JPH05453B2 - - Google Patents

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JPH05453B2
JPH05453B2 JP62141069A JP14106987A JPH05453B2 JP H05453 B2 JPH05453 B2 JP H05453B2 JP 62141069 A JP62141069 A JP 62141069A JP 14106987 A JP14106987 A JP 14106987A JP H05453 B2 JPH05453 B2 JP H05453B2
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niti
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Yosha Kaieda
Minoru Ootaguchi
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KAGAKU GIJUTSUCHO KINZOKU ZAIRYO GIJUTSU KENKYU SHOCHO
KYORITSU YOGYO GENRYO KK
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KAGAKU GIJUTSUCHO KINZOKU ZAIRYO GIJUTSU KENKYU SHOCHO
KYORITSU YOGYO GENRYO KK
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は形状記憶合金の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
一般に、NiTi系形状記憶合金は、現在、かな
り実用化が進んでいるが、実用化の程度を更に進
展させるためには、もつと性能を向上させ、製造
原価を低減させる必要がある。
このNiTi系形状記憶合金の性能向上には、次
の3通りの方策がある。
(1) NiTi金属間化合物中の酸素量を低減させる。
(2) NiTi金属間化合物中のNiとTiの組成比を精
密に制御する。
(3) NiTi金属間化合物中におけるNiとTiとの偏
析を減少させる。
このような性能向上を図るために、種々の形状
記憶合金の製造方法が提案されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、現在は、NiTi系形状記憶合金
は主として消耗電極型アーク炉または黒鉛るつぼ
やカルシヤるつぼを用いた高周波電気炉によつて
Ni塊とTi塊を溶融し鋳造した後、塑性加工によ
つて最終製品を製造しているので、NiTi金属間
化合物のNiとTiの組成比が不正確になりやすく、
偏析も大きいものである。
一方、Ni粉末とTi粉末とを混合した後、焼結
してNiTi金属化合物を製造する粉末治金法が試
みられているが、NiTi金属間化合物中の酸素量
が多く、塑性加工が不可能になり、変態温度が不
正確になるなど実用に適していない。
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであ
り、既に本出願人が特願昭62−047090号において
提案している「化合物の製造方法」を基本とし
て、特性を向上させ、しかもその製造工程も容易
で、安価であるというNiTi系形状記憶合金から
なる形状記憶合金の製造方法を提供することを目
的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の形状記憶合金の製造方法は、形状記憶
熱処理に供されるNiTi金属間化合物を製造する
形状記憶合金の製造方法において、チタニウム粉
末とニツケル粉末を混合して原料混合粉末とし、
この原料混合粉末を高真空下において、原料混合
粉末の一部に外部から入熱して合成反応を開始さ
せ、その合成反応によつて生じる反応生成熱によ
つてその合成反応を原料混合粉末全体に渡つて伝
播進行させる自己伝播高温合成法により合成して
NiTi金属間化合物を製した後、高密度化処理を
行つてNiTi金属間化合物のインゴツトを製造す
ることを特徴とする。
〔作用〕
本発明によれば、チタニウム粉末とニツケル粉
