JPH0545557Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車のリヤシート装置の改良に関す
る。

（従来の技術） 従来、特にバン型自動車のリヤシート装置とし
ては、第５図に示すように、シートクツシヨン１
に対してシートバツク２を前倒させて、シートバ
ツク２の背面上部に設けられたガードバー３を上
方に起こすことにより（二点鎖線参照）、荷室ス
ペースを拡大するとともに、ガードバー３により
積荷の前方移動を防止するようにしたものが提案
されている（実開昭60−163125号公報参照）。

（考案が解決しようとする課題） ところが、シートバツク２の背面上部からガー
ドバー３が上方に突出するので、荷室スペースの
有効長が短くなるのみならず、シートバツク２の
起立位置ではガードバー３が見えるので見栄えが
悪いという問題があつた。

本考案は上記従来の問題を解消するためになさ
れたもので、荷室スペースの有効長さの拡大と見
栄えの向上とを図ることを基本的な目的とするも
のである。

（課題を解決するための手段） このため本考案は、シートクツシヨンに対して
シートバツクが前倒自在な自動車のリヤシート装
置において、上記シートクツシヨンは、前部と後
部とに２分割されるとともに、その使用状態にお
いては、上記前部が高く後部が低く、シートクツ
シヨン全体として側面視でくぼみを形成するよう
に設定され、上記シートクツシヨンの前部が、車
体に前方回動自在に枢着されるとともに、該前部
を略垂直状態に回動規制する規制部材が設けられ
ており、該前部の裏面には、車幅方向に伸長する
ストツパー部材が、略180度の反転動作を行うこ
とにより出没自在に設けられ、該ストツパー部材
は、シートクツシヨンの前部を前回動させて起立
させ、シートバツクを前倒させたとき、シートバ
ツクの背面よりも上方に突出するように設定され
ていることを特徴とするものである。

（考案の作用・効果） 本考案は、前後に２分割したシートクツシヨン
の前部の裏面に、ストツパー部材を出没自在に設
けたものであるから、シートバツクの背面にスト
ツパー部材を設ける必要がなくなり、シートバツ
クの起立位置ではストツパー部材がシートクツシ
ヨンの前部で覆われて見えないので見栄えが向上
する。

また、シートバツクを前倒させ、シートクツシ
ヨンの前部を前回動させてストツパー部材を上方
に突出させるようにしたから、ストツパー部材を
シートバツクの背面に設ける場合に比して、スト
ツパー部材が前方位置となるので、荷室スペース
の有効長が長くなる。

さらに、シートクツシヨンを前後に２分割した
から、例えば前部を硬く、後部を柔らかく設定す
ることにより、乗心地性の向上と疲労の軽減を図
ることもできる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を添付図面について詳細
に説明する。

第２図及び第３図に示すように、バン型自動車
１０の車体後部には、フロントフロア１１から連
続して上方に高くなつたリヤフロア１２が形成さ
れ、該リヤフロア１２から連続してさらに上方に
高くなつたトランク（荷室）フロア１３が形成さ
れている。

上記リヤフロア１２にはシートクツシヨン１５
が配置されるとともに、トランクフロア１３に近
接するリヤフロア１２の立ち上がり壁部にボルト
１９，１９で固定したヒンジブラケツト１６に、
ヒンジピン２０でシートバツク１７が前倒自在に
枢着されている。

そして、シートバツク１７を、起立位置（第２
図参照）から前倒位置（第１図参照）に前倒させ
たとき、シートバツク１７の背面１７ａがトラン
クフロア１３とほぼ高さが揃つて、リヤフロア１
２とトランクフロア１３の上方に形成される荷室
１８がフラツトとなるように設定されている。

一方、リヤフロア１２上に配置されるシートク
ツシヨン１５は、車体前後方向のほぼ中間位置で
２分割されて、前部クツシヨン１５Ａと後部クツ
シヨン１５Ｂとして構成されている。

上記シートクツシヨン１５は、第２図から良く
分かるように、その使用状態においては、上記前
部クツシヨン１５Ａが高く後部クツシヨン１５Ｂ
が低く、シートクツシヨン１５全体として側面視
でくぼみを形成するように設定されている。

