小さ目に上記中間素材B
を2枚切取った。また、金型に合わせてガラスクロスを
2枚とバルサ材を1枚切取った。そして、このガラスク
ロスに実施例1と同じ混合樹脂Aを塗布含浸させた。ま
た、中間素材Bも混合樹脂Aに浸漬し、混合樹脂Aを充
分に含浸させた。
【0057】2枚の樹脂を含浸したガラスクロスの間に
2枚の樹脂を含浸した中間素材Bを、更にこの2枚の中
間素材Bの間にバルサ材を積層して金型に収めた。その
後、金型を閉じて85℃の油浴に入れ、約1時間後に油
浴から取り出した。この際、過剰の樹脂は金型のノズル
から排出した。但し、途中からノズルは閉じた。
【0058】冷却後、金型を開いて成形物を取り出し
た。得られた成形物は軽量なバルサ材を芯とし、その両
側に気泡含有合成紙及びガラスクロスに樹脂が含浸硬化
した層が存在する多層構造複合成形物であって、良好な
外見と、相応の均一性及び物性をもっていた。成形物の
比重は約0.47であり、曲げ試験結果、強度は4.7
kg/mm2 、弾性率は152kg/mm2 、引張試験の結果は
強度1.8kg/mm2 、弾性率60kg/mm2 であった。
【0059】
【実施例3】実施例2において、切り取った中間素材B
とバルサ材にそれぞれ列間隔10mmで、千鳥配列に孔径
5mmの孔を開けた。そして実施例2と全く同様にして但
し中間素材Bの孔の位置はずらして積層し金型に収めて
成形した。
【0060】得られた成形物は良好な外見と、相応の均
一性をもっていた。その比重は約0.72、曲げ強度は
9.8kg/mm2 、弾性率は560kg/mm2 であった。
【0061】
【実施例4】実施例1で用いたポリメタフェニレンイソ
フタルアミドのフィブリッド25部と太さ2デニールの
ポリメタフェニレンイソフタルアミド系繊維(帝人
(株)製「コーネックス」)を2mm長にカットした短繊
維25部と松本油脂製薬(株)製の「マイクロスフェア
F―30D」及び「マイクロスフェアF―50D」それ
ぞれ25部(合計50部)とを混合して水中に分散させ
タッピースタンダードマシンで抄紙し、発泡性合成紙を
得た。これを中間素材Cとする。
【0062】実施例1で用いた金型と混合樹脂A、実施
例2で用いたバルサ材(厚さ1.5mm)とガラスクロス
(日東紡(株)製のWE―181―100BW)を準備
した。但し、金型にはそれぞれノズルを取付け、上下に
逆になるように組み上げた。
【0063】バルサ材を1枚、抄紙した発泡性合成紙
(中間素材C)とガラスクロスを各2枚ずつ、金型に合
わせて切り取った。これらを、バルサ材の両側に発泡性
合成紙(中間素材C)、その両外側にガラスクロスが位
置するように積層して金型に収め、金型を閉じた。金型
を斜めに維持して、金型に設けた上方のノズルから真空
ポンプを用いて排気した。金型内を真空にして、下方の
ノズルから混合樹脂Aを注入した。上方のノズルから混
合樹脂を十分に排出してから注入をやめ、ノズルを閉じ
た。
【0064】この金型を85℃の油浴に入れ、約1時間
後に油浴から取り出した。この加熱の際、過剰の樹脂は
上方のノズルを開いて排出した。但し、途中からノズル
は閉じた。
【0065】冷却後、金型を開いて成形物を取り出し
た。得られた成形物は良好な外見と、相応の均一性及び
物性をもっていた。成形物の比重は約0.67、曲げ試
験の結果、強度は8.4kg/mm2 、弾性率は353kg/
mm2 、引張試験の結果は強度5.8kg/mm2 、弾性率1
26kg/mm2 であった。
【0066】
【実施例5】2枚のアルミニウム板と「テフロン」とで
金型を作った。2枚のアルミニウム板の間に「テフロ
ン」のスペーサーを挟んだもので、大きさはほぼ180
mm×200mm、厚さは3mm(スペーサー厚みによる)の
金型である。この金型の一方にノズルを設けた。
【0067】ポリメタフェニレンイソフタルアミド系繊
維(帝人(株)製「コーネックス」)を20mm長にカッ
トして70g/m2 のカードウエブとした。このカード