末とからなる原料混合粉末の高真空中におき、そ
の原料混合粉末の一部に外部から入熱して合成反
応させると、更に、この部分で発生した反応生成
熱が次の隣接している未反応の原料混合粉末を加
熱するいわゆる自己伝播を生じ、ついには原料混
合粉末全体が高温で合成される自己伝播高温合成
が生じて、全体が所望のNiTi金属間化合物とさ
れ、これを高密度化処理してNiTi金属間化合物
からなるインゴツトを製作し、このインゴツトを
塑性加工法によつて成形加工して素材となし、こ
の素材を希望の形状に固定して、形状記憶熱処理
を行なうことにより最終的な所望のNiTi系形状
記憶合金の製品とされる。
〔実施例〕
本発明は本発明者らによる鋭意研究によつてな
されたものである。
すなわち、研究の結果、合成する時に反応生成
熱を発生するNiTi金属間化合物を、自己伝播高
温合成法を用いて合成させる際に、高真空中で、
なおかつ所定の温度の空間内に置いて、その原料
混合粉末の一部を強熱すると、合成反応が発生す
るととももにその反応生成熱が、隣接部分の原料
混合粉末を加熱して合成させ、更に、この部分の
反応生成熱が次の隣接部分を加熱させるいわゆる
自己伝播が発生し、ついには試料全体が高温で合
成される自己伝播高温合成が生じ、全体がNiTi
金属間化合物となることが究明され、更に、この
NiTi金属間化合物を高密度化処理して製せられ
たNiTi金属間化合物からなるインゴツトは相対
密度が100%となり、その後このインゴツトを塑
性加工法によつて成形加工して素材となし、この
素材を希望の形状に固定して、形状記憶処理を行
うことにより最終的な所望の製品とされたNiTi
系形状記憶合金の性能が著しく向上しているこ
と、並びに次のような効果が発生することが究明
された。
(1) 本発明は基本的には、粉末を原料とするの
で、組成の制御が容易で、偏析が少なく、従来
の溶解と塑性加工を組合わせる方法に比べて、
確実に希望する形状記憶温度を持つ材料を製造
しやすい。
(2) 高温空中で反応するので、雰囲気中の酸素に
よる汚染がなく、合成されたNiTi金属間化合
物中の酸素の含有量は原料混合粉末より少な
く、原料粉末を吟味することによつて、0.07%
以下の酸素含有量のNiTi系形状記憶合金を製
造することができる。
(3) 酸素含有量の少ないNiTi金属間化合物を高
密度化することにより、熱間圧延や線引のよう
な塑性加工を行つて、板材や線材のような最終
形状のNiTi系形状記憶合金を製造することが
できる。
本発明は、これ等の知見に基づいてなされたも
のである。
以下、本発明の製造工程を第1図および第2図
について説明する。
第1図は製造装置の一例を示し、第2図は合成
反応の伝播状態を示している。
まず、目的とする形状記憶温度になる組成に
Ni粉末とTi粉末を秤量する。次に、秤量した原
料粉末を、ボールミル、乳鉢その他の適当な混合
機で十分に混合する。そして、第1図に示すよう
に、十分に混合した原料混合粉末4を適当な金属
製または耐火性容器3に入れ、この容器3と共に
高真空容器1内の電気炉2中に挿入する。この高
真空容器1は、シーリング機構7によりシールさ
れており、また、電気炉2内はヒーター10へ通
電制御することにより正確に希望の温度に調節さ
れる。次に、この原料混合粉末4の一端にタング
ステン線や、ニクロム線のような点火用の抵抗加
熱線5を接触させる。また、電気炉2のヒーター
10、点火用の抵抗加熱線5、温度制御用熱電対
9その他に必要な電極8等は、すべて高真空容器
1の壁を気密を保持したまま貫通して外側へ通じ
ており、外部から必要な操作ができるようになつ
ている。次に、この高真空容器1内を真空排気系
6によつて排気して、5×10-3Torr以下の高真
空にする。この時、電気炉を100℃〜760℃にまで
昇温して、原料混合粉末4から脱水及び脱ガスを
行なう。すなわち、原料混合粉末4の表面に付着
している水分を離脱させたり原料混合粉末4中に
含まれている離脱しやすい酸素、塩素等の軽元素
を除去する。次いで、高真空容器1内の真空度を
真空排気系6によつて2×10-5Torr〜2×
10-6Torrの真空度となるように排気を続け、同
時に電気炉2を調整して、原料混合粉末4の環境
温度を室温〜600℃に保持する。そして、点火用
の抵抗加熱線5に数A〜数100Aの電流を流して、