後部クツシヨン１５Ｂはリヤフロア１２に固定
されている。

前部クツシヨン１５Ａは、クツシヨンフレーム
２１の裏面（下面）前部から突出されたヒンジブ
ラケツト２２がリヤフロア１２に固定されたヒン
ジブラケツト２３にヒンジピン２４で枢着され
て、後部クツシヨン１５Ｂと一連となつてシート
クツシヨンを構成する前倒位置（第２図参照）と
前方に回動して略垂直状態に立上がる前立位置
（第１図参照）とに回動ができるようになつてい
る。

なお、前部クツシヨン１５Ａを前立位置で定位
させるために、リヤフロア１２にヒンジブラケツ
ト２２を当て止めるストツパー２９が固定されて
いる。

該前部クツシヨン１５Ａの裏面には、第３図及
び第４図からも明らかなように、車幅方向に伸長
するパイプ状のストツパ部材２７の両端部がピン
２８，２８で回動自在に枢着され、該ストツパ部
材２７は後方回動時は前部クツシヨン１５Ａ内に
格納され、略180度反転して前方へ回動させた時
は前部クツシヨン１５Ａ外に突出される。

そして、該ストツパ部材２７の高さは、第１
図、第３図及び第４図に示したように、シートバ
ツク１７を前倒させ、前部クツシヨン１５Ａを前
立させた状態でストツパ部材２７を前方に回動さ
せたとき、前倒位置のシートバツク１７の背面よ
りも上方に突出するように設定されている。

上記のような構成であれば、第２図のように、
シートバツク１７を起立させ、ストツパ部材２７
を前部クツシヨン１５Ａに格納し、前部クツシヨ
ン１５Ａを後倒させた状態では、トランクフロア
１３上のみが荷室１８となる。

このとき、ストツパー部材２７が前部クツシヨ
ン１５Ａで覆われて見えないので見栄えがよい。

因に、上記従来の技術ではシートバツクの背面
にガードバー（ストツパー部材）が見えることに
なる。

次に、第１図、第３図または第４図のように、
まず、前部クツシヨン１５Ａを前立させ、ついで
ストツパー部材２７を突出させ、その後にシート
バツク１７を前倒させると、シートバツク１７の
背面１７ａがトランクフロア１３とほぼ高さが揃
うので、リヤフロア１２とトランクフロア１３の
上方に広いフラツトな荷室１８が形成される。

このとき、ストツパー部材２７は前立した前部
クツシヨン１５Ａから上方に突出するので、荷室
スペースの有効長Ｌが長くなる。

因に、上記従来の技術ではシートバツクの背面
上部にガードバー（ストツパー部材）が設けられ
ているので、荷室スペースの有効長L′が短くな
る。

なお、シートクツシヨン１５を前部クツシヨン
１５Ａと後部クツシヨン１５Ｂとに２分割したこ
とにより、前部クツシヨン１５Ａを硬めに、後部
クツシヨン１５Ｂを柔らかめに設定することが容
易となり、乗心地性向上等を図ることが可能とな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るリヤシート装置の荷室拡
大時の側面図、第２図は荷室縮小時の側面図、第
３図は第１図の斜視図、第４図はシートクツシヨ
ンの前部クツシヨン前立時の斜視図、第５図は従
来のリヤシート装置の側面図である。 １０……バン型自動車、１２……リヤフロア、
１３……トランクフロア、１５……シートクツシ
ヨン、１５Ａ……前部クツシヨン、１５Ｂ……後
部クツシヨン、１７……シートバツク、１８……
荷室、２０，２４……ヒンジピン、２７……スト
ツパー部材、２８……ピン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 シートクツシヨンに対してシートバツクが前倒
   自在な自動車のリヤシート装置において、 上記シートクツシヨンは、前部と後部とに２分
   割されるとともに、その使用状態においては、上
   記前部が高く後部が低く、シートクツシヨン全体
   として側面視でくぼみを形成するように設定さ
   れ、上記シートクツシヨンの前部が車体に前方回
   動自在に枢着されるとともに、該前部を略垂直状
   態に回動規制する規制部材が設けられており、該
   前部の裏面には、車幅方向に伸長するストツパー
   部材が、略180度の反転動作を行うことにより出
   没自在に設けられ、該ストツパー部材は、シート
   クツシヨンの前部を前回動させて起立させ、シー
   トバツクを前倒させたとき、シートバツクの背面
   よりも上方に突出するように設定されていること
   を特徴とする自動車のリヤシート装置。