ウエブの上に70g/m2 の割合で松本油脂製薬(株)
製の「マイクロスフェアF―30D」を均一に散布し、
更に上記のカードウエブを重ねてニードルパンチングし
てウエブを得た。そして上記の金型よりやや小さ目にこ
のニードルパンチウエブを2枚切取った。これを中間素
材Dとする。
【0068】油化シェル製のエポキシ樹脂「エピコート
807」100部と「エポメートYLH006」31部
を混合した混合樹脂Aに中間素材Dを浸漬し、これに混
合樹脂Aを充分に含浸させた。
【0069】目付約500g/m2 であるガラスクロス
(旭ファイバーグラス製MS253―1040―2NT
―10FS)を入手した。そして上記の金型よりやや小
さ目にこのガラスクロスを2枚切取った。各ガラスクロ
スは混合樹脂Aに浸漬し、混合樹脂Aを充分に含浸させ
た。
【0070】実施例1で用いた厚さ2mmの市販のウレタ
ンフォームを準備し、これを金型に合わせて1枚切り取
り、混合樹脂Aを含浸させた搾った。
【0071】2枚の樹脂含浸ガラスクロスの間に2枚の
樹脂含浸中間素材Dを挟み、更に該中間素材Dの間に上
記の樹脂を含浸したウレタンフォームを挟んで積層し、
金型に収めた。
【0072】金型を閉じて85℃の油浴に入れ、約1時
間後に油浴から取り出した。この際、過剰の樹脂はノズ
ルから排出した。但し、途中からノズルは閉じた。
【0073】冷却後、金型を開いて成形物を取り出し
た。得られた成形物は良好な外見と相応の均一性及び物
性をもっていた。成形物の比重は約0.85であり、曲
げ試験の結果、強度は12.2kg/mm2 、弾性率は56
7kg/mm2 であった。
【0074】上記の方法において、ガラスクロスを用い
ずに、つまり樹脂を含浸した中間素材Dとウレタンフォ
ームのみを金型に収め、同様に85℃の油浴に入れ、約
1時間後に油浴から取り出した。この際、過剰の樹脂は
ノズルから排出し、途中からノズルは閉じたのは同様で
ある。
【0075】冷却後、金型を開いて成形物を取り出し
た。得られた成形物の比重は約0.63、曲げ強度4.
2kg/mm2 、弾性率519kg/mm2 であった。
【0076】
【実施例6】テレフタル酸とパラフェニレンジアミン/
3,4′ジアミノジフェニルエーテルの共重合体の超延
伸繊維(帝人(株)製「テクノーラ」)を2mmに切断し
て特公昭61―42004号の方法に準じてn―メルメ
チル2―ピロリドン水溶液中で叩解してフィブリルとし
た。得られたフィブリルの叩解度はショッパーリグラー
法で14.1°SRであった。
【0077】このフィブリル製造に際して、叩解後に濃
縮、濾別回収する際に、このフィブリル100部に対し
て松本油脂製薬(株)製の「マイクロスフェアF―30
D」50部を添加混合して実施した。圧搾して絞り切っ
たが、見かけ比重約0.2であった。かくして厚さ約3
mmの発泡性ウエブ(シート)を得た。これを中間素材E
と呼ぶ。
【0078】実施例1及び2と同様に油化シェル製のエ
ポキシ樹脂「エピコート807」100部と「エポメー
トYLH006」31部を混合し、混合樹脂Aを調製す
るとともに、目付約500g/m2 のガラスクロス(旭
ファイバーグラス製MS253―1040―2NT―1
0FS)を入手し、更に長繊維ポリエステル不織布(ユ
ニセル(株)の「ユニセルBT0404」)を準備し
た。
【0079】2枚のアルミニウム板と「テフロン」とで
金型を作った。実施例1と同様なものであり、2枚のア
ルミニウム板の間に「テフロン」のスペーサーを挟んだ
ものである。大きさはほぼ180mm×200mm、厚さは
5mm(スペーサー厚みによる)である。一方の金型の上
下にノズルを設けた。
【0080】この金型よりやや小さ目に上記中間素材E
を切取った。また、金型に合わせて上記ガラスクロスと
上記不織布を各2枚ずつ、実施例2と同様のバルサ材を
1枚切り取った。中間素材Eの両面に上記不織布(ユニ
セルBT0404)を重ね、その外に上記ガラスクロス
を添えた。中間素材Eの間にバルサ材を挟みこれを上記
