JPH054559B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はスチームトラツプの作動状態、すなわ
ち、復水の排出が正常に行なわれているか否か、
蒸気を漏らしているか否か等を検出して確認する
作動検知器に関する。

蒸気は仕事をして熱を失うと凝縮して復水と呼
ばれる高温水になる。蒸気使用機器では蒸気は逃
がさず復水のみを排出する必要がある。この為の
特殊な自動弁がスチームトラツプである。

燃料コストの高騰に伴い、蒸気の漏れをますま
す厳しく監視するようになつてきた。蒸気を漏ら
さないことがスチームトラツプ採用の前提条件に
なつている。トラツプの作動状態は配管取り付け
後も厳重に監視され、蒸気を漏らすトラツプは修
理され、あるいは積極的に取り替えられている。

従来の技術とその課題 従来から、スチームトラツプの作動検知器が
種々開発され、実用に供されている。その一つ
は、スチームトラツプの入口側に熱交換器を配置
し、熱交換器で消費された熱量を測定し、一方、
スチームトラツプから排出される復水の熱量を測
定し、両者を比較することで、生蒸気の漏れがあ
るか否かを判定するものである。この場合は、ス
チームトラツプを配管から取り出して測定装置に
取り付けなければ測定できない。従つて、配管さ
れたままのスチームトラツプを測定することはで
きず、手間が掛かるし、測定効率が悪い。また、
測定装置が大がかりなものとなり高価である。そ
こで、配管されたままのスチームトラツプの蒸気
漏れを検知するものの一つとしては、スチームト
ラツプのケーシングや、トラツプの出口側配管に
透視窓を設けて、内部の流体の様子を目視するも
のがある。これは、透視窓を構成するガラスが破
損して蒸気や熱水が吹き出して人身事故になる危
険がある。

その他に、超音波センサーでスチームトラツプ
の排出に伴う振動を測定することも行われてい
る。これは、超音波マイクロフオンを一端に取り
付けた検出針をスチームトラツプの外表面に押し
当て、検出針から伝わる振動を電気的信号に変換
し、その電気的信号を増幅してメータの針を振ら
せたり、スピーカを鳴らせたりするものである。
この場合は、透視窓の様に一見してスチームトラ
ツプの作動状態が判るものではなく、トラツプを
１個１個時間を掛けて測定しなければならず、手
間暇の掛かるものである。

従つて、本発明の技術的課題は、スチームトラ
ツプを配管に取り付けたままの状態で、安全かつ
一見してその作動状態が検知できるようにするこ
とである。

課題を解決するための手段 上記の技術的課題を解決するために講じた本発
明の技術的手段は、スチームトラツプの排出弁口
と円筒状の接線方向に入口を設けた渦流形素子を
連通し、渦流形素子の中央部に出口を設けて、該
渦流形素子部の圧力を検出する圧力検出手段を設
けたものである。

作 用 上記の技術的手段の作用は下記の通りである。

円筒状の接線方向に入口を、中央部に出口を設
けた渦流形素子により、トラツプの排出弁口を出
た流体は渦流形素子の円筒面に沿つて旋回しなが
ら中央部の出口より流下する。スチームトラツプ
の弁口から、正常に復水のみが排出されている場
合と、何らかの異常をきたし復水と蒸気の混合流
あるいは蒸気のみが排出されている場合を比較す
ると、後者の方が流速が早くなり、中央部の出口
から出る場合の流路抵抗が大きくなつて、流下し
にくくなる。従つて、スチームトラツプの弁口か
ら蒸気が漏洩していると、渦流形素子部の圧力
が、正常に復水のみを排出している場合に比較し
て高くなる。

発明の効果 蒸気が漏洩したことによる、渦流形素子部の高
くなつた圧力を圧力検出手段で検出することによ
り、スチームトラツプの作動状態を安全かつ一見
して検知することができる。

圧力の検出は、熱量や振動の検出と比較して簡
単にかつ高精度に行うことができ、検知器の精度
を高めると共に安価に製作することができる。

実施例 上記の技術的手段の具体例を示す実施例を説明
する（第１図及び第２図参照）。

図示のスチームトラツプはフロート型であり、
ケーシングは本体１０と蓋１１からなる。本体１
０にトラツプ入口１２とトラツプ出口１３が形成
される。弁室１５には中空フロート１４を自由状
態で収容する。弁室１５の下部に弁座部９が形成
され、弁口１６が開けられている。弁口１６は、
貫通孔１７及び立上がり通路１８を経てトラツプ
出口１３と連通する。

トラツプ出口１３に連通路１９を介して円筒形
状の渦流形素子２０を連結する。連通路１９は渦
流形素子２０の円筒面の接線方向（Ｂ位置）に連
結する。渦流形素子２０の平面部の中央に出口２
１を形成する。渦流形素子２０に圧力検出手段と
しての圧力計２２を、円筒面の接線方向に形成し
た圧力導入路２３を介して取り付ける。

フロート１４は弁室１５内に溜る復水の量に応
じて浮上降下し、弁口１６を開閉する。すなわ
ち、復水が流入してくると弁口１６が開口し、蒸
気が流入してくると弁口１６が閉口して蒸気の流
出を防止する。この様にスチームトラツプが正常
な作動を行い復水のみが排出されている場合にお
いては、トラツプ出口１３から連通路１９を経て
渦流形素子２０内を流れる復水流の流速は、弁口
１６から蒸気が流下している場合と比較して遅
く、従つて、大部分の復水は出口２１より系外に
排出され、渦流形素子２０の圧力はトラツプ一次
側の圧力よりかなり小さな値となる。フロート１
４あるいは弁座部材９に異常を生じて蒸気が流下
していると、渦流形素子２０内を流れる流速が早
くなり、円筒面を旋回する流体の量が多くなつ
て、出口２１から外部に排出されにくくなる。従
つて、渦流形素子２０における圧力が高くなり、
トラツプ一次側の圧力より多少小さな値となる。

上述の、復水のみが排出されている場合の大き
な圧力降下と、蒸気も排出している場合の小さな
圧力降下を、圧力計２２で読取ることによりスチ
ームトラツプの作動状態を一目で検知することが
できる。

圧力計２２の圧力導入路２３を円筒面の接線方
向に設けたことにより、蒸気が漏洩して円筒面で
の流速が早くなつた場合、復水との混合流がより
多く圧力導入路２３に流入して更に圧力を高め、
作動状態の検知を容易にする。

本実施例においては、渦流形素子２０内の圧力
を検出する圧力計２２を示したが、渦流形素子２
０内の圧力と出口２１部の圧力との差圧を検出し
ても良い。

また、本実施例においては、スチームトラツプ
としてフロート型のものを示したが、その他一般
的に用いられているデイスク型やバケツト型やバ
イメタル型等であつても同様に検知することがで
きることは言うまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のスチームトラツプの作動検知
器の実施例の概略断面図、第２図は第１図におけ
るＡ−Ａ線概略断面図である。 １０：本体、１２：トラツプ入口、１３：トラ
ツプ出口、１４：フロート、１５：弁室、１６：
弁口、１８：立上がり通路、１９：連通路、２
０：渦流形素子、２１：出口、２２：圧力計、２
３：圧力導入路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ スチームトラツプの排出弁口と円筒状の接線
   方向に入口を設けた渦流形素子を連通し、渦流形
   素子の中央部に出口を設けて、該渦流形素子部の
   圧力を検出する圧力検出手段を設けたスチームト
   ラツプの作動検知器。