接触している原料混合粉末4の一端を強熱して、
合成反応を開始させる。
この合成反応の過程を第2図により説明する
と、点火用の抵抗加熱線5によつて一端部の点火
点で強熱された原料混合粉末4は、合成反応する
ことにより符号4aに示すNiTi金属間化合物と
なると同時に、符号4bに示す反応帯で大量の反
応生成熱を発生して、符号4cに示す隣接した部
分を加熱して加熱帯とし、合成反応させる。この
自己伝播高温合成法による反応過程が原料の一端
の点火点から他端まで第2図太矢印方向に伝播し
て、符号4dに示す未反応部分をすべて符号4a
に示すNiTi金属間化合物に変換して、原料混合
粉末4の全体が合成されてNiTi金属間化合物と
される。この合成が終了したら、更に排気を続
け、NiTi金属間化合物が所定の温度まで冷却し
た時点で、リークバルブ(図示せず)を開いて、
第1図の高真空容器1内を大気圧にもどして開
き、合成されたNiTi金属間化合物を容器3と一
緒に取り出す。次いで、必要ならば次回の製造の
ために、新たな原料混合粉末4を高温真空容器1
内に装填する。
このようにして合成されたNiTi金属間化合物
をステンレス製の容器に入れて真空封じした後、
温度930℃、圧力1000Kgf/cm2の条件で熱間等方
圧加圧(HIP)によつて高密度化処理を行なつ
て、相対密度が100%のNiTi金属間化合物のイン
ゴツトを製する。
このようにしてインゴツト状に製造したNiTi
系形状記憶合金の素材を、線材、コイル、板ばね
等の希望の形状に塑性加工した後、固定したまま
形状記憶熱処理を行なつて形状を記憶させる。
次に、本発明の実施例を説明する。
実施例 1 平均粒径20μmのTi粉末と、平均粒径3μmのNi
粉末を1:1のモル比(Ni=50原子%)になる
ように配合し、これをボールミルで混合した。こ
の原料混合粉末300gを円筒状の黒鉛製容器に入
れ、第1図に示す自己伝播高温合成装置に取付け
て、温度600℃、真空度5×10-5Torrの条件下で
第1図の点火用の抵抗加熱線5の一例であるタン
グステンヒータに電圧30Vで20Aの電流を3秒間
流して点火した。点火後は第2図に示す反応帯4
bは19mm/secの速度で伝播し、原料混合粉末4
の全体の合成が終了した。合成した粉末のX線回
折を行なつてみると、NiTi金属間化合物が合成
されていることが分つた。こうして合成した試料
をステンレス製の容器に入れ真空封じして、温度
930℃、圧力1000Kgf/cm2の条件で熱間等方圧加
圧(HIP)して、相対密度100%のNiTi系形状記
憶合金のインゴツトを製造した。この後、このイ
ンゴツトを熱間圧延と線引きを行うことによつて
直径1.5mmの線材を製造した。この線材のMS(マ
ルテンサイト開始)温度を電気抵抗測定法によつ
て調べると、50.0℃であつた。形状記憶温度は、
70℃であつた。また。同一の原料混合粉末を室温
から600℃までの温度範囲で多数回自己伝播高温
合成を試みたところ、すべて成功し、X線回折に
よつて、いずれもNiTi金属間化合物が合成され
ていることが分つた。
本発明者らの更なる鋭意研究により、以下に説
明するように、本発明はその利用性がすこぶる広
大であることが分つた。
例えば、自己伝播高温合成法によりNiTi金属
間化合物を合成する場合には、真空度が5×
10-3Torr〜5×10-10Torrおよび環境温度が室温
から750℃までの広範囲で極めて良好に合成する
ことができる。
また、NiTi金属間化合物を製造する際、原料
混合粉末4を軟鋼、ステンレス鋼、純チタニウ
ム、純ニツケル、チタニウム合金、またはニツケ
ル合金(好ましくはステンレス鋼)等の約1200℃
以上の融点と塑性変形能を持つ薄肉の円筒状金属
製容器またはガラス、磁器、カーボン等で製せら
れた耐火性容器3に充填して、自己伝播高温合成
を行つてインゴツトを製造する。自己伝播高温合
成直後のインゴツトは融解凝固状態となつて、原
料混合粉末4より体積が収縮している。金属製容
器を用いてインゴツトを製造した場合にはこの収
縮部分をステンレス鋼製等の円盤状板で埋めた
後、脱気用パイプ(図示せず)が取付けてあるこ
の金属製容器と同一材料の金属製ふたをして、気
密となるように溶接(TIG溶接が好ましい)し、
100℃〜800℃の任意の温度(好ましくは450℃)