の金型に収めた。
【0081】中間素材Eを含む積層物を圧縮しながら金
型を閉じ、金型内へ上記の混合樹脂Aを注入した。即
ち、金型の一方のノズルを用いて排気して金型内を真空
になし、排気を続けながら混合樹脂Aを注入した。樹脂
は充満して排気ノズルに至ったことを確認した。
【0082】一方のノズルを閉じ、他方を開いたまま金
型を閉じて85℃の油浴に入れた。約1時間後に油浴か
ら取り出した。この際、過剰の樹脂はノズルから排出し
た。但し、途中からノズルは閉じた。
【0083】冷却後、成形物を取り出した。得られた成
形物は良好な外見と、相応の均一性と物性をもってい
た。成形物の比重は約0.623、曲げ試験の結果、強
度9.6kg/mm2 、弾性率485kg/mm2 、引張試験の
結果は強度3.8kg/mm2 、弾性率118kg/mm2 であ
った。
【0084】
【実施例7】実施例1で用いた「マイクロスフェアF―
30D」とポリメタフェニレンイソフタルアミドフィブ
リッドからなる発泡性合成紙(中間素材A)と実施例2
で用いたバルサ材を用意した。また、実施例1と同様に
エポキシ樹脂混合物(混合樹脂A)を調製した。上記発
泡性合成紙(中間素材A)は幅20mmに切り取り、エポ
キシ樹脂混合物(混合樹脂A)に浸漬した。
【0085】アルミニウムブロックから削り出して内法
20×20×500mmの金型を作った。この上下(両
端)にノズルを取付けた。一方、バルサ材を幅18mmに
9枚切り取った。これを積層したのち、積層物にエポキ
シ樹脂混合物(混合樹脂A)を含浸した中間素材Aを巻
きつけた。更にこれを東レ(株)製の炭素繊維ブレード
「トレカT―3484」の2層重ねたもので覆った。
【0086】得られたものを金型に収め、更に金型へ上
記の混合樹脂Aを注入した。樹脂は下のノズルから注入
し、上のノズルから溢流させ、排出する樹脂に気泡が無
くなるのを確かめて注入を止めた。
【0087】金型(ノズル)を閉じて85℃の油浴に入
れ、約1時間後に油浴から取り出した。この際、途中で
ノズルを開き、過剰の樹脂はノズルから排出した。但
し、途中からノズルは閉じた。
【0088】冷却後、金型を開いて成形物を取り出し
た。得られた成形物は良好な外見で、切断すると中心が
バルサ材、その外側がアラミドパルプ補強シンタクチッ
クフォーム薄層、更にその外側が炭素繊維補強FRPで
あり、比重は約0.67であった。
【0089】
【実施例8】実施例5で用いた発泡膨張可能な粒子を含
む「コーネックス」のカードウエブを準備した。このカ
ードウエブの上に70g/m2 の割合で松本油脂製薬
(株)製の「マイクロスフェアF―30D」を均一に散
布し、更に上記のカードウエブを重ねてニードルパンチ
ングした。得られた発泡性ウエブを中間素材Fとする。
【0090】一方、実施例7で用いた金型を準備し、そ
の上下(両端)にノズルを取付けた。また、市販の硬質
ウレタンフォームスラブ材を入手し、18×18×48
0mmの角材を切り取った。上記のウエブ(中間素材F)
を約18×480mmに4枚切り取り、硬質ウレタンフォ
ーム角材の周囲に添え糸で縛りつけた。このウエブを添
えた硬質ウレタンフォーム角材に実施例7で用いた東レ
(株)製の炭素繊維ブレード「トレカT―3484」を
2層重ねて被せた。
【0091】上記硬質ウレタンフォーム角材に中間素材
Fを添え更に炭素繊維ブレード覆ったものを金型に収
め、上部ノズルから排気して金型内に真空にして、下部
ノズルから実施例1と同じ混合樹脂Aを注入した。樹脂
の溢流を確認して注入を止め、ノズルを閉じた。
【0092】この金型を85℃の油浴に入れ、約1時間
後に油浴から取り出した。この際、途中でノズルを開
き、過剰の樹脂はノズルから排出した。但し、途中から
ノズルは閉じた。
【0093】冷却後、金型を開いて成形物を取り出し
た。得られた成形物は良好な外見で、切断すると中心が
ウレタンフォーム、その外側がアラミド短繊維補強シン
タクチックフォーム薄層、更にその外側が炭素繊維補強
FRPであり、その比重は約0.71であった。
【0094】
【実施例9】実施例1と同じフィブリッド50部と松本
油脂製薬(株)製の「マイクロスフェアF―30D」の
50部とを混合してタッピースタンダードマシンで抄紙
した。これを中間素材Gと呼ぶ。
【0095】旭硝子(株)製の無機中空粒子(ガラスビ
ーズ)M―28を入手し、実施例1と同じ混合樹脂A1
00部とこのガラスビーズ25部を混合し軽量コア形成
材料を調製した。これを注入材料と呼ぶ。
【0096】2枚のアルミニウム板と「テフロン」で金
型を作った。2枚のアルミニウム板の間に「テフロン」
のスペーサーを挟んで、大きさほぼ180mm×200m
m、厚さ3mm(スペーサー厚みによる)としたものであ
る。一方の金型にノズルを設けた。
【0097】この金型よりやや小さ目に上記中間素材G
を2枚切り取った。切取った2枚の中間素材Gは混合樹
脂Aに浸漬し、混合樹脂Aを充分に含浸させた。
【0098】金型に1枚の中間素材Gを入れ、注入材料
を金型のほぼ上面まで入れ、さらにその上にもう1枚の
中間素材Gを載せ、金型を閉じた。
【0099】次いで、金型を85℃の油浴に入れ、約1
時間後に油浴から取り出した。この際、過剰の樹脂はノ
ズルから排出した。但し、途中からノズルは閉じた。
【0100】冷却後、金型を開いて成形物を取り出し
た。得られた成形物は良好な外見と、相応の均一性をも
つものであった。この成形物の比重は約0.57、曲げ
強度は4.2kg/mm2 、弾性率は408kg/mm2 であっ
た。
【0101】
【実施例10】ポリメタフェニレンイソフタルアミドの
フィブリッドを特公昭59―47695号に示される装
置を用い試作した。得られたフィブリッドの叩解度は4
5°SRであった。
【0102】このフィブリッド50部と松本油脂製薬
(株)製の「マイクロスフェアF―30D」の50部と
を混合してタッピースタンダードマシンで抄紙し、目付
70g/m2 の合成紙を得た。これを中間素材Hと呼
ぶ。
【0103】旭硝子(株)製の無機中空粒子(ガラスビ
ーズ)M―28を入手し、実施例1と同じ混合樹脂A1
00部とこのガラスビーズ25部を混合した。これを注
入材料と呼ぶ。
【0104】実施例1と同様に、2枚のアルミニウム板
の間に「テフロン」のスペーサーを挟んで、大きさほぼ
180mm×200mm、厚さ3mm(スペーサー厚みによ
る)の金型を作製した。この金型の一方にノズルを設け
た。
【0105】この金型よりやや小さ目に前記中間素材H
を2枚切り取った。また、金型に合わせてガラスクロス
(旭ファイバーグラス製MS253―1040―2NT
―10FS)を2枚切り取った。
【0106】このガラスクロスに上記の混合樹脂Aを塗
布含浸させた。中間素材Hも混合樹脂Aに浸漬し、混合
樹脂を充分に含浸させた。
【0107】金型にガラスクロスを1枚入れ中間素材H
を1枚重ね、その上に注入材料をほぼ層状に拡げて載
せ、更に中間素材H、ガラスクロスの順で重ね金型を閉
じた。つまり2枚の樹脂を含浸したガラスクロスの間に
2枚の樹脂を含浸した中間素材Hを、更にこの2枚の中
間素材Hの間に注入材料を存在させて金型に収めた。
【0108】金型を閉じて85℃の油浴に入れ、約1時
間後に油浴から取り出した。この際、過剰の樹脂はノズ
ルから排出した。但し、途中からノズルは閉じた。
【0109】冷却後、金型を開いて成形物を取り出し
た。得られた成形物は良好な外見と、相応の均一性をも
っていた。成形物の比重は約0.47、曲げ試験の結
果、強度は4.7kg/mm2 、弾性率は152kg/mm2
引張試験の結果、強度1.8kg/mm2 、弾性率60kg/
mm2 であった。
【0110】
【実施例11】実施例1と同じフィブリッド50部と2
deのポリメタフェニレンイソフタルアミド系繊維(帝
人(株)製「コーネックス」)を2mm長にカットした短
繊維50部と松本油脂製薬(株)製の「マイクロスフェ
アF―30D」及び「F―50D」をそれぞれ25部と