で5×10-3Torr〜5×10-10Torr(好ましくは1
×10-5Torrより良好な真空度)の真空に1時間
以上(好ましくは24時間以上)引続けた後真空封
じして、熱間等方圧加圧(HIP)する。この熱間
等方圧加圧(HIP)を行う場合には、圧力は400
〜3000Kg/cm2(好ましくは1000Kg/cm2以上)、温
度は650℃〜1200℃(好ましくは880℃〜1050℃)、
処理時間は30分間〜8時間(好ましくは1時間〜
4時間)の条件で行う。この条件で熱間等方圧加
圧(HIP)を行うことによつてNiTi系形状記憶
合金製品の相対密度を100%にできる。
熱間等方圧加圧法を用いない場合は、原料混合
粉末4を金属製容器または耐火性容器3に入れて
自己伝播高温合成法を行つてNiTi金属間化合物
のインゴツトを製造した後、このインゴツトを5
×10-2Torr〜5×10-10Torr真空中で再溶解し
て、金型に鋳造することによつて高密度化処理を
施して、欠陥のないインゴツトを製造する。
次に、熱間等方圧加圧法または真空再溶解法に
よつて製造したNiTi金属間化合物のインゴツト
を、温度800℃〜1000℃で圧延を繰返して板状に
し、最後に数パスの冷間圧延を行つて所定の寸法
をだした板状にするか、温度800℃〜1000℃でク
ロス圧延を繰返して棒状にした後、温度700℃〜
800℃で焼鈍と線引きを繰返して所定の寸法をだ
した線状の素材にする。
このようにして製造したNiTi系形状記憶合金
の素材を、線材やコイルや板等の希望の形状に成
形した後、固定したまま形状記憶熱処理を行つ
て、形状を記憶させて最終的な製品とする。
本製造法によつて製造した多くのNiTi系形状
記憶合金の中から幾つかの好適な実施例を説明す
る。
実施例 2 酵素含有量0.08重量%で平均粒径40μmのTi粉
末と、酸素含有量0.04重量%で平均粒径15μmの
Ni粉末を1:1のモル比(Ni−50原子%)で混
合した。この原料混合粉末3Kgをチタニウム合金
製の容器3に入れ、第1図に示す自己伝播高温合
成装置に取付けて、温度300℃、真空度7×
10-6Torrの条件下で、第1図の点火用の抵抗加
熱線5の一例であるタングステンヒータに電圧
35Vで23Aの電流を3秒間流して点火した。点火
後は第2図に示す反応帯4bは15mm/secの速度
で伝播し、原料混合粉末4の全体の合成が終了し
た。合成したNiTi金属間化合物を容器3ごと取
出すと、原料混合粉末4より体積が収縮している
ので、この収縮部分をステンレス鋼製の円盤状板
で埋めた後、脱気用パイプが取付けてあるこの金
属製容器と同一材料の金属製ふたをして、気密と
なるようTIG溶接し、400℃の温度で24時間引続
けた後真空封じして、温度900℃、圧力1300Kg
f/cm2の条件で熱間等方圧加圧(HIP)して、相
対密度100%のNiTi金属間化合物のインゴツトを
製造した。この後、このインゴツトの外側の容器
の部分を機械加工によつて除去して、一部を900
℃の熱間圧延と冷間圧延によつて厚さ1.0mmの板
状に成形した。残りは、900℃でクロス熱間圧延
を繰返して一辺が約6mmの角棒状とした後、線引
きを繰返して直径0.7mmの線を製造した。この線
のMS温度を電気抵抗測定法によつて調べると、
50.0℃であつた。形状記憶温度は、70℃であつ
た。また、化学分析によれば、最終的な製品中の
酸素含有量は、0.05%であつた。この線をコイル
の形に形状記憶させてバイアスばねと組合わせ
て、形状記憶素子を作つて80℃のお湯と15℃の水
に交互に浸す疲労試験を行つたところ、100万回
以上の寿命があつた。
実施例 3 酸素含有量0.05重量%で平均粒径45μmのTi粉
末と、酸素含有量0.02重量%で平均粒径20μmの
Ni粉末を44.3:55.7の重量%比(Ni=50.60原子
%)で混合した。この原料混合粉末3KgをBN製
耐火性容器に入れ、第1図に示す自己伝播高温合
成装置に取付けて、温度400℃、真空度1×
10-6Torrの条件で、第1図の点火用の抵抗加熱
線5の一例であるタングステンヒータに電圧40V
で28Aの電流を5秒間流して点火した。点火後は
第2図に示す反応帯4bは10mm/secの速度で伝
播し、原料混合粉末4の全体の合成が終了した。
合成したNiTi金属間化合物を5×10-4Torrの高