を混合してタッピースタンダードマシンで抄紙し、発泡
性合成紙を得た。これを中間素材Iと呼ぶ。
【0111】実施例9で用いた金型と混合樹脂、ガラス
ビーズ、注入材料を準備した。但し、金型のスペーサー
は10mmとし、それぞれのアルミ板にはノズルを取付
け、上下に逆になるように組み上げた。
【0112】抄紙した発泡合成紙(中間素材I)とガラ
スクロス(日東紡(株)製のWE―181―100B
W)を各2枚ずつ金型に合わせて切り取った。一方の中
間素材Iとガラスクロスは、金型のノズルの位置に来る
部分は切り取った。
【0113】2枚の発泡合成紙(中間素材I)の両外側
にガラスクロスを添えて金型に収めて閉じた。金型を斜
めに維持して、上方のノズルから真空ポンプを用いて排
気した。金型内を真空にして、下方のノズルから注入材
料を押し込んだ。上方のノズルから混合樹脂を充分に排
出してから注入をやめ、ノズルを閉じた。
【0114】この金型を85℃の油浴に入れ、約1時間
後に油浴から取り出した。この加熱の際、過剰の樹脂は
上方のノズルを開いて排出した。但し、途中からノズル
は閉じた。
【0115】冷却後、金型を開いて成形物を取り出し
た。得られた成形物は良好な外見であった。比重は約
0.67であった。
【0116】
【実施例12】2枚のアルミニウム板と「テフロン」で
金型を作った。2枚のアルミニウム板の間に「テフロ
ン」のスペーサーを挟み、大きさほぼ180mm×200
mm、厚さ3mm(スペーサー厚みのよる)としたものであ
る。この金型の一方ににノズルを設けた。
【0117】ポリメタフェニレンイソフタルアミド系繊
維(帝人(株)製「コーネックス」)を20mm長にカッ
トして70g/m2 のカードウエブとし、このカードウ
エブの上に70g/m2 の割合で松本油脂製薬(株)製
の「マイクロスフェアF―30D」を均一に散布し、更
に上記のカードウエブを重ねてニードルパンチングし
た。これを中間素材Jという。前記の金型よりやや小さ
目に中間素材Jを2枚切り取った。中間素材Jは実施例
1と同じ混合樹脂Aに浸漬し、混合樹脂Aを充分に含浸
させた。
【0118】ガラスクロス(旭ファイバーグラス製MS
253―1040―2NT―10FS)を入手し、上記
金型よりやや小さ目にこのガラスクロスを2枚切り取っ
た。各ガラスクロスは同様に混合樹脂Aに浸漬し、混合
樹脂Aを充分に含浸させた。旭硝子(株)製の無機中空
粒子(ガラスビーズ)M―28を入手し、そして、混合
樹脂A100部とこのガラスビーズ25部とを混合し
た。これを注入材料と呼ぶ。
【0119】金型にガラスクロスを1枚入れ中間素材J
を1枚重ね、その上へ注入材料を載せ、更に中間素材J
1枚、ガラスクロス1枚の順で重ね金型を閉じた。
【0120】金型を85℃の油浴に入れた。約1時間後
に油浴から取り出した。この際、過剰の樹脂はノズルか
ら排出した。但し、途中からノズルは閉じた。
【0121】冷却後、成形物を取り出した。得られた成
形物は良好な外見と、相応の均一性をもっていた。成形
物の比重は0.85、曲げ強度は12.2kg/mm2 、弾
性率は567kg/mm2 であった。
【0122】同様にしてガラスクロスを用いずに、つま
り樹脂を含浸した中間素材Jと注入材料のみを金型に収
め、同様に85℃の油浴に入れ、約1時間後に油浴から
取り出した。この際、過剰の樹脂をノズルから排出し、
途中からノズルは閉じたのは同様である。
【0123】冷却後、金型を開いて成形物を取り出し
た。得られた成形物の比重は約0.63、曲げ強度は
4.2kg/mm2 、弾性率は519kg/mm2 であった。
【0124】
【実施例13】テレフタル酸とパラフェニレンジアミン
/3,4′ジアミノジフェニルエーテルの重合物の超延
伸繊維(帝人(株)製「テクノーラ」)を2mmに切断し
て特公昭61―42004号に準じてn―メルメチル2
―ピロリドン水溶液中で叩解してフィブリルとした。こ
の叩解度はショッパーリグラー法で14.1°SRであ
った。