真空中で再溶解して、金型に鋳造した。この
NiTi金属間化合物のインゴツトを900℃でクロス
熱間圧延を繰返して、一辺が約6mmの角棒状とし
た後、線引きを繰返して直径0.7mmの線を製造し
た。この線のMS温度を電気抵抗測定法によつて
調べると、0℃であつた。形状記憶温度は、18℃
であつた。また、化学分析によれば、最終的な製
品中の酵素含有量は、0.03%であつた。この線を
女性用下着(ブラジヤー)の芯線として使用した
製品の洗濯回数試験を行つた結果、450回の洗濯
に十分耐えることが分かつた。またこの製品の実
装着試験を行つた結果、体温によつて形状記憶温
度より約10℃高めで使用するので、超弾性状態で
使用することになり、型崩れせず、装着感も良好
であつた。
実施例 4 酸素含有量0.05重量%で平均粒径45μmのTi粉
末と、酵素含有量0.02重量%で平均粒径20μmの
Ni粉末を44:56〜46:54の重量%比(Ni=49〜
51原子%)に10種類混合した。この原料混合粉末
4を3Kgずつステンレス鋼製の容器と黒鉛製耐火
容器に入れ、第1図に示す自己伝播高温合成装置
に取付けて、温度300℃、真空度1×10-5Torrの
条件下で、第1図の点火用の抵抗加熱線5の一例
であるタングステンヒータに電圧40Vで28Aの電
流を5秒間流して点火した。点火後は第2図に示
す反応帯4bは10mm/secの速度で伝播し、原料
混合粉末4の全体の合成が終了した。合成した
NiTi金属間化合物を実施例2および3に示した
条件で、それぞれ熱間等方圧加圧(HIP)と再溶
解をしてNiTi金属間化合物のインゴツトとした
後、塑性加工法によつて直径0.95mmの線を製造
し、電気抵抗測定法によつてMS温度と形状記憶
温度を測定した。この結果を第3図に示す。第3
図中、実線はMS温度を破線は形状記憶温度を示
す。また、丸印は各測定点を示すが、熱間等方圧
加圧法と再溶解法によるものの間には、有為差は
なかつた。ここに示した結果は、従来の溶解法に
よつて製造したものとほとんど同一の結果であつ
た。
以上の実施例をまとめると、以下に示す各方法
によつてNiTi金属間化合物を得ることができる。
(1) NiTi金属間化合物を製造する際、真空度を
5×10-3Torr〜5×10-10Torr(好ましくは5
×10-5Torrより良好な真空度)に、温度は室
温〜750℃の真空高温状態に保持して、自己伝
播高温合成法により合成し製造することを特徴
とする形状記憶合金の製造方法。
(2) NiTi金属間化合物を製造する際、原料混合
粉末表面に付着している水分および揮発性不純
物を除去するため、自己伝播高温合成法を行う
前に、真空度を5×10-3Torr〜5×10-10Torr
(好ましくは5×10-5Torrより良好な真空度)
に、温度は100℃〜760℃の真空高温状態に3〜
100時間(好ましくは24時間以上)保持した後、
自己伝播高温合成法により合成し製造すること
を特徴とする形状記憶合金の製造方法。
(3) NiTi金属間化合物を製造する際、原料であ
るチタニウム粉末とニツケル粉末を重量比で
44:56〜46:54の任意の割合いに混合し、−60
℃〜100℃の範囲の内の希望する任意の形状記
憶温度を発現させることを特徴とする形状記憶
合金の製造方法。
(4) NiTi金属間化合物を製造する際、それぞれ
0.3%以下(好ましくは0.1%以下)の酵素含有
量のチタニウム粉末とニツケル粉末を原料とし
て用いることを特徴とする形状記憶合金の製造
方法。
(5) NiTi金属間化合物を製造する際、自己伝播
高温合成法により製造した形状記憶合金インゴ
ツト中の酸素含有量が原料混合粉末中の酵素含
有量より少ない(好ましくは0.07%以下)こと
を特徴とする形状記憶合金の製造方法。
(6) NiTi金属間化合物を製造する際、自己伝播
高温合成法により製造した形状記憶合金インゴ
ツトが反応生成熱によつて融解凝固状態となる
ことを特徴とする形状記憶合金の製造方法。
(7) NiTi金属間化合物を製造する際、原料混合
粉末を軟鋼、ステンレス鋼、純チタニウム、純
ニツケル、チタニウム合金、またはニツケル合
金(好ましくはステンレス鋼)等の約1200℃以
上の融点と塑性変形能を持つ薄肉の円筒状金属
製容器に充填して、自己伝播高温合成を行つて
インゴツトを製造した後、金属製容器と同一材
料の金属製ふたを溶接し、このインゴツトを真
空封じした後、熱間等方圧加圧(HIP)を行な
うか、あるいは耐火性容器中で自己伝播高温合
成を行なつてインゴツトを製造した後、前述の
金属製造容器に入れて真空封じした後、熱間等
方圧加圧(HIP)を行なつて形状記憶合金イン
ゴツトの相対密度を100%にせしめ、熱間およ
び冷間塑性加工によつて板状および線状の製品
とすることを特徴とする形状記憶合金の製造方
法。
(8) 前項記載の真空封じを行なう場合は、自己伝
播高温合成直後のインゴツトは融解凝固状態と
なつて、原料混合粉末より体積が収縮している
ので、この収縮部分をステンレス鋼製等の円盤
状板で埋めた後、脱気用パイプが取付けてある
ふたをして、気密となるよう溶接(TIG溶接が
好ましい)し、100℃〜800℃の任意の温度(好
ましくは450℃)で5×10-4Torr〜5×
10-10Torr(好ましくは1×10-6Torrより良好
な真空度)の真空に1時間以上(好ましくは24
時間以上)引続けた後真空封じして、熱間等方
圧加圧(HIP)することを特徴とする形状記憶
合金の製造方法。
(9) 前記第7項記載の熱間等方圧加圧(HIP)を
行う場合は、圧力は400〜3000Kg/cm2(好まし
くは1000Kg/cm2以上)、温度は650℃〜1200℃
(好ましくは880℃〜1050℃)、処理時間は30分
〜8時間(好ましくは1時間〜4時間)の条件
とすることを特徴とする形状記憶合金の製造方
法。
(10) 前記第7項記載の熱間等方圧加圧(HIP)を
行わない場合は、原料混合粉末を金属製容器ま
たは耐火性容器に充填して、自己伝播高温合成
を行つてインゴツトを製造した後、このインゴ
ツトを5×10-2Torrより良好な真空度での真
空再溶解をして金型に鋳造し、製品の相対密度
を100%にせしめ、熱間および冷間塑性加工に
よつて板状および線状の製品とすることを特徴
とする形状記憶合金の製造方法。
(11) 塑性加工によつて素材を製造する場合は、温
度800℃〜1000℃で圧延を繰返して板状にし、
最後に数パスの冷間圧延を行つて所定の寸法を
だした板状にするか、温度800℃〜1000℃でク
ロス圧延を繰返して棒状にした後、温度700℃
〜800℃の焼鈍と線引きを繰返して所定の寸法
をだした線状の素材にすることを特徴とする形
状記憶合金の製造方法。
〔発明の効果〕
このように本発明の形状記憶合金の製造方法は
構成され作用するものであるから、含有酸素量が
少なく、NiとTiの組成比が正確であり、目的と
する形状記憶温度を正確なものとすることができ
る。また、製造も従来に比べて容易なものとな
り、コストも低廉となる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は自己伝播高温合成装置の概略図、第2
図は原料混合粉末における合成反応の熱伝播状態
を示す説明図、第3図はNiTi系形状記憶合金の
成分比(横軸にNiの原子%で示す)に対するMS
温度と形状記憶温度の測定結果を示す説明図であ
る。 1……高真空容器、2……電気炉、3……金属
製または耐火性容器、4……原料混合粉末、4a
…NiTi金属間化合物、4b……反応帯、4c…
…加熱帯、4d……未反応部分、5……点火用の
抵抗加熱線、6……真空排気系、7……シーリン
グ機構、8……電極、9……温度制御用熱電対、
10……ヒーター。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 形状記憶熱処理に供されるNiTi金属間化合
    物を製造する形状記憶合金の製造方法において、
    チタニウム粉末とニツケル粉末を混合して原料混
    合粉末とし、この原料混合粉末を高真空下におい
    て、原料混合粉末の一部に外部から入熱して合成
    反応を開始させ、その合成反応によつて生じる反
    応生成熱によつてその合成反応を原料混合粉末全
    体に渡つて伝播進行させる自己伝播高温合成法に
    より合成してNiTi金属間化合物を製した後、高
    密度化処理を行つてNiTi金属間化合物のインゴ
    ツトを製造することを特徴とする形状記憶合金の
    製造方法。
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