【0125】このフィブリルの製造に際して、叩解後に
濃縮、濾別回収する際に、このフィブリル100部に対
して松本油脂製薬(株)製の「マイクロスフェアF―3
0D」の50部を添加混合して実施した。圧搾して絞り
切ったが見かけ比重約0.2であった。かくして厚さ約
3mmのウエブとした。これを中間素材Kと呼ぶ。
【0126】一方、目付約500g/m2 のガラスクロ
ス(旭ファイバーグラス製MS253―1040―2N
T―10FS)とユニセル(株)の不織布「ユニセルB
T0404」を準備した。
【0127】実施例9と同様の金型を作り、この金型よ
りやや小さ目に上記中間素材Kを2枚切り取った。ま
た、金型に合わせてガラスクロスと不織布を各2枚ず
つ、切り取った。
【0128】金型内に、切取ったガラスクロス、不織
布、中間素材K、実施例9と同じ注入材料、中間素材
K、不織布、ガラスクロスの順に収めた。つまり注入材
料の両面に中間素材K、この両面に不織布(ユニセルB
T0404)を重ね、その外側にガラスクロスを添え、
これを上記の金型に収め、金型内の積層物を圧縮しなが
ら金型を閉じた。この際、樹脂の一部を排出した。
【0129】金型の一方のノズルを閉じ、他方を開いた
まま金型を85℃の油浴に入れ、約1時間後に油浴から
取り出した。この際、過剰の樹脂はノズルから排出し
た。但し、途中からノズルは閉じた。
【0130】冷却後、金型から成形物を取り出した。得
られた成形物は良好な外見と、相応の均一性をもってい
た。成形物の比重は約0.623、曲げ試験の結果、強
度9.6kg/mm2 、弾性率485kg/mm2 、引張試験の
結果は、強度3.8kg/mm2 、弾性率118kg/mm2
あった。
【0131】
【実施例14】実施例11で用いた「マイクロスフェア
F―30D」とアラミドのフィブリッド及び繊維からな
る発泡合成紙(中間素材L)を用意した。同様に実施例
9で用いたエポキシ樹脂混合物(混合樹脂A)を準備し
た。また、同様にガラスビーズを準備し上記の混合樹脂
Aと混合し、注入材料とした。
【0132】上記の発泡合成紙(中間素材L)を切り取
り、これを用いて幅20mmの筒を作製した。そしてこれ
を混合樹脂Aに浸漬した。
【0133】ユニセル(株)の不織布「ユニセルBT0
404」を周囲80mmのチューブとした。これを上記の
樹脂を浸した発泡合成紙(中間素材L)の筒に入れ、こ
れを更に東レ(株)製の炭素繊維ブレード「トレカT―
3484」を2層重ねたもので覆った。
【0134】これを、アルミニウム製の内法20×20
×500mmの金型に収め、更に実施例9と同じ注入材料
を注入した。下のノズルから注入し、上のノズルから溢
流させ、排出する樹脂に気泡が無くなるのを確かめて注
入を止めた。
【0135】金型(ノズル)を閉じて85℃の油浴に入
れ、約1時間後に油浴から取り出した。この際、途中で
ノズルを開き、過剰の樹脂はノズルから排出した。但
し、途中からノズルは閉じた。
【0136】冷却後、金型から成形物を取り出した。得
られた成形物は良好な外見で、切断すると中心がシンタ
クチックフォームコア、その外側がアラミドパルプ/繊
維補強シンタクチックフォーム薄層、その外側が炭素繊
維補強FRPであり、比重は約0.67であった。
【0137】
【実施例15】実施例12で用いた発泡膨張可能な粒子
を含む目付70g/m2 のカードウエブを準備した。こ
のカードウエブの上に70g/m2 の割合で松本油脂製
薬(株)製の「マイクロスフェアF―30D」を均一に
散布し、更に上記のカードウエブを重ねてニードルパン
チングし、発泡性のウエブを製造した。
【0138】アルミニウム製で内法20×20×500
mmの金型を、アルミニウムブロックから削り出して作っ
た。この金型にも上下(両端)にノズルを取付けた。ま
た、旭硝子製のガラスビーズM―28を実施例1と同様
のエポキシ樹脂(混合樹脂A)と混合して注入材料とし
た。
【0139】ユニセル(株)の不織布「ユニセルBT0
404」を周囲80mmのチューブとした。上記の発泡性
ウエブを同様に切り取ってチューブを覆い、これを更に
東レ(株)製の炭素繊維ブレード「トレカT―348
4」を2層重ねて覆った。「ユニセル」のチューブと炭
素繊維は一方の端を閉じた。
【0140】炭素繊維ブレードとウエブで覆った硬質ウ
レタンフォームを金型に収め、金型の一方の端板は閉じ
ずに、この端部から「ユニセル」のチューブの中に注入
材料を注入した。この際、他端のノズルから排気し、樹
脂の溢流を確認して注入を止め、ノズルと開けてあった
端板を閉じた。
【0141】この金型を85℃の油浴に入れ、約1時間
後に油浴から取り出した。この際、途中でノズルを開
き、過剰の樹脂はノズルから排出した。但し、途中から
ノズルは閉じた。
【0142】冷却後、金型から成形物を取り出した。得
られた成形物は良好な外見で、切断すると中心がウレタ
ンフォーム、その外がアラミド繊維補強シンタクチック
フォーム薄層、その外が炭素繊維補強FRPであり、比
重は約0.71であった。
【0143】
【実施例16】ユニセル(株)の不織布「ユニセルBT
0404」、松本油脂製薬(株)製の発泡性粒子「マイ
クロスフェアF―30D」とアラビアゴムのりを用意し
た。
【0144】タッピースタンダードマシンの濾床に合わ
せて「ユニセル」を2枚切り取り、その1枚を濾床に載
せて、その上に発泡性粒子(F―50D)を抄いた。こ
の際に、少量のアラビアゴム糊を水に加えて発泡性粒子
を分散させて実施した。抄き上がったら直ちに残りの
「ユニセル」を載せて、乾燥させた。これを中間素材M
とする。
【0145】実施例1で用いた混合樹脂と旭硝子製のガ
ラスビーズM―28を準備し、同様に混合樹脂と混合し
て注入材料とした。
【0146】実施例1と同様の金型よりやや小さ目に上
記中間素材Mを2枚切り取った。また、金型に合わせて
ガラスクロス(旭ファイバーグラス製MS253―10
40―2NT―10FS)を2枚切り取った。
【0147】金型にガラスクロス、中間素材M、注入材
料、中間素材M、ガラスクロスの順に収めた。つまり注
入材料の両面に中間素材L、この両面にガラスクロスを
添えこれを上記の金型に収めたことになる。この際、樹
脂の一部を排出した。
【0148】一方のノズルを閉じ、他方を開いたまま金
型を閉じて85℃の油浴に入れ、約1時間後に油浴から
取り出した。この際、過剰の樹脂はノズルから排出し
た。但し、途中からノズルは閉じた。
【0149】冷却後、金型から成形物を取り出した。得
られた成形物は良好な外見と、相応の強度をもってい
た。比重は約0.623、曲げ試験の結果、強度9.6
kg/mm2 、弾性率485kg/mm2 、引張試験の結果は、
強度3.8kg/mm2 、弾性率118kg/mm2 であった。
【0150】
【実施例17】実施例16で用いた不織布(ユニセルB
T0908)、発泡性粒子(マツモトマイクロスフェア
F―50D)を用意した。一方、住友スリーエム(株)
社のスプレー糊、3M/99を準備した。
【0151】タッピースタンダードマシンの濾床に合わ
せて不織布を2枚切り取り、その1枚を濾床に載せて、
その上に発泡性粒子(F―50D)を抄いた。これを半
乾燥時に濾床ごと取り外し、上記のスプレー糊を吹き付
け、残りの不織布を載せて、乾燥させた。これを中間素
材Nという。
【0152】実施例1で用いた混合樹脂Aを準備し、旭
硝子製のガラスビーズM―28をこの混合樹脂Aと混合
して注入材料とした。
【0153】実施例9と同様の金型よりやや小さ目に前
記中間素材Nを2枚切り取った。また、金型に合わせて
ガラスクロス(旭ファイバーグラス製MS253―10
40―2NT―10FS)を2枚切り取った。
【0154】金型内に、ガラスクロス、中間素材N、注
入材料、中間素材N、ガラスクロスの順に収めた。つま
り注入材料の両面に中間素材N、この両面にガラスクロ
スを添えこれを上記の金型に収めたことになる。この
際、樹脂の一部を排出した。
【0155】一方のノズルを閉じ、他方を開いたまま金
型を閉じて、105℃の油浴に入れ、約1時間後に油浴
から取り出した。この際、過剰の樹脂はノズルから排出
した。但し、途中からノズルは閉じた。
【0156】冷却後、金型から成形物を取り出した。得
られた成形物は良好な外見と、相応の均一性をもってい
た。比重は約0.623、曲げ試験の結果、強度9.6
kg/mm2 、弾性率485kg/mm2 、引張試験の結果は、
強度3.8kg/mm2 、弾性率118kg/mm2 であった。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱により発泡膨張可能な繊維ウエブ又
    は紙状物を作り、この繊維ウエブ及び/又は紙状物を実
    質的に熱膨張しない軽量のコア又は該コア形成材料と共
    に、樹脂の存在下で、加熱成形することを特徴とする軽
    量複合成形物の製造方法。
  2. 【請求項2】 加熱により発泡膨張可能な繊維ウエブ又
    は紙状物を作り、このウエブ及び/又は紙状物で実質的
    に熱膨張しない軽量のコア又は該コア形成材料を覆い、
    少くともこのウエブ及び/又は紙状物に樹脂を含浸させ
    て、加熱成形する請求項1記載の軽量複合成形物の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 軽量のコアとしてフォームコアを用いる
    請求項1又は2記載の軽量複合成形物の製造方法。
  4. 【請求項4】 軽量のコアとしてシンタクチックフォー
    ムコアを用いる請求項1又は2記載の軽量複合成形物の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 軽量のコアとしてバルサ材を使用する請
    求項1又は2記載の軽量複合成形物の製造方法。
  6. 【請求項6】 軽量のコア形成材料として成形時にシン
    タクチックフォームコアを形成する熱膨張しない中空粒
    子と樹脂との混合物を使用する請求項1又は2記載の軽
    量複合成形物の製造方法。
  7. 【請求項7】 加熱により発泡膨張可能な繊維ウエブ又
    は紙状物として、加熱により発泡膨張可能な粒子を含む
    繊維ウエブ又は紙状物を使用する請求項1〜6の何れか
    に記載の軽量複合成形物の製造方法。
  8. 【請求項8】 加熱により発泡膨張可能な繊維ウエブ又
    は紙状物と実質的に熱膨張しない軽量のコア又は該コア
    形成材料を金型に入れ、金型内で樹脂の存在下に加熱
    し、上記繊維ウエブ又は紙状物を発泡膨張させて内圧成
    形することを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の
    軽量複合成形物の製造方法。
  9. 【請求項9】 上記の加熱により発泡膨張可能な繊維ウ
    エブ又は紙状物、実質的に熱膨張しない軽量のコア又は
    該コア形成材料と共にシート状の繊維補強材料を積層併
    用して加熱成形する請求項1〜8の何れかに記載の軽量
    複合成形物の製造方法。
  10. 【請求項10】 加熱により発泡膨張可能な粒子を含む
    繊維ウエブ又は紙状物をシート状の繊維補強材料と積層
    し、この積層物で実質的に熱膨張しない軽量コア又は該
    コア形成材料を覆って金型に入れ、少くとも上記積層物
    に樹脂を含浸させて加熱し、上記繊維ウエブ又は紙状物
    を発泡膨張させて内圧成形する請求項8又は9記載の軽
    量複合成形物の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004306398A (ja) * 2003-04-07 2004-11-04 Nissan Motor Co Ltd Frp構造体の製造方法

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